次期世界ヘビー級チャンピオンとして名高いフィリップ・ハーゴビック。その破壊的なパンチ力と今のヘビー級に要求されるデカいサイズ、アマチュア仕込みのテクニックで高い評価を受け、世界ランキングを駆け上がっております。
ハーゴビックはリオデジャネイロオリンピック銅メダリストのハードパンチャー。2メートル近い身長から打ちおろす右がとても破壊力のあるパンチャーです。
出身はヨーロッパの小国のクロアチア。クロアチアから出てきているボクサーはとても珍しく、ハーゴビックがヘビー級チャンピオンとなればクロアチア初のチャンピオンとなりますね!
キャリアの中ではすでにかつてWBCタイトルに挑戦したケビン・ジョンソンに判定勝ち。さらにデオンテイ・ワイルダーとアンソニー・ジョシュアに挑戦したエリック・モリナにもノックアウト勝ちを収めております。
アンソニー・ジョシュアとアンディ・ルイスのサウジアラビアでのリマッチのアンダーカードにも出るなど世界的な注目を集めるハーゴビックの悩みはただ一つ。顔が不細工なこと笑笑。ここさえ除けば完璧なんだけどなぁ。
ということで、彼の試合をより楽しむためにハーゴビックの来歴をまとめてみました!!
ハーゴビックの戦歴
ハーゴビックのプロフィール
フィリップ・ハーゴビックは1992年生まれの。クロアチアで生まれており、現在もクロアチアでトレーニングして、試合前になるとアメリカのフロリダ州でペドロ・ディアスとトレーニングしておりますな。
ハーゴビックはとても優秀なアマチュアとして活躍しておりました。2011年から2016年まで6年間クロアチアのナショナルチャンピオンでしたね。
ちなみにアマチュア時代からその強さはプロの世界でも有名で、デビッド・ヘイが予定されていたタイソン・フューリーとの試合をキャンセルした原因になったカットはスパーリングでハーゴビックがつけたものです。さらに当時の絶対王者に挑んだクブラト・プレフのスパーリングパートナーもやっていたそうですな。
ハーゴビックは2010年にAIBAユース大会で金メダルを獲得。2015年のヨーロピアン選手権でも金メダルを獲得しております。
そして2016年にはリオデジャネイロオリンピックに出場。準決勝で僅差判定負けを喫して銅メダルを獲得。オリンピック後にはクロアチアの大統領に表彰されるなどかなり期待されながらプロに転向します。
ヘビー級の主人公の帰還…アンソニー・ジョシュアvs.アンディ・ルイス2
これまでの実績
ハーゴビックは2017年の9月にラトビアのリガにてプロデビュー。6回戦でデビューしており、プロキャリア50戦のキャリアのある相手を初回ノックアウト。素晴らしいデビューを飾ります。
1か月後にドイツに見参したハーゴビックは無敗の相手を初回ノックアウト。3戦目はまたもリガに参戦して8回戦の試合でプライズファイターにも出ていたトム・リトルを4ラウンドノックアウトしています。
さらに2018年になるとドイツでショーン・ターナーと対戦。タフなターナーに手を焼いたもののポイントでは圧倒して8ラウンド判定勝ち。無敗を続けます。
そして次戦ではドイツにてフェリベルト・トバールと初めての10回戦。トバールはメキシカンで元WBCカリブチャンピオンで無敗でしたが、ハーゴビックは4ラウンドノックアウト勝ち。格の違いを見せます。
そして3か月後には母国クロアチアにてビッグファイトを行います。相手はアミール・マンサー。かつて元クルーザー級チャンピオンのスティーブ・カニンガム、コンテンダーのジェラルド・ワシントン、ドミニク・ブラジールと試合をしているベテランです。
ハーゴビックはこの試合で文字通り圧倒。空位のWBCインターナショナル王座が懸けられたこの試合でワンツーを軸に圧倒し、3ラウンドノックアウト勝ち。世界ランキングを手にします。
そして次戦ではかつてWBCチャンピオンだったビタリ・クリチコに挑戦したケビン・ジョンソンと対戦。クリチコ相手に判定まで粘ったジョンソンをフィニッシュすることはできませんでしたが圧倒的な内容で判定勝ち。ベテランを下します。
そして次戦でハーゴビックはコンテンダーのグレゴリー・コービンと対戦。コービンはリーチが203センチもあるボクサーで元IBFチャンピオンのチャールズ・マーティンとの試合で度重なるローブローを放ち反則負けした選手ですね。
そしてこの試合はメリーランド州のMGMナショナルハーバーで行われてハーゴビックが痛烈な初回ノックアウト勝ち。インターナショナル王座を防衛します。
そして次戦ではファン・フランシスコ・エストラーダの試合のアンダーカードに出場してメキシコにてベテランのメキシカンであるマリオ・エレディアと対戦。アウェイでの試合となりましたがハーゴビックが3ラウンドノックアウト勝ち。世界ランキングを上げていきます。
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サウジアラビアでの試合とトッププロスペクトとして
ハーゴビックは2019年に世界的なイベントのアンダーカードに出ることになります。IBF.WBA.WBO世界ヘビー級チャンピオンのアンディ・ルイスと元チャンピオンのアンソニー・ジョシュアのリマッチのアンダーカードです。
サウジアラビアで行われたこの試合は世界的な注目を一気に集めており、ハーゴビックはコンテンダーでベテランのエリック・モリナとの試合が決まります。
モリナは2度世界タイトルに挑んでいるハードパンチャーで元教師、かつてWBCチャンピオンのデオンテイ・ワイルダーに挑んで何度もダウンさせられたものの立ち上がり9ラウンドにストップされましたな。
その後はイングランドにてIBFチャンピオンだったアンソニー・ジョシュアにチャレンジ。ほとんどやる気のある試合を見せず一方的に殴られて3ラウンドノックアウト負け。しかも試合後にドーピング検査で陽性となりましたな。
この後はWBC指名挑戦者決定戦として本オリンピアンのドミニク・ブラジールと対戦して結構粘ったもののノックアウト負け。再起戦をクリアしてこの試合に臨んできましたな。
そしてWBCインターナショナルタイトルがかけられたこの試合はモリナがもはや何も残されてないことを示す試合となります。ハーゴビックが開始からジャブとワンツーで圧倒してモリナも間合いが詰まるとワイルドな右フックを返すもののあたらず、3度ダウンさせられた挙句に3ラウンドノックアウト負け。ハーゴビックがキャリアハイの勝利を挙げましたね!
ハーゴビックはイングランドでの試合を望んでいます。WBC暫定チャンピオンのディリアン・ホワイトとの試合やデビッド・プライスとの試合を望んでおり、ヘビー級の中心ともいえるイングランドデビューも近いかもしれませんね!
モリナはやはり何も残ってないな…フィリップ・ハーゴビックvs.エリック・モリナ
そして決まった次戦は4月17日にアメリカのメリーランド州にてジェリー・フォレストとの試合をアナウンス。レジス・プログレイスとモーリス・フッカーの試合の前座になりますな。
フォレストは後にヘビー級コンテンダーになる元オリンピアンのマイケル・ハンター、後にデオンテイ・ワイルダーに挑戦するジェラルド・ワシントンに敗れているハードパンチャー。昨年無敗のプロスペクトのジャーメイン・フランクリンに僅差判定で負けているもののタフな試合を強いて評価を上げてますね。ここでも圧勝するようだとハーゴビックは大いに強さをアピールできます!!
しかしこの試合はコロナウイルスのよってキャンセル。ハーゴビックはデンマークでギリシャ人のアレクサンドレ・カタルジアと対戦します。
試合ではハーゴビックがスムーズに出てくるパンチと見のこなしでカタルジアを圧倒!出てくるとこに右を合わせて2ラウンドにはワンツー決めるとカタルジアはダウン!半失神となり、ストップとなりました!!
スムーズに出るよねパンチ…フィリップ・ハーゴビックvs.アレクサンドレ・カルトジア
そして次戦は早くも2か月半後にフロリダでベテランのライデル・ブッカーとの試合をアナウンス。ブッカーはレジェンドのジェームス・トニーとの対戦経験がありノックアウト負けしたことが無い選手。前の試合ではIBF指名挑戦者のクブラト・プレフに判定負けしてますが苦戦させてますね。
そしてこの試合はハーゴビックが開始から回転力のあるコンビネーションをガードの上から打ち込んでブルッカーを圧倒!2ラウンドにダウンさせてその後もワンサイドにパンチを打ち込むと5ラウンド早々にレフェリーがストップしました!
致し方あるまい…フィリップ・ハーゴビックvs.ライデル・ブルッカー
今後期待される試合
ハーゴビックに求められる試合はコンテンダーとの試合です!ハーゴビックは将来のスター候補であることは間違い無いですがそうなるためにはまだまだ強い相手とやらないといけません。
ハーゴビックはモリナとの試合が今の所キャリアハイです。しかし、モリナはすでに全盛期を過ぎておりますし、あの試合においてもやる気があったとは少し言い難いものがありますよね。
個人的に実現して欲しい試合はジャレル・ミラーとの試合。ミラーはドーピング問題がありましたが、ヘビー級でも一流のコンテンダーであることは間違い無いし、なによりもハーゴビックのように間合いを取る相手との相性が良いです。
ハーゴビックのような期待の選手にはやはりどこかで苦戦を経験してもらいたいし、世界タイトルマッチに臨む前に勝つか負けるか分からないような試合をして欲しいです。ミラーとの試合ならどちらが勝ってもおかしくないのでお互いに良い試合になりますね!
とにかく今ハーゴビックがやるべきことは経験を積むこと。今のヘビー級には他の時代ならチャンピオンになれるクラスの強者がたくさんいるので是非とも彼らと拳を交えた上で世界タイトルマッチをやって欲しいですね!
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ハーゴビックのファイトスタイル
ハーゴビックのスタイルはガードをがっちりと高く上げてどんどん前に出てじりじりプレッシャーをかけてはジャブを出して長い間合いからワンツーを打ち下ろしてくるスタイル。アンソニー・ジョシュアと似てますね!
もちろんサイズだけではなくて、正確性や手数の多さ、パワーが合わさっておりますのでこの人に間合いを詰めるのは簡単ではないです。回転力は高いとは言えませんが接近戦でも右を打ち下ろしてくるので危険ですね!
パンチ力に関しては世界チャンピオンクラスと目されており、モリナはこめかみに当てたパンチで再三ダウンさせられましたね。入り際に合わせるカウンターのパンチを打てるようになればより怖い相手になります。
また、ハンドスピードがかなり速く、相手のパンチを当てられても怯まないため正直コンテンダークラスでは苦しい試合が多くなると思います。この相手に勝つにはハーゴビックのパンチを恐れずに打ち合える相手じゃないと厳しいですね!
ワイルダーの指名挑戦者は初回でやられる法則あり…デオンテイ・ワイルダーvs.ドミニク・ブラジール 試合後のコメントもあり!
まとめとハーゴビックの今後
いかがでしたでしょうか?圧倒的な強さとサイズのアドバンテージで相手を押しつぶしてアンソニー・ジョシュアと同じようにロングレンジから相手を叩き潰すハーゴビック。彼の試合はますます注目を集めることになります。
コンテンダーのモリナとの試合ではモリナがほとんど逃げ回るような試合となり、彼のパンチがどれだけハードなのか、どれだけやりたくない相手なのかがよくわかるような試合でしたね!
ハーゴビックが属するヘビー級は同じイギリス人が中心です。アンソニー・ジョシュアを筆頭にタイソン・フューリー、デレク・チゾラ、ディリアン・ホワイトがトップのイギリス人ですね。その他にはアメリカのデオンテイ・ワイルダー、アンディ・ルイス、ジャレル・ミラーやウクライナのオレクサンデル・ウシク、キューバのルイス・オルティスがおりますね。
誰がチャンピオンになってもおかしくないヘビー級ですが、ハーゴビックは将来的な観点で行けば間違いなくここに食い込んできます。おそらくは数年後かなと思いますが、これからは経験豊富なベテラン相手にパフォーマンスの良い勝利が求められますね!
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