現代を代表するボクサーの1人でかつてはパウンド・フォー・パウンドの1人として脚光を浴びていたキューバのギレルモ・リゴンドー。そのスキルの高さから誰もが対戦を避けるサウスポーのテクニシャンです。
そんな彼はスーパーバンタム級王者としてWBA.WBO王座を統一。WBAのバンタム級王者として君臨しておりワシル・ロマチェンコの持つWBOスーパーフェザー級タイトルに挑んだことでタイトルは剥奪されましたが強さに変わりはなくWBCスーパーバンタム級の指名挑戦者としての権利を保持しています。
リゴンドーのここまでプロキャリアはわずかに20戦ながらもすでに12度の世界戦と2団体王座統一を制覇。プロデビューしてから7戦目で世界タイトルを獲得するなどその才能は他と一線を画しております。
ここまでのキャリアで元WBA暫定王者でパナマの強打者のリカルド・コルドバ、無敗の王者であったリコ・ラモス、後に5階級制覇王者となるノニト・ドネア、元IBFバンタム級王者のジョセフ・アグベコ、日本の天笠尚、元WBAスーパーフライ級暫定王者のドリアン・フランシスコ、元WBC世界スーパーバンタム級王者のフリオ・セハを下しております。
敗れた試合はあまりにもビッグマッチが決まらないことに業を煮やしたリゴンドーがヤケクソで2階級上げてスーパーフェザー級王者のワシル・ロマチェンコに挑んで圧倒的な体格差から6ラウンド棄権TKO負けを喫したもののみ。あまりにも強いことと試合がつまらないことから多くの対戦相手から避けられている男です。
圧倒的なスピードと目にも留まらぬカウンターで相手を撃ち抜くリゴンドーは基本的に待ちのボクシングをするため試合はアクションに乏しいです。対戦相手がだんだん手が出せなくなるので仕方ないですが彼のカウンタースキルとポジショニング、動きのキレは凄まじいですね!
来日経験もあるリゴンドーには多くの日本のファンも注目しています。ということで、リゴンドーの試合をより楽しむためにリゴンドーの来歴をまとめてみました!!
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Contents
ギレルモ・リゴンドーの戦歴
リゴンドーのプロフィール
ギレルモ・リゴンドーは1980年生まれの38歳。キューバのサンティアゴ州出身のキューバ人ですね。
リゴンドーのお父様はキューバの闘士であるそうでファイターの血筋なのですな。さらに奥様とお子様はまだキューバのバハマにお住まいとのことでございます。
リゴンドーはアマチュアとして多くの実績を残しており2000年のシドニーオリンピックで金メダルを獲得。2001年の世界選手権でも金メダルを獲得しており2003年には後に3階級制覇王者となるアブネル・マレス、後にIBF世界スーパーフェザー級王者となるアルへニス・メンデスを下して金メダルを獲得しています。
さらにギリシャのアテネオリンピックでも金メダルを獲得。2005年の世界選手権でも金メダルと3回目のオリンピック出場も確実視されていました。
しかしリゴンドーは大会で訪れていたブラジルで後にWBA世界スーパーウェルター級王者となるエリスランディ・ララと共に亡命未遂。これにより2008年の北京オリンピックには出場することはできませんでした。
さらにこの頃のリゴンドーは常に政府の監視下に置かれることになり生活は貧窮。このことから2009年に後にWBA、IBF世界クルーザー級王者となるユニエル・ドルティコスと共にマネージャーのハイドが手配した亡命業者の高速ボートでメキシコのカンクンにたどり着き、そこから国境を越えアメリカのマイアミに入国してに亡命し、アリーナ・ボックス・プロモーションと契約した経緯があります。
なのでこのことから実の父親からは勘当されてしまっており奥様と子供は24時間体制でキューバの政府の監視下に置かれているとのことですね。アマチュアの戦績は400試合以上して12回しか負けたことが無いそうです。
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これまでの実績
リゴンドーは2009年に28歳にしてアメリカのフロリダ州マイアミにてプロデビュー。2試合4回戦をこなしてKO勝ちを収めた後にいきなり地域タイトル戦を行っています。
プロキャリア60戦以上のベテランのジョバンニ・アンドラーデと対戦して3ラウンドKO勝ちを収めたリゴンドーはこの試合でNABAスーパーバンタム級タイトルを獲得。世界ランキング入りを早くも果たします。
さらにニューヨークでの試合も経験してメキシコのティファナでの試合も経験したリゴンドーは最長ラウンドが8ラウンドのまま世界初挑戦を迎えることになります。
スーパーバンタム級王者~ドネアとの対戦まで
リゴンドーはプロキャリア7戦目でパナマの強打者であるリカルド・コルドバと対戦。この試合にはWBA世界スーパーバンタム級暫定王座が懸けられることになります。コルドバはかつて元オリンピアンで技巧派でWBAバンタム級王者だったウラジミール・シドレンコと2度対戦してどちらもアウェイのドイツにて引き分け。その後スーパーバンタム級暫定タイトルを獲得してバーナード・ダンに敗れておりましたな。
そしてこの試合は開始からリゴンドーが持ち前のすばしっこさで足があまり速くないコルドバを翻弄し4ラウンドにダウンを奪います。しかし6ラウンドにカウンターでしりもちをつくとリゴンドーはここから鬼の安全運転・・・大きなブーイングなる中で涼しい顔でアウトボクシングして2-1の判定勝ち。世界タイトルの獲得に成功します。
そして迎えた初防戦は敵地アイルランドでのウィリー・ケイシーとの防衛戦。ケイシーは人気者でここまで無敗。EBUのヨーロピアンタイトルを保持しており意気揚々と勢いに乗って挑戦してきましたね。
しかしこの試合はリゴンドーがあまりにも強かった。開始から前に出てくるケイシーに涼しい顔でカウンターを当てるリゴンドーは初回に立て続けにダウンを奪いケイシーはなすすべなく初回に3度ダウン。。。WBAルールによるKO勝ちとなりリゴンドーのこの速攻劇はアイルランドで津波に例えられています。
しか―し試合がつまらなく、エキサイティングさやキャラクター的にも弱いリゴンドーはここから1年間誰も試合をしてくれずに時が流れます。そして決まった試合はWBAレギュラー王者であるリコ・ラモスとの王座統一戦。ラスベガスのパームスで行われます。
ラモスはここまで無敗のプエルトリコ系のボクサーでアメリカでWBA王者だった下田昭文の指名挑戦者として挑戦。下田の野性的な動きについていけずにポイントをリードされますが7ラウンドに動きが緩慢になった下田にカウンターの左フックをドンピシャで当てると下田は立ち上がれずラモスが王座獲得。これが初防衛戦となりましたな。
そしてこの試合はラモスにとってかわいそうなくらいの試合になります。初回からリゴンドーの早いステップインについていけないラモスは左ストレートでダウン。。。その後もボディブローを効かされて6ラウンドに強烈な左ボディをもらって10カウント。つまらない試合になりましたがリゴンドーが圧勝で正規王者となりました。
この試合の後リゴンドーは割とすぐに試合が決まります。4か月後に迎えた試合はコンテンダーのテオン・ケネディー。NABFタイトルを獲得したことがある選手でここまで一度しか負けたことのない相手です。
ラスベガスのMGMグランドで行われたこの試合はリゴンドーがケネディーを初回から圧倒。。。初回からカウンターの右フックと鋭い左を軸にダウンを奪うと5ラウンドにフィニッシュするまで実に5度のダウンを奪い。ケネディーもよく立ち上がりましたがストップ。美しい試合ぶりを見せましたがやはりエキサイティングではなかったかな。。。
さらにアクティブに試合をこなすリゴンドーは3か月後にラスベガスのトーマス・マック・センターにてロバート・マロキンと対戦。マロキンは元トップアマですがプロの水にはあまりなじめておらず初黒星を喫した後にはあまり注目されなくなってましたよね。
この試合はリゴンドーの弱点である打たれ弱さがさらされる試合になります。リゴンドーはいつものカウンター作戦で悠々アウトボクシングしてましたが左フックのカウンターを浴びて2度ほどふらふらに。。。完全無欠のリゴンドーにも弱点がありましたな。。。
ドネア戦と決まらない試合
リゴンドーはマロキンを下した後にその前からずっと試合の実現を求めてきていて自分から逃げているとまくし立てていたノニト・ドネアとの対戦を実現させます。リゴンドーがあまりにもドネアを挑発するのでドネアがこれに乗った形になりますね。
ドネアはフィリピンの天才的なカウンターパンチャーでフィリピーノ・フラッシュの異名を取る左フックのカウンターを得意とするノックアウトアーティスト。キャリアの中でIBFフライ級、WBA暫定スーパーフライ級、WBC,WBOバンタム級、WBO.IBFスーパーバンタム級タイトルを獲得しており4階級制覇に加えて4団体のベルトを獲得しています。この時点ではWBO王座を保持していたので王座統一戦になりましたね。
ドネアはキャリアの中で2階級制覇を達成するビック・ダルチニャン、後にIBFフライ級タイトルを二度獲得するモルティ・ムザラネ、強打者のラファエル・コンセプシオン、後にWBAフライ級王者となるエルナン・マルケス、3階級制覇王者のフェルナンド・モンティエル、2階級制覇王者で10度以上の防衛に成功しているオマール・ナルバエス、元WBAバンタム級王者のウラジミール・シドレンコ、元WBOスーパーバンタム級王者のウィルフレド・バスケス・ジュニア、IBF王者のジェフリー・マセブラ、WBC名誉王者の西岡利晃、元5階級制覇王者のホルヘ・アルセを下してきています。
そしてニューヨークで行われたこのビッグマッチは大きな注目を集めます。しかし試合はリゴンドーがいつものカウンター作戦でドネアがだんだん踏み込めなくなる悪循環。。。ドネアの顔を何回もはじいて10ラウンドにドネアがスリップ気味のダウンを奪うもののリゴンドーが左ストレートを当ててドネアの目にダメージを与えるとドネアは12ラウンドは目をかばって逃げる展開となりリゴンドーが王座統一。ドネアに黒星を付けました。
かくしてスーパーバンタム級最強を証明したリゴンドーでしたがこの頃から試合を放送していたHBOがリゴンドーの試合はつまらないから放送しないとプロモーターのボブ・アラムに提示。アラムもこの頃から公然にリゴンドーのファイトスタイルを批判するようになりリゴンドーへの風あたりが強くなります。
そしてリゴンドーはこのことにイライラ・・・アラムやHBOが自分のことを悪く言うことを批判し返しておりましたがライバルのドネアは自分もKO勝ちを狙うようになってから試合を放送してもらえるようになったこと、ボクシングはエンターテイメントであることを主張。リゴンドーのファイトスタイルは強いのに批判されちゃいます。そんなこんなでHBOのチャンピオンたちの晩餐会にも招待されず。世界王者になる前の選手も招待されてるのに。。。
そしてリゴンドーはドネア戦の8か月後にニュージャージー州のアトランティックシティにて試合。相手は元IBFバンタム級王者のジョセフ・アグベコでリゴンドーと誰も対戦しない中唯一手を上げてきた男でしたな。
アグベコはかつてバンタム級で開催されたスーパー4のトーナメントに参戦。ガーナのスマートなジャバーで右ストレートは強烈な威力を誇りビック・ダルチニャンの3階級制覇を阻止、ヨニー・ペレスに敗れたものの借りを返してアブネル・マレスと決勝で対戦。度重なるマレスのローブローでダウンを奪われての判定負けで大いに議論を呼んだもののリマッチでも判定負けしていましたな。
そしてこの試合はスーパーつまらないリゴンドーのショーになります。この試合はメインイベントとして中継されたもののHBOのイベントでは史上最低の視聴率。。。試合もアウトサイドから出ずにアグベコを遠い間合いから削り続けるリゴンドーがシャットアウトの判定勝ちとめちゃくちゃつまらない試合。大きなブーイングが鳴る試合になります。
そんなリゴンドーはその半年後にマカオで防衛戦。中国の英雄でオリンピックを2度金メダルを獲得したゾウ・シミンの前座でソッド・ゴーキャットジムと対戦して初回KO勝ち。あっさりと勝利してますがこれ偶然のバッティングじゃね?との声も上がってますね。
そしてこの試合を以てリゴンドーはトップランクとの契約を満了。リゴンドーは他のプロモーターを探すことになりWBOの指名挑戦者のクリス・アバロスはリゴンドーとの試合を拒否。リゴンドーは日本での試合を選択します。
相手はOPBFフェザー級王者で長身の強打者である天笠尚。元WBAスーパーバンタム級王者でアウトボクサーとしてプーンサワット・ゴーキャットジムを下した李冽理を下した実績のある打ち下ろしの右が強い選手ですね。
そしてこの試合はリゴンドーが初来日を果たしての試合。初回から圧倒的なスキルの差を見せて天笠が話していた通り99%勝てないと話していたほどの実力差を示します。しかし7ラウンドに天笠がリゴンドーの離れ際にカウンターを合わせてリゴンドーはダウン!追撃でもダウンしてまさかの展開が訪れる予感もしましたがリゴンドーは落ち着いて9ラウンドにダウンさせると頬が腫れた天笠は11ラウンド終了後に棄権!リゴンドーは試合後に天笠のことをたたえており恐らくこの試合がリゴンドーの防衛戦で最もタフな試合だったと思います。
リゴンドーはこの試合の後1年ほど試合が決まりませんでした。その間でWBOからは王座はく奪。WBAレギュラー王者のスコット・クイッグからも対戦を断られてしまい、元WBA世界スーパーフライ級王者のドリアン・フランシスコと対戦しますがシャットアウトの判定勝ち。スキルの高さを見せましたが試合がつまらなさ過ぎてあいつもうアメリカで試合しないんじゃね?とまで言われてしまいます。。。
そしてラッパーのJ-Zが主催するロック・ネイションとプロモート契約を交わしたリゴンドーはリバプールのコンテンダーで英国王者のデリック・ジェームスと対戦。イギリスのカーディフに乗り込んでの試合となりましたがリゴンドーが2ラウンドにあごを骨折させて棄権TKO勝ち。錆付きのなさを示します。
そしてリゴンドーはこの試合の後またまた試合が決まらなくなりカール・フランプトンからも試合を断られた末に1年後にラスベガスにて暫定王者のモイセス・フローレスと対戦します。フローレスはオスカー・エスカンドンを破っており元オリンピアンのナミビア人で元WBOバンタム級王者のパウルス・アンブンダを破ってきた強打で長身の選手です。
そしてアンドレ・ウォードとセルゲイ・コバレフのリマッチの前座で行われたこの試合はリゴンドーが左ショート一発でKO勝ち。しかし初回終了後に放たれたパンチだったので試合後にノーコンテストに変更・・・どこまでも付いていない男を演出します。
天笠さん見上げた根性を見せる…ギレルモ・リゴンドーvs.天笠尚
ロマチェンコとの対戦とまたまたブランク・・・
あまりにも試合が決まらないリゴンドーはついにやけくそになります。フローレス戦後の半年後にリゴンドーはWBO世界スーパーフェザー級王者のワシル・ロマチェンコにニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにて挑戦。一気に2階級あげてビッグマッチを引き当てます。
ロマチェンコは北京オリンピック、ロンドンオリンピック金メダリストでリゴンドーと同じくツータイム金メダリストの世界チャンピオン。2階級制覇王者でありプロ3戦目で世界王座を獲得。プロ2戦目から全て世界タイトルマッチを行ってきたウクライナのレジェンドです。
キャリアの中では後にWBCフェザー級王者となるゲーリー・ラッセル・ジュニア、スリータイム王者のWBO世界スーパーフェザー級王者のローマン・マルティネス、元WBAフェザー級王者のニコラス・ウォータース、元WBAスーパーフェザー級王者のジェイソン・ソーサ、コンテンダーのミゲール・マリアガを下してきたサウスポーの完全無欠のファイターです。
史上初のオリンピック2連覇同士の試合として大きな注目を集めたこの試合はロマチェンコが体格の優位性を生かして序盤から圧倒!6ラウンド終了後にリゴンドーをギブアップさせてリゴンドーで4人連続棄権という相手の心を折るほどの強さを見せつけました!!
この敗北を受けてWBAはリゴンドーからWBAスーパーバンタム級王座をはく奪。リゴンドーは1年間の期間を経てロック・ネーションと契約を解消。アル・ヘイモンと契約して再起を図ることになります。
リゴンドーさんヤケクソで挑んで負けてしまう…ワシル・ロマチェンコvs.ギレルモ・リゴンドー
再起とスタイルの変化
リゴンドーはPBCと契約を交わして1年後に再起戦。ロサンゼルスでマイナーなファイターのジョバンニ・デルガドと対戦して初回KO勝ちを収めて再起戦にまずは勝利してPBCファイターとしてのデビューを飾ります。
そしてリゴンドーは次なる試合で元WBCスーパーバンタム級王者のフリオ・セハと対戦。セハはかつてバンタム級でイギリスにてジェイミー・マクドネルに決定戦で敗れたものの元WBAバンタム級暫定王者のウーゴ・ルイスに逆転KO勝ちしてWBCスーパーバンタム級王座を獲得。しかしリマッチでは初回1分足らずでKOされている強打者です。
この試合はラスベガスで行われてWBC王者のレイ・バルガスへの指名挑戦者決定戦として行われます。そしてこの試合を見た僕は目を疑いましたね。リゴンドーは足を止めてセハが得意な接近戦にあえて身を置いて打ち合いに。。。回転力で勝るセハにポイントをリードされましたがリゴンドーはより重く、的確なカウンターを返してセハは8ラウンド終了間際に左ショートのカウンターでダウン!!立ち上がったもののストップとなりリゴンドーがいつになくエキサイティングな試合を見せて指名挑戦者の権利を得ています。
そして次回の試合は2月8日にフィラデルフィアにてゲーリー・ラッセル・ジュニアとタグストグト・ニャンバヤールのWBC世界フェザー級タイトルマッチの前座で元WBAスーパーフライ級王者のリボリオ・ソリスとのWBA世界バンタム級王座決定戦が決定。
ソリスはかつて日本でIBF王者だった亀田大毅とスーパーフライ級王座統一戦を行ったものの試合前の前日軽量にギブアップしてコーラをがぶ飲みして話題をさらった人物。試合では亀田に勝利しており亀田国内追放に間接的ながら関与してますよね。
バンタム級ではWBC王者として長期政権を築いていた山中慎介と対戦。3ラウンドに痛烈な右ストレートを当てて2度ダウンを奪うなど素晴らしいパフォーマンスを見せましたが自身も2度のダウンを奪われて判定負けしてますね。
その後はモナコのモンテカルロにてWBA王者だったジェイミー・マクドネルと対戦して不可解な判定負け。リマッチでは偶然のバッティングによる負傷引き分けとなりましたな。今回の試合に勝ったらどちらも2階級制覇となります。
そして試合はソリスが開始から攻め込む展開に!!間合いを詰めての左右フックでリゴンドーをふらつかせるスタートになります。しかしリゴンドーは2ラウンド以降アウトボクシングに切り替えていつものカウンター作戦・・・大きなブーイングが鳴る中で7ラウンドに左アッパーからのコンビネーションでダウンさせるとそのままアウトボクシング。2-1の判定勝ちで2階級制覇に成功しました!!
リゴンドーさんいろんな意味でカムバック…ギレルモ・リゴンドーvs.リボリオ・ソリス
そして次戦ではWBOチャンピオンで3階級制覇チャンピオンジョン・リル・カシメロと王座統一戦を行うことになります。
カシメロはライトフライ級、フライ級、バンタム級で世界タイトルを獲得している3階級制覇チャンピオン。カウンターのショートのフックが痛烈な選手で間合いが詰まった一瞬を狙い撃ちすることで体格的な不利を覆しております。
キャリアの中ではフィリピンだけではなく、アメリカやイングランド、ニカラグア、南アフリカ、中国、タイなどで試合をこなしてきておりほとんどの試合に勝利。どこでも力を出し切れることが大きな強みですね!
キャリアの中ではニカラグアでセサール・カンチラをノックアウトしてWBOライトフライ級暫定王座を獲得。アルゼンチンでルイス・ラサルテをノックアウトしてIBFライトフライ級王座を獲得して、後にWBCチャンピオンになるペドロ・ゲバラを撃破。かつて敗れたIBFフライ級チャンピオンのアムナット・ルエンロンを中国でノックアウトしてフライ級王座獲得。後にWBCチャンピオンになるチャーリー・エドワーズをノックアウトしております。さらにWBOバンタム級暫定王座を獲得するとイングランドにてゾラニ・テテをノックアウトして王座を獲得。WBA.IBFチャンピオンの井上尚弥の首を狙う1人ですね!
敗れたのはフライ級ツータイムチャンピオンになるモルティ・ムザラネとIBFフライ級チャンピオンで後にリベンジするアムナット・ルエンロン、ライトフライ級ツータイムチャンピオンになるラモン・ガルシア、IBF世界スーパーフライ級チャンピオンのヘルウィン・アンカハスに挑むジョナス・スルタンのみですね!
カシメロのスタイルはとにかく左右フックを大振りで振り回すスタイル。テテとの試合でも接近してアッパーを打ち込んで回復不能なダメージを与えるなどパワーと勝負を一撃で決める嗅覚に優れています。12ラウンドどこでも一瞬の隙を狙ってるので気のおけない選手ですね。
カシメロを止められるのはお主しかおらん…ギレルモ・リゴンドーvs.ジョン・リル・カシメロ予想
今後期待される試合
世界的な評価を受けるリゴンドーに期待される試合はやはり世界タイトルマッチです。ロマチェンコには敗れたもののリゴンド―の強さはまだまだ世界のトップクラスです。スーパーバンタム級のトップ5には入ることは間違いないですね。
左ストレート、右フックのカウンターを軸にしているリゴンドーはその強さと試合のつまらなさから最も避けられる王者として有名です。リゴンドーは多くのビッグネームが避けても別に批判されない名前になっており非常に損をしてしまっております。
WBC王者の指名挑戦者の権利を持つリゴンドーですが王者のレイ・バルガスは亀田和毅との指名試合を終えたばかりで階級アップの噂もあります。なのでリゴンドーはWBCタイトルマッチの順番待ちなのですがバルガスとやるのかどうかはわかりませんね。リゴンドー自身がバンタム級にとどまりそうな雰囲気なのでまだどうなるかは不透明かな。
リゴンドーのファイトスタイル
リゴンドーのスタイルは相手との一定の間合いを保ち相手がその間合いに入ってくるとカウンターを打ち込むカウンタースタイル。驚異的なハンドスピードでカウンターを飛ばしてくるので対戦相手は踏み込めなくなってしまいます。
しかもリゴンドーの凄いところはどれだけブーイングを鳴らされても何も気にすることなく自分のペースで試合を進めてカウンターを警戒して踏み込めない相手に遠い間合いから左ボディを放つなどポイント重視の試合をして無理に倒そうとしてこないです。
そのため試合はお世辞にも面白いとは言えないものが多いのですがフリオ・セハとの試合ではあえてセハの得意な接近戦に身を置いてセハにポイントをリードされながらも鋭いカウンターを打ち込んで最終的には逆転KOする戦い方を披露。アラフォーにして試合のスタイルを変えてきております。
こいつなんでパウンド・フォーパウンドじゃねぇんだよ…井上尚弥vs.エマヌエル・ロドリゲス試合後のコメント、ドネアのコメントもあり!
まとめ
いかがでしたでしょうか?圧倒的なスピードとめちゃくちゃ性格なカウンターで対戦相手が手を出せなくなってしまうほどの強さを誇るギレルモ・リゴンドー。アラフォーとなった今でもスーパーバンタム級のトップの1人とされておりWBC指名挑戦者としてレイ・バルガスへの挑戦を心待ちにしております。
しかも最近のリゴンドーはそのつまらない試合ぶりを反省したのかフリオ・セハ戦で見せたように接近戦で相手のペースと間合いで打ち合いこれまでの間合いを保つファイトスタイルを見直したように見えます。
スーパーバンタム級には階級最強とされてきたアイザック・ドグボエを2度下したエマヌエル・ナバレッテ、無敗の長身で亀田和毅を下したWBC王者のレイ・バルガス、日本で2度試合をしておりTJ・ドヘニーを下して統一王者となったWBA.IBF統一王者のダニエル・ローマンが君臨。WBA暫定王者にはスーパーバンタム級屈指のフィジカルファイターでイケメンのブランドン・フィゲロア、元IBF王者でIBF指名挑戦者の岩佐亮佑、コンテンダーのセサール・フアレス、元IBF王者のTJ・ドヘニー、元WBC王者のフリオ・セハらが控えており誰がトップなのかは正直難しいです。
1つ下のバンタム級にはWBA.IBF統一王者の井上尚弥がパウンド・フォー・パウンドの1人とされておりWBAスーパー王者でかつて下したノニト・ドネアも息を吹き返しております。3階級制覇王者のジョン・リル・カシメロはWBOタイトルを保持しておりこの辺りがスーパーバンタム級に上げてくる可能性もいずれはあると思います!
リゴンドーの試合は常にボクシングファンの皆様からは大きな注目を集めておりスーパーバンタム級最強を語る上では外すことのできないビッグネームです。トップ達から避けられてますがバンタム級でもタイトルを獲得したことで楽しくなりそうです。
ちなみにそんなリゴンドーの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、WOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?