クラシックファイターでヘビー級歴代最強チャンピオンとも言われているレノックス・ルイスさん。オリンピックで金メダルを獲得して、プロの世界でも正真正銘のチャンピオンのまま引退しているレジェンドです。
その実績は凄まじく、元チャンピオンのマイク・ウィーバー、元クルーザー級チャンピオンのオジー・オカシオ、マイク・タイソンと激戦を演じたドノバン・ラドック、元チャンピオンのトニー・タッカー、後にチャンピオンとなるフランク・ブルーノ、かつて破れたオリバー・マッコール、元WBOチャンピオンのトミー・モリソン、元WBOチャンピオンのレイ・マーサー、後にチャンピオンになるシャノン・ブリッグス、レジェンドのイベンダー・ホリフィールド、かつて敗れたハシム・ラクマン、アイコンのマイク・タイソン、元チャンピオンのビタリ・クリチコを下しております。
敗れたのはいずれもノックアウト負けでオリバー・マッコールに2ラウンドで痛烈にノックアウトされた試合、ハシム・ラクマンに南アフリカで失神させられた試合ですがどちらにも借りを返しております。
ルイスのすごいところは並いる相手を下してチャンピオンのまま引退したこと。誰もが認めるヘビー級最強チャンピオンのまま引退をしている彼の引き際は今でも伝説的で多くのファンが根強くヘビー級歴代最強説を唱えてますね!
そんなルイスはオーソドックスの構えからジャブで相手を弾くロングレンジを得意とするテクニシャン。長いジャブで相手の顔を弾いて痛烈な右で多くの相手を沈めてきたハードパンチャーです。
打たれて弱い点があるものの強烈なパンチとタイミングの良いジャブで出鼻をくじいて多彩なパンチを打ち分ける彼の試合はまさにきれい。ライオンのニックネームを持つルイスですがファイトスタイルはとてもクレバーな試合運びをするタイプですね。
そんな彼は引退しても同じく英国人ヘビー級チャンピオンのアンソニー・ジョシュアと喧嘩するなど目立っています。ヘビー級ビッグファイトの際にはよく顔を出しておりその存在は今でも多くのファンに喜ばれる真のレジェンドですね!
ということで、レジェンドの彼の古き良き試合を楽しむために彼の来歴をまとめました!
Contents
ルイスの戦歴
ルイスのプロフィール
レノックス・ルイスは1965年生まれ。イングランドのウェスト・ハムに生まれておりジャマイカ系の移民の両親のを持っておりますな。
ルイスはかなり小さな頃からやんちゃだったとのことでお母様によると近所の子供たちとよく喧嘩をしていたそうです。
そして12歳の時にルイスはお母様とカナダのオンタリオに移住。身体能力の高いルイスはカナダの高校でフットボールやバスケットボール、サッカーをこなしていたそうです。ちなみに高校時代にはバスケットボールでAAAリーグに地域代表で出ているそうですな。
そしてルイスはその後ボクシングを進めることに決意。1983年にはジュニアオリンピックで金メダルを獲得しておりますね。
そして18歳の時にはカナダを代表してロサンゼルスオリンピックに参戦。準々決勝で敗れておりますが相手は金メダルを獲得するティレル・ビッグスでしたな。
1985年のワールドカップでは銀メダルを獲得して北アメリカ大陸大会でも金メダルを獲得。1986年のワールドカップでは予選負けしてしまうもののコモンウェルスゲームで金メダルを獲得。
1987年には北アメリカ大会で金メダル、パンアメリカン大会で銀メダルを獲得して1988年のソウルオリンピックに参戦。
ソウルオリンピックでは決勝まで進んでファイナルで後に世界ヘビー級チャンピオンとなるリディック・ボウと対戦。2ラウンドストップ勝ちとなり金メダルを獲得します!
そしてオリンピックの後ルイスはプロに転向することをアナウンスしてこの時から多くのプロモーターが将来のスターとして彼に注目。
トップランクのCEOであるボブ・アラムがルイスにコンタクトしておりますがルイスはイギリスに帰化することを選択。イングランドでプロデビューすることになりました!
