現代を代表するヘビー級コンテンダーでブルガリアのコンテンダーとして長年トップに位置するクブラト・プレフ。ヨーロッパ圏では敵なしと言えるベテランで多くのビッグファイトをこなしてきた一流ですな。
プレフは2度負けているもののどちらも世界タイトルマッチのみ。統一チャンピオンのウラジミール・クリチコとアンソニー・ジョシュアに負けた試合のみでそれ以外の試合には全て勝利しておりアメリカでの試合もこなしておりますな。
彼はヨーロッパの選手らしくアップライトの構えからジャブをコツコツついてくるテクニシャン。パワーはそこまでないもののジャブのタイミングが良く、相手を崩して得意の右ストレートに繋げてくるボクシングを得意としておりますね。
キャリアの中ではベテランコンテンダーのデレク・チゾラを撃破、同じくベテランコンテンダーのトニー・トンプソンやアレクサンドル・ディミトレンコなどを下してきており、ノックアウト率は高くないものの安定感のある試合運びがうまいですな。
ジョシュアには敗れてしまったもののまだ世界ランキング入りしており、世界を狙える立ち位置におります。三度目の正直を目指してまた這い上がってもらいたい選手ですね。
ということで、彼の試合をより楽しむためにプレフの来歴をまとめてみました!!
プレフのプロフィール
プレフは1981年生まれでブルガリアのソフィア生まれ。現在もブルガリアで活動しており、国民的な英雄とされておりますな。
身長194センチの彼はリーチは202センチとヘビー級の中でもあまり大きな体格ではないですが横にでかく、ずんぐりむっくりな体格から前に出てきて正確なジャブをつくヨーロッパスタイルですね。
プレフはアマチュアの頃から活躍しておりヨーロッパ連合大会やヨーロッパ大会でそれぞれ金メダルと銅メダルを獲得。2005年の世界選手権では銅メダルを獲得しており2003年の世界選手権では後にビタリ・クリチコに挑むオドラニエル・ソリスに負けてますな。
2007年の世界選手権ではメダル獲得はならなかったものの2008年の北京オリンピックに参戦。しかし後にコンテンダーとなるオスカー・リバスに敗れており2009年の世界選手権を最後にプロとなりましたな。
素行はあまり良くなく、2019年にアメリカデビューしてボクダン・ディヌを逆転ノックアウトした後のインタビューで女性リポーターの顔を掴んでいきなりキス。さらにその後カメラの回ってないところでお尻を触ったりして訴訟沙汰になっております。ちなみに彼女さんも裁判に来て怒ってましたな。
弟のターベルもプロボクサーで彼はクルーザー級で活躍。ターベルはロンドンオリンピック銅メダリストでもあり、兄弟揃ってエリートですな。
放つパンチ全てが爆弾のブロンズボンバー!デオンテイ・ワイルダー!!
これまでの実績
プレフは2009年に28歳にしてプロデビュー。ドイツで4回戦を2ラウンドノックアウト勝ちでクリアして3戦目からは6回戦を行います。
5戦目からは8回戦を行って連戦連勝。スイスなどでの試合も経験して多くの8回戦を2011年まで行います。
プレフは2011年に一気にステップアップ。IBFインターナショナル王座決定戦に出場してトラビス・ウォーカーとの試合を迎えます。ウォーカーはアメリカのハードパンチャーでクリス・アレオーラやジョナサン・バンクスとの試合をしており、オリンピック選考会にも出てましたな。
そして試合は怖いフックを振ってくるウォーカーにプレフが的確なジャブとフックを当ててリードする試合に!あまりリスクを負わないまま試合を進めて大差判定勝ち。世界ランキングをゲットします。
そして2012年にはマイケル・スプロットと初防衛戦。スプロットはイングランドのベテランでオリンピック金メダリストのオードリー・ハリソンをノックアウト。ルスラン・チャガエフなどとの試合をしている元ヨーロッパ連合チャンピオンですな。
そして試合は開始からプレフが圧倒!プレフはあまり出てこないスプロットに手数と的確なパンチで攻めてブレークダウン!スプロットは逃げに徹する試合となり、9ラウンド終了後に棄権!プレフが防衛に成功します。
その後プレフは防衛戦を兼ねてヨーロッパ王座決定戦に出場。コンテンダーであるアレクサンドル・ディミトレンコとの試合を行います。ディミトレンコはドイツのハードパンチャーでエディ・チェンバースとWBO指名挑戦者決定戦を行ったコンテンダー。元ヨーロッパチャンピオンですな。
そして試合は的確なジャブでプレフが徐々にリード!ディミトレンコは振り回すものの的確にパンチを食らってダメージを蓄積。11ラウンドにダウンさせられるとそのままストップとなりました!
快進撃を続けるプレフは無敗のジャイアントであるアレクサンドル・ウスティノフと試合。ウスティノフは2メートル超えの長身で元キックボクサー。IBOインターコンチネンタルチャンピオンですな。
そして試合は小回りのきくプレフがコツコツジャブとボディを当ててリード!ウスティノフは耐えていたものの終盤にダメージを隠せなくなり、11ラウンドに追い込まれてストップ!プレフが実力者を下します!
そして次戦でプレフは大きな試合を行います。ベテランコンテンダーで2度ウラジミール・クリチコに挑んだハードパンチャーであるトニー・トンプソンと対戦。トンプソンはオリンピック銅メダリストのデビッド・プライスを2度ノックアウトしたことで注目を集めてましたな。
そして試合は地元のプレフが若さと手数で勝ってトンプソンを圧倒!トンプソンはリターンのカウンターで怖いパンチを振り回してきたもののコネクトできず、プレフが判定勝ち。ランキングを上げていきます。
そして次戦はミネソタのハードパンチャーであるジョーイ・アベルと対戦。クリス・アレオーラやフレス・オケンドと対戦してきているパンチャーですな。
そして試合はプレフがスイングしてくるサウスポーのアベルを圧倒!ボディを効かせて追い込むとダウンさせて4ラウンド終了後にアベルは棄権!プレフが勝利して世界タイトルマッチの準備に入り8回戦を消化して世界タイトルマッチに向かいます。
クリチコ戦と再起
プレフは無敗のまま2014年にドイツにて世界タイトルマッチに初挑戦。IBF、WBO.WBAチャンピオンのウラジミール・クリチコとの試合を迎えます。
クリチコはアトランタオリンピック金メダリストのハードパンチャー。2メートル弱の体躯からは想像できない動きとリスクを回避するスタイルで負けないスタイルを確立。キャリア初期とコーリー・サンダース、レイモンド・ブリュースターにノックアウトされたものの立て直してきましたな。
キャリアの中ではWBOチャンピオンだったクリス・バード、元WBOチャンピオンのレイ・マーサー、サミュエル・ピーター、WBOチャンピオンだったスルタン・イブラギマフ、コンテンダーのトニー・トンプソン、元統一チャンピオンのハシム・ラクマン、ルスラン・チャガエフ、WBAチャンピオンだったデビッド・ヘイ、元クルーザー級統一チャンピオンのジャン・マルク・モルメク、WBAチャンピオンだったアレクサンドル・ポベトキンなどを下しておりますな。
そして試合は開始からプレフが前に出てきてワンツーを打ち込んで先制攻撃!打たれ弱いクリチコを一気に落とそうとしますがクリチコはすぐに立ち直ってカウンターを当てるとプレフは初回からダウン!さらにダウンさせられてプレフはカットもあり、追い込まれて5ラウンドに痛烈な左フックを浴びて大の字に!ノックアウト負けとなりました!
プレフはクリチコにノックアウトされてしまったあと一年の時を経てカムバック。ドイツで2度8回戦をこなしておりますな。
そして2016年に第1戦へカムバック。かつてWBCチャンピオンのビタリ・クリチコに挑んで弟のウラジミールの水を吹きかけるわビタリにビンタするわのやりたい放題をしていたデレク・チゾラとのヨーロッパ王座決定戦となります。
チゾラは前に出てくる肉弾戦に強いインファイターで馬力のある選手。素行が悪く、ロバート・ヘレニウスとタイソン・フューリーに苦戦を敷いておりますな。2階級制覇チャンピオンのデビッド・ヘイとフューリーにノックアウトされておりますが5連勝しております。
そして試合はドイツで行われて開始から前に出てくるチゾラに対してプレフがジャブをコツコツヒットさせる展開に!アグレッシブに攻めるチゾラと正確さのプレフの大接戦になりましたが地元のプレフが僅差判定勝ちでビッグネームを下しました!
そして半年後にはWBAインターコンチネンタル王座決定戦に出場。相手は元WBCチャンピオンでナイジェリアのハードパンチャーであるサミュエル・ピーターとの試合に決まります。
ピーターはかつてウラジミール・クリチコを3度ダウンさせているパンチャー。シドニーオリンピックのベスト8でジェームス・トニーやオレグ・マスカエフを撃破。クリチコ兄弟には負けており、ロバート・ヘレニウスにも負けてますな。
そして試合は開始からプレフが正確なジャブをコツコツ当てて試合をリード!ピーターは自慢のパワーをなかなか発揮できないまま3ラウンドにまさかの負傷!棄権となりプレフがタイトルを獲得しました!
そして4ヶ月後プレフはまたもビッグネームを迎えます。かつてWBCチャンピオンのビタリ・クリチコに挑んで判定まで粘ったことで知られるベテランコンテンダーのケビン・ジョンソンとの試合です。彼はタイソン・フューリーやアンソニー・ジョシュアとの試合も経験しておりますな。
そして試合はなかなか出てこないジョンソンがサバイバルモードに入る難しい試合に!プレフは前に出てきて手数の上で圧倒してノックアウトすることはできなかったもののほとんどシャットアウトしました!
そしてこのあとプレフはIBF指名挑戦者に返り咲き。ジョシュアとの試合が決まったものの直前になって胸筋を痛めてしまい、キャンセルとなりましたな。
そして次戦は一年半後に地元のブルガリアにてIBF指名挑戦者決定戦としてヒューイー・フューリーとの試合となります。フューリーはタイソンの弟で長い間合いを持つ選手。WBOチャンピオンのジョセフ・パーカーに挑んで判定負けしてますな。
そして試合はプレフが開始からジャブを正確に当てて序盤にフューリーの目を大きくカットさせて流血させる展開に!フューリーもよく粘ったもののプレフは経験で勝って判定勝ち。3度目の指名挑戦者の座を射止めます!
ブルガリアの英雄散る…ウラジミール・クリチコvs.クブラト・プレフ
トップランクとの契約とジョシュア戦
プレフは2019年にアメリカに参戦。トップランクと契約をして本格的に大きなプロモーターをつけることになりましたね。
そしてトップランク初戦はカリフォルニアにて。コンテンダーのボグダン・ディヌとの対戦となります。ディヌはルーマニアのハードパンチャーでジャレル・ミラーに敗れておりますね。
そして試合は一進一退の激戦となります。しかしプレフは4ラウンドに大きな左目の上のカットをくらって大苦戦!ストップ寸前となりますが7ラウンドにダウンさせてさらにダウンを追加するとストップ!プレフが激戦を制してコンテンダー対決を制します!
しかしこの試合の後プレフはインタビューに来た女性レポーターにいきなりキスするまさかのセクハラ行為…罰金、試合出場停止となり彼女が見てる前で公聴会をしておりましたな。
プレフはサスペンドされた8ヶ月後にまたもやカリフォルニアに参戦。ベテランコンテンダーでノックアウト負けしたことがなく、ジェームス・トニーとも試合をしているライデル・ブルッカーとの試合を行います。
そして試合はプレフがとにかく前に来てワンツーを打ち込んでアグレッシブに来るものの捉え所のないブルッカーに苦戦!ブーイングがなる凡戦となりプレフが判定勝ちしましたが評価を落としてしまいましたな。
プレフは2020年末にイングランドに向かって2度目の世界タイトルマッチ。WBA.WBO.IBFチャンピオンのアンソニー・ジョシュアとの試合を迎えることになります。
ジョシュアはロンドンオリンピック金メダリストのハードパンチャーでアメリカにてアンディ・ルイスにノックアウトされた以外は無敗。ルイスにもサウジアラビアで借りを返しておりますな。
キャリアの中では後にWBC暫定チャンピオンとなるディリアン・ホワイト、IBFチャンピオンだったチャールズ・マーティン、コンテンダーのドミニク・ブラジールやカルロス・タカム、元絶対チャンピオンのウラジミール・クリチコ、WBOチャンピオンだったジョセフ・パーカーを下してきておりますな。
そして試合は開始からジョシュアがパワーとサイズで勝って圧倒!プレフは3ラウンドにアッパーで2度ダウンさせられてしまい、フラフラになると9ラウンドにジョシュアのアッパーを浴びてまたもダウン!よく立ったものの右ストレートで大の字にされてしまいましたね。
プレフは敗れてしまったもののまだ世界ランキングにはおり、まだまだ世界タイトルを狙える位置に残ってるので3度目に期待ですね。
プレフのファイトスタイル
プレフのスタイルはガードを高く上げて頭を振りながら前に出てジャブとワンツーを打ち込む教科書通りのスタイル。彼のジャブはヘビー級でもトップクラスとされてますな。
彼のジャブはとにかく正確。動き出しに当てるのが上手く、力みなく出てくるのとアングルを変えられるのでこのパンチでペースを奪ってくるファイターですな。
ジャブで相手を崩してから出てくるのがなかなかに威力のある右ストレート。基本的にこの二つしか放ってこないことが多いですがそれだけで世界のトップにいるのはすごいですね。
ただ残念ながら身体能力は高くなく、スピードとパワーには欠けます。今のヘビー級で最も大事と言える体格がそこまでないのも弱点と言えるかもしれませんね。
火力のなさは致命的…クブラト・プレフvs.ヒューイー・フューリー
まとめ
いかがでしたでしょうか?ジョシュアとクリチコの超一流には負けているもののその他の全ての試合に勝利してきたプレフさん。年齢的に厳しいですがラストチャンスはまだあると思います。
ヘビー級としてステディな試合をするプレフの人気はヨーロッパでとても高いです。対戦相手が誰であってもスタイルを変えないのでメンタル的な強さも相当なものがありますね。
ヘビー級にはWBCチャンピオンのタイソン・フューリーと元WBC暫定チャンピオンのディリアン・ホワイトの他にも元WBCチャンピオンのデオンテイ・ワイルダー、元クルーザー級キングのオレクサンデル・ウシク、元WBOチャンピオンのジョセフ・パーカー、元WBAチャンピオンのアレクサンドル・ポベトキンやコンテンダーのジャレル・ミラーやアダム・コウナッキ、かつて下したヒューイー・フューリーなどが虎視眈々と世界タイトルを狙っております。プレフはその中のミックスに入ってるので彼らとの潰し合いをやりたいですね!
プレフの場合はヨーロッパの試合が多いので、元ヨーロッパチャンピオンのロバート・ヘレニウスやもしくはアメリカに来てアダム・コウナッキ、元IBFチャンピオンのチャールズ・マーティンなどとの試合をやれば3度目のチャレンジは目に見えてくると思います!
ちなみにプレフの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ヨーロッパでは彼の試合はPPVといって追加料金が発生します…WOWOWではいらないのでお得ですよね!!
ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか?