現代を代表する重量級ボクサーの1人で世界で初めてのメキシカンのスーパーミドル級王者となり現在でも無敗のままライトヘビー級に階級を上げたヒルベルト・ラミレス!!王者として5度の防衛に成功したラミレスはまだ王座は返上しておりませんがライトヘビー級で戦うことが確実視されておりますな!
身長189センチのこのクラスではあり得ないほどの長身を誇り強豪ひしめくWBSSスーパーミドル級トーナメントを制したWBAスーパー王者のカラム・スミスとも引けを取らない体格を持つラミレスさん。端正な顔立ちも相まってメキシカン系のファンのからの指示は絶大です!
そのキャリアの中で3回世界王者となりミドル級とスーパーミドル級の2階級を制覇してきたアルツール・アブラハムにシャットアウトの判定勝ち、バドゥ・ジャックに初黒星を与えていたデレク・エドワーズ、後にクルーザー級WBSSトーナメントに参戦するマキシム・ブラソフ、当時無敗のコンテンダーで強打者のジェシー・ハートを2回下しており今だに無敗のキャリアを誇っております。
今年の4月に元WBCライトヘビー級王者のチャド・ドーソンを下したトミー・カーペンシーとのライトヘビー級テストマッチをクリアしており今後はライトヘビー級への進出やWBAスーパー王者のカラム・スミス、WBO暫定王者となっているビリー・ジョー・サンダースとのスーパーミドル級での試合のオプションもあります!
ということで、彼の試合を生中継で見る方法、試合をより楽しむためにラミレスの来歴をまとめてみました!!
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目次
ラミレスの戦歴

ラミレスのプロフィール
ヒルベルト・ラミレスは1991年生まれの28歳。メキシコのシナロア州の出身でメキシカン系には珍しい重量級のファイターで身長は189センチ、リーチは191センチと特に大柄なサイズを誇ります。異名は"zurdo"でありスペイン語で左利きを意味しておりその名の通りラミレスはサウスポーですね!
アマチュアの頃から活躍していたラミレスはなんとなんとメキシコ国内でのジュニア王者に三度もなったことがある実力者。ボブ・アラムのトップランクとカネロ・アルバレスのカネロ・プロモーションに所属していますね!!
これまでの実績
ラミレスは2009年に18歳のときに4回戦でプロデビュー。2010年の初めまで4回戦で経験を積んでおり多くのKO勝ちを収めております。
そして2010年には6回戦を2試合こなした後8回戦を行うようになりこの年の10月には10回戦を経験。年末には同じく無敗のロヘリオ・メディナと空位のWBCユースミドル級タイトルを争って勝利しております。
そして2012年までユースタイトルを防衛しておりましたが2013年には減量が苦しくなったとのことでスーパーミドル級にクラスをあげます。
そして2014年にはセバスチャン・シルベスターとIBFミドル級タイトルやフェリックス・シュトルムの持つWBAミドル級タイトル、ハッサン・ヌダン・ヌジカムの持つWBA暫定タイトルに挑戦しているベテランのジョバンニ・ロレンソと対戦。
シルベスターとは2-1の僅差判定まで持ち込んでいるドミニカの強打者相手にラミレスは3ラウンドと5ラウンドにダウンさせてTKO勝ち。NABFタイトルとNABOスーパーミドル級タイトルを獲得しました!!
さらに次戦ではオーストラリアの技巧派でWBAパンパシフィックタイトルを持つジュニア・タリピウを初回KOしてWBOインターナショナルタイトルを獲得しております。
さらに次戦ではダニエル・サントスの持つWBOスーパーウェルター級タイトル、デニス・インキンと空位のWBOスーパーミドル級タイトル、ルシアン・ブーテのIBFスーパーミドル級タイトル、タボリス・クラウドの持つIBFライトヘビー級タイトルに挑んで敗れているコロンビアのフルゲンシオ・スニガを8ラウンドでKO。経験値を高めていきます。
さらに次戦では後にWBSSクルーザー級トーナメントに参戦して元WBO王者でマルコ・フックをKOしたサウスポーの強打者であるクリシュトフ・グロワッキと対戦して判定まで粘ったマキシム・ブラソフと対戦。タフなブラソフに少し苦戦したものの判定勝ちを収めております。
次戦ではかつて後に2階級制覇王者となるバドゥ・ジャックに右ストレート一発でKO負けを与えているデレク・エドワーズと対戦。危険なパンチャーを相手にラミレスは間合いを取りアウトボクシング!シャットアウトの判定を飾っております!
次の試合はかつて後にIBFスーパーミドル級王者となる北京オリンピック金メダリストのジェームス・デゲールにのみ敗れているオランダのコンテンダーのゲボルグ・キャチキアンと対戦。危なげなくアウトボクシングして世界はと羽ばたきます!!
偉大なる父の名を背負うネクスト・ジェネレーション!クリス・ユーバンク・ジュニア!!
世界挑戦と初期の防衛戦
ラミレスは2016年に初めての世界挑戦をラスベガスでしかもマニー・パッキャオの前座というビッグな舞台で行います。相手は2階級制覇王者のアルツール・アブラハム。
アブラハムは元IBF世界ミドル級王者でありアルメニア人の強打者。攻防分離の最高峰とも言えるスタイルで相手のパンチを受けながらどんどん前に出てきて後半から相手を押し込むスロースタータートして有名。ドイツを主戦場としておりましたがアメリカでも試合をした経験があり野生的なカウンターを放つこともできるボクサーですな。
キャリアの中ではIBFミドル級タイトルを10度防衛。コロンビアの怪人であるエディソン・ミランダを二度、元IBFスーパーウェルター級王者のラウル・マルケス、元ミドル級4団体統一王者のジャーメイン・テイラー、WBOスーパーミドル級王者のロベルト・ステイグリッツを3度、コンテンダーのポール・スミスを二度、元WBAミドル級暫定王者のマーティン・マレーを下しております。
反面スーパーミドル級に上げて参戦したスーパー6ではアンドレ・ディレルにダウンを奪われた末の反則負け、さらには後に統一王者となるカール・フロッチ、優勝者となるアンドレ・ウォードに判定負け、ステイグリッツにも顔面の負傷によるドクターストップ負けとトップクラスでは負けも多いですな。
そして試合はラミレスがアブラハムを間合いに入れさせないムーブメントを披露。長い間合いとサイドステップでアブラハムに打たせず打つかつてカール・フロッチがしたようなアウトボクシングを展開してシャットアウトの判定勝ち!試合後にメキシカンスクールしてやったと豪語するほどの完勝でタイトルを獲得しましたな。
しかしこの後ラミレスは右拳の腱が切れてしまったとのことで約1年間試合から離れることになってしまいます。そして1年3ヶ月後に迎えた初防衛戦の相手はマックス・バーサク。
バーサクはウクライナのテクニシャンでWBOインターコンチネンタルタイトルやWBAコンチネンタルタイトル、ヨーロッパタイトルを獲得してきた選手。ハッサン・ヌダン・ヌジカムに判定負けしてWBAミドル級暫定王座獲得に失敗してますな。
そしてこの試合はラミレスが楽々バーサクをアウトボックス。ラミレスの足に追いつけないバーサクはホールディングを繰り返して2点減点。ラミレスがまたまたシャットアウトの判定で勝利しております!
そして2度目の防衛戦でラミレスは強敵を迎え撃つことになります。指名挑戦者で無敗のジェシー・ハートです。ハートはフィラデルフィアの強打者でUSBAタイトルやNABOタイトルを獲得、父親も元ミドル級コンテンダーでしたな。
この試合はラミレスが2ラウンドに強烈なアッパーでハートを痛烈にダウンさせる幸先の良いスタートを切りラミレスがKO勝ちすると誰もが思いました。しかしハートはめちゃくちゃしつこかった…ハートはとにかく左右フックを振り回してジグザグに間合いを詰めてくるとラミレスは思うように足を使えなくなり終盤にはラミレスも打ち合いに持ち込まれてふらふらに…要所で打ち返して僅差判定勝ちしましたがめちゃくちゃ苦しい試合でしたね。
アブラハムたんメキシカンスクールで出直し…アルツール・アブラハムvs.ヒルベルト・ラミレス
防衛戦と減量苦
ハートとの激闘をなんとか制したラミレスは次戦でガーナの無敗のコンテンダーであるハビブ・アームドを迎えます。アームドはWBOアフリカ王者ですな。
しかしこの試合はラミレスのベストパフォーマンス。開始から弾幕でアームドをフルボッコにすると一方的に試合を進めて6ラウンドにレフェリーが割って入るストップ!世界戦初めてのKO勝ちを収めます!
さらにラミレスは4度目の防衛戦でまたも無敗のロアメール・アングロを迎えます。アングロはコロンビアの強打者でWBOラティノ王者。ラミレスと同じリーチを持つサイズのある相手ですな。
ラミレスはアングロ相手に安全に試合を進めます。アングロの強打を警戒して常にアウトサイドから打ち込み危なげなく12ラウンドをクルーズする安定感のあるボクシングで大佐判定勝ち。クレバーさが光りましたね!
そして5度目の防衛戦では再びハートと相見えます。ハートはラミレスに敗れて以来3連続KO勝ち。NABFタイトルを獲得して指名挑戦者として戻ってきましたな。
そしてこの試合は再び激戦となります。ハートが振り回せばラミレスも打ち返す白熱の展開となりましたがラミレスは要所で間合いを取り終盤には効かせられるものの乗り切って2-0の判定勝ち。しかし個人的にはドローかなと見ましたね。
この試合の後ラミレスは減量苦を明らかにしてライトヘビー級に階級を上げることを示唆。ライトヘビー級テストマッチが行われることになります。
3度目も必至ですな…ヒルベルト・ラミレスvs.ジェシー・ハート2
ライトヘビー級テストマッチと現在
ハートとの試合を終えたラミレスは減量苦からライトヘビー級テストマッチを2019年4月に行います。相手はコンテンダーのトミー・カーペンシー。強打者として知られておりWBO王者だったネイサン・クレバリー、WBC王者だったアドニス・スティーブンソン、後にWBC王者となるオレクサンデル・グヴォジクに負けておりますが元WBC王者のチャド・ドーソンに番狂わせの勝利を挙げております。
そしてこの試合はラミレスが減量苦から解放されてめちゃくちゃ元気に…カーペンシーをフルボッコにして4ラウンドが終わるとカーペンシーは棄権。ライトヘビー級デビューを成功させます!
しかしこのライトヘビー級テストマッチを行なったことでWBOスーパーミドル級暫定王者にビリー・ジョー・サンダースが誕生。ラミレスはこれに不満を抱いておりスーパーミドル級に戻るのかライトヘビー級で試合を進めるのかはまだわかりませんが本人的にはWBCライトヘビー級王者のオレクサンデル・グヴォジクと無敗対決をやりたいようです。
しかしこの後ラミレスはトップランクとの契約解除やコロナウイルスの影響もあって1年半ほどリングを離れることになります。フリーエージェントとなったラミレスはNABFチャンピオンのアルフォンソ・ロペスと対戦。テキサスで予定されており、注目のカムバックになりますね。
そして次戦ではゴールデンボーイプロモーションと契約して初めての試合をベテランコンテンダーのスリバン・バレラとやることになります。
バレラは1982年生まれの38歳。キューバの生まれですが現在はアメリカに移住してきておりフロリダ州マイアミでトレーニングしている元トップアマですな。
ここまでのレコードは22勝14KO3敗。長年のコンテンダーとしてとても有名でかなり前からライトヘビー級トップコンテンダーとして君臨する息の長い選手です。
キャリアの中ではレジェンドのアンドレ・ウォードのライトヘビー級デビュー戦の相手となりこの試合は判定負け。その前には元スーパーミドル級チャンピオンのジェフ・レイシーやコンテンダーのカロ・ムラトを破っています。
その後は後にコバレフと対戦するシャブランスキーを撃破。コンテンダーであるジョーてスミス・ジュニアと元WBA暫定チャンピオンのフェリックス・バレラにも判定勝ちしています。
しかしその後WBAチャンピオンのドミトリー・ビボルに挑むものの歯が立たずに12ラウンドノックアウト負け。ショーン・モナハンを下しましたがスーパーミドル級から上げてきたジェシー・ハートに負けて以来の再起戦となりますな。
そしてこの試合は開始からラミレスがプレッシャーをかけてきてバレラの右をもらっても止まらずに前に来る展開に!そして3ラウンドに左ボディのカウンターでダウンさせると4ラウンドにもボディでダウンさせて最後はロープに追い込んでダウンさせてストップしました!
今後期待される試合
ラミレスに期待される試合はやはり王者クラスとのビッグマッチです。ラミレスはこれまで安定感のあるボクシングとハート戦で見せてくれたように苦しい中でも打ち返すガッツを見せてくれました。
しかしこれまでで倒したなのある相手はアブラハムとハートでアブラハムは全盛期を過ぎた相手。ハートはまだ世界タイトルを獲得しておりません。
ラミレスはスーパーミドル級では自身の暫定王者のビリー・ジョー・サンダース、WBAスーパー王者のカラム・スミスとの統一戦を望んでおりさらにはWBC王者のアンソニー・ディレルや元王者で無敗のデビッド・ベナビデス、IBF王者のカレブ・プラントやWBAレギュラー王者にはカネロ・アルバレスもおります。ラミレス自身もビッグマッチがあるならスーパーミドル級に戻るとも言っておりますな。
反面ライトヘビー級にはWBO王者のセルゲイ・コバレフ、WBC王者のオレクサンデル・グヴォジク、IBF王者のアルツール・ベテルビエフがラミレスと同じトップランクと契約しており試合実現が容易。他にもWBA王者のドミトリー・ビボル、WBA暫定王者のマーカス・ブラウンもおりますな。
無敗のまま階級を上げてきたラミレスはこれからはビッグマッチ路線に進むことは確実。グヴォジクとの対戦はあり得そうですね!
ラミレスのファイトスタイル
ラミレスのファイトスタイルはアウトボクシング。サウスポーの利点とも言えますが長い間合いとでかいサイズを生かして相手と間合いを取り射程距離の外に構えますな。
そして相手のパンチが届かない間合いでパンチを放ちすぐに離れるを繰り返すアウトボクサー。足もよく動くためこの選手を捉えるのは難しいです。
さらにかなりタフでハートのパンチを何度ももらってふらふらになりながらも打ち返してきたり効いたとしても必ず突破口を見出そうとするあたりは真の王者としてふさわしいと言えます。
パワーもそれなりにありしかもサウスポー。手数も多いのでかなりやりにくいです。ガードも硬いのでチャンピオンクラスでないと太刀打ちできませんね…
まとめラミレスの今後
いかがでしたでしょうか?圧倒的なサイズとよーく動く足と豊富な手数、サイドへの動きと間合いの取り方で多くの試合を危なげなくこなしてきたヒルベルト・ラミレス。これからはライトヘビー級に上がることもあり注目を集めております。
王座を保持するスーパーミドル級近辺のウェイトにはロッキー・フィールディング、クリス・ユーバンク・ジュニアやビリー・ジョー・サンダース、カレブ・プラント、アブニ・イルディリム、アンソニー・ディレル、デビッド・ベナビデスらがおりビッグネームが待ち構えております。
上のクラスを見るとネームバリュー抜群のセルゲイ・コバレフやパーフェクトレコードを持つアルツール・ベテルビエフ、全勝のドミトリー・ビボルやオレクサンデル・グヴォジクなどヨーロッパ系の選手が首を揃えています。さらには下のクラスにはゴロフキンやカネロといったボクシング界の顔がおりますね!
ちなみに今後のビッグマッチが確実視されるラミレスの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、以下のリンクからWOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?
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