現代を代表する重量級ボクサーの1人でライトヘビー級で現在最も長く在位しているドミトリー・ビボル。韓国系のお母様の血を引くワンツーパンチャーです。
これまでのキャリアでWBA王座を獲得しておりその鋭いジャブと右ストレートで全ての試合で勝利。アメリカを主戦場にしながらもモナコやロシアでも試合をするなどグローバルに活躍を続けて実に8度もの防衛を積み重ねてきておりますね。
そのキャリアはまさにエリートでキャリア7戦目でWBA暫定王座を獲得。そこからコンテンダーのスリバン・バレラ、元WBCチャンピオンで後にWBA暫定チャンピオンとなるジャン・パスカル、バーナード・ホプキンスを引退させたジョー・スミス・ジュニア、コンテンダーのアイザック・チレンバ、マーカス・ブラウンをダウンさせたウォルター・カスティーリョを下しております。
さらに現在はWBC.IBF統一チャンピオンであるアルツール・ベテルビエフとの統一戦を熱望!試合は来年の後半にお互いが勝ち続ければプラットフォームの垣根を超えて実現するとされており実現すれば無敗のチャンピオン同士の試合となりますね!
ということで、彼の試合をより楽しむためにビボルの来歴をまとめてみました!
ベテルビエフはガードの上でも破壊するからな…アルツール・ベテルビエフvs.ファンロン・メング予想
ビボルの戦歴
ドミトリー・ビボルは1990年生まれの29歳。キルギスタン生まれの世界チャンピオンでお母様は韓国系ですのでアジアの血を引いている選手ですね。国籍はロシアであり現状はロシアのペテルブルグに住んでおりますね。ちなみにお父様はモルドバ人であるとのことです。
ビボルは11歳の時にロシアに移住したそうでキルギスタンで6歳の頃にボクシングを始めたそうです。アマチュアの頃から活躍していたビボルは17歳以下の大会で2度世界チャンピオンになっています。
さらに2008年のユースオリンピックではミドル級で銅メダルを獲得。さらに2012年と2014年にはロシアのナショナル大会で優勝。この2大会はライトヘビー級で優勝してるとのことでアマチュアのレコードは268勝15敗。かなり素晴らしいレコードを残して2014年にプロへと転向します。
パワーだけではなかったロシアの豪腕…アルツール・ベテルビエフvs.オレクサンデル・グヴォジク
これまでの実績
ビボルは2014年に24歳の時にプロデビュー。ロシアのモスクワでデビュー戦を行い、35戦のキャリアがある相手に6ラウンドKO勝ち。3戦目からは早くも8回戦を行うようになり元WBCインターナショナル王者のジョーイ・ベガスをKOします。
4戦目はアメリカデビュー。元メキシコヘビー級、クルーザー級王者でクリシュトフ・グロワッキやアレックス・リーパイと対戦したフェリペ・ロメロと対戦して8ラウンドKO勝ち。アメリカでもしっかりとKO記録を伸ばします。
そして5戦目にはロシアにて初めてのタイトルマッチで10回戦を行います。元WBOラテン王者でブラジルの強打者であるジャクソン・ジュニアとWBAインターコンチネンタルタイトルをかけて対戦。4ラウンドKO勝ちでタイトルを獲得して世界ランキングを手にします。
そして6試合目にはまたまたブラジルの強打者で元WBAフェデボルミドル級チャンピオンのクレイトン・コンセイカオと対戦。オレクサンデル・グヴォジクとも対戦した相手を4ラウンドKOで下して世界タイトルマッチを引き当てます。
なんか近いぞ!?ドミトリー・ビボルvs.ジョー・スミス・ジュニア。コメントもあり。
バレラとの試合と初期の防衛戦
ビボルは2016年にモスクワでWBA暫定チャンピオンのフェリックス・バレラと対戦。バレラはここまで無敗のドミニカ人で強打を誇るパワーパンチャー。スーパーミドル級から階級を上げてきて前回の試合で僅差判定勝ちを収めてタイトルを獲得しましたな。
そしてこの試合はかなり白熱の試合になります。ラテン系の選手らしく大きくリングを使うバレラの大きな右をもらってビボルも目を腫らすなど苦戦したものの追いかけまわしてアグレッシブさと正確なワンツーでポイントをピックアップ。タイトルを獲得します!
そしてこの後試合が決まらなかったビボルはノンタイトルマッチを経た後に9か月後にロシアにて初防衛戦。相手はニュージーランド人のロバート・ベリッジ。強打のサウスポーでエレイデル・アルバレスとも対戦したもあるWBOオリエンタル王者ですね。
ビボルはこの試合でチャンピオンの貫禄と格の違いを大きく見せます。スマートなジャブでタイミングを崩すと右ストレートでダウンを奪い、4ラウンドにフィニッシュ。付け入る隙を与えない内容で初防衛に成功します。
2度目の防衛戦はアメリカのメリーランド州にて敢行。相手はコンテンダーのサミュエル・クラークソンで強打のパンチャー。デンジャラスなパワーこそ持つものの10回戦の経験すらなく大きく予想では不利でしたな。
そしてこの試合は大方の予想通りクラークには荷が重い試合となりました。ビボルは開始からガンガン前に出てダウンさせるとクラークは逃げ回る展開に。。。4ラウンドにもダウンを追加するとストップとなります。
そしてセルドニック・アグニューをノンタイトルマッチで下したビボルはモナコのモンテカルロにて初めての世界タイトルマッチを行います。対戦相手はトレント・ブロードハースト。オーストラリアのコンテンダーでベリッジには負けていますな。
そしてこの試合は正規チャンピオンに昇格したビボルのハイライトのような強烈なインパクトを残す試合となります。ビボルは開始から前に出てプレッシャーをかけると1ラウンド終了と同時に放った右ストレートでブロードハーストは痛烈にダウン!!ストップとなりショーで最高のパフォーマンスをしてくれました!!
そして4度目の防衛戦はトップコンテンダーのスリバン・バレラとの対戦が決定!バレラはキューバのンテンダーでテクニシャン。アンドレ・ウォードには敗れているもののカロ・ムラートやジョー・スミス・ジュニア、フェリックス・バレラを下してきた文句なしの強豪です。
そしてこの試合はこれまでのところビボルのベストバウトになります。ビボルはジャブで動き回るバレラの出鼻をくじいて頑張るバレラをしり目にポイントを圧倒的にリード。迎えた12ラウンドに強烈な右ストレートでダウンさせてストップ!!素晴らしいパフォーマンスを見せました!!
そして5度目の防衛戦はマラウイのコンテンダーで多くの強豪と拳を交えてきたアイザック・チレンバと対戦。チレンバはディフェンスマスターでこれまでのキャリアでライトヘビー級最強とされていたセルゲイ・コバレフや後にWBCチャンピオンになるオレクサンデル・グヴォジク、後にWBOチャンピオンになるエレイデル・アルバレスらと対戦していて世界中で試合をしてきた強豪です。
そしてこの試合はビボルにとってかなり苦しい試合になります。ビボルは前半戦前に出てシャープなワンツーとアグレッシブさで勝ったものの後半はチレンバが動き出しにジャブを当てる展開になりポイントを奪われるには至らなかったもののやりにくい相手に完勝とはいきませんでしたな。
ビボルさんパスカルに圧勝…ドミトリー・ビボルvs.ジャン・パスカル
揺るぎない安定感と現在
ビボルは6度目の防衛戦では元WBCチャンピオンでベテランのジャン・パスカルと対戦。パスカルはカナダの強打者で当時最強チャンピオンとされていたチャド・ドーソンに判定勝ち。バーナード・ホプキンスに敗れたもののその後セルゲイ・コバレフに二度挑んだり元IBFスーパーミドル級チャンピオンのルシアン・ブーテに勝利。後にWBOチャンピオンになるエレイデル・アルバレスと対戦するなど存在感はある選手ですな。
そしてこの試合はビボルにとって楽な試合になります。パスカルはビボルのジャブに右の大砲を放り込んでくるものの中盤以降はガス欠。ビボルは落ち着いてロングレンジからワンツーを打ち込んでポイントアウトして判定勝ちを収めました!!
そして7度目の防衛戦はジョー・スミス・ジュニアと対戦。スミスはアンドレイ・フォンフォラをまさかの初回KOで下した経験のある強打者のファイターで、バーナード・ホプキンスを引退させた選手。スリバン・バレラには敗れましたがダウンさせておりますね。
そしてこの試合は間合いを詰めてくるスミスにビボルは開始から意外と四苦八苦します。スミスのプレッシャーはとても強く、ワンツーを当てて後半にはストップ寸前まで追い込んだものの自分のペースで試合を進めることはできませんでしたね!
そしてビボルはシカゴにて8度目の防衛戦を敢行。この試合はオレクサンデル・ウシクのヘビー級デビュー戦の前座で行われて相手はドミニカ共和国のレニン・カスティーリョとなります。
カスティーリョは強打のボクサーで重い右ストレートを持つパンチャー。後にWBA暫定チャンピオンとなるマーカス・ブラウンをダウンさせるほどのパンチを持つ危険なパンチャーです。
そしてこの試合はビボルがカスティーリョのパワーを警戒してアウトサイドに陣取る試合になります。遠い間合いからのジャブを打ち込んでタイミングを外すと6ラウンドには右ストレートでダウンさせるなどカスティーリョを圧倒!1人のジャッジがフルマークをつけるほどの圧勝を挙げます!
そしてこの試合の1週間後に行われたアルツール・ベテルビエフとオレクサンデル・グヴォジクのIBF.WBC王座統一戦を見ていたらしいビボルは試合後に勝利したベテルビエフに対戦を要求!来年の後半に試合は実現するのではないかと言われておりますね!
俺好みのアウトボクサーではないんだよなぁ…ドミトリー・ビボルvs.レニン・カスティーリョ 試合後のコメントもあり!
そしてビボルはコロナウイルスの影響もあり1年半ぶりにカムバック・イングランドでコンテンダーのクレイグ・リチャーズを迎え撃つことになりましたな。
そしてこの試合はビボルがスピードに勝り、ジャブとワンツーを駆使して前半をリード!しかしリチャーズは終盤からボディを混ぜた攻撃で反撃し、ビボルはスローダウン!判定はビボルが逃げ切りましたがリチャーズが爪痕を残す形になりました!
シュトルム寄りかな…ドミトリー・ビボルvs.クレイグ・リチャーズ
今後期待される試合
ビボルに今後期待される試合は統一戦及びビッグマッチです。
現在ライトヘビー級は再編の時期に来ています。IBF.WBCチャンピオンのアルツール・ベテルビエフはオリンピック銅メダリストのオレクサンデル・グヴォジクをKO。コバレフはカネロとのビッグマッチに進み、ライトヘビー級はヒートアップしています。
ビボルに最も期待される試合はベテルビエフとの三冠をかけた試合。プロモーターのエディ・ハーンもベテルビエフのプロモーターであるボブ・アラムも2020年後半での統一戦に前向きな発言をしており2人が勝ち続ければプラットフォームの垣根を越える可能性は大きいです!
また、ライトヘビー級には他にも元WBCチャンピオンのオレクサンデル・グヴォジク、元WBOチャンピオンでコバレフをKOしたエレイデル・アルバレス、WBA暫定王者で王座返り咲きを果たしたジャン・パスカル、元WBA暫定チャンピオンでオリンピアンのマーカス・ブラウン、元2階級制覇チャンピオンのバドゥ・ジャックなど多くの選手が控えています。
ビボルは体格的に小さいこともあり、ビッグファイトのためならスーパーミドル級に下げることも視野に入れています。これが実現すればWBAスーパーチャンピオンのカラム・スミスや無敗の2階級制覇チャンピオンのビリー・ジョー・サンダースとの試合もあり得ますよね!
ビボルのファイトスタイル
ビボルのスタイルはとてもクレバーなアウトボクシング。鋭くスピードのあるジャブで相手を崩して得意の右ストレートで相手を撃ち抜くアウトボクサーです。
ビボルはライトヘビー級の中でも大柄なわけではなく、フィジカル的な強さはないのですがその分ハンドスピードに優れており、ジャブのタイミングは一級品。相手の動き出しを狙ったジャブで相手の出鼻をくじいてペースを奪うタイプですね。
そして出てこられなくなった相手に長い間合いからのワンツーと右ボディをついてアウトボクシングするも良し、出てきたところに右ショートを当てるもよしの泰然自若なボクシングを得意としており自分のペースを乱しません。なのであまりエキサイティングなタイプではないのですが安定感は群を抜いておりますな。
ただこの選手は体格的に大きくもないのであまり打たれて強くはないです。なのであまり強引ででくる相手は得意ではなく、カスティーリョ戦では右ストレートの一撃で目を腫らすなど捕まった時に不安な要素は多く持っておりますね。
まとめとビボルの今後
いかがでしたでしょうか?圧倒的なスピードとタイミングのいいジャブ、貫通力の高い右ストレートを持つビボル。ライトヘビー級では決して大柄ではないのですがチャンピオンの中でもハンドスピードと安定感は特に優れていますね!
WBOチャンピオンでビッグネームのセルゲイ・コバレフ、元王者のオレクサンデル・グヴォジクやドル箱スターのカネロ・アルバレス、スーパーミドル級キングのカラム・スミス、WBA暫定チャンピオンのジャン・パスカルに元WBA暫定チャンピオンのマーカス・ブラウン、2階級制覇チャンピオンのバドゥ・ジャック、IBF.WBC統一チャンピオンのアルツールてべテルビエフ、元WBOチャンピオンのエレイデル・アルバレスとと今のビボルのオプションはとても豊富。ライトヘビー級の中心選手としてこれからも活躍することが確実視されています。
しかも彼の場合はスーパーミドル級でもビッグマッチがあるなら下げると話してることもあり、カラム・スミスやビリー・ジョー・サンダーらとの対戦もありえるかもしれませんね!それにスーパーミドル級から上げてきたヒルベルト・ラミレスも控えております。
そんなビボルの試合を日本からテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、以下のリンクからWOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?