元WBO世界スーパーライト級チャンピオンのモーリス・フッカーさん。とにかく長いリーチを生かしたボクシングをするアウトボクサーで、強烈なパワーを持つハードパンチャーでもありますね。
テキサス州のダラス出身のフッカーは世界タイトルを獲得した試合から全ての防衛戦をアウェイで行って勝利してきたロードウォリアーでもあります。とても背が高いのでウェイトが苦しいもののその長い間合いで繰り出すパンチは貫通力がありますね。
キャリアの中では敵地イングランドにて元WBO世界ライト級チャンピオンのテリー・フラナガンを撃破してスーパーライト級タイトルを獲得。さらに初防衛戦で無敗のアレックス・サウセド、無敗のミッケル・レフピエレを下しておりますな。
しかしWBCチャンピオンのホセ・ラミレスとの王座統一戦を地元のテキサス州で起こったものの6ラウンドノックアウト負け。王座陥落してしまい初黒星を喫しましたな。
残念ながら負けてしまったもののすでに再起に成功しており今後もスーパーライト級でのタイトルを獲得することを目指しているとのことです。元WBAチャンピオンのレジス・プログレイスとの試合も決まっておりこの敗者復活戦を勝ち抜けば大きなチャンスを得られそうですね!
フッカーに期待されるのはもちろんWBC.WBOチャンピオンのホセ・ラミレスへのリベンジマッチとIBF.WBAチャンピオンでWBSSトーナメントの覇者であるジョシュ・テイラーとの試合。再編が進むスーパーライト級での四天王ですのでまだまだ逆転返り咲きのチャンスはありますね!
ということで、今後のビッグマッチにも大きな期待がかかるダラスの誇るモーリス・フッカーの試合より楽しむためにフッカーのこれまでの来歴をまとめてみました!!
フッカーの戦歴
フッカーのプロフィール
フッカーは1989年生まれ。アメリカのテキサス州ダラス出身で現在もダラスでトレーニングを基本はしており記者会見で子供と奥さんを連れてくるなど家族想いですね。DVで逮捕されてたけど。
スーパーライト級としては身長80センチ、リーチは203センチというめちゃくちゃ恵まれた体格を持つフッカーは見た目通りのロングマンのアウトボクサー。長いジャブと振り下ろしてくるワンツーを主武器としてますね。
アマチュアの頃から国内ではなかなか有名なアマチュアだったらしいフッカーは後にプロとしても対戦するレジス・プログレイスとも知り合いだったそうですな。しかしフッカーは国際的な大会で目立った戦績は残してません。
サウセド善戦も無念…モーリス・フッカーvs.アレックス・サウセド
これまでの実績
2011年にプロデビューしたフッカーは4回戦でプロデビューしますが、初戦は4ラウンドドローで終わっています。ちなみに相手はプロキャリア8戦の相手でしたな。
2戦目ではデビュー戦の相手に初回ノックアウト勝ちを収めて8戦目まで4回戦でじっくりと経験を積んでいきます。
9戦目からは6回戦を行って月1のペースで試合をこなすと5試合を6回戦で経験して5戦4ノックアウトで飾ります。
15戦目からは8回戦デビュー。ここまで無敗のアベル・ラモスを相手に8回戦を行いますが、後にウェルター級コンテンダーになるハードパンチャー相手にドローで終えてますな。
このドローを受けてフッカーは3か月後に6回戦でまた試合をやります。6回戦を4回試合をこなしてまた8回戦へと戻ってきましたな。
2度目の8回戦の相手はアルゼンチンのハードパンチャーであるサントス・ベナビデスとの試合。4連敗しているものの元WBOスーパーフェザー級チャンピオンのローマン・マルティネスと試合をしており、元WBAフェデセンテロチャンピオンですな。フッカーは2ラウンドでベナビデスをストップ。8回戦をこなします。
そして次戦は初めての10回戦。WBO傘下のNABO王座決定戦として無敗のエドゥアルド・ガリンドと対戦します。フッカーの地元で行われたこの試合はガリンドがウェイトオーバーをやらかした末にフッカーが6ラウンドストップ勝ち。初めてのタイトルを獲得します。
そして次戦では元WBCアメリカ大陸ライト級チャンピオンでIBFライト級の指名挑戦者決定戦をケビン。ミッチェルと行って敗れているコンゴのグシレイン・マドゥナを相手に初防衛戦を行います・マドゥナはアマチュアとしてもトップですね。
この試合にフッカーは大いに苦戦します。ニューヨークで試合は行われましたがミッチェルを苦戦させたマドゥナの前に思うように間合いを取れずに2-1の僅差判定で何とか防衛。少しインサイドの攻防に難が見える試合でしたね。
そして半年間空けた次戦ではコロンビアのハードパンチャーで元3階級制覇チャンピオンのウンベルト・ソトとも試合をした経験のあるウィルフレド・ブエルバスと対戦。オークランドにてリフレッシュしたフッカーが初回ノックアウト勝ちを収めます!
