日本のボクシングファンの方なら誰もが知っている元IBF.WBAバンタム級チャンピオンのジェイミー・マクドネルさん。史上初めてイギリス人のチャンピオンとして日本で防衛戦をして井上尚弥にフルボッコにされたことでとても有名ですね!
マクドネルはイングランドを主戦場にしておりますがモナコやアメリカでの試合経験もあり、亀田和毅とも2度試合をしてますので日本人との対戦経験も豊富ですな。
ロドリゲスはこれまでのキャリアで後にWBCスーパーバンタム級チャンピオンになるフリオ・セハを撃破してIBFタイトルを獲得。元WBAスーパーフライ級チャンピオンのリボリオ・ソリスを疑惑の判定で退けており、元WBOバンタム級チャンピオンの亀田和毅を激戦の末2度下しておりますな。
そして当時スーパーフライ級を席巻しておりアメリカでの評価も高かった井上尚弥の3階級制覇を賭けた試合の相手として日本のリングに参戦。減量に苦しんだマクドネルは計量に遅れてくる失態をやらかしてしまい井上様のイライラはピークに…フルボッコにされて王座を追われてしまいましたな。
井上にはちょっとどうしようもなかったですがスーパーバンタム級にて再起しており、その上背とタイミングの良いジャブを駆使してテクニックのある選手としてまた世界を習っています。井上にも減量苦がなければ勝てたと話すなど威勢の良いことを話してましたのでスーパーバンタム級でのリマッチもあるかもしれません!
ということでマクドネルの試合はより楽しむためにこれまでの経歴をまとめてみました!
Contents
ジェイミー・マクドネルについて
マクドネルの戦歴
ジェイミー・マクドネルは1986年イギリスのヨークシャーのドンカスター生まれのボクサーです。スコットランドの家系ですな。
身長176センチとかなりこのクラスでは破格でリーチも182センチ。この体格を生かしたアウトボクシングを得意としておりますな。
ちなみに双子の弟であるギャビンもプロボクサーとして活躍しており彼はスーパーバンタム級で2度世界タイトルマッチをしておりますな。
バトラー地元で何もできず… エマヌエル・ロドリゲスvs.ポール・バトラー
これまでの実績
マクドネルは2005年にドンカスタードームにてプロデビュー。6回戦で判定勝ちを収めています。5戦目でドローを経験しているものの8戦目ではイングランド地方のタイトルを獲得するなどかなり活躍していましたね。
そしてプロデビューから2年経った2007年にマクドネルは空位の英国タイトルをクリス・エドワーズと争います。エドワーズは負け越しているものの前回の試合で英国タイトル決定戦で引き分けていますね。
しかしウィガンで行われたこの試合はベテランで技巧派のエドワーズの前にマクドネルは僅差判定負けを喫してしまいます。さらに次戦では後にIBFチャンピオンになるリー・ハスキンスの前に僅差判定負け。痛い2連敗を喫してしまいます。
ハスキンスに負けた後半年間リングを離れたマクドネルは再起して4連勝。またも英国タイトルマッチのチャンスをつかみます。相手はイアン・ナパ。ジンバブエのボクサーで元英国チャンピオン、EBUのヨーロピアンチャンピオンでリー・ハスキンスを負傷とは言えノックアウトしてますね。
マクドネルはこの試合で技巧派同士の試合となりますが的確なジャブを当ててやや優位に進めて僅差判定勝ち。英国タイトルを獲得します。
さらに次戦ではフランスに赴いて空位のヨーロッパ王座を争います。相手はジェローム・アーノルド。元フランスチャンピオンでかつてWBAチャンピオンだったウラジミール・シドレンコにノックアウト負けした選手ですね。
マクドネルはこの試合で開始から的確なジャブでアーノルドを射抜いてダメージを蓄積させます。そして迎えた10ラウンドにストップを呼び込んで敵地の試合で快勝を挙げています!!
さらにイタリアチャンピオンのロドリコ・ブラッコをノックアウト。ヨーロッパ連合チャンピオンで後にWBOチャンピオンになる亀田和毅を苦戦させたシャティファーヌ・ジャモエを僅差判定で下して切り抜けます。
さらに次戦ではアフリカ連合チャンピオンのニック・オティエノを下してコモンウェルスタイトルを獲得。後にIBFチャンピオンになるスチュアート・ホールとの接戦を制して英国。コモンウェルス、ヨーロッパタイトルを統一していますね。
さらに元ヨーロッパフライ級チャンピオンでオマール・ナルバエスにも挑んだイバン・ポソ、ニカラグアのハードパンチャーであるダルウィン・サモラをノックアウトしてIBF指名挑戦者となります!!
苦戦に静まる会場のプエルトリカン…エマヌエル・ロドリゲスvs.ジェイソン・モロニー
IBF王座の獲得と剥奪
マクドネルは2013年に初の世界タイトルマッチを迎えます。地元のドンカスターで迎えたIBF世界バンタム級王座決定戦の相手はメキシカンのフリオ・セハ。
セハはここまで無敗のパンチャーで闘鶏のニックネームを持つ通りガードを度外視してコンビネーションを放ってくるメキシカンファイター。IBFラテン王座やWBCカリブ王座を獲得してますな。
そしてこの試合はかなり微妙な試合となります。開始から前に来るセハに対してマクドネルは近づかれるとクリンチ。間合いを取るとジャブを当ててアグレッシブさで勝るセハと正確さで勝るマクドネルの図式になります。そして判定はかなり微妙でしたが地元のマクドネル!ついに世界タイトルに到達しました!
しかしこの王座決定戦で獲得したタイトルの指名試合となるブシ・マリンガとの試合をマクドネルは拒否!王座は防衛されることなく剥奪されることになります!
戦わずして王座を失ったマクドネルは半年後に再起戦。8回戦をノックアウトでクリアして次なるチャンスを待ちます。
その1ヶ月後には後に亀田和毅とWBCスーパーバンタム級暫定王座を争うことになるアビゲイル・メディナと対戦して判定勝ち。また世界タイトルマッチのチャンスを得ます。
亀田和毅さんマクドネルに惜敗してしまう…ジェイミー・マクドネルvs.亀田和毅1
WBAチャンピオン時代と初期の防衛戦
マクドネルは2014年に再び世界タイトルマッチのチャンスを得ます。亀田興毅が返上したWBA世界バンタム級王座決定戦となるタプティムデーン・ラチャワットとの試合を行います。
ラチャワットはタイのコンテンダーでハードパンチャー。PABAタイトルを保持しておりウェンブリースタジアムでカール・フロッチの前座で行われましたね!
そして試合はマクドネルが長い間合いを生かしてラチャワットを圧倒!ジャブを当ててことごとく出鼻を挫くと一方的に試合を進めて左フックで10ラウンドにラチャワットはダウン!ストップして日本目のベルトを獲得します!
そして次戦はエコー・アリーナでトニー・ベリューの前座で試合を行います。相手はコンテンダーのハビエル・チャコン。
アルゼンチンの元WBCラテンチャンピオンでかつてスーパーチャンピオンだったアンセルモ・モレノと対戦しているファイターですな。
そしてこの試合は前に出てくるチャコンの前に思いの外苦戦を強いられます。ポイントはジャブでリードしていたものの接戦となり、苦しい試合でしたがチャコンは肩を脱臼。10ラウンドにTKOとなりマクドネルが防衛を果たします!
リゴンドーさんいろんな意味でカムバック…ギレルモ・リゴンドーvs.リボリオ・ソリス
亀田との2連戦
マクドネルはチャコンをノックアウトした後ついにアメリカでのビッグファイトを引き当てることになります。WBOチャンピオンの亀田和毅との試合です。
亀田は亀田三兄弟の末っ子でメキシコでキャリアを積んできたタフな選手。兄弟の中で最もセンスがあると言われる選手でニュートラルエリアのフィリピンにてパウルス・アンブンダを判定で下してタイトルを獲得。2度目の防衛戦では元チャンピオンのプンルアン・ソーシンユーを左ボディで一撃ノックアウト。この試合でアメリカデビューしており暫定チャンピオンのアレハンドロ・エルナンデスも下しております。
試合は統一戦となるはずでしたがWBOはWBAスーパーチャンピオンのファン・カルロス・パヤノ以外はチャンピオンと認めていないため亀田は王座を返上することになります。
そして試合は素晴らしい激戦になります。開始から亀田のステップインの速さについていけないマクドネルは3ラウンドにショートの右をもらってダウン!しかしここからマクドネルは接近してインサイドで亀田をリード!逆転の判定勝ちで亀田に初黒星を与えます!
2人の試合はかなり接戦となったこともありすぐさまリマッチに!テキサス州のコーパスクリスティでリマッチが行われることになります。
そして試合は接戦となりますがマクドネルがタイミングの良いジャブと右リードで亀田をリード。テクニックで勝ると12ラウンドにスリップ気味のダウンを奪って判定勝ち。亀田に2連勝を飾ってタイトルを守ります!
実質的に統一戦に勝利したマクドネルはバンタム級の実力者として認知されるようになり、世界中で試合をすることになりますな。
マクドネルさんまたも亀田を撃退…ジェイミー・マクドネルvs.亀田和毅2
亀田戦後の防衛
マクドネルは亀田を下した後イギリスに帰還します。アンソニー・ジョシュアの初めての世界タイトルマッチのアンダーカードで行われた次戦はフェルナンド・パーラとなります。正直世界タイトルマッチにはまだ遠い相手となりましたな。
試合はマクドネルがパーラを圧倒。2度目のトライでウェイトを作ってきたパーラにジャブと右ストレートを次々決めると9ラウンドにストップ!快勝で防衛に成功します!
そして次戦はモナコにて防衛戦。相手は元WBA世界スーパーフライ級チャンピオンのリボリオ・ソリスになります。
ソリスはかつて日本にて河野公平とのダウン応酬の激戦を制して暫定チャンピオンから昇格。IBFチャンピオンだった亀田大毅との統一戦を行うもののウェイトオーバーしてコーラをがぶ飲みする開き直りをしたことで知られてますな。
亀田にも判定で勝利しておりその後はWBCバンタム級チャンピオンの山中慎介に挑戦。敗れはしたものの3ラウンドに2度のダウンを奪う大健闘をしており、実力者としてワールドシーンに出てきておりますな。
そしてこの試合はめちゃくちゃ議論を呼ぶ試合となります。開始からガンガン出てくるソリスにマクドネルは四苦八苦。ソリスがアグレッシブさで明らかに上回りましたが判定は不可解なものでマクドネル!大いに議論を呼んで2人はリマッチへと向かいます。
そして1年後に同じモナコで迎えたリマッチはすご〜くモヤモヤするものになります。3ラウンドに偶然のバッティングで激しく流血が起こるとノーコンテストに…マクドネルの防衛となりますが決着はつかないままになりましたね。
こいつなんでパウンド・フォーパウンドじゃねぇんだよ…井上尚弥vs.エマヌエル・ロドリゲス 試合後のコメント、ドネアのコメントもあり!
井上尚弥との試合と王座陥落
マクドネルはキャリア最大の強敵に挑むべく日本のリングにイギリス人チャンピオンとして初めて舞い降りることになります。
相手は元2階級制覇チャンピオンの井上尚弥。ここまで無敗のモンスターでWBCライトフライ級、WBOスーパーフライ級タイトルを獲得しておりその強さたるや世界の注目を集めているパウンド・フォー・パウンド候補です。
これまでのキャリアでライトフライ級王座を後に統一する田口良一、2度世界王者となったアドリアン・エルナンデス、2階級制覇王者で20度以上の世界戦の経験があるレジェンドのオマール・ナルバエスを下しており、元WBAスーパーフライ級ツータイムチャンピオンの河野公平もノックアウトしてますね!
そして試合の前の計量ではその体格から減量に大いに苦しんだマクドネルが遅刻…このことにイライラしてしまった井上様はご機嫌斜めとなってしまいます…
そして迎えた試合では井上がマクドネルのことを圧倒!遅刻の代償を支払うかのように怒りのコンビネーションを浴びせて左フックでダウンさせるとコンビネーションで追い込んでコーナーがタオルを投げる初回ストップ負け!あまりにもパワーとスピードに差がある試合で完敗を喫します!
試合後にも怒りの収まらない井上はテレビ放送でマクドネルのことを愚痴ってカットされる事態に笑。マクドネルは半年後ぐらいに減量さえなければ勝てたと話しておりましたがとてもそうは見えませんでしたな。
マクドネル井上の逆鱗に触れてしまう… 井上尚弥vs.ジェイミー・マクドネル
井上戦後のウェイトアップ
マクドネルは井上にけちょんけちょんにされてしまった後バンタム級をさる決断をして試合から1年ほど遠ざかることになります。
そして迎えた再起戦は6回戦でフェザー級での試合。元WBAフェデセンテロチャンピオンのクリスチャン・ナルバエスと対戦して判定勝ち。試合後には今後はスーパーバンタム級で戦うことを明言しておりましたな。
よくも俺のテテさんを・・・おのれカシメロォ…ゾラニ・テテvs.ジョン・リル・カシメロ
今後期待される試合
マクドネルに期待されている試合は王座返り咲きをかけた試合です。
マクドネルは井上にはフルボッコにされてしまいましたがこれは仕方ないかなと思います。井上の強さは今でもバンタム級でも飛び抜けてますしあの負けはマクドネルが弱いわけではないと個人的には思っていますね。
ただマクドネルが世界チャンピオンにふさわしいかと言われると微妙です。正直ソリス戦は完全に負けていたと思ってますしインサイドに入ってこられた時の対処に課題を残していることは確か。ベテランの域に入ってますがこれからも成長していくことが求められます。
マクドネルのいるスーパーバンタム級は少し地味なチャンピオンばかりです。WBCチャンピオンのレイ・バルガスともし仮に試合をするようなら長いリーチを持つ者同士の良い試合になりそうですね。
WBOのナバレッテだとコンビネーションについていけないかなと思いますが、WBAチャンピオンのブランドン・フィゲロアから激しいフィジカルファイトになりそう。WBA.IBFチャンピオンのダニエル・ローマンには弟のギャビンが負けますので実現すれば面白いですね!
やはり攻め手のなさが響いたなぁ…ノルディ・ウーバーリvs.井上拓真
マクドネルのファイトスタイル
マクドネルのファイトスタイルはガードをしっかりと固めて相手と中間距離~ロングレンジで対峙するワンツーパンチャー。相手の動き出しを狙ったジャブの精度は高くてこのパンチだけで懐深く、相手の接近を阻みます。
あまりパワーはないのですがとてもタイミングが良く、ショートの右は意外なパワーがあり亀田をダウンさせてますね。さらに相手の傷口をコツコツと狙い続ける嫌らしさと正確さが武器です
反面ソリス戦で露呈したように接近されるとかなりもろいです。回転力は高くなく、腕を振り回せる距離ではないと得意のカウンター、強打も機能しないことが弱点です。
井上尚弥やドネアのような特別なスピードやパワーがあるわけではないので攻略自体はそこまで難しくないです。ただ全体的にまとまっていて崩しづらいのでボクシングで勝負しようとするとめんどくさい相手になりますね!
おいおいマルガリートのパクリかよ…ルイス・ネリvs.ファン・カルロス・パヤノ
まとめ
いかがでしたでしょうか?そのタイミングの良いパンチとロングレンジから相手の接近を許さないテクニックが魅力のテクニシャンであるジェイミー・マクドネル。井上尚弥にはけちょんけちょんにされてしまいましたがまだまだチャンスは残っています。
マクドネルはスーパーバンタム級でもかなりでかいですしサイズを活かした試合をします。バンタム級では最後らへんはほとんど動けてなかったですが今ならよりクオリティの高い試合ができて本領発揮できると思います!
マクドネルはまだまだ世界タイトルを狙える立ち位置にいます。亀田和毅戦では素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたし、チャンスさえあれば今のチャンピオンとも良い試合ができると思いますね!
なので今後対戦する相手のレベルが高いのならばどんな形でも勝つことでまたタイトル戦線に出て来られると思います。スーパーバンタム級のトップの1人としてスーパーバンタム級戦線をかき回してほしい存在の1人ですね!
ちなみにそんなマクドネルの試合を見るならWOWOWがオススメです!過去の試合もやってますのでよろしければ以下のリンクをご参照ください!