WBA世界ヘビー級暫定チャンピオンとして名高いダニエル・デュボアさん。イギリス国内では素晴らしい人気を誇り、アンソニー・ジョシュアの次世代のヘビー級スターとなることが期待されております!
驚異的なパワーパンチャーとして知られているデュボアはその破壊力満点の右ストレートだけではなくて、ジャブの精度の高さも魅力的。相手の出鼻をくじいて右の大砲を放り込んでド派手なフィニッシュにつなげてきます。
その右の威力に関してはすでにヘビー級トップの1人であると言っても過言ではないです。かのWBCヘビー級チャンピオンのデオンテイ・ワイルダーが認めるほどのパワーですからワイルダーと同じく一撃で試合を終わらせられるほどのパンチがありますな。
キャリアの中では英国タイトルを2度獲得しており、コモンウェルスタイトルも獲得。WBO地域タイトルも獲得しており、すでに世界ランキング入りしております。
タイソン・フューリーの従兄弟であるネイサン・ゴルマンとのとてもイギリス国内で注目された試合を5ラウンドノックアウトで制するなど大人気。日本のヘビー級プロスペクトである藤本京太郎を破ってWBCシルバータイトルも獲得しています。
ジョイスには敗れたものの、今後の相手としてはワイルダーやアンディ・ルイス、アンソニー・ジョシュア、タイソン・フューリーなどのチャンピオンクラスなどとの試合も期待されており、目が離せないヘビー級ですね!
ということで、彼の試合をより楽しむためにデュボアの来歴をまとめてみました!!
デュボアの戦歴
デュボアのプロフィール
ダニエル・デュボアは1997年イギリスのロンドン生まれ。妹のキャロリンさんもボクサーでユースオリンピックチャンピオンですね。
デュボアはトラブルから逃れるため父親からサウスロンドンにあるボクシングジムに9歳で連れて行かれたそうです。アマチュアとしては75試合をこなしてますな。
ヨーロピアンのユース大会に2度出ており、フィンランドとドイツの大会で金メダルを獲得しております。ちなみにデュボアには東京オリンピックに出場するようにイギリスが強化選手に指定していたそうですが、デュボアはプロになることを選択。フランク・ウォーレンと契約してプロの世界に飛び込みます。
ブラジールさんジョシュアのサンドバッグに成り下がる…アンソニー・ジョシュアvs.ドミニク・ブラジール
これまでの実績
デュボアは2017年の4月にロンドンでプロデビュー。4回戦で初回ノックアウト勝ちを収めて3試合目にはキャリは18戦の相手を40秒でノックアウトするなどその強さは際立っていましたな。
そして4戦目には10回戦を敢行。ウルグアイの選手であるマウリシオ・バラガンと対戦して2ラウンドノックアウト勝ちを収めWBCユースタイトルを獲得。初めてのタイトルを手中にします。
さらに5戦目にはイングランドの南部タイトルをかけてAJ・カーターと対戦して初回ノックアウト勝ち。その後はかつてプライズファイターにも出ていたトム・リトルを5ラウンドでノックアウトして空位のイギリスタイトルを獲得。ハイペースで試合をこなします。
さらに次戦ではかつてWBCチャンピオンだったビタリ・クリチコに挑んで判定負けしているタフなベテランであるケビン・ジョンソンと対戦。デレク・チゾラやクブラト・プレフとも対戦しているベテランを圧倒して10ラウンド判定勝ち。初めての判定勝ちとなりましたが長いラウンドを戦えることも示しましたね!!
そして次戦ではかつてWBOチャンピオンだったジョセフ・パーカーに挑んで判定まで粘っているラズバン・コジャヌと対戦。WBOヨーロピアンタイトルがかけられたこの試合ではルーマニアのコンテンダーを2ラウンドで粉砕!世界ランキングを手にします。
さらに次戦ではガーナのパンチャーであるリチャード・ラーテイと対戦。WBOアフリカチャンピオンであるラーテイはガーナチャンピオンでもあるハードパンチャー。この試合はデュボアがラーテイのパンチを浴びる場面もあったものの4ラウンドに左フックを当ててノックアウト!次戦で大きな試合を引き当てます!
