現代を代表するヨーロピアンボクサーの1人でクルーザー級のトップの1人に君臨しているクリシュトフ・グロワッキ。ポーランドの誇るクルーザー級ツータイムチャンピオンでハードパンチャーとして有名ですね!
グロワッキはWBOタイトルを二度も獲得しており、アメリカでの試合も経験しているとてもエキサイティングなファイターです。敗れた試合も世界タイトルマッチのみで一流と言えますね!
キャリアの中ではWBOチャンピオンとして長期政権を築いていたマルコ・フックをアメリカにて痛烈な失神ノックアウトで下す衝撃の戴冠。元IBFチャンピオンのスティーブ・カニンガムを4度ダウンさせて防衛に成功しております。WBSSトーナメントでも暫定王座を獲得しておりツータイムチャンピオンですね!
ブリエディスとの試合はエルボーやらラビットパンチやらが飛び交う試合となり、エルボーで回復できなかったグロワッキが続くラウンドでノックアウトになり、ダイレクトリマッチが発令されましたがブリエディスはトーナメントを優先。グロワッキはローレンス・オコリーとの王座決定戦が発令されており、スリータイムチャンピオンになるチャンスが与えられています。
これまで敗れた選手はロンドンオリンピック金メダリストで後に4団体統一チャンピオンとなるオレクサンデル・ウシクに地元のポーランドで完敗の判定負けを喫した試合と敵地となるブリエディスと元オリンピアンのローレンス・オコリーとの試合のみ。世界タイトルマッチでしか負けてないところが彼の強さを物語りますね!
彼のスタイルはとにかく怖いスタイル。サウスポースタイルから間合いを詰めてきて左右フックを振り抜いてきます。彼の左のフックは一撃必殺の破壊力を持っており、あのタフなマルコ・フックが失神してしまうほど。いつでも試合を決められるパンチがあることが強みですね!
ということで、ますます注目を集める彼の試合をより楽しむためにグロワッキの来歴をまとめてみました!!
グロワッキの戦歴
グロワッキのプロフィール
クリシュトフ・グロワッキは1986年生まれ。 ポーランドの出身でトマシュ・アダメクとかと並ぶ人気選手として多くのファンがついているファイターです。
グロワッキはアマチュア時代から活躍しており、125試合して109勝の優秀なキャリアを歩んでいます。2003年、2004年、2005年、2007年にポーランドのナショナルチャンピオンとなっておりますね。
2007年にはポーランドチャンピオンとしてヨーロッパ選手権に出場。準決勝で後にヘビー級コンテンダーになるロバート・ヘレニウスに敗れましたがスーパーヘビー級で銅メダルを獲得しておりますな。
キャプテンが無残にボッコボコ オレクサンデル・ウシクvs.マルコ・フック
これまでの実績
グロワッキは2008年に22歳でポーランドにてプロデビュー。プロデビュー後ポーランドを主戦場としていますが、初めの6試合は4回戦でこなしておりノックアウト率は50%でしたね。
プロ7戦目には6回戦を行ってこの試合でバルト海のインターナショナル王座を獲得。2011年には元チェコチャンピオンのロマン・クラシックを9ラウンドノックアウトで下してポーランド王座を獲得します。
その後はベテラン相手に6回戦を3度こなしてノックアウト勝ち。さらに元世界ライトヘビー級チャンピオンのフリオ・セサール・ゴンサレスを下したメキシコのクルーザー級チャンピオンのフェリペ・ロメロをノックアウト。WBOインターコンチネンタルタイトルを獲得して世界ランキング入りを果たします。
そして3回月後にはワルシャワにて元イギリスセントラルエリアチャンピオンのマティー・アスキンを11ラウンドノックアウト。インターコンチネンタル王座の初防衛に成功します。
その後は8回戦を2試合こなして2013年末には元ドイツライトヘビー級チャンピオンで元王者のフィラット・アルスランとの試合経験もあるバロル・ベキログルを9ラウンドノックアウト。インターコンチネンタル王座の2度目の防衛に成功します。
そして2014年には元フランスミドル級チャンピオンでマイナー団体のWBFチャンピオンのシェリー・カールと対戦。5ラウンドでノックアウトしてインターコンチネンタル王座を防衛しています。
さらに次戦ではタフさで鳴らすアルメニアのWBOヨーロピアンチャンピオンのヌリ・セフェリと対戦。元WBOヘビー級チャンピオンのハービー・ハイドも下しているセフェリに粘られたものの攻撃力で圧倒して大差判定勝ち。この試合を以てWBOクルーザー級の指名挑戦者の座を射止めます!!
世界王座獲得と陥落
そしてグロワッキはWBOチャンピオンのマルコ・フックとアメリカのニュージーランド州ニューアークでの試合を迎えます。この試合はフックの14度目の防衛戦でグロワッキにとって初のヨーロッパ外での試合ですな。
フックはドイツを主戦場としているセルビア人でジョニー・ネルソンと並ぶクルーザー級最多防衛記録保持者のハードパンチャー。テクニックよりも左右フックを叩きつけて相手をノックアウトするファイターです。
キャリアの中では苦戦も多いもののオラ・アフォラビをドローの後に判定で撃破。元チャンピオンのフィラット・アルスランも疑惑の判定勝ちの後にノックアウト。元チャンピオンのウーゴ・ガレイをノックアウトして後にWBA.IBFチャンピオンとなるデニス・レベデフを僅差判定で下してチャンピオンだったビクトール・ラミレスを下してタイトルを獲得しています。
負けた試合は世界初挑戦となったIBFチャンピオンよスティーブ・カニンガムに12ラウンドノックアウト負け。クルーザー級タイトルを保持したままWBAヘビー級タイトルに挑んだアレクサンドル・ポベトキン戦で僅差判定負けとなりましたな。
フックにとっても初めてのアメリカでの試合となったこの試合はものすごい試合となります。開始から打ち合いが演じられると6ラウンドにフックの強打を浴びたグロワッキがダウン!ストップ寸前の大ピンチとなります!
しかし徐々に巻き返して打ち疲れの見えるフックがややリードして迎えた11ラウンドにグロワッキがお返しのフックでフックがダウン!ふらふらのフックに左右フックを振り抜くとフックは失神してしまいストップ!強烈なノックアウトで世界タイトルを無敗のまま獲得しました!ちなみにこの試合は多くのファンがファイト・オブ・ザ・イヤーに推すほどの熱戦でしたね!
そしてこの試合でダメージを負ったグロワッキは初防衛戦をまたもアメリカにて行います。相手は元IBFツータイムチャンピオンのスティーブ・カニンガム。ニューヨークのバークレイズ・センターにて行われます。
カニンガムはフィラデルフィアの技巧派でヘビー級でも試合をしてきているチャンピオン。ポーランドのクリシュトフ・グヴォダルジクを下しており、マルコ・フックのこともノックアウト。敵地でも試合をこなせるチャンピオンです。
負けた相手はグヴォダルジクに一度負けておりますがリベンジ。2階級制覇チャンピオンでポーランド人のトマシュ・アダメクには2度負けてますがいずれも僅差判定負け。ヨアン・パブロ・エルナンデスにも2度負けてますが何度ダウンしても立ち上がって巻き返す気迫の試合を見せており、ヘビー級では後に4団体の王座を獲得するタイソン・フューリーをダウンさせております。
そしてこの試合はかなりの熱戦となります。グロワッキは持ち前のパワーで2ラウンドに2度ダウンさせる幸先の良い出だし。しかしここからカニンガムは優れた回復力を見せて猛反撃。かなり苦しめられてポイントも接近してましたが10ラウンドと12ラウンドにダウンを追加して判定勝ち!タフな試合となりましたが乗り越えて初防衛に成功します!
そして次戦では地元ポーランドにてWBO一位のオレクサンデル・ウシクと対戦。ウシクはロンドンオリンピック金メダリストでここまで無敗のサウスポー。重量級とは思えないほどの身のこなしを持ち、WBOインターコンチネンタルチャンピオン。ここまでオールノックアウト勝利しできておりプロ10戦目ですな。
そしてこの試合はグロワッキが前に出てくるもののウシクがフットワークを駆使して近づかせない展開に!ウシクはコンビネーションを当てては下がる展開に持ち込んで明白にポイントを連取。グロワッキは初黒星となる判定負けを喫して王座から滑り落ちます!
ウシクはこの頃からアウェーで勝ち抜くのか…オレクサンデル・ウシクvs.クリシュトフ・グロワッキ
WBSSトーナメントと返り咲き
ウシクに負けたグロワッキは9ヶ月後にポーランドにて再起。無敗のWBCインターナショナルチャンピオンのヒズニ・アルツニカヤを5ラウンドで棄権させております。
さらに元イタリアチャンピオンのレオナルド・ブジーゼを5ラウンドでノックアウト。ウクライナのアマチュアトップで無敗のセルヒー・ラドチェンコを判定で下して元WBCラテンチャンピオンでコロンビアのハードパンチャーであるサンタンデル・シルガドを初回でノックアウトして世界へ再挑戦します。
迎えた試合はWBSSトーナメントのシーズン2への参戦でした。このトーナメントはモハメド・アリのトロフィーを競う8人のコンテンダーとチャンピオンのトーナメントですね。昨年のトーナメントではグロワッキを下したオレクサンデル・ウシクが4団体のベルトを統一して優勝。ヘビー級へと階級を上げるため空位となったベルトを勝ち取る意味でもトーナメントは重要なものとなります。
シードとして参戦したグロワッキは初戦でマキシム・ブラソフと対戦。試合はアメリカのシカゴで行われることになり、WBO暫定タイトルがかけられることになります。
ブラソフはロシアのコンテンダーでWBCシルバーチャンピオン。後にWBOスーパーミドル級チャンピオンとなるヒルベルト・ラミレス、世界に2度チャレンジするアイザック・チレンバには敗れておりますがここまでノックアウト負けしたことはないタフな相手です。
そして試合はかなりの熱戦となります。3ラウンドにグロワッキが得意のフックでダウンを奪ってリードするとブラソフも食い下がる好試合に。しかしグロワッキは経験を使って後半のラウンドもスムーズに勝ると判定勝ち。2年ぶりの王座返り咲きを果たして、ウシクが王座を返上したことで正規チャンピオンに認定されます!
そしてグロワッキは2回戦で元WBCチャンピオンで一回戦にてWBCダイヤモンドチャンピオンとなったマイリス・ブリエディスと対戦。ブリエディスはラトビア初の世界チャンピオンで国民的ヒーロー。マルコ・フックを破ってWBCタイトルを獲得したもののウシクに昨年のトーナメントで判定負けしてタイトルを手放しておりましたな。
そしてラトビアで行われたこの試合はもうなんとも言えないほどの反則応酬の試合となります。グロワッキが2ラウンドにラビットパンチ気味のパンチを当てると怒ったブリエディスはそのままエルボー!!グロワッキはダウンしてしまいかなりのダメージを負いましたが十分な休息が与えられずに試合は再開されてグロワッキはダウン!!そのまままたダウンを奪われたもののこれはラウンド終了後のパンチ。しかしレフェリーは大歓声の中聞こえず…グロワッキは3ラウンドに右を思いっきりもらってまたダウンしてストップされてしまいましたな。
結果的にブリエディスはWBOタイトルを獲得してクルーザー級二冠王に。しかし大いに議論を呼んだこの試合はWBOが精査して2人にはダイレクトリマッチをオーダー。ブリエディスはこれを断ってトーナメントを続けるためタイトルを返上します。なのでこれを受けてグロワッキはWBOからまたもチャンスをもらえることになり、ジョシュアの友達であるローレンス・オコリーとのWBO王座決定戦がオーダーされております。
オコリーはクルーザー級屈指のロングマンでコモンウェルス、イギリス、ヨーロッパのタイトルを獲得した無敗の選手。経験値ではグロワッキが勝りますがかなり良い試合となりそうでロンドン開催で話が進んでいますね!
そしてこの試合は開始からオコリーがジャブを駆使してサイドに回ってグロワッキを圧倒!グロワッキは右を浴びて動きが止まり、目上をカットするなど劣勢をはね返せず、6ラウンドに痛烈な右を浴びてダウン!立ち上がったものの10カウントとなりました!
まじでクルーザー級最強かもな…ローレンス・オコリーvs.クリシュトフ・グロワッキ
今後期待される試合
世界的な注目を受けるグロワッキに期待される試合はクルーザー級トップとの対戦です!
クルーザー級において2度も世界タイトルを獲得しているグロワッキは間違いなく階級のトップの1人です。クルーザー級はあまり目立つような階級ではないですが迫力あるシーンなので彼のパワースタイルは魅力ですね!
残念ながらファイナルで待つIBFチャンピオンのユニエル・ドルティコスとの試合を優先させましたが、この試合に勝つことでIBFタイトルも獲得できるので多くのものがかけられてますね。
また、クルーザー級には元WBAスーパーチャンピオンで40歳のデニス・レべデフも復帰をアナウンス。ヨーロッパチャンピオンでアンソニー・ジョシュアの友達のローレンス・オコリーも世界挑戦を狙っており、大きな試合が待ち構えてますね!!
グロワッキはリスキーやな…ローレンス・オコリーvs.クリシュトフ・グロワッキ予想
グロワッキのファイトスタイル
グロワッキのファイトスタイルはサウスポースタンスから間合いをじりじり詰めてきて左右フックを振り回してくるタイプ。一撃のパワーで相手をのしてしまいますね!
基本的には前に来ることが多いので打たれることも多いです。フックとの試合でもまともにパンチを浴びてダウンするシーンもありましたね。しかしそのピンチを乗り越えるタフさも持ち合わせています。
ブリエディスとの試合で見せたようにかなり気性は激し目。フックとの試合でも打たれても打ち返すところなどを見ているとかなり気が強くてエキサイトしやすいです。ただ、ブリエディスとの試合でピンチになってもフックを振り抜くなど力を頼りにしている感じもありますね。
この人の持ち味は長丁場を戦えるスタミナと回復力の高さ。フックとの試合ではノックアウト負けすると誰もがダウンした時思いましたが巻き返し。終盤に畳み掛ける強さなどのメンタル的な強さも持ち味ですね!
これが王者とそうでない者の差なのかな…クリシュトフ・グロワッキvs.マクシム・ブラソフ
まとめとグロワッキの今後
いかがでしたでしょうか?前に出てきて間合いを詰めては左フックのロマン砲を放ってくるグロワッキ。ヨーロピアンスタイルとは少し違ったスタイルを持つ彼はクルーザー級のトップとして長年君臨しています。
クルーザー級は少しトップ戦線の層が薄い階級です。IBFチャンピオンのユニエル・ドルティコスとブリエディスが今のクルーザー級のツートップであることは間違い無く、WBAスーパーチャンピオンのアーセン・グーラミリアン、レギュラーチャンピオンで2階級制覇チャンピオンのベイブット・シュメノフなどがおり、コンテンダーにはアンソニー・ジョシュアの友達のローレンス・オコリーも世界を狙うヨーロッパチャンピオンですね!
グロワッキの試合はめちゃくちゃポーランドで人気です。振り回してくるスタイルなのでアメリカでの試合も受けておりますし世界的なデマンドも高いのがグロワッキ。攻防分離気味のスタイルが多いヨーロピアンのファイターたちとは一線を画すハードパンチ主体なのでエキサイティングですね!
ノックアウトの期待も高いグロワッキはまだまだこれからも長年でクルーザー級のトップとして君臨すると思います。今後はWBOタイトルに拘らず多くのタイトルを狙うような動きを取ってもらいたいですね!
ちなみにそんなグロワッキの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、以下のリンクからWOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?
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