激戦区のスーパーウェルター級でWBA、IBFの二本のベルトを保持したジェイソン・ロサリオ。その余りあるパワーで敵地のど真ん中にてジュリアン・ウィリアムスを破壊し、世界を驚かせましたな。
ジェイソン・ロサリオは現在強豪ひしめくスーパーウェルター級で唯一2本のベルトを保持しており、大きなアップセットを起こしたハードパンチャー。プレッシャーをかけて左右フックを振り回すパワーファイトをしてきますね。
これまでのキャリアでアフリカのパワーパンチャーのナタリエル・ガリモアにノックアウトされたものの他の全ての試合で無敗。敵地フィラデルフィアにてジュリアン・ウィリアムスをノックアウトして世界タイトルを手にしました!
一気にトップとなったことでロサリオはWBCチャンピオンのジェーメル。チャーロに敗退。しかしこの階級にはまだまだ多くのトップがおり、試合が期待されます。ウィリアムスに敗れたジャレット・ハード、元WBCチャンピオンのトニー・ハリソン、WBAレギュラーチャンピオンのエリスランディ・ララなどがターゲットになりますね!
間違いなく今後も世界の中心の中量級でビッグマッチに関わり続けるであろうジェイソン・ロサリオの試合をより楽しむためにこれまでの来歴もまとめてみました!!
ロサリオの戦歴
ロサリオのプロフィール
ジェイソン・ロサリオは1995年生まれ。ドミニカ共和国のサント・ドミンゴ生まれですが今はアメリカのフロリダ州マイアミにトレーニングの拠点を移しておりますな。
ロサリオはアマチュア時代特に目立った戦績は残していません。大きな国際大会に出た経験などもないようですね。
身長は180センチでリーチは178センチとこの階級のビッグマンといえるジャレット・ハードやジャーメル・チャーロとも引けを取らないデカさを持ちます。さらにゴリゴリ出てくるスタイルのため怖さがありますね!
スーパーウェルター級とは思えまてん…ジャレット・ハードvs.ジェイソン・ウェルボーン
これまでの実績
ロサリオは2013年5月に18歳の時に地元のドミニカ共和国でプロデビュー。4回戦を行って初回ノックアウト勝ちを収めています。
2戦目はプロデビュー戦の相手に2ラウンドノックアウト勝ち。3戦目で6回戦でノックアウト勝ちして5戦目と6戦目では反則勝ちをしていますね。
2014年には無敗のままドミニカ共和国のタイトルを争って初めての10回戦となったものの2ラウンドノックアウト勝ち。この時はウェルター級でしたね。
その2戦後にはスーパーウェルター級にウェイトを上げてカネロ・アルバレスやヘスス・ソト・カラスとの対戦経験のあるユーリ・ゴンサレスと対戦して3ラウンドノックアウト勝ち。WBAフェデカリブタイトルを獲得します。
さらに無敗だったラファエル・ロレンソを下して無敗だったカルロス・クルスもノックアウト。無敗のままアメリカデビューを迎えます。
相手はジャマイカのハードパンチャーでアメリカのシカゴを主戦場にしているナタリエル・ガリモア。なかなかの強打者で僅差判定負けを喫している経験があるものの危険な試合と目されましたね。
そしてこの試合はラスベガスでメイウェザープロモーションのカードのセミファイナルで行われますが、ガリモアのパワーの前にロサリオが6ラウンドに3度のダウンを奪われてノックアウト負け。キャリア初黒星となってしまいます。
ロサリオはウィリアムスとの試合の時にこの試合で多くのことを学んだと話しており、価値のある敗戦だったとしていますね。
再起と世界タイトルマッチまで
ロサリオはガリモアに負けた後ドミニカに戻って6回戦を行い、負け越しの相手にノックアウト勝ち。その後も8回戦をノックアウトでクリアして自信を取り戻します。
そして再起3戦目ではアメリカでマーク・エルナンデスと対戦。エルナンデスはアマチュアでエリートとして活躍していたケビン。ニューマンをスーパーミドル級のウェイトで下しているロングマンですね。
そして試合はテキサス州のエルパソで行われてエルナンデスのやりにくさにしてやられて三社sん用のドローに終わります。
そして次戦では10回戦となり、かつてガリモアにノックアウト負けしている元USBAチャンピオンのジャスティン・デローチと対戦。6ラウンドと10ラウンドにダウンさせて判定勝ちを収めるとキャリアハイの勝利を得ます。
そして次戦ではサウスポーの曲者でアマチュアとしてもトップを走っていたジャモンティ・クラークと対戦。無敗の相手に3ラウンドにダウンを奪って判定勝ちしてまたまた存在感を発揮します。
そして2019年にはかつて引き分けたエルナンデスとリマッチ。ミネアポリスで対戦して9ラウンドにダウンを奪ってストップ!決着をつけてきます。
さらに次戦ではコンテンダーのホルヘ・コタと対戦。コタはメキシコのハードパンチャーで元WBCミドル級暫定チャンピオンのマルコ・アントニオ・ルビオと対戦しているベテラン。エリクソン・ルビンにもノックアウト負けしているものの強打のある相手として門番的な立ち位置にいます。
そして試合はなかなかの激戦のペース争いとなります。お互いのハードなパンチが当たりながらも譲らない激戦となり、ジャッジの判定は割れたものの2-1でロサリオ!ロサリオは世界タイトルへの扉を開きます!!
ウィリアムス戦と大番狂わせでの戴冠
ロサリオは2020年の1月に初めての世界タイトルマッチを迎えることになります。相手はWBA.IBF統一チャンピオンであるジュリアン・ウィリアムス。試合もウィリアムスの地元のフィラデルフィアでの開催となります。
ウィリアムスはスーパーウェルター級ではそこまで大柄ではないものの切れ味な鋭いパンチを武器とする強豪。IBFチャンピオンだったジャーモル・チャーロにはノックアウトされたものの苦戦させております。
さらにその後元IBFチャンピオンのイシェー・スミス、ロサリオをノックアウトしたナタリエル・ガリモア、更に前回の試合でスーパーウェルター級最強とされていたジャレット・ハードを敵地となるバージニア州でダウンさせて判定勝ち。ハードがリマッチの前にカムバック戦を挟んだのでロサリオとの試合が決まったいわゆるロサリオは咬ませ犬でしたな。
しかしこの試合はロサリオが世界を驚かせる試合となります。開始からガンガン出てくるロサリオの前にウィリアムスは押され気味。ウィリアムスのパンチが当たってもけろっとして前に来るロサリオは左右フックを合わせて右ストレートで4ラウンドにウィリアムスはふらつきます!
さらに迎えた5ラウンドにウィリアムスの入り際に右アッパーをカウンター!ウィリアムスはロープに吹き飛んで連打するとストップ!ロサリオが大番狂わせで世界タイトルを獲得しました!
ロサリオさんウィリアムスにまさかの圧勝…ジュリアン・ウィリアムスvs.ジェイソン・ロサリオ
そしてロサリオはウィリアムスがダイレクトリマッチを避けたことにより、WBCチャンピオンのジャーメル・チャーロとの試合が決まります。チャーロは双子チャンピオンでツータイムチャンピオンですな。
キャリアの中では元WBAチャンピオンのジャオシーン・アルシーヌや3度世界タイトルマッチをしているバネス・マーティロスヤン、ハードパンチャーのジョン・ジャクソン、元WBAチャンピオンのオースティン・トラウト、無敗だったエリクソン・ルビンを下しています。
トニー・ハリソンの前に判定負けして一度は陥落したもののリマッチではノックアウト勝ち。切れ味のあるカウンターを得意としており、ノックアウト率以上にパワーがありますな。
そして試合は開始からチャーロがテンプルへの左フックでダウンさせるなど優勢。ロサリオも思いボディを軸に反撃してきたものの6ラウンドにチャーロがカウンターのフックでダウンさせると最後は8ラウンドにジャブをボディについてノックアウト!!三冠王となり、スーパーウェルター級最強チャンピオンの座につきましたな。
ロサリオは残念ながら陥落。しかし内容は決して悪くなく、まだ若いのでこれからも世界タイトルマッチを目指してほしいな。
ジャブでボディKOかよ…ジャーメル・チャーロvs.ジェイソン・ロサリオ
そして次戦ではトップコンテンダーのエリクソン・ルビンとのサバイバルマッチをアナウンス。世界タイトルマッチをかけた試合になります。
WBCスーパーウェルター級王者のジャーメル・チャーロに挑んだルビンはその試合では無敗のまま挑んだもののまさかの初回ノックアウト負け。しかしそこからケビン・カニンガムとトレーニングしてより強くなっております。
サウスポーのハードパンチャーとして知られるルビンはハンマーと形容されるハードパンチの持ち主。振り下ろしのパンチとロープに追い詰めて放つ左右フックがとても硬質で相手に一撃でダメージを与えられますな。
キャリアの中ではコンテンダーでハードパンチャーのホルヘ・コタをノックアウト。元IBFチャンピオンのイシェー・スミスもノックアウトして引退させており、ヨーロッパチャンピオンのザカリア・アトゥー、ナタリエル・ガリモア、オリンピアンのテレル・ガウシャを下してWBC指名挑戦者となっております。
負けてしまった試合はチャーロとの試合のみでリベンジに燃えております。ルビンのハードパンチなら当たれば終わるのですが、この人はガウシャとの試合でも見せたように打たれ弱い点があります。この辺りはかつてのテリー・ノリスと似た点があるように思えますね。
そしてこの試合はロサリオが前に出てきてルビンがサイドに回ってくる展開に!ルビンは3ラウンドにフックでふらつかせてロサリオも4ラウンドにコンビネーションを決めるなどして激戦となりましたがルビンが6ラウンドに左右ボディでダウンさせると左ストレートを決めてロサリオはまたもダウン!ノックアウトとなりました!