ノーダメのミスマッチ…ダニエル・デュボアvs.エベネゼール・テテー
ゴルマン戦とトッププロスペクトとして
デュボアは長く待ち望まれていた英国内のヘビー級コンテンダー同士の試合が決まります。無敗のネイサン・ゴルマンとのイギリスヘビー級王座決定戦です。
ゴルマンはデュボアと同じく無敗のトッププロスペクト。デュボアがパワーに優れるならゴルマンはテクニック、スピードに優れるとされるボクサーでスリックな選手。かの元ヘビー級統一チャンピオンのタイソン・フューリーの甥っ子ですな。
キャリアの中ではかつてWBOチャンピオンだったジョセフ・パーカーに挑んだラズバン・コジャヌに大差判定勝ちで12ラウンドをクルーズ。WBCインターナショナルシルバー王座を獲得している選手です。
この試合は大いに注目されてましたが、ゴルマンのスキルがデュボアをやり込めるのではないかとされてました。しかし試合はデュボアのキャリアハイの試合となります。
開始から鋭いジャブで変則的なゴルマンの顔面を弾くデュボアはペースを掌握。プレッシャーを強めて3ラウンドにダウンさせると5ラウンドに右ストレートを当ててゴルマンはダウン!立ち上がったものの10カウントとなりデュボアが快勝しました!
デュボイスさんパワーとジャブの精度を証明…ダニエル・デュボイスvs.ネイサン・ゴルマン
デュボアはこの試合でジャブの精度の高さとパワーだけではないことを証明。2度目のイギリスヘビー級タイトルを獲得して一気に世界ランキングにも顔を出します。
そして次戦はアフリカの強打者で無敗のエベネゼール・テテー。WBOアフリカチャンピオンでこの試合は空位のコモンウェルスタイトルとWBOインターナショナルタイトルがかけられる試合となります。
そしてこの試合はあまりにも2人に差がある試合となりました。テテーは開始からジャブを打たれて顔を弾かれると右ストレート、ショートを被弾してダウン!2度のダウンを奪われて初回ノックアウトとなり、デュボアが楽勝でタイトルを獲得します!
そして次戦は日本のコンテンダーの藤本京太郎!WBOアジア・パシフィックタイトルやOPBF王座を獲得してきた元キックボクサーでクルーザー級の体格ながらもアジア人としては珍しいヘビー級の選手ですな。
藤本はキックボクサーとしてK-1に参戦。かなり調子が悪かったとはいえピーター・アーツをノックアウトしたことがあり、ジェロム・レ・バンナやマイティ・モーなどと試合をしてきている優れて身体能力のある選手です。デュボアの有理が伝えられてますがスピードでは藤本が上なので面白い試合になりそうですね!
そしてこの試合はデュボアが開始からパワーで藤本を圧倒!ジャブで崩してワンツーをガードの上に当てると藤本は手が出せなくなります。そして2ラウンドに同時打ちのジャブでダウンさせられると強烈な右カウンターで大の字にダウン!レフェリーが即座にストップをかけました!
ゴリラのデュボアは強かったな…ダニエル・デュボアvs.藤本京太郎
そしてデュボアは2020年8月末にリカルド・シジャーズと対戦。初回からプレッシャーをかけまくってボディを連打すると3度のダウンを奪って、2ラウンドにもボディでダウンさせるとストップ!10月にジョイスとの試合が確実視されています。
ウホウホゴリラかよ…ダニエル・デュボアvsリカルド・シジャーズ
デュボアは2020年4月に世界タイトルマッチ並みの大きな試合を引き当てます。リオデジャネイロオリンピック銀メダリストでWBAゴールドチャンピオンのジョー・ジョイスとの試合です。この試合はロンドンのO2アリーナで行われることになりましたね!!
ジョイスはデュボアよりも一回り年上で下してきた相手が元WBCチャンピオンのバーメイン・ステイバーン、元タイトルチャレンジャーのブライアント・ジェニングス、アレクサンドル・ウスティノフです。試合数はデュボアよりも少ないですがよりタフな試合をこなしており、デュボアは試合前からジョイスに突っかかり、引退させてやると息巻いております。。。どうなるのか見ものですね!!
そしてこの試合はジョイスが開始からロングのジャブを効果的に当ててデュボアをアウトボクシング!デュボアも自慢のハードパンチを当ててふらつかせるシーンもあったもののジャブを被弾して左目を腫らしてしまい、迎えた10ラウンドに自らダウン!そのまま10カウントとなりジョイスが銀メダリストの意地を見せました!
デュボアはこの試合で残念ながら初黒星。しかし必ず這い上がってくると思うので今後にも期待ですね!
なぜ銀メダリストなのかよくわかったな…ダニエル・デュボアvs.ジョー・ジョイス
そして次戦でデュボアは世界タイトルマッチを迎えます。ボグダン・ディヌとのWBA暫定王座決定戦です。
ディヌは1985年生まれの34歳。ルーマニアのコンテンダーで現在もルーマニアでトレーニング。ルーマニアでは最強のヘビー級と見られますな。
ここまでのレコードは20勝16KO2敗。戦績が示す通りのハードパンチャーでアマチュアの頃から活躍。多くの国際大会で試合をしておりましたな。
キャリアの中ではジャレル・ミラーの前に押しつぶされてしまってノックアウト負け。さらにアマチュアでも負けているクブラト・プレフをカットさせて追い込んだもののノックアウト負けしておりますね。
選手としての特徴はガードをがっちりと固めてロングレンジをキープするとハードなワンツーを打ち込んでくるスタイル。パンチは強いですね。
デュボアとある種似ているスタイルで一撃のパワーはそんなに引けを取りませんな。ディフェンスも頭を振ってくるけどそんなに足が早くないのが痛い点かな。
そしてこの試合は開始からデュボアが前に出てきてワンツーを打ち込んできてプレッシャーをかける展開に!2ラウンドにデュボアが一気に出てきてコンビネーションからの右を顎にクリーンヒットさせるとディヌは痛烈にダウン!そのままノックアウトとなりました!
ゴリラさん復活やん…ダニエル・デュボアvs.ボグダン・ディヌ
今後期待される試合
デュボアに求められる試合はコンテンダーとの試合です!デュボアは将来のスター候補であることは間違い無いですがそうなるためにはまだまだ強い相手とやらないといけません。
デュボアはゴルマンとの試合が今の所キャリアハイです。あの試合のインパクトは凄まじかったけどまだまだヘビー級には強く、恐ろしい選手がたくさんいます。
デュボアとやる可能性のある相手として巨人のロバート・ヘレニウスやコンテンダーのジェラルド・ワシントン、ブライアント・ジェニングス、デビッド・プライス、ドミニク店ブラジールなどとの試合が期待されます。
とにかく今デュボアがやるべきことは経験を積むこと。今のヘビー級には他の時代ならチャンピオンになれるクラスの強者がたくさんいるので是非とも彼らと拳を交えた上で世界タイトルマッチをやって欲しいですね!
ヘビー級の主人公の帰還…アンソニー・ジョシュアvs.アンディ・ルイス2
デュボアのファイトスタイル
デュボアのスタイルはガードをがっちりと高く上げてどんどん前に出てじりじりプレッシャーをかけてはジャブで崩して右の大砲を打ち込むスタイル。
どうしてもパワーばかりが着目されますがこの人の強さの秘密はジャブ。相手の動き出しにジャブを当てるのがとてもうまく、これでペースを握ってから右を放り込んでくるんですね。
もちろん右の威力は半端ではなく、ガードの上から相手を倒してしまうほど。しかしその前のジャブがあるからこそ彼の右が当たるようになるのでとても大事な生命線ですね!
ジャブを動き出しに当てて相手のリズムを奪ってからの右はとても強いです。プレッシャーも強く、相手を下がらせることができるので高い爆発力と優れたクレバーさを持っておりますね。
また、この人の怖いところはまだまだ強くなる要素があること。まだ打てるパンチは少ないですがその強さはまだ発展途上。これからコンテンダーとの試合で経験をより積んで強くなっていくのではないかと思います!
ワイルダーの指名挑戦者は初回でやられる法則あり…デオンテイ・ワイルダーvs.ドミニク・ブラジール 試合後のコメントもあり!
まとめとデュボアの今後
いかがでしたでしょうか?圧倒的な強さと若狭の勢いででヘビー級のトップとして注目されるダニエル・デュボア。間違いなく今後ヘビー級の世界タイトルを争うことになる1人として大いに注目される次世代のスターです!
ゴルマンとの試合ではテクニックに勝るゴルマンが有利とされてましたがデュボアはジャブの精度の高さと力でねじ伏せて見せました。この試合から評価はうなぎ上りで今後の試合にも大いに期待がかかりますな。
デュボアが属するヘビー級は同じイギリス人が中心です。アンソニー・ジョシュアを筆頭にタイソン・フューリー、デレク・チゾラがトップのイギリス人ですね。その他にはアメリカのデオンテイ・ワイルダー、アンディルイス、ジャレル・ミラーやウクライナのオレクサンデル・ウシク、キューバのルイス・オルティスがおりますね。
誰がチャンピオンになってもおかしくないヘビー級ですが、デュボアは将来的な観点で行けば間違いなくここに食い込んできます。これからは経験豊富なベテラン相手にパフォーマンスの良い勝利が求められますね!
ちなみにデュボアの試合を見るならWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか??
ヘビー級ナンバーワンを決める試合…デオンテイ・ワイルダーvs.タイソン・フューリーの試合をテレビで生中継で見る方法は?これまでの経歴も紹介!