多くの試合で活躍しており現代のチャンピオンの中でも敵地で勝ち抜き、人一倍努力家であることで知られるレネ・アルバラード。長い間合いを持つパンチャーとして知られており、WBAの黒のベルトを保持した実力者です。
アルバラードは世界的に層の厚いスーパーフェザー級でタイトルを保持した強豪。オフェンスに優れたファイターで長いリーチを振り回してとにかく前に出てきては左右ボディとフックを打ち込んで相手を根負けさせてしまえるスタイルを持ちますね。
アルバラードはエリートではなく、6回戦時代から敗戦を経験して這い上がってきたボクサーです。ニカラグアでは大きな人気を誇り、双子の弟であるフェリックスもIBFライトフライ級チャンピオンでニカラグア初の双子チャンピオンですな。
キャリアの中ではかつて敗れたWBAチャンピオンのアンドリュー・カンシオを負傷ノックアウトで下してタイトルを獲得。コンテンダー時代にもロビンソン・カスティリャノスやデニス・シャフィコフなどの名のあるコンテンダーを下してきておりますな。
現IBFチャンピオンジョセフ・ディアスやカンシオ、シドニーオリンピック銀メダリストのロッキー・フアレスやコンテンダーのエリック・ハンターには負けているもののノックアウトされたのは負傷でストップとなったカンシオだけで借りを返しているなど驚異的なタフさを持ちますね。
選手としてはとにかくどんどん前に出てきて長いリーチから左右フックとストレートを打ち込むスタイル。ガードの上からでもパンチを手数多く出してくるスタイルで、試合の中で1000発ほどのパンチを打ち込んでくるアグレッシブなスタミナとタフさに優れた選手ですね。
そこでアルバラードの試合を楽しむためにアルバラードの経歴をまとめてみました!!
Contents
レネ・アルバラードの戦歴
レネ・アルバラードのプロフィール
アルバラードは1989年生まれ。ニカラグアのマナグア生まれのニカラグア人で弟のフェリックス、スーパーフライ級チャンピオンのローマン・ゴンサレスと並ぶ同国のスター選手ですね。
アルバラードはアマチュアの頃に大きな国際大会で結果を残したことはなく、レコードも知られていないのでプロでの叩き上げの選手ですね!
身長は170センチと普通なものの、リーチは183センチもありこのクラスでは破格の長さ。双子の弟のフェリックスはIBFライトフライ級チャンピオンでニカラグア初の双子チャンピオンとして有名ですな。
ちなみにアルバラードはあまり派手な性格ではなく、今でもマナグアに在住。サッカーをするのが趣味らしく、お休みの日には家族で映画を見ることが好きだそうですな。
これまでの戦歴
アルバラードは2008年に20歳の頃にプロデビュー。マナグアで4回戦を2ラウンドノックアウト勝ちでクリアしています。
そして5戦目まで4回戦を行ってすべてノックアウト勝ち。6戦目からは6回戦に昇格して8戦目からは8回戦。9戦目にはニカラグアのスーパーバンタム級タイトルマッチを行ってオーランド・リゾにダウン応酬の末に僅差判定勝ちを収めています。
その後は6回戦を3度消化してノンタイトルマッチを5度クリア。リゾとのリマッチとなるものの僅差判定負けを喫して初黒星となります。
その後半年後に再起するとノンタイトルマッチを3度消化してパナマに遠征。後にWBAスーパーフェザー級スーパーチャンピオンとなるジェスリール・コラレスと対戦。コラレスのやりにくさに翻弄されて判定負けを喫します。
しかしその後すぐにカムバックしてその後にはコスタリカに遠征。クリアしてビッグチャンスをつかむことになります。
まさかの展開やわぁ…レネ・アルバラードvs.ロジャー・グティエレス2
フェザー級時代と敗戦
アルバラードは2014年に大きな試合を掴みます。WBCフェザー級シルバーチャンピオンのロビンソン・カスティリャノスとの試合です。カスティリャノスはこの試合が8度目の防衛戦となるベテランで世界ランキングの高いコンテンダーですな。
そして試合は敵地となるメキシコで行われてアルバラードが開始からアグレッシブに出てきてカスティリャノスを圧倒!カスティリャノスはアルバラードの弾幕の前にタジタジとなり、9ラウンドにたまらずダウン!そのままストップとなり、アルバラードはキャリアで大きな勝利を挙げます!
一気に世界ランキング入りしたアルバラードはアメリカのカリフォルニアに参戦。シドニーオリンピック銀メダリストでかつてマルコ・アントニオ・バレラと2度対戦してフェザー級チャンピオンのクリス・ジョンと2度、ファン・マヌエル・マルケスの世界タイトルにチャレンジしたロッキー・ファーストの初防衛戦を迎えます。
フアレスは勢いが衰えていたこともあり、アルバラード優位と見られましたがこの試合はカリフォルニアで行われてフアレスのファンであるアメリカ軍に囲まれる中での試合となり、経験に勝るフアレスが打ち終わりにコツコツジャブを的確に当てて番狂わせとなる判定勝ち!アルバラードは初防衛戦でタイトルを手放すことになりました。
しかし5ヶ月後アルバラードは復活。メキシコでWBCスーパーフェザー級インターナショナルシルバーチャンピオンのファン・パブロ・サンチェスと対戦します。
試合は敵地のメキシコで行われましたがアルバラードはアグレッシブに出てきてサンチェスを押し込みまくる展開に!サンチェスはカウンター狙いのもののアルバラードが押し切ってタイトルを獲得します!
そしてアルバラードはまたウェイトをフェザー級に下げてフィラデルフィアに参戦。コンテンダーでアマチュアとしてオリンピック選考会まで残ったエリック・ハンターとの試合を迎えます。
試合は敵地のど真ん中に向かったアルバラードが前に出るもののカウンターを打たれていつものような手数が出せない展開に!後半は逆にカウンター作戦を機能させたものの前半の失点が響いて判定負け。奮戦したものの痛い黒星となります。
この後アルバラードはニカラグアで8回戦を2ヶ月後にクリア。カリフォルニアにまた参戦してロンドンオリンピック代表のジョセフ・ディアスとの試合を迎えます。ディアスはサウスポーのファイターでチャンピオン候補と名高いプロスペクトでしたな。
そして試合はアルバラードが前に来たものの初回にまさかのダウン!ここから自慢の手数で巻き返して熱戦となったもののこの失点が響いて僅差判定負け。しかしディアスを苦しめたことで敗れながらも評価を高めます。
この敗戦の後アルバラードはニカラグアに帰国。3ヶ月後にノンタイトルマッチをノックアウトでクリアしてまたカリフォルニアに参戦してきます。
相手はコンテンダーのアンドリュー・カンシオ。カンシオはカリフォルニアのパンチャーで地元で大人気のファイター。ロッキー・フアレスに判定勝ちしており、世界ランキングを持つ激闘王ですな。
そして試合は期待に違わぬ熱戦に!しかしカンシオは頭をつけての打ち合いで優位になって8ラウンドにアルバラードはダウン!右目尻をカットしてしまい、負傷TKO負けとなりキャリア初のノックアウト負けとなりました。
しかしめげないアルバラードは4ヶ月後にまたカリフォルニアに参戦。無敗のプロスペクトであるマヌエル・アビラとの対戦を迎えます。アビラはジュニアオリンピックで銅メダリストとなった俊英ですな。
そして試合はアビラが下がってカウンターを取る展開に!アルバラードは追いかけ回して食い下がったものの下がり続けるアビラのことを攻略できずに判定負け。無念の2連敗となり、フェザー級を卒業することになります。
伏兵のフアレス久々に輝く…レネ・アルバラードvs.ロッキー・フアレス
スーパーフェザー級コンテンダー時代
フェザー級を卒業したアルバラードは3ヶ月後にまたもやカリフォルニアに参戦。スーパーフェザー級コンテンダーでハードパンチャーのジェイソン・ベレスと対戦します。
ベレスはプエルトリコのハードパンチャーでIBFフェザー級チャンピオンのエフゲニー・グラドビッチに挑んで引き分けている選手。ロニー・リオスとジョセフ・ディアスに敗れてスーパーフェザー級に上げてきましたな。
そして試合はアルバラードが回転力でベレスを押し込んでどんどん前に出てくる展開となり、ベレスを圧倒!判定は僅差となりましたがアルバラードが内容的には圧倒して判定勝ちを収めて番狂わせを収めます!
そして9ヶ月後アルバラードはニューヨークに参戦。アテネオリンピック金メダリストで元WBA.IBFフェザー級、WBAスーパーフェザー級、WBAライト級チャンピオンのユリオルキス・ガンボアとの試合を迎えます。
ガンボアはキューバのコンビネーションパンチャーでテレンス・クロフォードにしか負けていないエリート。打たれ弱い点があるものの振り回してくるカウンターパンチャーでホルヘ・ソリスやダニエル・ポンセ・デレオン、オルランド・サリドなどを下してきておりますね。
そして試合はガンボアがスピードを生かしてアウトボクシング!アルバラードは追いかけてかなり食い下がり、10ラウンドにはダウンさせたもののポイントを取るには至らず判定負け。しかしガンボアを苦戦させたことで評価を落とすことはなかったですな。
アルバラードはこの後2ヶ月後にニカラグアでカムバック。8回戦をノックアウトでクリアしてカリフォルニアにカムバック。無敗のプロスペクトであるロジャー・グティエレスとの試合を行います。
ベネズエラのハードパンチャーであるグティエレスの踏み台として用意されたアルバラードでしたが、試合はアルバラードが圧倒!回転の高い連打と的確なパンチでダメージを与えて7ラウンドにグティエレスのコーナーがタオルを投入!アルバラードが無敗の相手を下します。
そして3ヶ月後にアルバラードはニカラグアデノンタイトルマッチをクリア。2017年末にWBAスーパーフェザー級指名挑戦者決定戦となるデニス・シャフィコフとの試合を迎えます。
シャフィコフは元ライト級コンテンダーで手数の多いうるさいファイター。ライト級でIBFチャンピオンのミゲール・バスケス、ロバート・イースター・ジュニア、ランセス・バルテレミーに挑んだコンテンダーで世界タイトルマッチ以外に敗戦はなし。ハードパンチャーのリチャード・コミーを下しておりますな。
そして試合は前に来るシャフィコフにアルバラードが長いパンチで迎撃する展開に!5ラウンドにはスリップ気味のダウンを奪い、激しく流血したシャフィコフと激戦を演じて僅差判定勝ち。ついに世界への切符を手に入れます。
アクティブなアルバラードは3ヶ月後にもニカラグアでノンタイトルマッチ。ノックアウトでクリアしてカリフォルニアのカードに参戦します。相手はカルロス・モラレスで元NABFチャンピオン。ライアン・ガルシアを苦戦させており後にWBAチャンピオンとなるアルベルト・マチャドに判定負けしておりますな。
そして試合はアルバラードが打ち合いになったものの回転力とパワーで勝って判定勝ち。後半にかけてコンビネーションを出してきてさらにノンタイトルマッチをクリア。世界タイトルマッチへと向かいます。
ジャッジ1人おかしいね…レネ・アルバラードvs.ジェイソン・ベレス
王座獲得とチャンピオンロード
アルバラードは指名挑戦者としてWBAレギュラーチャンピオンのアンドリュー・カンシオにチャレンジ。リマッチとなります。
カンシオはアルバラードとの試合の後もジョセフ・ディアスを苦戦させて無敗のアイダール・シャリバイェフをノックアウト。無敗だったWBAチャンピオンのアルベルト・マチャドに挑んで大番狂わせのノックアウト勝ちでタイトルを獲得し、リマッチでも返り討ちにしましたな。
そして試合はカンシオがアルバラードの覚悟に飲み込まれる試合となります。アルバラードは開始からコンビネーションを打ち込みまくってサイドに流れる展開に!カンシオはパンチで目の上をカットしてしまい、流血。アルバラードの弾幕に押されがちとなり、激しい打撃戦となりましたが7ラウンド終了後にドクターストップ!アルバラードはリベンジに成功して念願の世界王座を獲得、ニカラグア初の双子世界チャンピオンとなります!