今後期待される試合
ロサリオに期待される試合はスーパーウェルター級王座をかけた試合です。WBC王座はジャーメル・チャーロ、WBO王座はパトリック・テイシェイラ、WBAレギュラー王者にはエリスランディ・ララがおり、エリクソン・ルビンや元WBA.IBFチャンピオンのジャレット・ハード、同じくジュリアン・ウィリアムス、元WBAチャンピオンで無敗のブライアン・カスターノが挑戦を待っています。
まずロサリオに求められる試合はウィリアムスとのリマッチです。この試合が行われる確度はかなり高くこの試合をクリアすればロサリオは実力を示すとともに前の試合がフロックではなかったことを証明することになります。
体格的に大きなロサリオは将来的にミドル級に行くことも考えられますがその前にウィリアムス、ウィリアムスに敗れたジャレット・ハードなどの元チャンピオンとの試合がまずは行われると思います。この後でテイシェイラ、ララ、チャーロとの試合が期待されますね!
ロサリオの場合はどこでも試合を決められるパワーがあるので誰と当たってもワクワクします。まずはウィリアムス、その後でチャーロやハリソンとのテクニシャンとの試合などもとても興味深い試合となりそうですね!
ロサリオのファイトスタイル
ロサリオのスタイルはその強靭なフィジカルを生かしたゴリゴリ前進するブルドーザースタイル。長いリーチからジャブをついて射程圏内に入ると左右フックを振り回してくるとてもパワフルなスタイルですね。
この人は回転力的にはそこまでないものの一撃が鈍器のような重さを持ちます。さらにそこから間合いを詰めるとコンビネーションを打ち込んでくるところとパンチを当てられても効いたそぶりを見せないところが一番怖いところですな。
基本的に至近距離での打ち合いは得意ではないですがウィリアムスの入り際に合わせたアッパーはとても強いです。さらに効かせた時の詰めの鋭さでガンガンくるので相手が逃げきれなくなりますね。ロープに詰めた時の怖さはものすごいものです。
敵地を気にしにないメンタルの強さはありますが基本的に身体能力は高くないです。ヒットアンドアウェイをされるとついていけないのと少しまともにパンチを受けるところがあるのでこの辺りは弱点と言えるかな
落ち着いて落ち着いてステイアウェイ…ジェイソン・ロサリオvs.ジュリアン・ウィリアムス2予想
まとめとロサリオの今後
いかがでしたでしょうか?激戦区のスーパーウェルター級で統一王者として君臨し、ウィリアムスを下したことでその強さを示したジェイソン・ロサリオ。これからもチャンピオンクラスとして長きにわたる活躍が期待されます!
その大柄で何度打たれても前に出てくる体全体のパワー、さらに思いっきり振り抜く左右フックと敵地を苦にしないメンタルの強さはまさに脅威。エリスランディ・ララなどのファイターとも噛み合いそうですね。
ロサリオの試合は常に前に出て打たれても打ち返すため大激闘となることがとても多いです。彼の耐久力はかなりあり、ウィリアムスのパンチをまともに受けても意に介さないところはそのデカさがそのままディフェンスにも使えるところを示してますね。
この人の場合はテクニックはあまりなく、真正面からの打ち合いに強いです。接近戦は得意ではないので穴は多い方ですが決定力が高いのでこれから多くのファイターとトップとして試合が期待されますね!
ちなみにそんなロサリオの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか?