現代最高のヘビー級ボクサーの1人として脚光を浴びているメキシカン初のヘビー級チャンピオンであるアンディ・ルイスさん。その太っちょな体からは想像もできないほど回転力の速い左右のフックで対戦相手を押し込みまくるボクシングをしてくる強打者で優れて身体能力の持ち主です。
メキシカン初のヘビー級王者としてとても注目を集めておりますがそれにも増してルイスが注目される理由は当時無敗でオリンピック金メダリストにしてルイスとは正反対のボディビルダーのような肉体を誇るアンソニー・ジョシュアとの試合を制して圧倒的不利の予想を覆して王座に就いたことが評価されているからです。
しかもこの試合はジョシュアのアメリカデビューでニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンの大一番。当初チャレンジャーとして決まっていたジャレル・ミラーさんが試合前にジョシュアのことをドーピング野郎とか話してたくせに自分から複数の禁止薬物が出てきてフェードアウト。同じく動けるデブであるルイスに白羽の矢が立ちましたな。
ジョシュアには勝利しているルイスですが他の試合は実はあまり知られておりません。実は元WBO王者でシャノン・ブリッグスの猛攻の前に12ラウンドでリングアウトのKO負けを喫したセルゲイ・リアクビッチに判定勝ちしておりこれまで敗れているのは敵地ニュージーランドで行うことになったジョセフ・パーカーとのWBO王座決定戦のみ。パーカーとの試合もかなり接戦でしたな。
選手としての特徴はその外見からは想像もできないほどのキレのある動きで相手が踏み込んできたところに左右フックを合わせたり自らプレッシャーをかけて相手を押し込むと絶え間ないコンビネーションで相手を削りまくるスタイル。ハンドスピードと回転の速さはヘビー級でも屈指であり威力も高く勝負勘にも優れております。
ルイスさんはかなりフィーバーしておりメキシコではヒーロー扱い。ホワイトハウスに招かれるなどの国民的ヒーローを誇りますが今年の年末ごろにはアンソニー・ジョシュアとリマッチでは敗れてしまいましたが、その実力と怖さはまだまだ存在感があります。
これからもWBC王者のデオンテイ・ワイルダーとの試合や元ヘビー級統一王者で無敗のタイソンのフューリー、かつて敗れたジョセフ・パーカーとのリマッチ、ジョシュアとの3戦目など多くの夢が広がりますね!
ということで、彼の試合をより楽しむためにルイスの来歴をまとめてみました!!
Contents
ルイスの戦歴
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ルイスのプロフィール
アンディ・ルイスは1989年アメリカのカリフォルニア州生まれの29歳。しかしながら育ったのはバハカリフォルニア州のメヒカリというメキシコの土地であり現在はカリフォルニア州のインペリアル郡に住んでおり5人の子供の父親でもありますね。
トレーナーはアメリカのオリンピック代表チームのヘッドトレーナーであるマニー・ロブレスで父の手ほどきで幼少期よりボクシングをしていたそうです。異名は”Destroyer"でありその破壊的な強打と回転力の高さが由来ですね。
ルイスはアマチュアの頃からエリートとして活躍しており2007年のシカゴの世界選手権に出場して現在もヘビー級コンテンダーとして元WBAヘビー級タイトル挑戦者のアレクサンドル・ウスティノフを敵地でKOしクルーザー級としてもオレクサンデル・ウシクの持つWBOタイトルに挑戦して善戦したマイケル・ハンターに敗れています。
さらに北京オリンピック前のプレオリンピックにも出場しておりアメリカ大陸予選にも出ていますが後にディリアン・ホワイトとWBCヘビー級暫定王座を争うコロンビア人のオスカー・リバスに負けておりますね。
ブラジールさんジョシュアのサンドバッグに成り下がる…アンソニー・ジョシュアvs.ドミニク・ブラジール
これまでの実績
ルイスは2019年にメキシコでプロデビューして初回KO勝ち。デビューから3試合はメキシコで試合をしており以降はアメリカのカリフォルニアを拠点として試合をしています。
2か月に一度のハイペースで試合を重ねたルイスは2012年には8回戦に昇格。KOの山を築いてボブ・アラムが率いるトップランクと契約を交わし2013年7月にマカオで試合をしております。この試合が初めての10回戦で無敗のジョー・ハンクスと対戦し4ラウンドKO勝ちでWBOインターコンチネンタルタイトルを獲得しています。
そして2014年には元WBO世界王者のセルゲイ・リャコビッチと対戦。リャコビッチはベラルーシの選手でウラジミール・クリチコをKOしたレイモン・ブリュースターに判定勝ちして王座獲得。しかし初防衛戦でリードしていたもののシャノン・ブリッグスに捕まって12ラウンドのリングの外にたたき出される壮絶なKO負けをしたことで有名です。
この試合はアメリカのアリゾナ州フェニックスで行われておりルイスが若さと回転力を生かして判定勝ち保持するNABFタイトルとWBOインターコンチネンタルタイトルを防衛してますがこの試合で右拳を骨折したそうですね。その後もアクティブに試合をしてランキングを上げていったルイスは2016年に世界タイトル挑戦を迎えます。
ジョシュアさん必ず勝たなければならない試合へ…アンディ・ルイスvs.アンソニー・ジョシュア2予想
パーカー戦の敗北と荒れた生活へ・・・
世界タイトルマッチが決まったルイスの相手はニュージーランドのコンテンダーのジョセフ・パーカー。突進力と馬力の高さが持ち味の選手ですな。多くの試合でKO勝ちしていますが後にアンソニー・ジョシュアを苦戦させるカルロス・タカムとはスタミナ切れでタフな試合を強いられています。タイソン・フューリーがウラジミール・クリチコに勝利したもののメンタルヘルスの問題にかかり王座をはく奪されたことからこの二人で決定戦となりました。
ニュージーランドで行われたこの試合はどちらが勝ってもニュージーランド発の世界ヘビー級王者、もしくはメキシカン初のヘビー級王者となることで大きな注目を集めましたが試合はアクションに欠けた試合となります。足を使ってアウトボクシングするパーカーに足の遅いルイスはなかなか追いつけずにお互いにダメージングブローがないまま12ラウンド終了。パーカーが僅差判定勝ちとなります。
そしてルイスはこの後判定に納得がいかずに1年半試合をすることなく時が流れます。ルイスによるとこの時は最悪の瞬間だったとのことでストリートにいたルイスはボクシングのトレーニングをすることもなく金がなくなっていき家の家賃が払えずに追い出されるなどしていたそうです。しかしストリートにいたルイスを父親が探し出してトレーニングさせたことで復活を遂げることになります。
ルイスさん凡戦の末に負けていた…ジョセフ・パーカーvs.アンディ・ルイス
ジョシュアとの試合とメキシカン初のヘビー級王者となる大番狂わせ
ルイスはパーカーとの試合の後あまり良くない時を過ごしていましたがそのことを乗り越えて2019年にアクティブさを取り戻して4月にアレクサンダー・ディミトレンコをボディ攻撃を軸にして攻め落として5ラウンドTKO勝ち。この後でビッグチャンスが到来します。それはIBF.WBO.WBA世界ヘビー級統一王者のアンソニー・ジョシュアへの挑戦ですね。
ジョシュアはロンドンオリンピック金メダリストのスーパースターでナイジェリア系イギリス人。イギリスのカーディフを主戦場としている選手でイギリスではデビッド・ヘイ、レノックス・ルイス以来のヘビー級のスーパースターでしたね。
キャリアの中では後にヘビー級トップコンテンダーとして名を馳せるディリアン・ホワイトに2ラウンドにふらつかされながらも7ラウンドでKO、サウスポーの強打者の王者であったIBF王者のチャールズ・マーティンを2ラウンドで蹴散らしてタイトルを獲得すると元オリンピアンのドミニク・ブラジールを7ラウンドKO、WBC王者のデオンテイ・ワイルダーに挑戦したエリック・モリナをKO、さらには元WBA.IBF.WBO王者で10年以上絶対王者として君臨してきていたウラジミール・クリチコとウェンブリーを超満員にしてダウン欧州の激戦の末破っておりWBAスーパータイトルを獲得。さらにはコンテンダーのカルロス・タカムを10ラウンドでTKOしてWBO王者でかつてルイスを下したジョセフ・パーカーとの統一戦でも判定勝ち。元WBA王者でアテネオリンピック金メダリストのアレクサンドル・ポベトキンも7ラウンドでKOしており盤石の強さを見せてましたな。
さらにはWBC王者のデオンテイ・ワイルダーとのリマッチをするために今回がアメリカデビュー。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにてニューヨーカーで無敗のジャレル・ミラーと対戦することをアナウンスしていました。
ミラーはめちゃくちゃ動けるデブで手数の多い肉弾戦が得意な選手。試合前にはかなりトラッシュトークを仕掛けておりジョシュアのことをボディビルダーのドーピング野郎と罵るなどジョシュアもかなりイライラしてましたな。
しかしミラーはまさかの禁止薬物陽性…代役を探すこととなり決まった挑戦者がルイスということで白羽の矢が立ったことになります。ミラーとよく似たタイプの動けるデブのルイスが選ばれた感がありますな。もちろんルイスはかなりのアンダードッグで1ヶ月前に試合をしてることからも準備期間が短くジョシュアの圧勝が囁かれておりましたな。
そしてこの試合はルイスにとって人生最高の試合となります。ジョシュアが3ラウンドにアッパーからの左フックで鮮やかなダウンを奪ったもののフィニッシュを狙って接近したところにルイスが右のオーバーハンド、左右フックを当ててジョシュアはダウン!!立ち上がりましたがまたもダウンして大ピンチに追い込みます。
そしてその後はジョシュアがアウトサイドからジャブをついてまたペースを握り返しましたが7ラウンドに左フックを当てると不用意に踏み込んでまたもルイスの左右フックを被弾。2度のダウンを奪われてジョシュアも立ち上がりましたがレフェリーの歩けという指示に従わずにストップ負け・・・ジョシュアは王座から転落ルイスがキャリアハイのパフォーマンスを挙げてヘビー級統一王者に一気に躍り出る快挙を成し遂げました!!
ちなみにこの敗北を受けてジョシュアはWBC王者のワイルダーや元統一王者のフューリー、かつてのライバルのホワイトから矢継ぎ早にディスを受け多くの識者に思ったより強く無かっただの好き放題言われてしまっています。
ルイスは逆に大絶賛の嵐。メキシコでは当然のようにスーパースターとして迎えられておりなんとなんとメキシコの大統領がホワイトハウスに招いてルイスを表彰するなど多くのファンがルイスを迎えておりましたな。その人気はもはや同国の誇るスターであるカネロ・アルバレスに引けを取らないほどでありプエルトリコでもWBOベルトの贈呈式にて多くのファンが来てヒスパニック圏で大人気のヘビー級王者となっております。ルイスがメキシコで世界タイトルマッチをやればものすごいことになりそうですな。
ルイスの次戦はジョシュアとのリマッチが12月7日でサウジアラビアで開催されることに決定!サウジアラビアは危険だとしていきたがってなかったルイスですがかなりのセキュリティがつくそうでサウジアラビアでの試合となりましたね!
ワイルダーとやるなど500年速いわ馬鹿者が…アンソニー・ジョシュアvs.アンディ・ルイス 試合後のコメントもあり!
砂漠でのジョシュアとのリマッチ
ジョシュアはルイスとダイレクトリマッチを敢行。デオンテイ・ワイルダーやタイソン・フューリーなど多くの選手やエキスパートがジョシュアはルイスにまた負けることになると辛辣な予想を受ける中での試合になりました。
そしてサウジアラビアで行われたこの試合はジョシュアは動き回るためにウェイトをかなり落としてきてルイスは逆にちやほやされすぎて食べ過ぎてしまい、ウェイトを増やして臨むことに!!ジョシュアが速いジャブと軽快なステップワークで間合いを取り、右ストレートでカットさせるとルイスはジョシュアの間合いに全く入り込めないままジャブを被弾してジョシュアが大差判定勝ち!!勝利してヘビー級統一チャンピオンの座に返り咲いています!!!
ルイスはこの試合で敗れたことで一発屋の称号を拝命。。。しかしジョシュアをノックアウトした男としてのネームバリューは抜群でWBCチャンピオンのデオンテイ・ワイルダーやジョシュアとの3戦目などまだまだ期待される試合は多くありますね!!
ヘビー級の主人公の帰還…アンソニー・ジョシュアvs.アンディ・ルイス2
そしてルイスはこの試合の後トレーナーのマニー・ロブレスとタッグを解消。カネロ・アルバレスのトレーナーであるエディ・レイノソとのタッグを組んで心機一転を図っています。
そして次戦はロサンゼルスにて3度世界タイトルに挑戦しているベテランのクリス・アレオーラと。アレオーラはビタリ・クリチコ、バーメイン・ステイバーン、デオンテイ・ワイルダーに挑んで全てノックアウト負け。しかし同じくタフなメキシカンとして前の試合でアダム・コウナッキと対戦して激戦を演じて判定負けしたものの評価を上げています。メキシカン対決となるので要注目ですね。
そしてこの試合は開始から前に出るルイスに2ラウンドアレオーラのカウンターが炸裂してルイスがダウンするまさかの展開に!ルイスは3ラウンドにもふらついたものの中盤は逆に間合いを取ってカウンター作戦を展開して逆転。肩を痛めたアレオーラに判定勝ちしました!
ルイスさん悪夢見せられかける…アンディ・ルイスvs.クリス・アレオーラ
今後期待される試合
アンディ・ルイスに期待される試合は何と言ってもアンソニー・ジョシュアとの3戦目です。ルイスはジョシュアにもちろん素晴らしい勝利を収めてはいるもののやはりぽっと出の印象はまだぬぐえません。リマッチで負けてしまったこともあり、真の評価を高めるのはこれからですね。
しかもジョシュアとのリマッチの敗戦を受けて多くの人が急に相手が変わったからとかルイスのことを舐めていたからとかジョシュアが実力を出せていればルイスに初戦でも勝てたとする声が多いです。これはルイスからしたら屈辱だと思いますね。
このような声を黙らせるためにもルイスはリマッチで必ず勝たなければなりませんでした。しかしルイスは何もできずに負けてしまったので一発屋状態に。。。これらを覆すためにはやはりジョシュアとの3戦目もしくはWBCチャンピオンのデオンテイ・ワイルダーとの対戦を実現させたいですね!
めっちゃ楽しみなのは俺だけかな?デオンテイ・ワイルダーvs.ルイス・オルティス2予想
ルイスのファイトスタイル
ルイスのスタイルはガードをがっちりと高く上げてどんどん前に出てきてプレッシャーをかけてくるファイタータイプ。
彼の圧力と間合いを詰めてのコンビネーションはとても回転力が高く左右フック、右オーバーハンドはとても速いです。しかも自分より体格の大きな相手と戦い慣れていることも特徴ですね!
ジョシュアのように体格に勝り、より長い間合いで対峙してくる相手にもプレッシャーをぐいぐいかけて左右フックを振り回すことも得意ですしジョシュア戦のように安易に踏み込んできた相手を捉える勝負勘にも優れた選手ですね!
回転の速さとパンチ力もさることながらジョシュアのコンビネーションを食らっても立ち上がり、逆にダウンさせるほどの強烈なパンチ力もあります。そのため見た目とは裏腹に厄介極まりないロングマンの天敵と言えますね!
ワイルダーの指名挑戦者は初回でやられる法則あり…デオンテイ・ワイルダーvs.ドミニク・ブラジール 試合後のコメントもあり!
まとめとルイスの今後
いかがでしたでしょうか?圧倒的な強さでヘビー級のトップとして君臨していたアンソニー・ジョシュアをフルボッコにしてまさかの王座戴冠を果たしてくれたメキシカン初のヘビー級王者のアンディ・ルイスさん。リマッチではあっさり負けてしまいましたがまだまだヘビー級のトップとして君臨しています。
ジョシュアに勝つまではあまり注目されることもなくパーカーに惜敗してからはストリートにいるなどあまり良くない生活を送っていたルイスさん。5人の子供を持つ父親として、メキシコのニューヒーローとしてこれからも多くのビッグマッチが予想されます。
ジョシュアとのリマッチには敗れましたが、3戦目やWBC王者のデオンテイ・ワイルダーや元ヘビー級統一王者のタイソン・フューリー、元クルーザー級4団体統一王者のオレクサンデル・ウシク、同じく動けるデブのアダム・コウナッキなど多くの対戦相手との激闘が期待できます!
ちなみにルイスの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか??
スーパーマッチへの飛び石…デオンテイ・ワイルダーvs.ルイス・オルティスの試合をテレビで見る方法は?これまでの経歴も紹介!