世界を代表するプロボクサーで綺麗なワンツーと貫通力の高いパンチでファンを魅了して世界のトップの評価を得ているマイキー・ガルシア。
すでに4階級を制している彼はここまでその圧倒的なまでの強さからパウンド・フォー・パウンドのリストにも入っており、強敵とのチャレンジから逃げない彼の試合は常に大きな注目を集めています。
これまでのキャリアでフェザー級ではオルランド・サリド、元王者のビクター・バロス、イレーネ・パチェコ、ファン・マヌエル・ロペス、スーパーフェザー級ではローマン・マルティネス、カルロス・ブルゴス、ライト級ではデヤン・ツラティカニン、ロバート・イースター、スーパーライト級ではセルゲイ・リピネッツ、エイドリアン・ブローナーといった王者クラスの相手を軒並み撃破。
タイミングのいいジャブで相手を支配して、カウンターの左フックで幾多の相手をマットに沈めてきました!!さらには彼の貫通力の高いワンツーは史上最高との呼び声も高く、スキルで相手を圧倒するアウトボクサーです。
現在3月に激戦区のウェルター級でIBF王者として君臨するエロール・スペンスと対戦して初の敗北となる判定負けを喫したものの12ラウンド一方的な展開ながら打ち返してストップされずに持ちこたえる優れた顎とタフネスを証明しています。
ジェシー・バルガスを下したことでウェルター級でビッグファイトをつかみそうなマイキー。日本のファンにも注目を集めるマイキーの試合をより楽しむためにこれまでの戦歴をまとめました!
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マイキー・ガルシアの戦歴
マイキーについて
マイキーのプロフィール
マイキーは1987年生まれの31歳。アメリカのカリフォルニア州ベンチュラ出身のメキシコ系アメリカ人ですね。
父もアマチュアボクサーで兄のロベルトは元IBFスーパーフェザー級王者。現在トップトレーナーとして名を馳せており、彼の元には3階級制覇王者のアブネル・マレスや、元ライト級王者のブランドン・リオスなど多くのヒスパニック系の有力ボクサーが集っています。
アマチュアの頃から才能を発揮してきた彼はゴールデングローブや全米選手権に出場して2006年にプロに転向しています。
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これまでの実績
フェザー級
マイキーは2006年に18歳でプロデビュー。ボブ・アラムのトップランクと契約してアメリカ式の先を急がないペースでじっくりキャリアを積みます。
2012年には元WBA王者のジョナサン・ビクター・バロスに8ラウンドKO勝ち。アメリカ期待の新鋭としてメキメキ成長していきます。
そして2013年に当時階級最強と目されたメキシコのタフファイター、オルランド・サリドの持つWBO王座に挑戦。サリドは元IBF王者でもあり階級最強と目されたファン・、マヌエル・ロペスを2度破ったメキシコのラフファイター。頭から突っ込んでくるスタイルで接近戦で強さを発揮するタフな選手です。
この試合はタイミングのいいジャブなどでサリドから4度のダウンを奪い、サリドのバッティングでマイキーは鼻の骨を骨折。8ラウンド負傷判定勝ちを収めて見事に無敗のまま王者に輝きました。
そして初防衛戦では2階級制覇で強打者のファン・マヌエル・ロペスと対戦。ロペスはかつてカリブの伝説とまで言われたサウスポーの強打者でカウンターの右フックを主武器にする選手。オルランド・サリドに敗れてから勢いを無くしたものの一発入れば試合は終わるほどの強打を誇ります。
しかしこの試合マイキーは体調不良で減量に失敗。王座をはく奪されたもののガードの甘いロペスに強烈な左フックで4ラウンド失神KO勝ちを収めてスーパーフェザー級へと進みます。
マイキーさん鼻の骨折れて負傷判定ってあんのかよ…マイキー・ガルシアvs.オルランド・サリド
スーパーフェザー級
スーパーフェザー級に階級を上げたマイキーはいきなりWBO王者のローマン・マルティネスに挑戦して2度世界王者となったプエルトリコの強豪に不覚のダウンを奪われたものの8ラウンドボディブローで悶絶KO!!見事に2階級制覇に成功しました!!
さらに初防衛戦ではかつて日本で長谷川穂積と対戦したファン・カルロス・ブルゴスと対戦してブルゴスの左フックをまともにもらってピンチになる場面もありながらも大差判定勝ち。
しかし、ここでプロモーターのトップランクに契約の無効を訴えて裁判となり、約2年半キャリアが停滞します。そしてフリーエージェントとなった2016年にスーパーライト級にて再始動。元フェザー級王者でかつて日本で粟生隆寛から王座を奪ったエリオ・ロハスを5ラウンドでKOして健在ぶりをアピールしました!!
ブルゴスさんマイキーをフリーズさせる…マイキー・ガルシアvs.ファン・カルロス・ブルゴス
ライト級
その後ライト級に転向したマイキーはいきなりWBC王者のデヤン・ツラティカニンに挑戦。ツラティカニンは無敗の王者であり、2階級制覇王者のリッキー・バーンズにも勝利しているモンテネグロ出身のブルファイター。フェザー級から階級を上げてきたマイキーとの間には大きな体格差があり予想はマイキー不利。ツラティカニンの圧力に飲み込まれるのではないかとの見方が大多数でした。
しかし、マイキーの前にはツラティカニンは全く歯が立たずに3ラウンド痛烈なアッパーで失神KO・・・しばらく立ち上がれないほどのダメージを与えて圧倒的な強さで3階級制覇をあっさりと成し遂げました。
アジアのヒーローにしてボクシング界のヒーロー!!マニー・パッキャオ!
スーパーライト級
さらにスーパーライト級へと階級を上げたマイキーは4階級制覇王者でネームバリュー抜群のエイドリアン・ブローナーと対戦。ブローナーはかつてメイウェザーの後継者として大きな注目と期待を集めたものの、あまりにも傲岸不遜な性格が災いしてかここまで2敗。マイダナ、ポーターといったフィジカルファイターに敗れていました。
両者のこの試合はノンタイトルマッチだったものの大きな注目を集め、両者ともに1億以上のファイトマネーを稼ぎ出すビッグなファイトになりました。
そしてこの試合はマイキーが序盤から精度の高いワンツーとロングの左フックでブローナーをリード。後半ブローナーも持ち前のセンスの高さと運動量を増やして地力を見せたもののマイキーが明白な判定勝ちを収めてスーパーライト級でもやれることを証明しました。
さらに次戦でIBFスーパーライト級王者でカザフのセルゲイ・リピネッツに挑んだマイキー。リピネッツはカザフスタンの強打者で日本の近藤との決定戦を制して王座に就いた強打者。初防衛でマイキーを迎えることとなりました。
そしてこの試合はマイキーが精度の高いワンツーでガードの低いリピネッツを圧倒。打ち終わりを狙った左フックのカウンターでダウンを奪っての判定勝ちで4階級制覇の偉業を無敗のまま達成しました!!
リピネッツさんなぜ初防衛でマイキーを選んだのか…セルゲイ・リピネッツvs.マイキー・ガルシア
再びライト級へ
マイキーはすぐにスーパーライト級IBF王座を返上。ライト級に戻ってWBC王者としてIBF王者のロバート・イースター・ジュニアと統一戦で対戦。イースターはブローナー一派でライト級では破格の長身とリーチを持つ強打者です。
しかし、経験で勝るマイキーはイースターから3ラウンドに左フックのカウンターでダウンを奪って容易に出られなくなったイースターをポイントアウト。イースターも長いリーチを生かしたジャブで地力を証明しましたが、マイキーが判定勝ちで統一王者に輝きました!!
イースターさん善戦やないですか…マイキー・ガルシアvs.ロバート・イースター・ジュニア
ウェルター級への挑戦と現在
マイキーはその後IBFライト級王座を返上。ウェルター級にてパウンド・フォー・パウンドのリストにも名が挙がっているIBF王者、エロール・スペンスに挑戦することを表明。
スペンスはサウスポーの強打者で世界王者になる前より将来を嘱望されていたウェルター級のブギーマン。あまりの強さに対戦相手が見つからないほどの強豪でウェルター級屈指のフィジカルを持つ選手でこれまで全勝です。
マイキーはフェザー級上りということもあり体格で劣るため不利が予想されておりました。
そしてこの試合はやはりスペンスの牙城が高かった。サイズのアドバンテージ、リーチ、ポジショニングで全て圧倒されたマイキーはパンチをスペンスに当てることができずに9ラウンドにはストップ寸前に・・・兄のロベルトさんは試合を止めたかったようですがマイキーは逆転を信じて12タウン度を戦い抜きます。
そして判定は無情のフルマークの判定負け。初の黒星となりましたが、棄権してもおかしくないような試合で最後まで戦い抜く彼のハートと優れた顎は多くのファンに印象を残しました。
今後はスーパーライト級かライト級で再起することを明言しており、将来的にはまたウェルター級でタイトル挑戦したいそうです。
マイキーさん耐え忍ぶ戦いになってしまう…エロール・スペンスvs.マイキー・ガルシア 試合後のコメントもあり!
そして決まった次戦は元2階級制覇チャンピオンのジェシー・バルガスとのウェルター級ノンタイトルマッチ。バルガスはスーパーライト級とウェルター級でタイトルを獲得した強敵でサイズではマイキーを圧倒的にしのぎます。
キャリアの中ではチャンピオンのカビブ・アレクセーエフを下して元WBCライト級チャンピオンのアントニオ・デマルコ、オリンピアンのサダム・アリ、元3階級制覇チャンピオンのウンベルト・外を撃破。元4階級制覇チャンピオンのエイドリアン・ブローナーとの引き分けており、負けたのは6階級制覇チャンピオンでレジェンドのマニー・パッキャオと2階級制覇チャンピオンのティモシー・ブラッドリーのみという強敵ですね!!
WBCダイヤモンド王座決定戦となったこの試合はテキサス州で行われて序盤はサイズで勝るバルガスが優位に進めます。しかしマイキーは5ラウンドに右打ち下ろしを効かせると追撃でダウンさせてその後もたびたび効かせる試合となり判定勝ち。ウェルター級でもやれることを示してビッグファイトを待っています!!!
ウェルター級でもAクラス…マイキー・ガルシアvs.ジェシー・バルガス
マイキーのファイトスタイル
マイキーのファイトスタイルは高く掲げた左右のガードから放たれるワンツーパンチャー。遠い間合いで相手と対峙して相手の動き出し、うち終わりにパンチを充てるのが極めてうまいカウンターパンチャーです。相手の入り際に合わせるアッパーも強烈で貫通量の高いパンチを武器に数々の相手をマットに沈めてきました。
マイキーの動き出しを狙ったジャブは特に秀逸で相手の動きを寸断して、相手がカウンターを警戒して前に出れなくなりアウトボクシングしながら相手を下がらせてしまう天才的なボクサーですね!!
マイキーさん負けてもビッグマッチ…マイキー・ガルシアvs.ダニー・ガルシア予想
今後期待される試合
マイキーに今後期待される試合は当然ですが強豪たちとの対戦です。
マイキーはキャリア停滞後階級のトップ選手たちと拳を交えており、怒涛の勢いで4階級を制してきました。失った二年間を取り戻したい気持ちは特に強く、今回のスペンス戦は両者にとってキャリアで最も重要な試合でしたがウェルター級では少しサイズが小さかったですね。
しかしウェルター級の他にもマイキーを取り巻く環境には強豪が揃っています。ライト級のロマチェンコやリナレス、スーパーライト級のWBSSの覇者との試合など実現可能なマッチアップはフリーエージェントのマイキーにとって多いのでこれからも目が離せないですね!
どっちのガルシアが強いのかな?マイキー・ガルシアvs.ダニー・ガルシアの試合をテレビで見る方法は?これまでの経歴も紹介!
まとめ
貫通力の高いワンツーを主武器に華麗なボクシングを展開し全勝のまま4階級制覇を達成したマイキー。パウンド・フォー・パウンドのリストにも名を連ねており、常に強敵との対戦を求める彼の姿勢は大きな支持を集めています。
2019年の3月のスペンスとの試合には敗れましたが、多くのグレートは敗戦を糧により強くカムバックしていますし、更なる高みを目指してハードなトレーニングを彼なら積むはずです。
ちなみにこれからもチャレンジし続けるであろう彼の試合を見るにはWOWOWがおすすめです。テレビの画面でぜひマイキーを応援しましょう!!
ウェルター級最強トーナメント開始…エロール・スペンスvs.ショーン・ポーターの試合をテレビで見る方法は?これまでの経歴も解説!!