軽量級史上最強の声も上がるメキシコの生んだ天才であるリカルド・ロペス。教科書通りのボクシングを突き詰めたスタイルでアマチュアとしてもプロとしても敗北を喫することなくリングを降りた2階級制覇チャンピオンとして有名です!
ロペスはミニマム級で20度以上もの防衛をこなした後ライトフライ級でも世界タイトルを獲得。ミニマム級ではIBFタイトルを除く3つのタイトルを統一しており史上最強のチャンピオンとされてますね。さらにライトフライ級ではIBFタイトルを獲得してるので4団体のタイトルを獲得するグランドスラムを成し遂げています。
ミニマム級としては考えられないほどの人気を誇ったロペスはアメリカでの試合の経験もとても多く、初めて世界タイトルを取ったのが日本でもあったので日本での知名度はめちゃくちゃ高いです。かのはじめの一歩にも彼をモデルとしたボクサーが登場するほどですね。
彼のボクサー的なスタイルはまさにテキストブック。ガードを高く上げて相手を見据えて顎を引き、ワンツーとお手本のようなジャブ、返しの左フック、ボディを打ち込んでくるスタイルです。
フットワークもサイドに回るボクシングで、おまけにパンチ力はかなり高く、ディフェンスも高くて淡々と試合を進めてくるので対戦してタイトルを奪われた大橋秀行は感情のない機械と試合をしてるようだったと回顧してましたよね。
さらにメキシカンらしくアッパーの名手であったことでも知られており、彼のアッパーは歴代でも市場指折りに入るほど。完璧なテクニックと穴のなさからとても長い間トップとして君臨しておりましたね。
しかしミニマム級であったことからとても層が薄く、強力なライバルといえる存在がいなかったことが彼の不運な点です。キャリアの中ではミニマム級ツータイムチャンピオンの大橋秀行、一度引き分けたもののリマッチで勝利したロセンド・アルバレス、WBOチャンピオンだったアレックス・サンチェス、IBFライトフライ級チャンピオンのウィリ・グリズビー、後にライトフライ級チャンピオンとなるサマン・ソーチャトロンを下しておりますね。
アマチュアの頃から一度の敗北をすることなくリングを降りたロペスは現在は地元のメキシコでボックス・アステカの解説者として活躍!今でもファンは多く、彼の試合はよく語られます。
そんな彼の試合をより楽しむために彼のキャリアを振り返ります!!
来歴
ロペスは1966年生まれ。メキシコのクエルナバカで生まれておりメキシカンとして今でもテレビ解説についておりますな。
ロペスはアマチュアの頃から活躍しており1981年から1984年までのメキシコ選手権を制覇。アマチュアとして負けることなくプロに転向したことで有名です。
トレーナーは初期がレジェンドのクーヨ・エルナンデス。エルナンデスはアルフォンソ・サモラやルーベン・オリバレス、カルロス・サラテを育ててきている名トレーナーでそのクーヨをしてもロペスこそが最高傑作だと話してますな。
エルナンデスは12人の世界チャンピオンを育ててますが1990年に他界。その後は名トレーナーのナチョ・ベリスタインの門下に入っておりますな。
ジャッジさんナイスキャッチ!!リカルド・ロペスvs.ロッキー・リン
新人時代
ロペスは1985年にプロデビュー。同じくデビュー戦の相手に4回戦を行って3ラウンドノックアウト勝ちでデビュー戦を飾っております。
その後も全ての試合にノックアウト勝ちを収めて9戦目では10回戦を判定勝ちで制しておりますな。
さらに10勝1敗のエドゥアルド・ラミレスにも判定勝ちして1989年にはメキシコ人で26勝5敗のレイ・エルナンデスと初めての12回戦で12ラウンドノックアウト勝ち。WBCアメリカ大陸王座を獲得します。
さらに次戦ではこの次の試合でWBCライトフライ級チャンピオンのウンベルト・ゴンサレスに挑むことになるホルヘ・リベラを8ラウンドノックアウトしてタイトルを防衛。さらに2度ライトフライ級でタイトルに挑戦しているフランシスコ・モンティエルを判定で下して世界初挑戦を迎えます。
ミニマム級チャンピオン時代初期
無敗のまま世界ランキングを上げてきたロペスは1990年についに世界タイトルマッチを迎えることになります。
相手はWBCチャンピオンである大橋秀行。チャンピオンとして2度の防衛を果たしており3度目のタイトル挑戦でタイトルを獲得した日本の強豪にして日本人の連続世界挑戦失敗を止めた男です。
大橋の地元で行われたこの試合はロペスの衝撃が日本に響き渡る試合となります。大橋は高熱を出しながらもリングに上がる漢気を見せましたがロペスの正確なジャブをもらってダウンも喫する苦しい展開に。5ラウンドにダウンを追加されるとタオルを投入されてストップ!ロペスがタイトルを獲得します!
試合後に大橋はロペスのことをまるで感情のない機械と試合をしてるようだったと話しており、ロペスのクレバーさがよくわかるコメントですね。
大橋を下したロペスは初防衛戦でまたまた日本にお邪魔します。今回は日本ライトフライ級チャンピオンの平野公夫と静岡県での試合となりますね。
サウスポーの平野に対してプレッシャーをかけるとワンツーを当てて入り際に右アッパー。どんどんカウンターを合わせて8ラウンドに痛烈なダウンを奪うとレフェリーがストップ!ほとんどパンチをもらわずに圧倒的な強さを見せます!
そして迎えた2度目の防衛戦は敵地韓国にて。元IBFチャンピオンの李敬渕との試合で行われることになります。
李はIBFがまだマイナーだった頃にデビュー戦の相手との王座決定戦を制してタイトルを獲得した無価値の王者。そのあとWBCチャンピオンだった井岡弘樹に挑んだものの12ラウンドストップ負け。そこから連勝してますな。
そしてこの試合はロペスが大崩れすることなくいつもの慎重なボクシングを崩さない展開に。前にくる李に的確なパンチを集めて判定勝ち。敵地を苦にしない試合を見せてくれました!
そして次戦はついに地元のメキシコでの世界タイトルマッチ。フィリピンのコンテンダーであるプリティボーイ・ルーカスを迎えることになります。
ルーカスは2度IBFタイトルに挑戦してノックアウト負け、ドローに終わっている強敵で世界タイトル戦以外で負けたことはないですな。
そして試合はロペスが的確なジャブを当てて無難に判定勝ち。前に出てきていたルーカスも徐々に出られなくなってしまってどうしようもなかったですね…
そして5ヶ月後に迎えた次戦は地元のメキシコでタイのチャレンジャーであるシンプレザート・キッチカセムと対戦。ダウンさせて5ラウンドに仕留めており、キッチカセムはこの試合を最後に試合をしてませんな。
そして次戦はノーダメージであったことから2ヶ月後に実施。またもや日本に乗り込んで台湾初のプロボクサーで日本で活動しているロッキー・リンと試合を行います。
リンは日本タイトルを7度も防衛しておりここまで無敗。とても良い選手で日本国内では敵なしの状態となってましたな。
後楽園ホールで行われたこの試合はロペスが初回からリンを圧倒!2ラウンドに痛烈なダウンを奪うとリンは背中からばったりと倒れてジャッジの1人が落ちてきそうになったリンの頭を抱える痛烈な失神ノックアウトで日本を後にします!
ちなみにロペス自身の日本でのタイトルマッチはこれで終了。しかし同じメキシカンのファイターの試合など応援に駆けつけて来日するなどしておりますな。
そして6度目の防衛戦は敵地韓国にて呉光洙との試合となります。呉はオリンピックに出ており、マイケル・カルバハルに負けた選手でここまで無敗。プリティ・ボーイ・ルーカスを下してきましたな。
そして試合は元オリンピアンの呉を寄せ付けずにほとんどフルマークで進める圧倒的な展開に。迎えた9ラウンドにストップに持ち込んでおりチャンピオンとしての強さを見せつけております。
さらに7度目の防衛戦はメキシコにてサマン・ソーチャトロンと対戦。ソーチャトロンはここまで一敗の好戦績の持ち主でハードパンチャー。タイを出て初めての試合となりましたな。
そして試合はロペスの独壇場。開始からロペスが正確なジャブで弾くとダウンさせて2ラウンドに2度のダウンを奪ってソーチャトロンをストップ。あまりにもレベルが違いましたね。
ちなみにソーチャトロンはこの後ライトフライ級でウンベルト・ゴンサレスをまさかのノックアウト。日本で亀田興毅と試合をして負けた後に引退しておりますな。
そして次戦ではロペスにとって初めてとなるタイでの防衛戦。トト・ポンサワンとの試合となります。ポンサワンはここまで無敗で元チャンピオンのマニー・メルチョールを破ってますな。
そして試合はサウスポーのポンサワンが割と頑張る試合となり、ロペスの前に中盤食い下がります。しかしロペスは正確なジャブとパンチで顔を腫らせて11ラウンドに痛烈な左フック合わせてポンサワンは大の字にダウン!ストップとなりました!
そして次戦は3ヶ月後にアメリカのネバダ州にて開催。元IBFチャンピオンでフィリピンのタフファイターのマニー・メルチョールとの試合となります。メルチョールは負け数も多いもののかなりタフな試合をしていますね。
しかし試合ではロペスがもはや一撃ももらわないほどに圧倒。ジャブとボディでメルチョールを削り続けて11ラウンドにノックアウト。付け入る隙のない強さを見せます。
そして映えある10度目の防衛戦は無敗のコロンビア人でサウスポーであるケルミン・グアルディアとの試合となります。グアルディアはここまで無敗でコロンビアチャンピオンですな。
ラスベガスで行われたこの試合はロペスがグアルディアに苦戦します。グアルディアの伸びてくるパンチを浴びて腰が落ちかけるなどらしくない試合を見せますが中盤から徐々に立て直してグアルディアはスタミナをロス。ロペスが巻き返しての判定勝ちでグアルディアに土をつけました!
天才のらしくない試合…リカルド・ロペスvs.ケルミン・ガルディア
ミニマム級最強として
10度の防衛に成功したロペスはグアルディア戦の4ヶ月後にまたもやラスベガスに見参。タイチャンピオンのスラチャイ・セーンモラコットを初回ノックアウトで下しております。
ノーダメージでクリアしたロペスは12度目の防衛戦としてかつてIBFライトフライ級チャンピオンのマイケル・カルバハルに挑んで判定まで粘ったハビエル・バルゲスと対戦します。
メキシコで行われたこの試合はロペスがラフなバルゲス相手に正確なパンチを当てて圧倒!ダメージを蓄積させてダウンさせての8ラウンドストップ勝ちを収めます。
そして次戦はメキシコのモンテレーで開催。フェリックス・トリニダードなども出た大きなカードでコロンビアのヤミール・カラバジョを初回70秒でノックアウトしております。
さらに次戦ではネバダ州にて日本でも活躍したことのあるアンディ・タバナスと対戦。IBFにチャレンジしたことのある選手ですな。
そしてこの試合はロペスが2ラウンドにタバナスの右をもらって慎重に。しかし徐々にダメージを蓄積させて12ラウンド一方的に攻め立てるとストップ。盤石の強さを見せつけます。
そしてロペスはそのあまりの強さに相手が見つからない事態になります。11か月後にラスベガスで行われた試合はフィリピンのハードパンチャーであるアラ・ビジャモールと対戦します。
ビジャモールはかつてIBFタイトルに挑んだコンテンダーでほとんどの試合でノックアウトしてきたハードパンチャー。しかしロペスはテクニカルに圧倒してフルマークで進めると8ラウンドにダウンさせてストップ。ブランクを感じさせない試合になります!
さらにロペスは3か月後にまたも防衛戦。カリフォルニアのインディオでタイのキッチャイ・プリ―チャと対戦します。しかしレベル差のある相手に3ラウンドノックアウト勝ちで簡単な試合となりました。
さらに次戦ではWBCインターナショナルチャンピオンで南アフリカのコンテンダーのモーガン・ヌドゥモとの試合を行います。前の試合で負けているヌドゥモに6ラウンドまで粘られましたがストップに持ち込んでいます。
さらに次戦は1か月後にカリフォルニアにて強行軍にて試合を敢行。韓国チャンピオンの朴と試合をして初回ノックアウト勝ちで圧倒的な強さを見せます。
そして次戦ではラスベガスのヒルトンホテルにてタイのモンコル・チャロエンと対戦。マイナータイトルのWBFチャンピオンで後にチャンピオンとなるムハンマド・ラクマンにも勝利しています。
この試合はチャロエンがかなり頑張り、ロペスに圧倒されながらも粘る試合となります。ロペスは1ラウンドもほとんど失わずにダウンさせてフルマークの判定勝ち。フィニッシュはできませんでしたが強さを見せましたな。
ロペスさんサウスポー攻略バッチリ…リカルド・ロペスvs.モンコル・チャロエン
ミニマム級統一と卒業へ
ロペスは前の試合から5ヶ月後についにミニマム級王座統一戦を迎えます。WBOチャンピオンでハードパンチャーのプエルトリカンであるアレックス・サンチェスとの試合です。
サンチェスはこれが7度目の防衛戦となるプエルトリコの強豪ですがデビュー戦の相手に防衛をするなどまだまだマイナー団体のチャンピオンといった評判だったかな。ホセ・ビクター・ブルゴスに判定勝ちしております。
ニューヨークで行われたこの試合は同じチャンピオンなのにめちゃくちゃ差がある試合となります。開始からロペスが正確なジャブで間合いを掌握。2ラウンドには痛烈な左フックでダウンさせます!
苦しいサンチェスはローブローを繰り出すなどかなりラフにきたものの5ラウンドにまたダウンさせられてストップ!ロペスは対抗チャンピオンをものともせずに無敗のまま王座を統一します!
そして次戦ではWBAチャンピオンのロセンド・アルバレスとの統一戦を敢行!ちなみにこの前にWBOタイトルは防衛することなく返上しておりますな。
アルバレスはこれが5度目の防衛戦となるハードパンチャーのニカラグア人。日本で試合をしたことのあるパンチャーでかつてロペスを苦戦させたガルディアを3ラウンドでノックアウトしております。
メキシコで行われたこの試合は誰もがロペスの楽勝を予想しておりましたがまさかの展開となります。アルバレスはあまりラフには来ずに2ラウンドに痛烈な右クロスを当ててロペスがダウン!めちゃくちゃ効いてしまいます!
完全に効いたロペスはジャブで立て直すもののそこからアルバレスが右クロスを軸に前に出てきて大苦戦。偶然のバッティングでどちらも激しく流血したことにより8ラウンド開始で負傷判定となり、ドローでなんとか切り抜けます!
しかし個人的にはこの試合はアルバレスが勝っていたと思うのと、世論的にも地元のロペスが地元判定でなんとか土がつかなかったとの見解が多数。リマッチに向かうことになります。
そして8ヶ月後にラスベガスで迎えた注目のリマッチはアルバレスがまさかのオーバーウェイト。ライトフライ級のウェイトできてタイトルを失い、ロペスが勝った時のみ王座統一ルールとなります。
試合はめちゃくちゃ接戦になります。ロペスは落ち着いてジャブをつくもののアルバレスはラフに迫ってきてロペスは流血。教科書通りにこないアルバレス相手にウェイトの問題もありかなり苦しい試合となりましたがなんとか2-1の判定勝ち。王座を統一して難敵を退けます!
この試合もそこそこ議論を呼んだもののロペスはこの頃になるとウェイトがかなり苦しくなっており、ライトフライ級への転向をアナウンス。11ヶ月の時を経てタイトルを返上してライトフライ級へと向かいます。
これは負けやろぉ…リカルド・ロペスvs.ロセンド・アルバレス1
ライトフライ級制覇と引退
ロペスはアルバレス戦の後ミニマム級でのウェイトに限界を悟り両王座を返上。ライトフライ級にて2階級制覇の偉業を目指すこととなります。
そして迎えて試合はいきなり世界タイトルマッチ。IBFチャンピオンのウィル・グリズビーとの試合を行うことをアナウンスします。
グリズビーは技巧派のボクサータイプでシャープなパンチが持ち味のチャンピオン。これが2度目の防衛戦となる選手で後にチャンピオンとなるマイケル・カルバハルのデビュー戦で相手を務めて判定負けしてますな。
そして試合はロペスが慎重なグリズビーに攻めあぐねるもののスキルで圧倒。ミニマム級からウェイトをあげたことでより動けるようになり的確なジャブとストレートで効かせる場面を見せての判定勝ちで4団体目のベルトを獲得しました!
しかしこの頃からロペスはやたらと試合間隔が空くようになります。プロモートしていたドン・キングの問題もあるかとは思いますが本人のモチベーション的にも下がりつつあったのは間違い無いですね。
初防衛戦は1年2ヶ月後。ラスベガスでフェリックス・トリニダードの前座にてサウスポーのタイ人であるアヌチャ・フォルロンと対戦します。
フォルロンは元IBFミニマム級チャンピオンでミニマム級時代から戦わざる相手として君臨していた名選手で通算18度の防衛に成功している名選手。ミニマム級ではゾラニ・ペテロにノックアウトされた後グリズビーとのライトフライ級王座決定戦に負けてますね。しかしロペスの前にはライトフライ級で残念ながら3ラウンドストップ…ロペスが長期チャンピオンでも力の差を見せましたね。
そしてロペスはついに現役最後の試合を迎えます。元IBFミニマム級チャンピオンでフォルロンからタイトルを奪った南アフリカのミニマム級初のチャンピオンであるゾラニ・ペテロが相手となります。
ペテロはサウスポーのハードパンチャーでガンガン出てくるラフなパンチャー。大きな左右フックを振り回してくる厄介なタイプで王座を5度防衛した後階級を上げてきておりますね。
そして試合はロペスが前に出てくるラフなペテロに結構四苦八苦します。しかし2ラウンドに芸術的な左フックでダウンさせるかつての片鱗を見せます。さらにボディをコツコツ効かせるとバッティングで流血しながらも8ラウンドに左ボディでノックアウト!!有終の美を飾り、ロペスはこの試合をもって現役を引退。負けの味を知ることなくリングを降りました!
この後ロペスはミニマム級チャンピオンとして初の名誉の殿堂入りに認定。さらにメキシコではテレビ中継の解説者として今でもリスペクト。ミニマム級タイトルを20度防衛した記録はいまだに破られておりません。
引退の理由もまだ数試合ならやれるけど負傷の影響やカットの影響。さらにダメージを抱えて余生を送りたくないというとてもかっこいいものでした。あまりの強さに戦う相手がいなかったのが悔やまれるチャンピオンですね!
ロペスのファイトスタイル
ロペスのファイトスタイルはどちらかというと玄人向けの技巧派スタイルです。相手と間合いを取り自分のパンチが当たってなおかつ相手のパンチが当たらない、もしくは自分がかわしやすいベストなポジションを探すのがとてもうまいです。
そしてパンチを打てばすぐに離れて相手の射程圏外に逃げる。相手が出てきたら下がるかガードを固めて打ち終わりを狙う。基本に忠実なタイプで変則的な動きはほとんどないですね。
そしてこの人の武器で有名なのはアッパーカット。ロングでも出してくるアッパーはめちゃくちゃ強烈でタイミングも良いです。ガードの隙間を縫ってくるアッパーは同じくメキシカンのファン・マヌエル・マルケスにも受け継がれておりますね。
基本的には一撃でノックアウトするようなパワーはないですがそのタイミングの良さで試合を決めてしまうことも多々あります。打たれ強さもなかなかのものでアルバレスのパンチをまともにもらっても立て直すなどメンタル的な強さもありますね。
弱点らしい弱点はないですが飛び抜けて強いところもないです。なぜならば全てにおいて最高地点クラスにレベルが高いから笑。もしもマイケル・カルバハルやチキータ・ゴンサレスと同じクラスだったならとても面白い試合ができてたかもしれませんね!
同じチャンピオンなのにレベル違い…リカルド・ロペスvs.アレックス・サンチェス
まとめ
メキシコを代表するような技巧派王者としてこれまで2階級を制して20度以上もの防衛を果たしたリカルド・ロペス。彼のボクシングは全てのファイターが目指すべき境地と言えますね!
ロペスには特別なスピードやパワー、打たれ強さはなかったかなと思います。ただ本当に基本を突き詰めて緩まずにトレーニングした結果誰にも負けることなくリングを降りるに至ったのだと思います。
ワンツーを打って返しの左フック、ガードを高く上げて相手も間合いを保つ。打てばすぐに離れる。頭を振りながら前に出るなど誰もが教わることなんですけどそれをここまで高い水準でできる人はいませんね。
日本で初めて世界タイトルを取ったこともありロペスの試合はめちゃくちゃ日本人にも人気です。ミニマム級での歴代チャンピオンでは間違いなく史上最強チャンピオンなので彼の試合を見て学ぶ方はとても多いレジェンドですね!
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メキシコのノンストップ男!ファン・フランシスコ・エストラーダ!!