そして初防衛戦はかつて下したロジャー・グティエレスとの試合が決定。グティエレスはアルバラードに負けたあと二度負けたものの5連勝して浮上してきておりますな。
そしてこの試合は3ラウンドにグティエレスが3度のダウンを奪うまさかの展開に!しかしアルバラードはコンビネーションで巻き返すと一進一退の試合に!しかし12ラウンドにアルバラードは痛恨のダウン!僅差の判定はこれが決め手となり、グティエレスが勝ち取りました!
アルバラードは王座陥落となりましたが大接戦だったこともあり、リマッチが決まっています。王座奪還に向けて負けられませんね。
もう負けないでくれ…ロジャー・グティエレスvs.レネ・アルバラード3予想
アルバラードのファイトスタイル
アルバラードのファイトスタイルは打ち合いを得意とするスタイルでとにかくコンビネーションを打ち込んでくる弾幕のスタイル。ガードの上からでも迷わず振り抜いてきますね。
彼の最大の持ち味はタフネス。どれだけ打たれても止まらず、ボディと顔面にフックを打ち込んでどんどん出てくる非常にやりにくいスタイルを持ち、粘り強い試合をしてきますね。
常に前に出てくるのでどうしても揉み合いも多くなりますがこの人のスタミナは特別。しかもリーチが長いのにインサイドでもパンチを器用に腕をたたんで打ち込むのでとてもやりにくくて後半にもギアが落ちないですね。
ディフェンスが緩いため安易にパンチをもらうところがありますが、まだ強くなる要素があると思います。カンシオとの3戦目やディアスとのリマッチ、ベルチェットとの試合なら打ち合いになると思うので噛み合いそうですね!
今後期待される試合
アルバラードに期待される試合はスーパーフェザー級トップとの試合です。
アルバラードはすでに世界の頂点に到達した男です。コンテンダーの時から多くのタフな相手と対戦していますがこれから先もタフなマッチアップが続くと思います。
スーパーフェザー級でやるならターゲットはWBCチャンピオンのミゲール・ベルチェットかWBOチャンピオンのジャメル・ヘリング、IBFチャンピオンのジョセフ・ディアス、元チャンピオンのアンドリュー・カンシオ、WBA暫定チャンピオンのクリス・コルバートがいます。
この中でも試合の実現に大いに期待できるのはIBFチャンピオンのディアス。彼は同じゴールデンボーイに所属しているので王座統一をかけたリマッチならかなり盛り上がる試合となりそうですね。
アルバラードの良いところ誰が相手でも臆さずに立ち向かえるところ。どんな相手でも試合を断らないところはビジネスを超えた男らしさがあるので是非ともビッグファイトをやってほしいですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?優れたタフネスで打ち合いにめっぽう強いアルバラード。常に前に出てくるファイターなのでヒスパニック、ニカラグアのファンを中心にファンも多いですね。
スーパーフェザー級にいることもあり彼の対戦相手には日本人が絡む可能性も大いにあります。スーパーフェザー級の中心人物ですので彼の試合は試合のたびに大きなカードとして注目されています。
今後は世界タイトルマッチに絡むためにコンテンダーとの試合や、チャンピオンとの試合をやることになると思います。できれば、カンシオ、ディアスとのラバーマッチを見せて欲しいですね!
他にもトップランクのWBOチャンピオンのジャメル・ヘリング、WBCチャンピオンのミゲール・ベルチェットがターゲットになります。まずは試金石としてテビン・フォーマー、ジェイソン・ソーサなどとの試合も見てみたいですね。
まだまだ多くのファイターがスーパーフェザー級ではあり、元WBOフェザー級チャンピオンのシャクール・スティーブンソンやオスカー・バルデスの無敗コンビもスーパーフェザー級に参戦。PBCにも元WBAスーパーチャンピオンのレオ・サンタクルスや暫定チャンピオンのクリス・コルバートがいるので試合が見てみたいですね!
ちなみにそんなアルバラードの試合をテレビで見るならばWOWOWがおすすめです。WOWOWではアルバラード以外にもデオンテイ・ワイルダーやワシル・ロマチェンコ、ノニト・ドネアなど多くの世界の強豪ボクサーの試合が放送されてますので是非ご覧ください!