現代を代表する中東ボクサーの1人でクルーザー級のトップの1人に君臨している世界チャンピオンのベイブット・シュメノフ。声を出しながら振り抜いてくるハードなパンチを得意としております。
シュメノフはカザフスタンの出身でアメリカのラスベガスを主戦場としている選手。あまり目立つような選手ではないですがチャンピオン同士のトーナメントを呼びかけるなどアグレッシブですね。
キャリアの中ではWBA世界ライトヘビー級チャンピオンだったガブリエル・カンピーリョをリマッチで下してタイトルを獲得。陥落したもののクルーザー級に上げて2度WBAタイトルを獲得しており2階級制覇チャンピオンとなっておりますな。
負けた試合は初の世界タイトルマッチでカンピーリョに敗れた試合とライトヘビー級王座統一戦となった大ベテランのバーナード・ホプキンスとの試合のみ。ノックアウトされたことはなく、とてもタフなことでも知られますな。
選手としては前に出てきてコンビネーションを上下に打ち込むアグレッシブなスタイル。一撃一撃。フルスイングで叩きつけてくるので相手からしたらとても怖くてやりにくいスタイルのファイターですね。
反面弱点はディフェンスが前に出てくる分甘い点。それでも必ず打ち返してきて激闘にしてくるのでオフェンシブな試合になることが多く、知名度の割に激闘となる試合が少し多く、相手を後半にかけて押し込むことが多いですね。
ということで、ますます注目を集める彼の試合をより楽しむためにシュメノフの来歴をまとめてみました!!
Contents
シュメノフの戦歴
シュメノフのプロフィール
ベイブット・シュメノフは1983年生まれ。カザフスタンの生まれであり、現在はアメリカのラスベガスでトレーニングしております。
シュメノフは身長188センチでリーチは188センチとこのクラスでは比較的小さめですが秘めているパワーは高いですな。
シュメノフはアマチュアのキャリアがありアテネオリンピックに参戦。2回戦で敗退しております。
ちなみにシュメノフは苦労人でお母様が教師をされていて長い時間働き、シュメノフは叔母に預けられていたそうです。子供の頃には赤ちゃん時代に死にかけたらしく喘息の症状がずっとあったそうですな。ちなみに彼は法学の学位があり裁判官の資格を持ってるそうですね。
なんか差がある相手が多いよね…ベイブット・シュメノフvs.ヒズニ・アルツニカヤ
これまでの実績
シュメノフは2007年にプロデビュー。アメリカのウィルソンで4回戦で初回ノックアウト勝ちでデビューします。
そして3戦目には6回戦を行い、4戦目にはカザフスタンに帰郷。PABA暫定王座をかけてかつてルシアン・ブーテやジェフ・レイシーと対戦しているドンネル・ウィギンズと対戦して2ラウンドノックアウト勝ち。タイトルを獲得しています。
そして次戦ではカザフスタンで1986年のナショナルゴールデングローブ覇者でオリンピック選考会にも出ていたラベル・フィンガーと対戦して初回ノックアウト勝ち。アジア・パシフィック王座を獲得します。
そして次戦はまたまたカザフスタンにて元WBC世界ライトヘビー級チャンピオンでロイ・ジョーンズ・ジュニアに反則勝ちしたことで知られるモンテル・グリフィンと対戦。12ラウンド判定勝ちを収めます。
そして次戦では1996年のナショナルゴールデングローブ覇者で元WBAスーパーミドル級チャンピオンのバイロン・ミッチェルと対戦。4ラウンドにダウンさせて4ラウンドノックアウト勝ちを収めて世界タイトルマッチを行います。
声なんとかならんかな…ベイブット・シュメノフvs.エンリケ・オルネラス
ライトヘビー級王座獲得と初期防衛戦
シュメノフは2009年にカザフスタンにて、世界タイトルマッチ。WBAチャンピオンのガブリエル・カンピーリョとの対戦を迎えます。
カンピーリョはスペインのアウトボクサーでウーゴ・グレイを下してタイトルを獲得したチャンピオン。戻るヨーロッパチャンピオンでロレンガ・モックなどを下しておりますな。
そして試合は開始からシュメノフがアグレッシブにでてきてパンチを打ち込んでくる展開に!ボディと顔面にパンチを打ち込んだもののカンピーリョもジャブをコツコツ返して微妙な判定は僅差判定でカンピーリョへ!シュメノフは初黒星となります!
しかしこの試合は議論を呼んで2人はリマッチ。ラスベガスにてまた会い見えることになります。
そしてこの試合は開始からカンピーリョが前に出てくるファイトを見せてシュメノフのスペースを奪う展開に!手数と有効打で明らかにカンピーリョが勝っていたものの判定はホームのシュメノフへ!議論を呼ぶ判定となりました!
かくしてチャンピオンとなったシュメノフは次戦でカリフォルニアに参戦。ブヤチェスラフ・ウゼルコフと対戦。ウゼルコフはヨーロッパ選手権銀メダリストで元IBFチャンピオンのトマシュ・アダメクにノックアウト勝ちしている選手ですな。
そして試合は開始からウゼルコフがダウンを奪う展開に!しかしシュメノフはタフで3ラウンドにダウンさせ返すとその後は攻撃力を発揮して押し込む展開に!無敗の相手に判定勝ちを収めます!
そしてシュメノフは次戦でカザフスタンに帰郷。元WBAミドル級チャンピオンでフェリックス・トリニダードや竹原慎二、バーナード・ホプキンス、ルシアン・ブーテらと対戦したウィリアム・ジョッピーとの試合を迎えます。
そして試合はシュメノフがサイズの差を生かしてベテランのジョッピーを圧倒!昔の名前となったジョッピーに5ラウンドダウンさせると6ラウンドにコンビネーションを打ち込んでストップに持ち込みました!
そして半年後にシュメノフはラスベガスに参戦。かつてゾルト・エルデイに挑んだダニー・サンティアゴと対戦します。
そして試合はシュメノフがプレッシャーをかけてガードの上からのパンチで圧倒!サンティアゴはよく耐えて打ち返していたものの9ラウンドにボディと右を受けてしまい、ストップとなりました!
これは議論やな…ガブリエル・カンピーリョvs.ベイブット・シュメノフ2
防衛とホプキンス戦
シュメノフは2012年にエンリケ・オルネラスとの防衛戦を迎えます。オルネラスはメキシカンのコンテンダーでWBOスーパーミドル級チャンピオンのロバート・ステイグリッツやバーナード・ホプキンスと対戦したベテランですね。
そしてこの試合は開始からシュメノフが声を出しながらワンツーを連打してくるいつもの展開に!オルネラスはタフさを見せてダウンを拒否したもののワンサイドの試合となりシャウトアウトの判定でシュメノフが勝ちました!
そしてシュメノフはここから一年半のブランクを迎えましたがテキサスに参戦。無敗のアマチュアエリートであるトーマス・コバックと対戦します。
そして試合は経験に劣るコバックを、シュメノフが圧倒!パワーパンチで押し込むとどんどんダメージを与えて1ラウンド、2ラウンドにダウンさせると3ラウンドにダウンを追加してストップを呼び込みました!
そしてシュメノフはついにビッグファイトを迎えます。IBFチャンピオンのバーナード・ホプキンスとの王座統一戦を行います。
ホプキンスは当時49歳。ミドル級絶対王者として20度以上の防衛し成功し、史上初の4団体統一。しかもその後ライトヘビー級に階級を上げてジャン・パスカルに判定勝ち。WBC王座を46歳で獲得してチャド・ドーソンに敗れたものの、IBF王者のタボリス・クラウドに勝利して48歳で王座戴冠。オスカー・デラホーヤ、フェリックス・トリニダードをノックアウトしており、ロイ・ジョーンズ・ジュニアやジョー・カルザゲとも死闘を演じてますね。
そしてこの試合は開始からシュメノフがアグレッシブにくるものの動きを見切ったホプキンスが3ラウンド辺りからカウンターアタックでペースを掴む展開に!11ラウンドにはダウンさせて49歳にしてタイトルを統一しました!
残念ながら敗退してしまったシュメノフでしたがこの試合でライトヘビー級を卒業。新たなタイトルを求めて階級を上げることになります。
49歳でも楽ちん…バーナード・ホプキンスvs.ベイブット・シュメノフ
クルーザー級時代
シュメノフはホプキンスに敗れた後8ヶ月後にクルーザー級としてカムバック。、ラスベガスで8回戦を5ラウンドノックアウトでクリアしておりますな。
そして半年後にシュメノフは世界タイトルマッチ。コンテンダーのBJ・フローレスとWBA暫定王座決定戦を行います。フローレスはNABOチャンピオンでダニー・グリーンに判定負けした試合のみが黒星ですね。
そしてこの試合は開始からフローレスが前に来て強い右ストレートを当てて前半リード!しかしシュメノフはアウトボクシングに切り替えるとフローレスはついていけなくなり、シュメノフが足を止めずに判定勝ち!2階級制覇となりました!
そして一年後にシュメノフはデニス・レベデフの引退にも伴うWBA王座決定戦に出場。ハードパンチャーでナショナルゴールデングローブベスト8のジュニア・ライトとラスベガスで対戦します。
そして試合はライトのパンチを受ける場面もありながらも前に出て圧倒!徐々に押し込んでダメージを与えるとライトはダメージを隠せなくなり10ラウンドにストップ!正規王座を獲得しました!
しかしシュメノフはこの後眼疾により引退をアナウンス。王座を返上して引退することを決めます。
が、シュメノフは2年後にカムバック。プロモーターのドン・キングと契約してカムバック戦はいきなりWBA王座決定戦。ヒズニ・アルツニカヤとの試合を迎えます。
アルツニカヤはトルコのコンテンダーで元WBOチャンピオンのクリシュトフ・グロワッキにノックアウト負けしているコンテンダー。ドイツのGBCタイトルを獲得しておりますが目立った戦績はないですな。
そしてこの試合は開始からシュメノフが前に出てきて左ボディでダウンさせる展開に!アルツニカヤはタジタジでほとんどリターンを返せず、シュメノフが9ラウンドにもダウンさせると棄権しました!
スリータイムチャンピオンとなったシュメノフでしたがここから2年ほど試合をやっておらず、王座は剥奪。ここからどのように動くのか注目されますね。
ぶきっちょやね…ベイブット・シュメノフvs.BJ・フローレス
今後期待される試合
世界的な注目を受けるシュメノフに期待される試合はクルーザー級トップとの対戦です!
シュメノフの素晴らしいところは相手が誰であったとしても、どこで試合をしても全力を出し切れるところ。彼なら統一戦を喜んで受けると思うので期待できますね。
また、クルーザー級にはジョシュアの友達のローレンス・オコリー、元WBOチャンピオンのクリシュトフ・グロワッキ、WBCチャンピオンのイルンガ・マカブ、アレクセイ・パピンも世界挑戦を狙っており、大きな試合が待ち構えてますね!!
個人的には影が薄くなりがちなシュメノフにはマカブとの試合をやってほしいな。彼との試合なら噛み合うと思うし、同じキングの傘下になるから実現もしやすそう。
シュメノフのファイトスタイル
シュメノフのファイトスタイルとにかく打ち合い。前に出てきて単発のフックとストレートを放って間合いを詰めてノックアウトを狙うアグレッシブなスタイルです。
シュメノフは多少被弾しても前に出てくるのでとても厄介。手数もよく出てきてしかもパワーもかなりあるのでノックアウト率も高く、相手にとっては非常にリスキーなファイターですね。
最も怖いところは後半でも動きが落ちないところ。シュメノフと試合をするなら12ラウンドの試合でどこかで必ず打ち合う必要が出てきます。彼を止めることは難しいので攻撃力と馬力ではクルーザー級で随一と言えますね。
ただ前に出てくる分ディフェンスは甘いのと回転力はあまりないです。モーションも多くなるのでホプキンスにはここを突かれてカウンターを合わせられてダウンさせられてしまったな。
まとめとシュメノフの今後
いかがでしたでしょうか?ディフェンスが甘い点もあるものの振り抜いてくるパンチの強さが半端ではないシュメノフ。常に前に出てきてノックアウトを狙いにくるスタイルのためノックアウト率も比較的高く、エキサイティング試合ぶりが売りですね!
クルーザー級は少しトップ戦線の層が薄い階級です。IBFチャンピオンのブリエディスが今のクルーザー級のツートップであることは間違い無く、ツータイムWBOチャンピオンのクリシュトフ・グロワッキ、WBAスーパーチャンピオンのアーセン・グーラミリアン、WBCチャンピオンのイルンガ・マカブ、元WBA.IBFチャンピオンのユニエル・ドルティコスなどの試合が期待されるものですな。
シュメノフの試合はめちゃくちゃ中東で人気です。中東ではボクシングの土壌がとても弱いのですが、最近はオイルマネーで中等が注目されておりますので大きなイベントでメインイベントをやる日も遠くないかもしれませんね!
ちなみにそんなシュメノフの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、以下のリンクからWOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?
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