現代を代表する軽量級ボクサーの1人でここまでのキャリアで4階級制覇、5度の世界王座獲得を果たしてきたレオ・サンタクルス。圧倒的な手数と距離をとっては長いリーチを生かしたワンツー、インサイドでは止まらないコンビネーションを放つメキシカンの大スターです。
一発のパワーはそこまでないものの一度打ち出したら止まらないコンビネーションと手数の多さ、その的確なコンビネーションで相手を射抜いてポイントアウトしてします試合がとても多いのが特徴ですね!
サンタクルスはこれまでのキャリアでバンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級スーパーフェザー級で合計5度世界タイトルを獲得した文句なしの軽量級スター。これまでに喫した敗北は2階級制覇王者のカール・フランプトンとガーボンタ・デービスのみでフランプトンとのリマッチではしっかり借りを返しています。
フェザー級でもWBC王者のゲイリー・ラッセル・ジュニアと並んでフェザー級最強と目されるサンタクルスはこれまでのキャリアで長谷川穂積と対戦したブシ・マリンガ、2階級制覇王者のエリック・モレル、スーパーバンタム級王者のビクター・テラサス、後に山中慎介にも挑戦するアルベルト・ゲバラ、元スーパーフライ級王者のクリスチャン・ミハレス、3階級制覇王者のアブネル・マレスを2度、元スーパーバンタム級王者のキコ・マルティネス、2階級制覇王者で3度世界王座を獲得するカール・フランプトンを撃破!
異名はそのとまらない連打から”El Terremoto"スペイン語で地震を表す言葉ですね!現在ではアメリカのカリフォルニアを中心に大きなイベントでメインを務めるなどヒスパニック系の方に多くの支持を受ける彼の試合を見る方法と戦歴をまとめてみました!!
メイウェザーさんお抱えのスーパーバッドなタンク!!ガーボンタ・デービス!!
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サンタクルスの戦歴

サンタクルスのプロフィール
レオ・サンタクルスは1988年生まれの30歳。メキシコのミチョアカン州出身で現在はアメリカのカリフォルニア州に在住しています。
ちなみに兄のホセ・アルマンド・サンタクルスは元WBCライト級暫定王者でデビッド・ディアスやホエル・カサマヨール、ザブ・ジュダーとの対戦経験があります。さらにトレーナーはお父さんのアントニオ・サンタクルスさんでボクシング一家ですね!
アマチュアの頃から才能を発揮してきていたサンタクルスは2005年のジュニアオリンピックの国際大会で優勝。2006年に全米選手権に出場していますが決勝戦でオリンピックに出場して現在WBCフェザー級王者としてサンタクルスの対抗王者となっているゲイリー・ラッセル・ジュニアに敗退していますね。
ラッセルさん怪我してるのかな…?ゲーリー・ラッセル・ジュニアvs.キコ・マルティネス
これまでの実績
サンタクルスは全米選手権後に2006年に18歳でプロデビュー。アメリカでプロデビューしたサンタクルスでしたが2戦目ではまさかのドロー!この試合から9か月間リングを離れますがそこからは連勝を積み重ねます。
2011年には初めてメキシコで試合を行って亀田和毅や山中慎介とも対戦したステファン・ジャモエを6ラウンドでKO。WBCユースのベルトを獲得して初のタイトルを獲得。この頃から逆輸入ボクサーとしてメキシコで多くの試合をこなして少し話題にもなりましたね。
サンタクルスがフランプトンのカウンターの前に初黒星!!カール・フランプトンvs.レオ・サンタクルス1
IBFバンタム級王座獲得
サンタクルスは2012年6月に初の世界タイトル挑戦。アブネル・マレスのスーパーバンタム級転向に伴い空位となったIBF王座をランキング1位の南アフリカのベテランであるブシ・マリンガと争います。
マリンガはかつて日本で長谷川穂積の持つWBC王座に挑んで初回KO負け。しかしIBF指名挑戦者決定戦に勝利して試合数が少ない中アメリカのカリフォルニア州に乗り込んできました。ちなみに叔父のツラニ・マリンガさんは元WBCスーパーミドル級王者です。
当時WBAスーパーウェルター級王者だったオースティン・トラウトの防衛戦も同じリングで行われたこの試合はサンタクルスが攻防分離のマリンガにコンビネーションを終始放ち続ける圧勝!マリンガはブロックから出ることができず一方的に打たれ続けてシャットアウトの判定でサンタクルスが後にライバルとなるマレスの後継王者となりました!
そして減量の苦しいサンタクルスは3か月後に初防衛戦。2階級制覇王者のエリック・モレルと対戦します。モレルは鋼の拳とも呼ばれた強打者でWBAフライ級タイトルを二度獲得。バンタム級ではジェリー・ペニャロサを破ってWBO暫定王座を獲得しています。
しかしこの試合ではサンタクルスの手数の前に36歳の老雄モレルは一方的に打たれる展開に・・・サンタクルスの的確で強力なボディ打ちでモレルは5ラウンド終了後にギブアップ!この試合が現役最後の試合となりました。
そして2か月後にはビクター・サレタを相手に2度目の防衛戦。サレタはこれが3度目の世界挑戦でスーパーフライ級でオマール・ナルバエスに敗れ、この試合の1試合前に空位のIBFスーパーフライ級王座を争いドローに終わっています。
そしてこの試合はサンタクルスがサレタを圧倒。全く問題とせずに4ラウンド、7ラウンド、8ラウンド、9ラウンドにダウンを奪っての9ラウンドTKO勝ち。ロサンゼルスで圧巻のパフォーマンスを見せています。
3度目の防衛戦では後に山中慎介に挑戦するアルベルト・ゲバラと対戦。ゲバラはWBCフライ級王者で八重樫東を左ボディでKOしたペドロ・ゲバラのお兄さんで懐の深い難敵ですね!
サンタクルスはこの試合捉えどころのないゲバラにやや攻めあぐねます。ゲバラは6ラウンドに有効打でカットしたものののらりくらりと追撃をかわして判定へ。サンタクルスが手数で勝り大差判定を手にしています。
この試合の後サンタクルスは王座を返上。スーパーバンタム級に上げて元スーパーフライ級王者のアレクサンデル・ムニョスを5ラウンドでKOして世界戦へと向かいます。
モレルさんサンタクルスにボコられて引退…レオ・サンタクルスvs.エリック・モレル
スーパーバンタム級と防衛ロード
サンタクルスはムニョス戦の後3か月後にWBC王者のビクター・テラサスに挑戦。テラサスは3階級制覇王者のフェルナンド・モンティエルをアップセットで破り、決定戦でクリスチャン・ミハレスを接戦の末破った苦労人王者です。
しかしこの試合ではテラサスはサンタクルスのパワーアップした連打の前に歯が立たず・・・回転力で押されて大きく目がはれ上がり3ラウンドにダウンしてKO。サンタクルスが2階級制覇にキャリアハイともいえるパフォーマンスで成功しました!
そして初防衛戦では難敵を迎えます。プエルトリコの軟体強打者セサール・セダですね。セダは中南米の選手の特徴ともいえる軟体の持ち主でリングを広く使って大ぶりのフックを返してきます。アルゼンチンでオマール・ナルバエスに挑んで以来の世界戦ですね。
この試合はサンタクルスが終始前に出て5ラウンドにはダウンを奪いますがセダのやりにくさとガードの外から飛んでくるフックにやや苦戦。それでも明確な判定勝ちを収めて防衛に成功します。
2度目の防衛戦では元スーパーフライ級統一王者のクリスチャン・ミハレスと対戦。ミハレスはスーパーフライ級王座陥落後調子を落としていたもののスーパーバンタム級に上げてからはテラサスと激闘を繰り広げるなど返り咲きに近づいていました。
そしてこの試合は正面からの打ち合いになるもののサンタクルスが持ち前の回転力の高い連打とコンビネーションでミハレスを圧倒!ダメージは与えられなかったものの大差の判定で元王者を討伐しました。
その後はマヌエル・ローマン、ヘスス・ルイスを2ラウンド、8ラウンドでKO。コンテンダーを相手に防衛を重ねたサンタクルスはフェザー級に上げてビッグマッチを求めていきます。
メキシカンウォーやないか…レオ・サンタクルスvs.アブネル・マレス1
フェザー級と初黒星
サンタクルスは2015年に階級をフェザー級に上げます。テストマッチをクリアしたサンタクルスは3階級制覇王者で同国人のスターであるアブネル・マレスと空位のWBAスーパー王座を争います。
マレスはサンタクルスと同じくバンタム級から上げてきてフェザー級まで無敗のまま3階級制覇に成功したメキシコの強豪。止まらない前進と手数、強いハートの持ち主でジョセフ・アグベコ、ビック・ダルチニャン、エリック・モレル、ダニエル・ポンセ・デレオンを破ってきています。フェザー級ではジョニー・ゴンサレスに衝撃の初回KO負けを喫しましたが再起に成功してサンタクルスとのビッグマッチを迎えました。
そして好戦的な両者のこの試合は期待にたがわぬ激戦となります。初回から激しく打ち合う両者は一歩も引かずにフルラウンドを戦い抜く接戦に。判定は手数と的確なジャブが評価され2-0の判定でサンタクルスが判定勝ち!見事に無敗のまま3階級制覇に成功しました!
そして初防衛戦では元IBFスーパーバンタム級王者のキコ・マルティネスを迎えます。マルティネスはかつて日本で長谷川穂積を7ラウンドTKOで下した強打のファイターで世界各地で戦ってきたスペインの強豪ですね。
この試合はサンタクルスがインサイドの回転力でガードの甘いマルティネスを圧倒。開始から的確なコンビネーションで初回から2度のダウンを奪い、マルティネスを痛めつけて5ラウンドにマルティネスは自らしゃがみ込むようなダウン。サンタクルスが元王者を下しています。
そして次戦でサンタクルスはビッグマッチを迎えます。相手は元WBA、IBFスーパーバンタム級統一王者で無敗のカール・フランプトンです。フランプトンはカウンターが持ち味のアウトボクサーでアイルランドの人気者。イギリスでスコット・クイッグを破って王座を統一し、フェザー級に上げてきました。
この試合はサンタクルスが前に出るもののフランプトンは足を使ってサンタクルスのアタックをかわす展開に。フランプトンは足を止めずに的確なカウンターを当ててサンタクルスをコントロール。フランプトンが2-0の判定を制してサンタクルスは初黒星となりました。
サンタクルスさんアンサーを見つける…レオ・サンタクルスvs.カール・フランプトン2
フランプトンへのリベンジと4度目の王座
初黒星を喫したサンタクルスは即座にリベンジを要求。両者はダイレクトリマッチをアメリカのラスベガス、MGMグランドで行います。MGMグランドはマニー・パッキャオやメイウェザーが多くの試合を行ってきたボクシングの殿堂ですね!
この試合では体格に勝るサンタクルスが長い間合いを生かしてアウトサイドからジャブをつく展開に。カウンターパンチャーのフランプトンにジャブを刺し続けて2-0の判定で見事リベンジ!!借りを返して王座を奪回しました!
そしてその後WBAレギュラー王者となっていたアブネル・マレスと再戦の話が上がりますがサンタクルスはいったんカリフォルニア州にてクリス・アバロスを相手に初防衛戦。開始から圧倒して少し早めのストップとなったものの8ラウンドTKO勝ちで王座を防衛しました。
そして2018年にマレスとWBA内王座統一戦。マレスも4度目の世界王座を獲得しておりメキシカン同士の手数の多い打ち合いとなります。その中でもサンタクルスは長い間合いを生かしたジャブや強力なボディを軸にしたコンビネーションでマレスをポイントアウト。判定勝ちを収めてマレスを返り討ちにしました!
そして2019年は2月に3度目の防衛戦2週間前にミゲール・フローレスからラファエル・リベラが変わったものの問題ない対応力を発揮。ファイターのリベラを長いジャブとボディ打ちで圧倒して大差の判定勝ちを収めています。
試合後にはWBC王者のゲイリー・ラッセル・ジュニアとの統一戦を呼び掛けており1年に1試合しかしないラッセルとタイミングが合えばフェザー級最強決定戦が実現すかもしれませんね!
スーパーフェザー級参戦
サンタクルスは2019年11月23日にラスベガスにてかつて対戦するはずだったミゲール・フローレスと対戦することをアナウンス。しかもこの試合にはWBAスーパーフェザー級のスーパー王座の決定戦になるということでサンタクルスにとっては4階級制覇を達成する大きなチャンスです。
この試合はWBC世界ヘビー級タイトルマッチとなるデオンテイ・ワイルダーとルイス・オルティスの対戦のアンダーカードでありサンタクルスのスーパーフェザー級デビュー戦になります。本人的にはスーパーフェザー級でどう感じるのか確かめる試合にもなるのでこの試合の後フェザー級に戻るのかスーパーフェザー級にとどまるのかは不透明ですね!
そしてこの試合は大方の予想通りのサンタクルスの楽な試合になります。ヒットアンドアウェイをしたいフローレスでしたがサンタクルスはジャブとワンツーをカウンター。当たらなくても手数を出してアグレッシブに試合を終えると無難な判定勝ちで4階級制覇。しかしこの階級でのパワー不足は明らかで今後のことは不透明ですね!
この相手に4階級制覇かぁ…レオ・サンタクルスvs.ミゲール・フローレス
そしてサンタクルスはキャリアハイの試合を引き当てます。WBA世界ライト級チャンピオンのガーボンタ・デービスとのライト級とスーパーフェザー級のタイトルをかけたスーパーファイトが決定します。
デービスはメイウェザーが手塩にかけて育てているサウスポーのハードパンチャーで鋭い踏み込みとパワーが武器の若手。ここまで無敗でスーパーフェザー級、ライト級ですでに3つのタイトルを獲得しているエリートですが大変素行が悪いことでも知られています。
キャリアの中では2階級制覇チャンピオンとなるホセ・ペドラサを激戦の末にノックアウト。元WBAフェザー級チャンピオンのヘスス・ケジャール、元2階級制覇チャンピオンのウーゴ・ルイス、元3階級制覇チャンピオンのユリオルキス・ガンボアを撃破しており、世界タイトルマッチではすべての試合でノックアウト勝ちを収めていますな。
パワーや体格の上では圧倒的に不利なサンタクルスですが、デービスの苦手な押し込む試合やキャリアの経験を生かした試合を期待したいですね!!
そしてこの試合は開始から2人ともカウンターを狙うタクティカルな試合に!しかし力で勝るデービスがラチが開かないと見るとプレッシャーをかけて押し込み、サンタクルスもより性格で細かいパンチで対抗!激しい打ち合いとなりましたが6ラウンドにデービスが強烈な左アッパーを当ててサンタクルスは深々と沈み、ノックアウトとなりました!
この試合でサンタクルスは初のノックアウト負け。しかしとても良い試合を見せてくれたことから今後も活躍が期待できそうですね!
なんぼ言っても力だよね…ガーボンタ・デービスvs.レオ・サンタクルス
今後期待される試合
サンタクルスに今後期待される試合は他団体の王者たちとの王座統一戦です。
フェザー級には現在IBFにカール・フランプトンを破ったジョシュ・ワーリントン、WBO王者で強打のオスカー・バルデス、WBCにはサンタクルスと階級最強の称号を二分するゲイリー・ラッセル・ジュニアがいます。
バルデスはトップランク所属、階級アップのため対戦の実現は難しいです。しかしワーリントンとラッセル・ジュニアはサンタクルスとの統一戦を望む発言をしており30歳を超えたサンタクルスも遂に統一戦へと進むかもしれませんね!
コンテンダーにも3度世界王者となったカール・フランプトンとの3戦目や元WBOスーパーバンタム級王者のジェシー・マグダレノ、WBCスーパーバンタム級王者のレイ・バルガスもおりますのでフェザー級戦線はかなり充実しています。
スーパーフェザー級に今回上げたサンタクルスですが体格的にスーパーフェザー級にとどまるのは難しい気がします。フェザー級に戻ってくるのかは不透明ですが対戦できる相手もフェザー級の方が多いのでここは考えどころですね!
カール・フランプトンの試合をテレビで見る方法は?これまでの経歴も紹介!
サンタクルスのファイトスタイル
サンタクルスのスタイルはめちゃくちゃ手数の多い回転力が持ち味のファイター。間合いを詰めるとガードをしっかり固めてボディへのコンビネーションを放ち、打ち下ろしの右で相手を削ります。
離れると長い間合いからジャブ、ワンツーを当ててきてぶっちゃけ戦い方の幅が広いです。インサイドで放つアッパーもかなりうまく一撃で勝負を決めるパワーはないものの打ち合いにも強い軽量級の魅力である子気味いいアップテンポの展開が多いのでファンも多いですね!
フェザー級に上げてからはややパワーレスながらもその旺盛な手数はIBF王者のワーリントンと共通する面も見られてフェザー級で最もエキサイティングな試合をする選手と言えるでしょう!!
バルデスさんまさかの激闘を制する…オスカー・バルデスvs.ジェイソン・サンチェス
まとめとサンタクルスの今後
いかがでしたでしょうか?その旺盛な手数と相手から一歩も引かない気の強さ、圧倒的な実績から軽量級のスターとしてフェザー級、スーパーフェザー級にトップに君臨するレオ・サンタクルス。彼の試合は多くのボクシングファンの注目を集めておりフェザー級は日本人も多い階級ですので人気もありますよね!
今後もフランプトンと3戦目、マレスとの3戦目、WBCスーパーバンタム級王者のレイ・バルガスから挑戦のラブコールもありWBC王者のゲイリー・ラッセル・ジュニアとの統一戦も大いに期待されています。スーパーフェザー級に上げて帰ってくるのか止まるのかはまだ不明ですが多くのオプションがあることは間違いないですね!
手数の多いサンタクルスの試合は常にエキサイティング。オールアクションの試合をする彼は並みのコンテンダーでは歯が立たず、今後はビッグマッチに進むと目されますな。
そんなサンタクルスの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、以下のリンクからWOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?