レノックスはオールタイムグレートや…レノックス・ルイスvs.フィル・ジャクソン
これまでの実績
ルイスは1989年にプロデビュー。ジャーニーマン相手に2ラウンドノックアウト勝ちを収めてプロデビューを飾ります。
そのあとルイスは月1回のペースで試合をこなしていきます。6戦目には8回戦で試合をしておりノックアウトの山を築き上げていきます。
1990年の7月には10回戦をこなしたルイスは10月にはなんとヨーロッパタイトルにチャレンジ。フランスのジャン・モーリス・チャネットをカットさせて6ラウンドストップ勝ちを収めて初めてのタイトルを獲得します。
そして次戦ではイギリスチャンピオンでここまで無敗のジャマイカ人であるゲイリー・メイソンと対戦。7ラウンドストップに持ち込んで無敗の相手に土をつけておりますな。
そして次戦では元WBAチャンピオンのマイク・ウィーバーと対戦。ラリー・ホームズやマイケル・ドークスらの強敵と試合をこなしているウィーバーを6ラウンドでノックアウトしておりますな。
そして次戦では元IBF世界クルーザー級チャンピオンのグレン・マクローリーを2ラウンドでノックアウト。さらにマイク・タイソンに挑んでリディック・ボウとも対戦しているティレル・ビッグスを3ラウンドに3回ダウンさせてストップしています。
さらにコモンウェルスチャンピオンのデレク・ウィリアムスを3ラウンドでストップしてベルトをコレクションに追加。さらにマイク・タイソンと2度もの激戦を繰り広げたドノバン・ラドックを2ラウンドでノックアウトして世界タイトルマッチを迎えることになります。
ルイスはスマートさが光る…レノックス・ルイスvs.ゼルジコ・マブロビック
認定王座と1度目の王座時代
ルイスはWBCランキングで1位となり、オリンピックで下しているWBCチャンピオンのリディック・ボウとの対戦を命じられます。ボウはイベンダー・ホリフィールドを下しているハードパンチャーでスキルも確かなストロングなパンチャー。この試合は大きな注目を集めます。
しかしボウはルイスとの指名試合をなんと拒否!記者会見でWBCのベルトをゴミ箱に捨てるという暴挙を起こしてタイトルは当然剥奪。異例中の異例ですがルイスは認定チャンピオンとして世界タイトルマッチに勝利することなくチャンピオンに認定されます。
そして迎えた初防衛戦は元IBFチャンピオンのトニー・タッカー戦。タッカーはハードパンチャーとして知られておりジェームス・ダグラスをノックアウトしております。マイク・タイソン相手にも判定まで狙っておりますな。
そしてこの試合はルイスが決め手に欠ける試合となります。3ラウンドと9ラウンドにダウンを奪ってストレートをみんなが期待したもののタッカーはフットワークを駆使して逃げ切り。ルイスが判定勝ちとなるもののエキサイティングな試合とはなりませんでしたな。
そして次戦は同じくイングランドのフランク・ブルーノと対戦。ブルーノはハードパンチャーとして知られておりカール・ウィリアムスをノックアウト。マイク・タイソンに敗れたものの初めてタイソンをふらつかせた男として有名ですな。
そしてこの試合はなかなかのシーソーゲームとなります。ブルーノはノックアウトを狙って打ち合いになりポイントはかなり接戦となりますがルイスは的確なパンチを当てて7ラウンドに効かせるとそのままストップ!貫禄の強さを見せております!
ライオンが起死回生の一撃…レノックス・ルイスvs.フランク・ブルーノ
そして3度目の防衛戦はマイアミのハードパンチャーであるフィル・ジャクソンと対戦。ジャクソンはドノバン・ラドックに負けてから連勝しているパンチャーですね。
そしてこの試合はルイスが初回からダウンさせる展開に。しかしジャクソンは粘って振り回すパンチを放ちますが5ラウンドには痛烈なダウンを奪われてロープ下へ!7ラウンドにインサイドのコンビネーションでダウン!レフェリーがストップしてルイスのスキルの高さが光りましたね!
そしてその強さがヘビー級最強とされる評価を得た頃に大きな落とし穴が待っていました。オリバー・マッコールとの試合です。
マッコールはとてもタフなファイターで身長188センチなもののリーチは208センチもあるアンバランスな体格が特徴のハードパンチャー。ジェームス・ダグラスやオーリン・ノリス、トニー・タッカーらには敗れてますが全て判定ですね。
そしてこの試合はまさかまさかの大番狂わせとなります!ウェンブリーで行われたもののルイスが初回やや有利で折り返すと2ラウンドにマッコールが右オーバーハンドをクリーンヒット!ルイスは大の字に倒れてよく立ってきたもののふらついてストップ!初黒星となり地元での陥落となりましたね!
このことからルイスは打たれ弱いイメージがつくことになり、再起ロードを歩んでいくことになります。
マッコールさんこの時は泣かなかったのに…レノックス・ルイスvs.オリバー・マッコール1
再起ロード
マッコールに負けてしまったルイスは失意の中半年後にリング復帰を行います。元IBOチャンピオンでマッコールに僅差判定負けしているライオネル・バトラーとの試合を行います。
WBC指名挑戦者決定戦となったこの試合はルイスがジャブで間合いを取る慎重なボクシングから崩して5ラウンドノックアウト勝ち。まず再起戦をこなします。
そして2ヶ月後には現在マニー・パッキャオのコンディショニングコーチとして活躍しているジャスティン・フォーチュンと対戦して4ラウンドノックアウト勝ち。アイルランドで勝ち名乗りを受けます。
そしてルイスは次戦で元WBOチャンピオンでホワイトホープとして有名なトミー・モリソンと対戦。モリソンはハードパンチャーでめちゃくちゃ人気のあった選手。レイ・マーサーにノックアウトされたもののWBOタイトルを獲得して元チャンピオンでレジェンドのジョージ・フォアマンを下してますな。ドノバン・ラドックをノックアウトしてこの試合を迎えております。
そして試合はルイスが実力の差を示す試合となります。強烈なパンチで打たれ弱さのあるモリソンを攻め立てるとダウンさせてモリソンは6ラウンドでストップ!元チャンピオンをノックアウトします!
そして次戦では元WBOチャンピオンでオリンピックヘビー級金メダリストのレイ・マーサーと対戦。
マーサーはモリソンをノックアウトしているハードパンチャーで打たれ強いファイター。八百長疑惑などがあって議論を呼んだもののラリー・ホームズ、イベンダー・ホリフィールドに苦戦を強いているチャンピオンですな。
そしてこの試合は激戦になります。マーサーは開始から踏み込んでの右フックを多用してガンガン出てくる展開に。ルイスは少しふらつくなど危険な試合となります。
しかし打ち疲れてきたマーサーを見逃さずにジャブと左右フック、アッパーを軸に巻き返して終盤を支配しての判定勝ち。僅差判定となりましたがしっかりと勝ち抜いて世界タイトルマッチに戻ってきます。
ルイスさんめちゃくちゃ苦戦…レノックス・ルイスvs.レイ・マーサー
マッコールとのリマッチと2度目の戴冠
世界タイトルマッチ戦線にカムバックしたルイスはマイク・タイソンが返上した空位のWBCタイトルをかつて敗れたオリバー・マッコールと争うことになります。
マッコールはルイスを下した後元ヘビー級絶対チャンピオンのラリー・ホームズを僅差判定で撃破。しかし2度目の防衛戦でウェンブリーアリーナにてフランク・ブルーノに判定負けして陥落してましたな。しかしその後後にチャンピオンになるオレグ・マスカエフを下しております。
そしてラスベガスで行われたこの試合はひどい試合となります。明らかにやる気のないマッコールはルイスに対して向き合おうともせずにリングの上で泣き出してしまう始末さすがにレフェリーが困惑して止めに入り、ルイスは5ラウンドTKOとなり不本意ながらもリベンジして王座返り咲きを果たします!
そして迎えた初防衛戦は元WBOチャンピオンのヘンリー・アキンワンデとのイングランド人対決をラスベガスにて行います。
アキンワンデはこの試合のためにWBOタイトルを返上してきており、チャンピオンとして2度の防衛に成功。トニー・タッカーに判定勝ちしており後にクルーザー級チャンピオンになるジョニー・ネルソンにも判定勝ちしてますな。ちなみにコンテンダーのアクセル・シュルツと引き分けております。
そしてこの試合はなかなかいわくつきの試合となります。アキンワンデは開始からルイスが前に来るとホールディングを繰り返して減点。それでもホールディングを繰り返しまくってると怒ったレフェリーが5ラウンドに反則負けを宣言!ルイスが初防衛に成功しました!
ノーダメージでアキンワンデ戦をクリアしたルイスは次戦でアトランティック・シティに見参。アルツロ・ガッティの前座でアンドリュー・ゴロタとの試合を行います。
ゴロタはポーランド系アメリカ人でハードパンチャー。リディック・ボウと2度試合をしているもののリードしていたのにローブローを繰り返して2度反則負け。ちょっともったいない選手ですね。
そして試合はルイスが開始からゴロタを圧倒!いつものスロースタートでは無く初回中盤にノックアウトして世界戦初の初回ノックアウト勝ちを収めます!
さらに次戦ではアメリカ期待のハードパンチャーであるシャノン・ブリッグスと対戦。アトランティック・シティにて試合を行います。
ブリッグスはキャノンと形容されるハードパンチを持つ選手でタフネスを誇る選手。元統一チャンピオンでレジェンドのジョージ・フォアマンを下しており最後の対戦相手となってますな。
そして試合はものすごい試合となります。開始から引かずに打ち合いにくるブリッグスは被弾しても肉薄してくる試合に。ルイスはハードなパンチをもらうこともあったもののジャブを軸に戦って4ラウンドにブリッグスはダウン!5ラウンドには痛烈なダウンを喫したもののブリッグスは起き上がる展開に!しかしレフェリーが3度目のダウンで試合を止めました!
ブリッグスとの激戦をクリアしたルイスは次戦でヨーロッパチャンピオンのゼルジコ・マブロビックとの試合を行います。
マブロビックはクロアチアのハードパンチャーで試合前からルイスのことを激しく挑発。ヨーロッパチャンピオンとして6度の防衛を果たしており、無敗のままコネチカット州に乗り込んできましたな。
そして試合はルイスが正確なジャブでラフにくるマブロビックをかわす展開に。カウンターを狙うマブロビックを警戒してノックアウトは逃したものの判定勝ちして安定感を見せています。ちなみにマブロビックはこの試合を最後に引退していますな。
なぜ立ち上がるブリッグス…レノックス・ルイスvs.シャノン・ブリッグス
ホリフィールドとの死闘と統一
ルイスはマブロビックを下した後遂に世界的に注目を集める試合を引き当てます。IBF.WBAチャンピオンで2階級制覇チャンピオン、スリータイムヘビー級チャンピオンのイベンダー・ホリフィールドとの統一戦です。
ホリフィールドはオリンピックで銅メダルを獲得した後プロに転向してクルーザー級チャンピオンのモハメド・カウィを下してタイトルを獲得。カウィはリマッチではノックアウトしており元チャンピオンのオジー・オカシオやWBCチャンピオンのカルロス・デ・レオン、IBFチャンピオンのリッキー・パーカーをノックアウトしてタイトルを統一。金メダリストのヘンリー・ティルマンもノックアウトしてますね。
ヘビー級に上げてきてからは体格で劣る分ヘディングを使うなど批判もあったものの優れたハンドスピードを生かしたコンビネーションと左右フックを打ち込むスタイルで肉薄。多くの相手を下してますな。
ヘビー級としては元チャンピオンのマイケル・ドークス、マイク・タイソンを下しているジェームス・ダグラス、元ヘビー級統一チャンピオンのジョージ・フォアマン、元統一チャンピオンのラリー・ホームズ、元ライトヘビー級チャンピオンのマイケル・モーラー、オリンピック銀メダリストのリディック・ボウ、元ヘビー級統一チャンピオンであるマイク・タイソン、元WBOチャンピオンのレイ・マーサー、激闘王のバート・クーパーを下してますね。
敗れたのはボウとの試合で2度敗退。ボウとは3試合しておりボウに唯一の黒星をつけた選手です。さらにモーラーの前に判定負けしたもののこちらはリベンジ。マイク・タイソンとは2度試合をしており1度目は激闘の末11ラウンドノックアウト勝ちしたものの2戦目では3ラウンドに耳を噛みちぎられて反則勝ちしており大きな話題を呼んでますな。
そしてこの試合はルイスが的確なジャブでホリフィールドを突き刺す展開に!さらに的確な右ストレートで何度も顔を弾いたもののホリフィールドは必ず打ち返す試合に!多くのファンがルイスの勝ちを推したものの判定はドロー!大きな議論を呼んでリマッチとなります!
そして8ヶ月後に2人はリマッチ。ラスベガスのトーマス・マック・センターにて行われることになります。
この試合は前回とあまり変わらない試合となります。ルイスは入り際にアッパーと打ち終わりに右ストレート、ジャブを合わせてポイントアウト。ホリフィールドはしつこく前に出てコンビネーションを打ち込んだものの今回は納得の判定負け。統一王座から陥落となり、ルイスがヘビー級を統一しました!
ルイスさんホリフィールドを議論の余地なく撃退…イベンダー・ホリフィールドvs.レノックス・ルイス2
統一チャンピオンとして
ホリフィールドを下したルイスは統一チャンピオンとして揺るぎない地位を獲得。当時WBOはあまり認知されてなかったので事実上最強のチャンピオンとして君臨します。
そして次戦ではシカゴのハードパンチャーであるマイケル・グラントと対戦。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでの試合となります。ちなみにこの前にWBAタイトルは返上してますな。
グラントはハードパンチャーでNABFチャンピオン。ここまで無敗できており前の試合でルイスもかつてノックアウトしているアンドリュー・ゴロタをノックアウトしてWBC指名挑戦者となってましたな。
そしてこの試合はルイスがあまりにも強すぎました。前に出てくるグラントに的確なパンチを集めると初回から3度ダウンさせて2ラウンドにノックアウト。完璧なノックアウトで試名挑戦者も相手にならない強さを見せます。
そしてノーダメージのルイスは3ヶ月後に凱旋試合を行います。ロンドンアリーナにてフランス・ボタとの試合を行いますね。
ボタは南アフリカのコンテンダーでキックボクサーとしても活躍することになる選手。かつてアクセル・シュルツとIBF王座決定戦に勝ったもののドーピング検査で陽性。ノーコンテストにされちゃいます。その一年後にIBFチャンピオンのマイケル・モーラーに挑んでノックアウト負け。マイク・タイソンにもノックアウト負けしてますな。
そして大きなファンに囲まれたこの試合でルイスはやはり圧倒的な強さを見せます。開始からジャブでボタをリードすると2ラウンドにストップ!チャンピオンとして貫禄を見せます。
さらに次戦ではコンテンダーのデビッド・トゥアと対戦。トゥアはサモアのハードパンチャーで思いっきりフックを振り回してくるファイター。身長178センチながらもそのエキサイティングな試合ぶりで人気のあるファイターですね。
キャリアでは後にチャンピオンになるオレグ・マスカエフをノックアウト、後にチャンピオンとなるジョン・ルイス、後にチャンピオンになるハシム・ラクマンもノックアウトしてIBF指名挑戦者になってましたな。
そしてこの試合はルイスが無難な戦法を選択してトゥアから間合いを取るボクシングを選択。ジャブをついてサイドに回って危険なトゥアを遠ざける試合運びで淡々たラウンドを重ねて判定勝ち。エキサイティングな試合とはなりませんでしたが盤石の試合運びを見せましたな!
トゥアの爆弾は不発…レノックス・ルイスvs.デビッド・トゥア
ラクマン戦とまさかの敗退、返り咲き
チャンピオンとして不動の地位を手に入れていたルイスはここから世界各地を転戦とするプランを立てます。そしてその手始めが南アフリカでした。
相手はハシム・ラクマン。かなり破天荒な生き方をしてきたハードパンチャーでルイスが下しているデビッド・トゥアにはノックアウト負け。しかしコーリー・サンダースをノックアウトしておりそのパワーはかなり評価の高いものでしたな。
そして試合前からルイスはかなり調子に乗っておりおバカな発言を連発。まともにトレーニングしてこなかったようで試合も落とし穴が待っておりました。
初回からジャブを使いながらもコンビネーションを出して明らかにノックアウトして良いところを見せようとしているルイスにラクマンは右をコネクト。ふらつかせるなど対抗してなかなか激しいペース争いが繰り広げられます。
そにて迎えた5ラウンドにラクマンが左フックを効かせてロープに下がらせると右フックが体制の入れ替え際に炸裂!ルイスは失神して大の字に倒れてなんとか立ち上がろうとしたものの10カウント!まさかまさかのノックアウト負けでキャリア2敗目を喫してしまいます。
統一王座からも陥落したルイスはあまりにも調子に乗っていたことを反省。半年後にラスベガスでリマッチを迎えることになります。
そしてリマッチでは反省してきたルイスがしっかりと仕上げてきて得意のジャブでラクマンをしっかりコントロール!4ラウンドに右を当てるとラクマンは失神してリングに倒れ込みルイスがお返しのノックアウト勝ちを収めてタイトルを取り返しました!
この負けでルイスの箔は落ちてしまったもののリマッチで痛烈に同じことをやり返して実力の差を示していることは大いに評価できますね!
ジョシュアとかぶるよね…レノックス・ルイスvs.ハシム・ラクマン1
3度目の王座と引退
チャンピオンの座に復権したルイスはここからは37歳という年齢を迎えてアラフォーとなったことからビッグマッチ路線へと舵を切ります。そして迎えた試合はラスベガスでのマイク・タイソンとの試合!!
タイソンはニューヨーク出身の元統一チャンピオンで、ルイスの2世代前のヘビー級最強チャンピオン。全盛期の強さは歴代最強とも言われるほど圧倒的な強さを持つタイソンは人気も抜群でこの試合は大きな話題を呼びます。ちなみに1世代前の最強チャンピオンはイベンダー・ホリフィールドですね。
タイソンはキャリアの中でカス・ダマトとえあって本格的なトレーニングを開始。幼少期はいじめられっ子でしたが飼っていた鳩を殺されたことでいじめっ子をボコボコにして自身の強さに気づいて以降は非行に走り少年院でボクシングと出会いましたな。
身長180センチのタイソンはヘビー級としてはかなり小柄でしたが鋭い踏み込みと圧倒的なパワー、ハンドスピードでKOの山を量産。トレバー・バービック、トニー・タッカー・ジェームス・スミス、元ライトヘビー級チャンピオンのマイケル・スピンクス、元絶対チャンピオンのラリー・ホームズ、後にチャンピオンとなるフランク・ブルーノ、ブルース・セルドンなどそうそうたる面子をノックアウトしています。
しかし彼の強さはブルーノ戦で急激に衰えます。ドン・キングと契約したことでチームが変わり私生活が大きく乱れましたな。そして日本でジェームス・ダグラスの前にまさかのノックアウト負け。さらにレイプ疑惑で有罪となり刑務所に収監。。。イベンダー・ホリフィールドとの対戦では初戦はノックアウト負け。リマッチでは耳にかみついてしまう世紀の反則負けをしていますな。
そしてラスベガスの当時のゲート収入を更新したこの試合はルイスがタイソンに力の差を見せつけます!!ルイスが開始から的確なジャブでタイソンを射抜くとタイソンは目を置きく腫らしてタイソンはアッパーでダウン!8ラウンドに右カウンターで深々と沈む痛烈なノックアウトでこの年のノックアウト・オブ・ザ・イヤーに選出されましたな!!
そしてキャリアハイの収入を得たルイスは次戦で強敵を迎えます。元WBOチャンピオンで実質無敗ともいえるウクライナのジャイアントであるビタリ・クリチコとの試合です。
クリチコはキルギスタン出身のハードパンチャーで元海兵隊のアマチュアチャンピオン。身長201センチの体躯から繰り出すパンチで多くの相手をノックアウト。クリス・バードとの試合ではリードしていたものの肩を負傷して棄権負け。実質無敗とされてますな。
キャリアのなかではWBOチャンピオンだったハービー・ハイドを2ラウンドノックアウト。元クルーザー級チャンピオンのオーリン・ノリスやホリフィールドを苦戦させたボーン・ビーンを下しておりますな。ちなみに弟のウラジミールもチャンピオンです。
そしてこの試合は開始からより若く、背の高いクリチコがルイスをリード。ルイスは互角に打ち合うものの少し不利な展開になります。誰もがルイスの敗北を予見しましたがクリチコは目の上をルイスのパンチで大きくカット。負傷ストップとなりルイスが逆転KO勝ちを収めます。
ルイスはこの試合を持って現役を引退。王座を返上してカムバックすることなくビッグファイトに顔を出しておりますね。
タイソンさん力は残っておらず…レノックス・ルイスvs.マイク・タイソン
ルイスのファイトスタイル
ルイスのスタイルは相手と間合いを取りながら長いジャブとワンツーのコンビネーションでロングレンジにて戦うボクサースタイル。パンチがめちゃくちゃ重くてコンビネーションが出るとガードの上からでも倒されちゃいますね。
さらにこの人の最も怖いところはジャブの精度の高さ。相手の動き出し、打ち終わりに合わせるジャブで顔を弾くと相手のリズムを崩してビッグショットにつなげてくる基礎がよくできたボクシングをしてくるところです。
さらにこの人はボディ打ちもめちゃくちゃ上手くて打ち終わりにサイドに逃げるので捕まえにくいです。ブリッグスとの試合で見せたように打ち合いにも強く、弱点らしい弱点がほとんどないコンプリートファイターですね!
唯一ともいえる弱点は打たれ弱さ。マッコールとの試合もラクマンとの試合も一撃でノックアウトされており、どちらもノリに乗っている時代の慢心から生まれた緩慢なガードから生まれたノックアウトでしたね。
しかしどちらにも借りを返しているのでチャラとも言えます。ラクマンにノックアウトされてからは少し慎重なボクシングを見せるようになりましたが2000年代初頭のヘビー級を彩った名選手ですね!
あまり集中が続かないルイスさん…レノックス・ルイスvs.トニー・タッカー
まとめ
いかがでしたでしょうか?そのめちゃくちゃ重いパンチとリーチの長さを生かした懐の深いボクシングで多くの相手を下してきたレノックス・ルイス。彼のジャブは歴代でも最高のジャブであると話されてますよね。
ボクサーとしてチャンピオンのまま引退したルイスはめちゃくちゃかっこよかったです。しかも現役最後の相手はビタリ・クリチコで後にウラジミールと共にヘビー級を牛耳ることになる選手ですからね。
とにかく強いパンチと回転力の高いコンビネーション、パンチの的確さで多くのビッグネームを圧倒してきたルイスさん。打たれ弱さと調子に乗る性格が災いして手痛い敗北を喫したこともありましたが強い時のルイスはまさに手のつけられない強さがあります。
個人的に好きな試合はマーサーとの試合。序盤出てくるマーサーに完全に圧倒されかけていたものの的確なコンビネーションで押し返して終盤を支配するクレバーなボクシングは歴代最強ランキングにランクインに値するパフォーマンスだったと思います。
エマヌエル・スチュワートとの絆もありましたし、現代になっても同じくイングランドのアンソニー・ジョシュアとのビーフがあります。ジョシュアのことを認めてないルイスとルイスのことを傲慢だと話すジョシュアの掛け合いはとても面白いですよね笑笑。
実現して欲しかった試合はどうしてもリディック・ボウとの試合ですね。ボウは徹底的にルイスとの試合を避けていた感がありますのでルイスの問題ではないかなと思うけど彼らの試合はどうしても見たい試合でしたな。ちなみにルイスは今でもボウのことが嫌いで事あるごとにいがみ合ってますな。
もちろん今ではグローブを吊るしてますが ビッグファイトには必ず顔を出しておりボクシングに貢献しています!現役を引退してもなお多くの注目を集める彼に注目ですね!
放つパンチ全てが爆弾のブロンズボンバー!デオンテイ・ワイルダー!!