激戦区のスーパーウェルター級でWBAスーパー王者として長きにわたり君臨し、現在もWBAレギュラー王者として活躍しているエリスランディ・ララ。キューバが生んだサウスポーのカウンターパンチャーとして有名で芸術的なカウンターを武器とするアウトボクサーです。
ララはスーパーウェルター級としては体格も小さいのですがよく動く足と精度の高いカウンターがめっちゃ鋭いパンチャー。相手のパワーを利用して撃ち抜くスナイパーのようなスタイルを持ち、相手が思わず痛みで顔を背けてしまうような威力を誇ります。
これまでのキャリアで元WBOスーパーウェルター級暫定王者のアルフレド・アングロ、スリータイムチャレンジャーのバネス・マーティロスヤン、元WBA王者のオースティン・トラウト、元WBA王者のユーリ・フォアマン、元IBF王者のジャン・ザベック、コンテンダーのラモン・アルバレス、元オリンピアンで当時無敗のテレル・ガウシャを下しています。
ララはここまで3つの敗北を喫しておりますがこれはいずれも微妙な試合ばかり。2階級制覇チャンピオンでフィジカルモンスターのポール・ウィリアムスに不可解な判定負け、スーパースターのカネロ・アルバレスに僅差判定負け、IBF王者で当時無敗のジャレット・ハードに激戦の末判定負け、WBAレギュラー王者で無敗のブライアン・カスターノと激闘の末の引き分け、バネス・マーティロスヤンとの初戦で指名挑戦者決定戦で負傷引き分けが勝てなかった試合ですな。
世界的にとても層の厚く、競合がトップの座を狙うスーパーウェルター級のトップとして君臨するララの動向は常に注目を集めており、彼のカウンタースキルはキューバのボクサーらしくもはや芸術。ララ自身のパワーではなく相手のパワーを利用するスタイルで待ちのスタンスですがララのハンドスピードもありボクシングファンの間ではとても評価が高いです。
残念ながらララの試合はその実力の高さに反して不人気です。それは強いのは誰もが認めるけど待ちのスタンスなので試合がつまらないから笑笑。特に序盤でカウンターを狙われてることがわかった相手は手が出なくなりララが遠い間合いからワンツーを放り投げてリスクを冒さずに12ラウンド山場なく終わることがありますからね笑笑。
しかし最近はジャレット・ハードとファイト・オブ・ザ・イヤークラスの激闘を繰り広げたり、ブライアン・カスターノとも激闘。ファイタータイプとはえげつない試合をすることが多くなっており年齢により足があまり動かなくなってきたこともあって試合が面白くなってるんですね!
これまで微妙な判定で涙を飲んできましたが、間違いなく今後も世界の中心の中量級でビッグマッチに関わり続けるであろうエリスランディ・ララの試合をより楽しむためにこれまでの来歴もまとめてみました!!
Contents
ララの戦歴
ララのプロフィール
エリスランディ・ララは1983年生まれの36歳。キューバのグアンタナモの出身で身長は175センチ、リーチは192センチとこのクラスでは小柄な身長ですが小回りの利くフットワークと長いリーチを生かした間合いの長いボクシングが得意です。
アマチュア時代のララは2005年にキューバのナショナルチャンピオンとなり世界選手権に出場。この大会ではオリンピック金メダリストを破って金メダルを獲得。後に無敗の2階級制覇チャンピオンとなるデメトリアス・アンドラーデも破っています。2006年のセントラルアメリカのカリビアン大会でも金メダルを獲得していますね!
そして2007年にはツータイムオリンピック金メダリストのギレルモ・リゴンドーと共に大会で訪れていたブラジルで亡命未遂を起こします。このことでキューバ代表の座から外されることになりますがますが、2008年にプロモーターと契約してボートでメキシコに脱出。ドイツへと渡ってプロデビューをすることになります。
やっぱりファイターが苦手なのね…エリスランディ・ララvs.ブライアン・カスターノ
これまでの実績
ララは2008年の25歳の時にトルコでプロデビュー。その2戦目もドイツで行いますが2009年からはアメリカに移住。テキサス州ヒューストンを主戦場としてキャリアを積むことを選択しています。
6戦目には8回戦を行い、9戦目には10回戦を経験。シカゴやラスベガス、マイアミなどアメリカ各地を転戦とします。2010年にはかつてアントニオ・マルガリートに挑戦して判定まで粘ったダニー・ペレスに判定勝ち。ここから4試合連続でコンテンダー相手に初回KO勝ちを収めます。
そして2011年にはラスベガスにて後にIBFチャンピオンとなるカルロス・モリナと対戦。モリナは技巧派のメキシカンで後にイシェー・スミスを下して王者となり2階級制覇チャンピオンのコリー・スピンクスを下すことになる選手です。しかしララはこの試合でカウンター狙いの作戦にポーズ。。。決め手に欠ける内容となりドローになります。
ウィリアムス戦の判定と不運のコンテンダーとして
ララはコンテンダーとしてビッグチャンスを2011年につかみとります。それは元2階級制覇チャンピオンのポール・ウィリアムスとの対戦です。
ウィリアムスは身長185センチに加えてリーチは200センチ越えという体躯を誇るフィジカルモンスター。しかしその驚異的なリーチを生かしたアウトボクシングではなくてガンガン前に出てきて鞭のようなコンビネーションを出してくるアグレッシブなスタイルが売りの選手です。
キャリアの中ではウェルター級王者として長期政権を築いていたアントニオ・マルガリートを判定で下してWBOウェルター級タイトルを獲得。初防衛戦でプエルトリコのカルロス・キンタナにまさかの判定負けを喫しましたが再戦で初回KOでリベンジしてスーパーウェルター級へとあげます。
そして元WBO.IBFスーパーウェルター級チャンピオンのバーノ・フィリップスと対戦して8ラウンドTKO勝ちを収めてWBO暫定王座を獲得。その後はミドル級にウェイトをあげて元スーパーウェルター級統一王者でレジェンドのウィンキー・ライトに判定勝ち。アルゼンチンのボクサーでWBC暫定チャンピオンのセルヒオてマルティネスとミドル級で対戦してダウン応酬の激戦の末判定勝ち。しかしWBC.WBOミドル級チャンピオンとなったマルティネスに2ラウンド失神KOを奪われておりララとの試合が再起戦となっておりましたな。
そしてこの試合は知名度のないララが圧倒的に不利で迎えますがララが2ラウンドに打ち終わりがガラ空きのウィリアムスに強烈なカウンターで大きくふらつかせると試合の様相が一変。ララは見栄えの良いショットを当ててウィリアムスはとにかく打たれても前に出てコンビネーションを放つなど激戦となりましたが結果はウィリアムスの僅差判定勝ち。しかしこの試合はめちゃくちゃ大きな議論を呼んでウィリアムスの勝ちとしたジャッジはサスペンド。ララが世界のトップの1人として活躍するきっかけとなった試合でした!
そしてこの試合の後ララは実力がありながらも避けられるいわゆる対戦するメリットがない強豪として不遇の時期を過ごします。ウィリアムスとの試合の後ララは試合が決まらず9か月後にロナルド・ハーンズとWBCの指名挑戦者決定戦に出るための決定戦を行います。
ハーンズはその名の通り5階級制覇王者でレジェンドのトーマス・ハーンズの息子さん。ヒットマンとして恐れられた父親譲るの強打を持ち、191センチの長身を持ちますな。しかしスキルは高くなく前回の試合でドイツにてWBAミドル級チャンピオンのフェリックス・シュトルムにKO負けしています。
そしてこの試合はララが大爆発!1年振りの試合となるハーンズにカウンターをさく裂させて初回KO勝ち!!1ラウンド90秒で決着をつけて世界ランキングを上げることに成功。ハーンズはこの後鳴かず飛ばずになります。。。
そして次戦は割とすんなり決まってコンテンダーでかつてWBCウェルター級チャンピオンのアンドレ・ベルトと対戦して初回KO負けしたフレディ・エルナンデスを判定で下してカリフォルニアで勝利します。
そしてその後は自身と同じく世界挑戦を待ち焦がれるアルメニアのコンテンダーであるバネス・マーティロスヤンと指名挑戦者決定戦を行います。マーティロスヤンは何度も指名挑戦者決定戦に勝ってるのに試合が決まらない不運のコンテンダーで元オリンピアンですね!
この試合は一進一退のテクニシャン同士の試合になります。カウンターパンチャー同士の優劣がつけがたいWBC指名挑戦者決定戦となりますが9ラウンドに偶然のバッティングでマーティロスヤンはカット。負傷判定となり引き分け。。。もやっとした結果になります。。。
チャーロ弟アクションに欠ける模様…ジャーメル・チャーロvs.バネス・マーティロスヤン
アングロとの激戦と不人気な世界王者として
ララは2013年についに世界タイトルマッチを引き当てます。相手は元WBOスーパーウェルター級暫定王者の激闘王であるアルフレド・アングロさん。この試合はWBA暫定王座決定戦としてカリフォルニアで行われます。
アングロは驚異的なタフネスに任せて前に出てくる典型的なファイター。間合いを詰めると強烈な左右フックを振り回してくる選手で世界タイトルを獲得した試合ではカウンターの左フックで相手が白目を向くほどのパワーを見せております。コンテンダーのジェームス・カークランドには負けてますがメキシコでえげつない激闘をしておりますな。
そしてこの試合はやはりアウトボクサーとインファイター同士噛み合う試合となります。ララは間合いを支配して出てくるところに左ショートを当ててアングロの目を大きく腫らす試合運びでペースとポイントをとります。しかしアングロは前に出て間合いを詰めると強引にフックを合わせてララは2度もダウン!しかし10ラウンドに何度もララの強振の左ショートを受けたアングロは痛みに耐えきれず後ろに顔を背けてレフェリーがストップ!ララがタイトルをついに辿り着きました!
そして試合後にララはこの試合の前に不公平なことが起きていたことを暴露。ララのみに当日計量が課されており、リングのサイズが通常より小さくララに不利だったこと、セコンドがララにインターバルで水をかけようとしたら阻止されたと語っていますね。。。
そしてララは初防衛戦をニューヨークのバークレイズ・センターで行います。相手は元WBAチャンピオンのオースティン・トラウト。ここまでカネロ・アルバレスにしか負けたことはなく、ここまでのキャリアで敵地メキシコでカネロの兄のリゴベルト・アルバレスを破ってタイトルを獲得。3階級制覇王者でプエルトリコのレジェンドのミゲール・コットにニューヨークで初となる敗北を与えています。
そしてこの試合は似たタイプでサウスポーのアウトボクサーであるトラウトを基礎能力がさらに高いララが圧倒!カウンターの精度、スピードで勝って11ラウンドにダウンさせて大差判定勝ちを飾ります。
そして次戦でなんとララはカネロ・アルバレスとのビッグマッチを引き当てます。これはかねてからララがカネロのことを挑発していて業を煮やしたカネロが対戦要求についに応じたことにより決まった試合ですね!
カネロはメキシコのスーパースターでコンビネーションパンチャー。フロイド・メイウェザーには判定で敗れたものの元ウェルター級チャンピオンのカルロス・バルドミールや3階級制覇王者のシェーン・モズリー、元ウェルター級チャンピオンのカーミット・シントロン、元スーパーウェルター級王者のオースティン・トラウト、元WBOスーパーウェルター級暫定王者のアルフレド・アングロなどを下してきています。
そしてこの試合はスーパーウェルター級リミットより上のキャッチウェイトで行われることになりカネロが優位な状況。しかしララは間合いを取りまくってカウンター作戦を展開してカネロは大苦戦。カネロがアグレッシブさで勝ったものの僅差判定となりカネロが勝利。試合後にカネロはララに俺はマラソンしに来たんじゃない!と怒っておりララのファイトスタイルに批判が集まり、強いけど試合がつまらないチャンピオンのレッテルをはられることになります。
そしてララは気を取り直して2度目の防衛戦に臨みます。相手は元IBFチャンピオンのイシェー・スミス。フロイド・メイウェザーのお友達でラスベガス初の世界王者。敵地デトロイトにてコーネリアス・バンドレイジを番狂わせで下して王座獲得。初防衛戦でララと引き分けているカルロス・モリナに敗れましたな。ちなみに後にミドル二冠王になるダニエル・ジェイコブスに地獄のようなファイトを強いています。
そしてこの試合はやはり基礎能力の高いララがスミスを圧倒!サンアントニオのアラモドームでスミスの得意な接近戦になる前に動き出しにカウンターを合わせる内容で大差判定勝ち。スミスはかなり苦しい試合となりましたね!
そして3度目の防衛戦はシカゴでデルビン・ロドリゲスと対戦。ロドリゲスはドミニカ共和国の選手でアメリカを主戦場とする選手。かつてオースティン・トラウトのWBA王座に挑戦して判定負け、ミゲール・コットの復帰戦の相手で登場して3ラウンドKO負け。。。元WBAチャンピオンのヨアキム・アルシンとは引き分けてますね。
そして試合はやはりララの実力が証明される試合になります。6ラウンドにダウンさせたララは全く危なげなく12ラウンドをクルーズ。シャットアウトの判定勝ちでロドリゲスに1ポイントも与えることなく判定勝ちしました!
そして4度目の防衛戦は元IBFウェルター級チャンピオンのジャン・ザベックと対戦。ザベックはスロベニアのチャンピオンでWBOのインターナショナル王座を獲得、キャリアの中ではウェルター級3冠王のアンドレ・ベルトに敗れて当時無敗のキース・サーマンにもシャットアウトで負けています。
そしてこの試合はララがまさかの爆発で試合を決めてしまいます。ほとんど一方的にスピードの差を生かして試合を進めていると3ラウンドに強烈なアッパーを決めてザベックは膝からダウン!TKOとなり防衛戦初のKO勝ちを飾りました!
そして5度目の防衛戦はかつて引き分けたバネス・マーティロスヤンとリマッチが決定。マーティロスヤンはあの後デメトリアス・アンドラーデとのWBO王座決定戦に僅差判定負けを喫しており今回が二度目のアタックとなりますね。
しかしこの試合はお互いに時を経て常に世界のトップ相手と試合をしてきたララと試合が決まらずブランクが空いていたマーティロスヤンとの間に差ができていました。マーティロスヤンは肉薄したものの要所でララがカウンターを決めてマーティロスヤンはローブローで減点。ララが判定勝ちを収めて決着をつけます。
そして6度目の防衛戦は元WBAチャンピオンのユーリ・フォアマンと対戦。フォアマンはイスラエルの世界王者で2階級制覇チャンピオンのダニエル・サントスを破った経験があるベラルーシ人。ミゲール・コットとニューヨークのヤンキースタジアムで試合もしてましたな。
しかしこの試合はララがフォアマンを思いっきり圧倒。フォアマンはコットに負けた後レベルの高い相手と試合をしておらずララについていけずに3ラウンドにダウンすると4ラウンドにあっさりKO。ララが予想通りの勝利を決めます。
長期王者となったララの次戦はテレル・ガウシャと7度目の防衛戦。ガウシャは元オリンピアンでここまで無敗。この試合はジャーメル・チャーロ、ジャレット・ハードの2人のスーパーウェルター級チャンピオンをアンダーカードに引き連れて行われるビッグマッチとなります。
しかしこの試合は稀に見る凡戦になります。ガウシャを得意のカウンターで4ラウンドにダウンさせたララはその後出てこれなくなっやガウシャと変わり映えのない12ラウンドを展開。大きなブーイングが鳴る中ララが判定勝ちを収めます。
ララさんマラソンしにきたのかよ…カネロ・アルバレスvs.エリスランディ・ララ
ハードとの統一戦とカスターノとの死闘
ガウシャを凡戦の末に下したララはついに王座統一戦のビッグマッチを迎えます。相手は無敗でIBFチャンピオンのジャレット・ハード。身長185センチもありスーパーウェルター級でも特に大柄なハードはキャリアの中で後にWBC王者となるトニー・ハリソンを9ラウンドに痛烈な右ショートでKOして王座獲得。初防衛戦では元WBAチャンピオンのオースティン・トラウトと対戦して苦戦したものの何度被弾しても前に出続けてトラウトはダメージを蓄積して9ラウンドギブアップ。防衛にも成功しています。
ハードはめちゃくちゃフィジカルが強くて驚異的なタフさを持つ選手。相手のパンチをまともに受けてもけろっとして前に来てはコンビネーションを放って相手を押し込んでくる圧力の強さが持ち味です。しかも性格的にはめちゃくちゃ良い人で地元の消防団のボランティアをしていたこともあるそうですな。
ララは階級最強と目されながらも自分からあまり手を出さず、試合が面白くないことから不人気王者に甘んじていました。そのため誰も対戦したがらないララに挑むハードでしたが実績で大きく劣るためオッズは圧倒的に不利でした。
しかしラスベガスのハードロック・カジノで行われたこの試合は物凄い壮絶な死闘となります。ララにスキルでは勝てないことを承知のハードは捨て身の接近戦。ララの左ストレートを何度食らっても何もなかったかのように前進するハードは徐々にララの距離を詰めて接近戦に持ち込みます。
ララも大柄なハードの圧力が想定より強かったのか真正面から左ショートをねじ込むなどこれまでの彼の試合では見られなかった大きなハートを見せます。そして一進一退で採点が難しい試合となりましたが12ラウンドにハードの左フックでララは痛恨のダウン!!このダウンが決め手となって2-1の判定はハードに!!ダウンが無ければドローとなる壮絶な死闘を演じた両者には大きな拍手が送られました!!
これによりララは世界王座陥落。この試合では自分が勝っていたと主張していましたがここから1年の時を経て世界王座返り咲きをかけた試合を行います。
相手はWBAレギュラーチャンピオンのブライアン・カスターノ。カスターノはアルゼンチンの元トップアマで圧力がとても高いファイター型。前に出てきてはコンビネーションをボディ中心に放つ選手でフランスでタイトルを獲得してからヨーロッパで試合をしていた選手で無敗です。
アメリカでは無名のカスターノを迎えたララはこの試合でも大激闘を演じます。カスターノは間合いを詰めてのコンビネーションを出してララを押し込む作戦。ララはカスターノの動き出し、打ち終わりにカウンターのショートを返してお互いに譲らない試合となります。
手数のカスターノと的確性とパンチの鋭さを保つララの好勝負は判定となり結果は三者三様のドロー!ララは王座返り咲きとはならずとも大きな激闘をしたためまたチャンスをもらえることになります!
良い人王者のハードさん階級最強に躍り出る!!ジャレット・ハードvs.エリスランディ・ララ
アルバレス戦と返り咲き
ララはカスターノと引き分けた後その試合内容が評価されてすぐに王座返り咲きのチャンスを得ます。試合の内容はラモン・アルバレスとのカスターノの王座返上によるWBAレギュラー王座決定戦。ミネアポリスで因縁のアルバレスファミリーとの試合を行うことになりますな。
アルバレスはカネロのお兄さんでコンテンダー。カネロのような絵に書いたキャリアを歩んではおらず、元WBAライト級チャンピオンのブランドン・リオスやカネロvs.フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの試合の前哨戦となったオマール・チャベスとの試合にKO負けするなどしておりますね。ララはこの試合に勝ってカネロとのリマッチをすると息巻いておりましたな。
そしてこの試合は大方の予想通り実力差がもろに出る試合になります。ラモンの動きを初回に見切ってしまったララは2ラウンドにスピード差を生かしてジャブに右フックを合わせてダメージを負わせるとロープに詰めて左ストレート!アルバレスは吹き飛ぶようにロープに突っ込んでダウンしてその後の連打でストップ!ララがあっさりと王座返り咲きを果たしてその強さにさびつきがないことを見せています!
試合後にはジャレット・ハードやブライアン・カスターノとのリマッチを希望。ウェルター級に下げてエロール・スペンスとの試合やウェイトをあげてのカネロとの再戦など多くのビッグマッチを望んでおります!
ララさんあまりにもイージーに返り咲き…エリスランディ・ララvs.ラモン・アルバレス試合後のコメントもあり!
そして初防衛戦はコロナウイルスの影響もあり一年後にロサンゼルスにて。IBAチャンピオンのグレグ・ベンディティーとの対戦となります。ベンディティは亀海を下して引退させたアマチュアエリートで、ミシェル・ソロにノックアウト負けした経験がありますね。
そして試合はララが開始からスピードの差を生かしてアウトボクシング。綺麗に左ストレートのカウンター決めるなど終始優勢に試合を進めて足を止めるシーンもあったものの危なげない判定勝ちでクリアしています。
そしてララは次戦でコンテンダーでWBAフェデセンテロチャンピオンのトーマス・ラマーナとの試合をWBAミドル級レギュラー王座決定戦を行うことになります。ラマーナは背が高いコンテンダーですがスピードは大きくララに劣りますね。
そしてこの試合は開始からスピードでララが圧倒!圧倒的なハンドスピードを見せて萎縮させるとワンツーを打ち込んでラマーナは反応が間に合わないまま初回にフェイントからの左を浴びて失神!ララが2階級制覇となりました!
切って落としてキャリアハイ?エリスランディ・ララvs.トーマス・ラマーナ
今後期待される試合
ララに期待される試合はスーパーウェルター級王座統一をかけた試合です。WBC王座はトニー・ハリソン、WBO王座はハイメ・ムンギア、WBAレギュラー王者にはララ、WBA.IBFチャンピオンにはハードを破ったジュリアン・ウィリアムスが君臨しています。
さらにムンギア以外はPBCと契約している選手たちで試合実現へのハードルはかなり低いです。目下トニー・ハリソンとジャーメル・チャーロとのリマッチの勝者との対戦が取りざたされていましたが、ハードもまさかの判定負け。
ララがタイトルを取り返したのでハードとのリマッチやカスターノとのリマッチが期待されています。特にララはすでにアラフォーということもあり正直先は短いです。これからキャリアを決定づけるような試合がやりたいですね!
ララのファイトスタイル
ララのスタイルはその驚異的なハンドスピードと正確なカウンター、リーチを生かしたカウンタースタイル。本人的には相手と間合いを詰めるよりも相手が来たところを切って落とすようなカウンターを芸術としています。
そのためこの人の試合は常に待ちのスタイル。相手が来たところに左ショートやアッパーをドンピシャのタイミングで当ててダウンさせるとそこから踏み込めなくなった相手を長い間合いからボディやジャブで削る展開が最も多いですね!
なので試合がつまらないとずっとされてきましたがここにきて間合いを詰めてくる相手との激闘が多く見れます。これは同じくキューバ人で試合が詰まらないとされていたギレルモ・リゴンドーと大きく違う点で必ず相手が来たらペースを渡さずに開き直って打ち返す気の強さは特筆すべきものがありますね!
なんじゃこのパンチ!? ジャーメル・チャーロvs.エリクソン・ルビン
まとめとララの今後
いかがでしたでしょうか?激戦区のスーパーウェルター級で王者として君臨し、敗れてもなおまたすぐに返り咲いたエリスランディ・ララ。2度目の戴冠を果たした彼は間違いなく現在のスーパーウェルター級ではトップに位置する選手です。
彼の試合は常に待つのでエキサイティングさには欠けるとされてきました。しかし年齢を重ねて足が動かなくなってきたこともあり、打ち合いに身を投じる潔さもここにきて見えています。彼の硬質な左は健在ですしね!
ララはスーパーウェルター級のトップ5の一人には必ず入ります。他のチャンピオンはみんな若いですがララはアラフォーでも経験値の高さと優れたテクニックで対抗するベテラン、いぶし銀としてまだまだ若い相手を倒してキャリアを決める試合が欲しいですね!
ちなみにララの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか?