クラシックファイターでモハメド・アリに並ぶヘビー級センセーションでグレートなチャンピオンとされるマイク・タイソン。ボクサーの中で最も有名としても異論はないほどのビッグネームで世界に影響を与えたボクサーの1人です。
ヘビー級チャンピオンとして3度の世界タイトルを獲得しているタイソンはボクシングファンならば誰もが憧れるビッグネーム。ピーカブースタイルと言われるガードをガッチリと固めて前に出て左右フックを振り回すスタイルで相手をなぎ倒してきましたな。
身長180センチのタイソンは体格的には他のヘビー級と比べるととても小さいです。しかし踏み込みの速さと圧倒的なパワーで体格差をチャラにしてインサイドでの強さはまさしく無類。モハメド・アリの引退後中量級に人気が集まっていたボクシングにおいてまたヘビー級が注目されるきっかけを作ったセンセーションですな。
彼は育ちがとても悪くてニューヨークのブルックリンで母子家庭で育っており、何回も刑務所に入れられるほどの悪でしたが、元々はいじめられっ子。少年院でボクシングと出会ってから彼の人生は大きく変わることになりましたな。
スターとなったことで生活が激変してイベンダー・ホリフィールドやレノックス・ルイス、ラリー・ホームズやモハメド・アリ達のように長きにわたる活躍はできなかったものの全盛期を過ぎた後の彼の試合でも人気は抜群。カリスマ性のある試合運びでレノックス・ルイスとの試合では当時最多額のラスベガスでのゲート収入を記録してますな。
キャリアの中ではトレバー・バービック、ピンクロン・トーマスらの元チャンピオン勢をノックアウト。トニー・タッカー、ジェームス・スミスを判定で下してWBC.WBA.IBFタイトルを統一しております。さらに元2階級制覇チャンピオンであるマイケル・スピンクスに唯一の黒星をつけており、ラリー・ホームズにも唯一のノックアウト負けをつけております。
さらにWBCチャンピオンとなるフランク・ブルーノには2度ノックアウト勝ち。コンテンダーのドノバン・ラドックと2度にわたる激戦を繰り広げており、オリンピック金メダリストのヘンリー・ティルマン、WBAチャンピオンだったブルース・セルドンをノックアウトしておりますな。
負けた試合は主に日本での初黒星となったジェームス・ダグラスとの試合、イベンダー・ホリフィールドとの試合でノックアウト負けした試合と耳を噛みちぎって反則負けした試合、最強チャンピオンとなっていたレノックス・ルイスとの試合でノックアウト負けした試合ですな。
ちなみにホリフィールドとはかなりの因縁がありましたが現在では和解。共に映画のリベンジ・マッチに出演するなどしており、ホリフィールドがダイソンを許したことが知られておりますな。
かなり素行が悪いことでも知られており、顔面には大きなタトゥーを入れております。ホリフィールドの耳を噛みちぎるなどのリングの上での暴行や女性に対するレイプ事件で収監。周りにはイエスマンが付き従っていたとのことも知られてますな。
ちなみにタイソンは日本がそれなりに好きなようでたまに来日しています。初黒星となったダグラスとの試合も日本でしたしね。日本の記者の前では椅子を用意してあげてインタビューを受けるなどイメージと違った姿を見せておりましたね。
引退してからはコメディアンとして活躍するなどかなり多彩。娘が交通事故で亡くなった後は菜食主義者になるなどしており、映画のハング・オーバーシリーズに出演するなどそのネームバリューを生かして親しみやすいキャラクターとなっておりますね。
ということで、レジェンドの彼の古き良き試合を楽しむために彼の来歴をまとめました!
モダンヘビー級のカリスマボクサー!アンソニー・ジョシュア!]
Contents
タイソンの戦歴
タイソンのプロフィール
マイク・タイソンは1966年生まれでニューヨークのブルックリン出身。お兄さんとお姉さんがおりましたがお姉さんは心臓発作で24歳の時に亡くなりましたな。兄はかなり真面目に仕事をしているということでも有名です。
タイソンは典型的に恵まれない幼少期を過ごしており、幼い頃に父親は蒸発。母親の手で育てされましたが、タイソンはかなり気が弱かったとのことで大きな眼鏡をかけていたことからいじめられていたそうです。
そして今でも趣味としている鳩の飼育をしていたタイソンはいじめられっ子に鳩を殺されて怒り、いじめられっ子達をボコボコにしたことがきっかけで自分の強さに気づいて非行に走るようになりました。
そしてその育ててくれた母も16歳の時にお亡くなりになられて、トレーナーのカス・ダマトにタイソンを託します。ダマトが法的にタイソンの後見人となりましたが、タイソンは母は自分の行いをよく思ってなかったと語っており万引きしてきた服なども見破られていたそうです。後に個人的に母とわかり合う機会を設けたかったと話してますね。
タイソンは13歳の時までに38回も逮捕されておりニューヨークの鑑別所に入れられています。そしてそこで後にプロボクサーとなるボビー・スチュワートに見出されてボクシングを始めることになります。
スチュワートさんはタイソンをダマトに託すまで数ヶ月間トレーニングしてボクシングで大成すると感じたそうですな。そして高校をドロップアウトした後本格的にボクシングで生きることとなります。
タイソンはアマチュアの頃には1981年、1982年のジュニアオリンピックで連覇しております。そして後にオリンピックで金メダルを獲得するヘンリー・ティルマンと2度試合をしておりますがどちらも判定負け。オリンピックに出ることは叶わずにプロに転向します。
流石のアイアン爆発!マイク・タイソンvs.ピンクロン・トーマス
これまでの実績
タイソンは1985年に4回戦にてプロデビュー。2度初回ノックアウト勝ちで制して6かいs年を3戦目から行い、プロ10戦目からは8回戦とハイペースで月に一度のペースで試合を行います。
1985年の末には10回戦を戦っているタイソンは1986年にはかつてESPNのトーナメントで優勝したコンテンダーのジェシー・ファーガソンと対戦。5ラウンドにダウンさせると繰り返すホールディングにTKOが宣告されましたな。
さらにタイソンはかつてWBAチャンピオンのマイク・ウィーバーと対戦して15ラウンド判定まで粘っているジェームス・ティルスと対戦。ティルスをダウンさせての判定勝ちで初めての判定勝ちを収めます。
さらにオリンピックの選考会にも出ており、トレバー・バービックとも対戦したミッチ・グリーンと対戦。開始からガンガン攻めて判定勝ちでランキングを上げていきます。
さらにその後はコンテンダークラスを初回ノックアウト勝ち、2ラウンドノックアウト勝ちで下して元ヘビー級統一チャンピオンのジョー・フレージャーの息子であるマービス・フレージャーも初回3お秒でノックアウトしてしまいます。
さらに元キューバのアマチュアトップで後にチャンピオンになるジェームス・スミスを苦戦させているホセ・リバルタと対戦。2ラウンド、8ラウンド。10ラウンドにダウンさせて最後はストップしましたな。
さらにその2週間後には元WBCクルーザー級チャンピオンでカルロス・デ・レオンを下してタイトルを獲得したアルフォンソ・ラトリフをわずか2ラウンドでノックアウト。世界タイトルマッチを迎えます。
イライラのタイソンが最後は決める…マイク・タイソンvs.ホセ・リバルタ
最強のヘビー級チャンピオン時代初期
タイソンは1986年20歳の時に初めての世界タイトルマッチをラスベガスにて行います。相手はWBCチャンピオンであるトレバー・バービック。かつてモハメド・アリを下して引退させた男ですな。
バービックはジャマイカ人のカナダ国籍を持つファイター。かつてラリー・ホームズに挑んで敗れているものの15ラウンドまで粘っており、ピンクロン・トーマスに後半猛チャージして判定勝ちしているタフなファイターですな。
しかしタイソンはこの試合でセンセーションを巻き起こします。開始からガンガン出てて左右フックを振り回すとバービックはスペースをもらえない苦しい展開に!2ラウンドにダウンさせられるとダウンを追加されて立とうとしたものの2度体が言うことを聞かずに崩れ落ちる衝撃的なノックアウトでタイソンがヘビー級史上最年少での世界タイトルを獲得しました!
バービックを下したタイソンはこの試合が大きな反響を呼んで一躍スターに。次戦でいきなりWBAチャンピオンのジェームズ・スミスとの統一戦をラスベガスで行います。
スミスはボーン・クラッシャーの異名を持つハードパンチャーでリーチが207センチもあるロングマン。ラリー・ホームズにはノックアウトされましたがかつて敗れたティム・ウィザースプーンを初回ノックアウトしてタイトルを獲得しましたな。
そしてこの試合は前に出まくるタイソンをスミスがホールディングしまくる退屈な試合に…スミスはノックアウトされないためにだけクリンチしまくってホールディングで減点…タイソンが大差判定勝ちを収めてタイトルを統一します。
ノーダメージのタイソンはわずか2ヶ月後にラスベガスにて防衛戦。相手は元WBCチャンピオンのピンクロン・トーマスとなります。
トーマスはティム・ウィザースプーンに判定勝ちしてタイトルを獲得。元WBAチャンピオンのマイク・ウィーバーをノックアウトしましたがトレバー・バービックに後半逆転となる判定負けをしてましたな。
そして試合はタイソンが前に出まくってトーマスを初回からふらつかせる展開に!しかしトーマスもジャブを当ててきて元チャンピオンの片鱗を見せる良い試合になります。ただ、全盛期のタイソンの前には6ラウンドにコンビネーションをまとめられてストップ。タイソンが力で試合を制しました!
そしてまたまたノーダメージのタイソンは2ヶ月後にラスベガスにて試合。IBFチャンピオンのトニー・タッカーとの3団体のベルトをかけた試合をします。
タッカーはワールドカップの覇者でありTNTの異名を持つハードパンチャー。身長196センチでリーチは206センチのロングマンでマイケル・スピンクスが返上したタイトルをジェームス・ダグラスと争って10ラウンドストップで無敗のままタイトルを獲得しましたな。
そして試合はタイソンがガンガン攻め込んでタッカーがホールディングで逃げる展開に!タッカーはクリンチでなんとか凌いだもののタイソンがアグレッシブさで勝って判定勝ち。見事に3団体のタイトルをまとめあげて、ヘビー級最強のチャンピオンの地位を確立します!
タイソンさんバービックを倒して伝説デビュー…マイク・タイソンvs.トレバー・バービック
ヘビー級チャンピオンの全盛期として
3団体をまとめ上げたタイソンはまた2ヶ月後にニュージャージー州で防衛戦を行います。相手は無敗のオリンピック金メダリストのティレル・ビッグス。ラリー・ホームズに挑んだデビッド・ベイを下しておりますな。
そして試合はタイソンがテクニックをパワーで圧殺!開始から一方的に攻め込んで1ポイントも与えないまま7ラウンド終了間際にストップ!圧倒的な強さで金メダリストを封殺します!
さらに3ヶ月後にはアトランティック・シティにてビッグファイト。元絶対チャンピオンのラリー・ホームズとの試合を行います。
ホームズはモハメド・アリが引退した後10年ほどの間チャンピオンとして君臨していた史上最も長い間ヘビー級チャンピオンとして在位したレジェンド。華麗なステップワークをアピールしてましたが、実際には足を止めての打ち合いに強いパンチャーです。
あまり強力なライバルがいなかったので不人気王者となりましたが、実力はかなり高く、ライトヘビー級チャンピオンだったマイケル・スピンクスに敗れるまで実に20度以上防衛を果たしておりましたな。ちなみにスピンクスとの試合は個人的にはどちらも勝っていたと思っています。
キャリアの中ではチャンピオンだったケニー・ノートンを判定で下してモハメド・アリをノックアウト。後にWBCチャンピオンとなるトレバー・バービックやWBAチャンピオンとなるジェームズ・スミス、ホワイトホープのゲリー・クーニー、アリを下したレオン・スピンクス、コンテンダーのアーニー・シェーバース、後にWBAチャンピオンとなるマイク・ウィーバー、後にクルーザー級チャンピオンとなるオジー・オカシオ、後にチャンピオンになるティム・ウィザースプーンなどを下しておりスピンクスとのリマッチに負けて以来一年半ぶりのリングとなりますな。
そしてこの試合はタイソンの伝説を完成させるような試合となります。開始から前に出るタイソンの前にスペースをもらえないホームズは苦戦!文字通り圧倒されて4ラウンドにダウンさせられると最後は痛烈な右フックを浴びて失神!絶対チャンピオンを下してタイソンのあり得ないほどの強さが冴え渡ります!
そしてタイソンは勢いそのままに日本に2ヶ月後に出陣。東京ドームにてかつて世界選手権で金メダリストとなっているトニー・タブスとの試合を行います。タブスは元WBAチャンピオンでティム・ウィザースプーンに負けていますね。
そして試合はタイソンが開始から圧倒!!タブスは接近戦でアッパーやフックを駆使して抵抗してきたもののタイソンは振り払うようにフックでダウンさせて2ラウンドノックアウト勝ち。日本での試合をクリアしました!!
そして3か月後、タイソンは超ビッグネームとの試合を行います。元2階級制覇チャンピオンで史上初めてライトヘビー級チャンピオンからヘビー級チャンピオンとなった無敗のマイケル・スピンクスとの試合です。
スピンクスはかつてモハメド・アリを下してヘビー級チャンピオンとなったレオン・スピンクスの弟でオリンピックミドル級金メダリスト。IBF,WBC.WBAのタイトルをライトヘビー級でまとめ上げておりますな。
キャリアの中ではエディ・ムスタファ・ムハンマドに激戦の末判定勝ち。後にIBFスーパーミドル級チャンピオンになるマレー・サザーランド、WBCチャンピオンのドワイト・ムハンマド・カウィを下してエディ・デービスにも判定勝ちでライトヘビー級タイトルをまとめ上げたのち、当時無敗のヘビー級絶対チャンピオンだったラリー・ホームズをまさかの判定で下してIBFヘビー級王座獲得。リマッチでも勝利してゲリー・クーニーもノックアウトしましたがタイトルを返上していましたな。
そしてこの試合はパワーで勝るタイソンがスピンクスを文字通り圧殺!!プレッシャーを開始からかけまくってボディを効かせると、左アッパーからの右ボディでスピンクスはダウン!立ち上がったもののタイソンはスピンクスの打ち終わりに右フックを食らわせてスピンクスは大の字に!10カウントを効かせてタイソンが初回ノックアウト勝ち。スピンクスはこの試合で引退してしまいましたな。
タイソン痛烈!! マイク・タイソンvs.マイケル・スピンクス
キングとの契約と精彩を欠いた試合運び
しかしタイソンは1988年にスピンクスをノックアウトした後生前、カス・だまとが契約してはいけないと話していたドン・キングつの契約を交わす大きなターニングポイントを向かえます。
キングは殺人歴がある金の亡者。プロモーターとしての実力はさることながら、あまりにも金に来たないことから契約しているファイターからはビッグファイトこそ実現してくれるが、ファイトマネーが得られないといった声が多く、多くのファイターや業界から忌み嫌われる大物プロモーターでしたな。
この年の前半、ボクシングを始めた頃からの後援者であったビル・ケイトンと共にタイソンのマネージメントを担当し、そしてダマト以外では最もタイソンから信頼されていたジム・ジェイコブスが白血病により突然死去。その頃からドン・キングがタイソンの獲得を狙いタイソンの妻であったロビン・ギヴンズに頻繁に接触し取り入ったため、タイソンのチームに亀裂が入り始めます。そして年の後半、ダマトの死後からそのボクシング理論を引き継いでタイソンに教えていたケビン・ルーニーを突然解雇。そして、マネージャーのビル・ケイトンも解雇し、ダマトが残したチームはバラバラとなり、タイソンは規律を失い、夜の街を大量のイエスマンたちと歩く姿が頻繁に目撃されるようになります。離婚騒動、自殺未遂、訴訟沙汰、交通事故、放蕩、練習不足、度重なった試合の延期など、リング外でのトラブルの話題が増えましたな。
そしてこの後タイソンはハードパンチャーでかつてジェームス・スミスとティム・ウィザースプーンにノックアウトされた英国のフランク・ブルーノとの試合を行います。この試合は前の試合から8か月も間隔が空いたタイソンのアクティブさからは考えられないものでした。
そして試合に来たタイソンはまさしく別人。ほとんど頭を振らずにまっすぐ出てきてブルーノを押し込む喧嘩のようなファイトを見せます。この試合はそれでも5ラウンドノックアウト勝ちを収めていますが、ブルーノのカウンターを浴びて動きが止まるなど別人のようでしたね。
しかし次戦は気を取り直して5か月後にアトランティック・シティにてカール・ウィリアムスと対戦。ウィリアムスはかつてホームズを苦戦させたロングマンでバービックを下してIBF指名挑戦者となってましたな。
試合ではタイソンがウィリアムスを圧倒!!タイソンが踏み込んでの右フックを決めるとウィリアムスはノックアウトとなり、タイソンが派手に強さを見せます。この時は誰もが強いタイソンがカムバックしたと思いましたね。。。
別人タイソンそれでも圧殺…マイク・タイソンvs.フランク・ブルーノ1
王座陥落と収監
タイソンは1990年に運命の時を迎えます。日本でのジェームス・ダグラスとの試合です。ダグラスはバスターのニックネームを持つハードパンチャーでかつてトニー・タッカーと王座決定戦で対戦してノックアウト負け。その後は元チャンピオンのトレバー・バービックや後にチャンピオンになるオリバー・マッコールを下しておりましたな。
試合前のオッズは50-1でタイソンが優位とされていたこの試合は大変な試合となります。開始から襲い掛かるタイソンはやはり動きが緩慢でガードも甘く、リードしながらも被弾します。それでも8ラウンドにダウンさせたもののなんだか長めのカウントでダグラスは命拾い。打ち疲れたタイソンは10ラウンドに逆襲されて強烈なアッパーを食らってひっくり返るダウン!!世界が衝撃に包まれる中タイソンは立ち上がれずまさかの大番狂わせで王座陥落となります!!
この敗北は世界に衝撃を与えたものの何かの間違いだと証明するかのようにタイソンは4か月後に早くも再起。オリンピック金メダリストのヘンリー・ティルマンとの試合をラスベガスにて行います。
ティルマンはクルーザー級でイベンダー・ホリフィールドに挑んだファイターでアマチュア時代にタイソンを2度倒している強豪。プロになってからはなじめず、期待されたキャリアは歩めてませんでしたな。
そしてタイソンは開始からガンガン攻め行って強烈なフックを決めるとティルマンはダウン!!10カウントを聞いて心配したタイソンがすぐぬ駆け寄るなどほほえましい場面もありながら、タイソンが初回ノックアウト勝ちを果たして再起となります。ちなみにティルマンは首の骨がずれてしまっていましたなあ。
そして次戦は半年後にアトランティック・シティにて敢行。かつてイベンダー・ホリフィールドに敗れたオールノックアウト勝利者のアレックス。スチュワートと対戦して初回ノックアウト勝ちを収めます。
そして次戦ではカナダのコンテンダーでジャマイカ人のドノバン・ラドックと対戦。ラドックは評価の高いコンテンダーで元WBAチャンピオンのマイケル・ドークスにもノックアウト勝ちしていましたな。
そしてこの試合はタイソンがラドックに襲い掛かってラドックも打ち返して物凄い試合になります。最終的にはタイソンが7ラウンドノックアウト勝ちを収めたものの激戦となったのでリマッチに。前の試合はストップのタイミングは議論を呼んで、リマッチは2度のダウンを奪ったタイソンが判定勝ちしましたがローブローやラウンド終了後のパンチで減点されるなど不安定さを見せましたな。
そしてタイソンは大きな転機を迎えます。タイソンは1991年にディズィリー・ワシントンをホテルの一室でレイプしたとして、1992年に刑務所へと収監。6年の懲役刑を言い渡され、3年間服役後の1995年に仮釈放されます。リングが遠ざかる結果となり、世の中の女性を敵に回すことになりましたね。。。
タイソンさん日本にてバスターのアッパーに沈む…マイク・タイソンvs.ジェームス・ダグラス
復帰とホリフィールドとの対戦
タイソンは刑務所内でイスラム教に改宗し、刑務所を出所してすぐに復帰。初回失格勝ちを飾って、無敗のUSBAチャンピオンのバスター・マシス・ジュニアを初回ノックアウト勝ちで下します。
そしてタイソンはラスベガスにてWBCチャンピオンのフランク・ブルーノと対戦します。ブルーノアタイソンにノックアウトされた後レノックス・ルイスをノックアウトしたオリバー・マッコールに判定勝ちしてついにタイトルを獲得していましたね。
そして試合は初戦よりもタイソンの強さが際立ちます。タイソンが開始から攻め込んで左右フックと引っこ抜くようなアッパーで迫るとブルーノはダウン!3ラウンドに左右フックとアッパーのコンビネーションでストップして王座に復帰します!!ちなみにブルーノはこの試合で引退してますな。
そして次戦はWBAチャンピオンのブルース・セルドンにチャレンジ。セルドンはやや小柄なハードパンチャーでリディック・ボウやオリバー・マッコールにはノックアウトされてましたな。
そして試合はタイソンが初回から圧倒!!全盛期を彷彿とさせる動きとパワーでセルドンをダウンさせて初回ノックアウト勝ち!!またもやタイトルを獲得してスリータイムチャンピオンとなる偉業を成し遂げます!!
そしてタイソンは次戦で大きな試合を迎えます。元ヘビー級統一チャンピオンでクルーザー級でも統一チャンピオンとなったイベンダー・ホリフィールドとの対戦です。
ホリフィールドはオリンピック銅メダリストで硬いパンチを武器とするコンビネーションパンチャー。インサイドでの左右フックが特に強く、ヘビー級に上げてからはヘディングなどのダーティーテクも駆使して戦ってきましたな。
キャリアの中では2階級制覇チャンピオンのモハメド・カウィを2度下して金メダリストのヘンリー・ティルマン、元チャンピオンのオジー・オカシオ、IBFクルーザー級チャンピオンのリッキー・パーキー、WBCチャンピオンのカルロス・デ・レオンをノックアウトしてクルーザー級卒業。ヘビー級では元WBAチャンピオンのマイケル・ドークス、元WBOチャンピオンのレイ・マーサー、タイソンを下したジェームス・ダグラス、オリンピック銀メダリストのリディック・ボウ、元ヘビー級統一チャンピオンのジョージ・フォアマン、元絶対チャンピオンのラリー・ホームズ、元チャンピオンのピンクロン・トーマスを下しておりましたな。負けたのは元ライトヘビー級チャンピオンのマイケル・モーラーとリディック・ボウとの初戦と3戦目のみです。
そして試合はすごい試合になります。タイソンはフックを振り回してホリフィールドを効かせるシーンもありましたがホリフィールドはヘディングとアッパー駆使して対抗。ダウンさせて11ラウンドにストップを呼び込みます!
しかし試合後からタイソンはホリフィールドのヘディングやエルボーに不満爆発。リマッチを申し立てて2人は8ヶ月後に遺恨精算マッチを行うことになります。
しかしこの試合は悪い意味で歴史に名前を残してしまう試合となります。タイソンは開始から襲いかかり感情剥き出し。しかし3ラウンドにホリフィールドの耳に2回も噛みつくとホリフィールドの耳がちぎれてしまうまさかの事態に!タイソンは当然反則負けとなりサスペンド。ホリフィールドは耳を縫合して大きな遺恨を残すことになりましたな。タイソンはこの事件で1年間のライセンス停止処分を受けます。
ちなみにこの2人はすでに今では和解しておりタイソンは許してくれたホリフィールドを素晴らしい人間と称しております。映画のリベンジ・マッチにも揃って出演してましたな。
確かに頭当たってるな笑マイク・タイソンvs.イベンダー・ホリフィールド1
レノックス・ルイスとの試合と引退
タイソンは耳嚙み事件の後サスペンドされたこともあって1年半ほどブランクを空けます。そして南アフリカのハードパンチャーでかつてIBFタイトルをマイケル・モーラーと争ったフランス・ボタと対戦。判定ではリードされるなどすでに力は衰えてましたが、5ラウンドノックアウト勝ちで何とか面子を保ちます。
そしてこの後タイソンは試合間隔が空き始めます。かつてレノックス・ルイスと対戦したアンドリュー・ゴロタとの試合ではノックアウト勝ちしたものの試合後にマリファナ検査で陽性となってノーコンテスト。。。1年後にデンマークまで遠征してブライアン・ニールセンをノックアウトします。
そして2002年、タイソンはついに世界タイトルマッチまで戻ってきます。相手はWBC.IBFチャンピオンのレノックス・ルイス。オリンピック金メダリストで、スリータイムチャンピオンにしてヘビー級で最強とされるチャンピオンです。
打たれ弱い点があり、ハシム・ラクマンとオリバー・マッコールにはノックアウト負けしたもののどちらにもリベンジ済み。キャリアの中ではイベンダー・ホリフィールド、ドノバン・ラドック、トニー・タッカー、ヘンリー・アキンワンデ、デビッド・トゥア、シャノン・ブリッグス、レイ・マーサー、トミー・モリソン、フランク・ブルーノを下している文句なしのチャンピオンです。
そしてラスベガスで行われたこの試合はPPVファイトとなり、2020年にデオンテイ・ワイルダーVSタイソン・フューリーに破られるまではラスベガスで行われたヘビー級タイトルマッチの中で最も大きなゲート収入をたたき出す試合になります。
試合はルイスが衰えたタイソンを圧倒!!長いジャブを軸に間合いを取って顔面をはじくとタイソンはアッパーで5ラウンドにダウン!8ラウンドに右カウンターをまともに浴びて深々と沈み、ノックアウト負けで完敗となりました!!
そしてこの後タイソンは最早別人でした8か月後の再起戦では初回ノックアウト勝ちしたものの、ダニー・ウィリアムス戦では初回に膝の靱帯を断裂して4ラウンドノックアウト負け。。。しかも年末には器物損壊で逮捕。。。
ひざを手術して臨んだ無名のケビン・マクブライド戦でも膝はやはり戻っておらず、6ラウンド終了後に棄権。。。試合後にこれ以上ボクシングを侮辱したくないと話して事実上引退。2006年にはコカイン所持で逮捕され、2011年には名誉の殿堂入り。しかし犯罪歴の多さからイギリスなどでは入国を拒否されてますね。。。
タイソンさん力は残っておらず…レノックス・ルイスvs.マイク・タイソン
タイソンのファイトスタイル
タイソンのスタイルはガードをしっかりと上げて思いっきり踏み込んできて左右フックを振り回して組みついてのアッパーを出してくる典型的なインファイター。腕力と踏み込みの速さが凄まじいですね。
タイソンの場合はまさしく剛腕で思いっきり踏み込んでショートのパンチを振り回してくるので怖いです。ホームズやスピンクスのような相手が下がることしかできないほどで、相手の持つスペースをガンガン奪ってホームランを狙ってきますね。
そのパワーはまさしく破壊的でまともに当たれば一発アウト。どんなにタフな相手でもノックアウトできるパワーがあり、間合いが長い相手であればあるほどその力は発揮されると言えますね。
反面常に前に出てくるためクリンチされることがめちゃくちゃ多いです。この時でも引っこ抜くようなアッパーでノックアウトを狙ってきますがタッカーやスミスのようなスキルの相手には絡みとられて凡戦となることもありましたな。
また、ディフェンスは全盛期はタイトでしたが、慢心がたたったのか途中から緩慢になります。頭を常に振っていた頃もありましたがブルーノ戦から動きが直線的になり、まともにパンチを浴びて豪快なノックアウトをされてしまうこともあり、負けた時も豪快な男と言えますね!
絶対王者が崩れ落ちる…マイク・タイソンvs.ラリー・ホームズ
まとめ
いかがでしたでしょうか?その圧倒的なまでの力強さと踏み込みの速さで1980年代後半のボクシングを席巻していたマイク・タイソン。彼の試合は彼以外にはできないほどのクオリティの試合ばかりでジョージ・フォアマンやデオンテイ・ワイルダーのノックアウトの魅力に加えたオールアクションの試合を見せてくれましたね。
常に前に出て左右フックを振り回してくるタイソンのスタイルはまさしくエキサイティング。原始的な殴り合いを見ているようで人がなぜボクシングが好きになるのかよくわかるような試合ばかりです。ボクシングファンならずとも彼の試合ならお勧めできますね。
ヘビー級としては小柄なタイソンはそれでも体格的に押しつぶされることのないフィジカルの強さを誇ります。前に出てくる分被弾することも多かったですがこの人の強さは多くのファンの度肝を抜いて、ホームズやスピンクスのレジェンドが何もできなかったのが印象的ですね。
負ける時も豪快なタイソンは痛烈なノックアウト負けを喫することも多々ありましたな。ルイスやホリフィールドに負けたことで彼らほどのレジェンドではないとする声もありますが、全盛期の彼の強さはまさしくオールタイムグレート。モハメド・アリと肩を並べる存在と言えますね。
もちろん今ではグローブを吊るしてますが、映画の出演など現役を引退してもなお多くの注目を集める彼に注目ですね!
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