この試合でコツをつかんだのか次戦でもオークランドでコスメ・リベラ・メルシト・へスタなどの世界タイトルチャレンジャーと試合をしているタイ・バーネットと対戦。ウェイトオーバーしてきたバーネットを初回で下して評価を高めます!!
そして乗ってきたフッカーは3か月後にラスベガスのカードに参戦。元WBAライト級チャンピオンのダーレイ・ペレスとの試合を迎えます。ペレスはやりにくいコロンビアの選手でユリオルキス・ガンボアを苦戦させた選手。アンソニー・クローラには敗れましたが技巧派として君臨してますね。
そしてこの試合はフッカーにとって試練となります。長い間合いからジャブを打つフッカーに対してペレスは前に出てきて採点は微妙。。。ポイントはかなり見る人によって変わる試合となり、三者三様のドローとなりました。。。
この試合で少し評価を落としたフッカーは次戦でメキシコのティファナに乗り込んでウェルター級での試合を敢行。相手は元IBF世界フェザー級チャンピオンのクリストバル・クルスになります。クルスはベテランで、後にフェザー級最強と言われるオルランド・サリドを下した実績がありますね。後にWBA暫定チャンピオンになるホルヘ・ソリスも下しています。
そして試合は体格に勝り、減量からも解放されたフッカーが長い間合いから敵地であることをものともせずにクルスを制圧。慎重なボクシングでノックアウトしに行くことはなく大差判定で元チャンピオンを下しています。しかしこの試合の後またスーパーライト級に下げて世界タイトルに挑むことになりますね。
硬いコンビネーション…ロジャー・メイウェザーvs.ビニー・パジェンサ
世界王座獲得と王座の防衛
フッカーは2018年の夏についに世界タイトルマッチを迎えます。テレンス・クロフォードの返上により空位となっていたWBOタイトルをかけて敵地となるイングランドのマンチェスターでテリー・フラナガンと対戦します。
フラナガンはここまで無敗のサウスポーで元WBOライト級チャンピオン。乱打戦を得意としており一度打ち出したら止まらない乱れ打ちがとても得意です。元チャンピオンのデリー・マシューズ、ムゾンケ・ファナやコンテンダーのディエゴ・マグダレノ、ホセ・セペダを下しておりますね。
フッカーはイングランドでの試合となり、不利を予想されておりましたが蓋を開けてみれば長い間合いからフラナガンをコントロールして圧倒!2-1の判定となったもののフッカーが明白な判定で無敗のまま世界タイトルを獲得します!
そして迎えた初防衛戦は敵地となるオクラホマ州で無敗のアレックス・サウセドとの試合となります!サウセドはハードパンチャーでメキシコ系。ミゲール・バスケスとの試合の経験があるレオナルド・ザッパビナを下しており地元での試合に燃えてましたな。
そしてこの試合はサウセドが初回にサウセドがフッカーをダウンさせるまさかの展開に!フッカーは猛攻にさらされるものの耐えて徐々にボディを軸に反撃。大きく目を腫らせたサウセドに右ストレートを決めて7ラウンドにストップ!逆転での初防衛に成功しました!
そして2度目の防衛戦はミシェル・レスピエレとの試合。トリニダード・トバゴ系でここまで無敗のニューヨーカーとまたまた敵地となるニューヨークでの試合となりますな。
レスピエレはサウスポーでニューヨークで看護師としても働く選手。経験不足であることは否めないもののエディ・ハーンと契約したことでチャンスを得ましたな。とてもやりにくいサウスポーのディフェンシブなファイターです。
そしてこの試合はウェイトオーバーを危うくしかけたフッカーが開始からレスピエレを攻め立てます。左ボディで痛烈なダウンを奪ったもののレスピエレはよく立ち上がって来て判定へ。フッカーが判定勝ちで2度目のタイトル防衛に成功しました!
長い人とタフなレスピエレ…モーリス・フッカーvs.ミッケル・レスピエレ!コメントもあり!
ラミレスとの統一戦
フッカーは2019年7月にビッグチャンスを迎えます。WBC王者で同じく無敗のチャンピオンであるホセ・ラミレスとの王座統一戦です。
ラミレスはカリフォルニアの人気者で元オリンピアン。とにかく前に出てきて左右フックをコネクトしてくるメキシカンファイターで地元のフレスノではかなりの人気を誇っておりますな。
キャリアの中ではトッププロスペクトとされていたハードパンチャーのアミール・イマムを敵地ニューヨークで下してWBCタイトルを獲得。無敗のアントニオ・オロスコを2度ダウンさせて判定勝ちしてコンテンダーでハードパンチャーのホセ・セペダに苦戦したものの僅差判定勝ち。防衛戦は全て地元のカリフォルニアで行ってましたな。
そしてこの試合はフッカーの地元であるテキサス州で行われることになりラミレスは王者となってから初めての敵地での試合。しかもプラットフォームもフッカーに合わせたDAZNとのことで世界中の注目を集める試合となり4億ものファイトマネーを得ます。
そして試合は初回からラミレスがフッカーのスペースを潰すために前に出てワンツーを振りフッカーが間合いを取りながらジャブを放つ展開に。初回に足がもつれてフッカーは不運なダウンを喫するとラミレスが体ごと押し込むように前にガンガン出て左右フックをねじ込みます。しかしフッカーも中盤強烈な左ボディでラミレスの体がくの字に曲がる文字通りの激闘に…しかしラミレスが6ラウンドにワンツーからの左フックでフッカーをふらつかせるとロープに詰めて一気にラッシュ!!!!ストップを呼び込んで見事に敵地でタイトルを統一しました!!
ラミレスは勝利の雄叫びをあげながらも試合後のインタビューでフッカーのダウンはダウンではないと話し、検討を称え合うなど爽やかなスポーツマンシップを見せて2019年が終わるまでにESPNで試合をした後プログレイスとテイラーの勝者であるテイラーとの4団体統一戦をやりたいと話しておりましたな。
敗れたフッカーはこの試合の1週間前に亡くなった選手のことを引き合いに出してストップのタイミングは正しかったと完敗を認めておりましたな。この潔さもとても良いところだと思います。
俺今日からラミレスのファンになるかも笑笑モーリス・フッカーvs.ホセ・ラミレス 試合後のコメントもあり!
再起と敗者復活戦
フッカーはラミレスに負けてしまった後5ヶ月後にアリゾナ州にてカムバック戦を行うことになります。相手はメキシカンでハードパンチャーのウリエル・ペレスとなります。
この試合はペレスが急遽代役として相手となったのですがフッカーは初回間際にストップしてレベルの違いを見せる試合となります。あっさりと再起に成功したフッカーはこの試合はウェルター級でやってましたね。
そして次戦ではなんとなんとビッグファイトを実現。メリーランド州のMGMグランドナショナルハーバーで元WBAチャンピオンのレジス・プログレイスとの試合を行います!
プログレイスはサウスポーのハードパンチャーでニューオリンズを主戦場としているファイター。フッカーと同じく無敗のままタイトルを獲得した階級最強の候補に挙がる四天王の一角です。
キャリアの中では元WBA.IBFチャンピオンのジュリアス・インドンゴを2ラウンドでノックアウトしてWBC暫定タイトルを獲得。後にダイヤモンド王者となりWBSSトーナメントに参戦するとフッカーも下している元WBOライト級チャンピオンのテリー・フラナガンをダウンさせての判定勝ち。WBAチャンピオンでベラルーシの星であるキリル・レリクをノックアウトしてWBAタイトルを獲得します。
トーナメントの優勝候補として鳴らしてたもののファイナルでロンドンに乗り込んでIBFチャンピオンのジョシュ・テイラーと対戦。試合前から激しく舌戦を繰り広げて、インサイドで打ち合いを続けてくるテイラーの前にプログレイスはペースを前半奪われます。後半には左を当ててテイラーの目を腫らせるなどしたものの僅差判定負け。王座から陥落してフッカーとの試合が再起戦となりましたね!
この試合に勝った方がテイラー、もしくはラミレスのチャンピオン勢にいずれ挑む、もしくは空位となる王座に絡むことは間違い無いとされておりかなり大きな試合となります!フッカーにとっても落とせない試合となりますね!
リスペクト溢れる試合やな…レジス・プログレイスvs.モーリス・フッカー予想
しかしこの試合はウェイト面で折り合いがつかず破算に。フッカーはウェルター級無敗のコンテンダーでオールノックアウト勝利中のバージル・オルティスとの試合となります。オルティスは元WBA世界スーパーライト級暫定チャンピオンのマウリシオ・エレーラ、コンテンダーのサミュエル・バルガスやアントニオ・ベラスコをノックアウトしておりますな。
そしてこの試合は開始からオルティスが前に出てきてフッカーがジャブと長いパンチで間合いを取る展開に!フッカーは良いタイミングでパンチを返していたもののオルティスが力で押し切って6ラウンドにダウンさせ、7ラウンドにダウンを追加して仕留めました!
破壊神がテストクリア…バージル・オルティスvs.モーリス・フッカー
今後期待される試合
スーパーライト級のトップとして君臨しているフッカーに求められる試合は世界王座返り咲きをかけた試合です。
正直なところフッカーの相手はワールドクラスでないと太刀打ちできないかなと思います。とても全体的にレベルが高く、まとまってるしラミレスに負けたとはいえ世界チャンピオンクラスの実力はまだまだ持ってますね。
フッカーは相手を積極的にノックアウトしに行くようなスタイルではありません。あくまでも間合いを取るのですが入り際に合わせるカウンターで効かせた時の爪はとても強いです。
ラミレスとの統一戦でもロングレンジからの左ボディでラミレスはしっかりと効いてましたしこの人のパワーはなかなかモンスター級。相性の問題はあるかもしれませんがやや不安定な前半を乗り切ればトップ中のトップにも勝てる実力はありますね。
ラミレスには確かな負けたもののスーパーライト級でトップ5に入ることは間違いなし。ウェルター級に上げてもビッグファイトが待ってますしラミレス以外にも対戦が決まっている元WBAチャンピオンのレジス・プログレイスやWBA.IBFチャンピオンのジョシュ・テイラーとの試合が期待されますね!
やはりギリギリ勝てたな…レジス・プログレイスvs.ジョシュ・テイラー 試合後のコメントもあり!
フッカーのファイトスタイル
フッカーのスタイルはとにかく間合いを取って長い間合いからワンツーなどの長距離のパンチを振ってくるアウトボクサー。誰も入り込めないような間合いでボクシングするためやりにくいことこの上ないですね。
もちろんその長いリーチがあるのでインサイドでの試合は得意ではないですがパンチ力があるのでなかなか入り込めないです。足もそこそこ動きますし、弱点を分かってるからこそ対策もしっかりしてますね。
さらにこの人の左ボディはめちゃくちゃ強烈。相手を効かせてからの詰めもかなり鋭いですし世界チャンピオンクラスとして多くのファイターからリスペクトを集めておりますな。
ただ、ラミレスとの試合で見せたようにディフェンスが長いリーチのため時折腕が戻るのが遅い時があり、本人はそんなに打たれて強くないです。穴は割と大きいのですがそこを補えるだけのパワーと長さがあるのが魅力ですね!
デラホーヤさんのベストバウトの1つのはずだ…オスカー・デラホーヤvs.アイク・クォーティ
まとめとフッカーの今後
いかがでしたでしょうか?世界的にも層が厚いスーパーライト級で最強の王者クラスの1人として君臨するモーリス・フッカー。ワールドクラスの対戦相手を圧倒し、無敗のまま世界タイトルを獲得したフッカーは今後もスーパーライト級の台風の目になると思われます。
ラミレスには敗れてしまったもののスーパーライト級の四天王の立ち位置にいることに変わりはなく、彼の長いレンジと鞭のようなパンチは誰にとっても厄介です。特にパンダには貫通力があるので危険なパンチャーですな。
間合いを詰められると少し苦しくなる場面が散見されますが、まだまだ強くなっているところですし、チャンスは多くあります。スーパーライト級のロングマンとしての活躍がますます期待されており、ウェルター級に上げても世界をかき回しそうですね!
ちなみにそんなフッカーの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか?