多くの試合で活躍しており現代のチャンピオンの中でも人一倍努力家であることで知られるアンドリュー・カンシオさん。ラフなパンチャーとして知られており、WBAの黒のベルトを保持した実力者です。
カンシオは世界的に層の厚いスーパーフェザー級でタイトルを保持していた強豪。オフェンスに優れたファイターでとにかく前に出てきては左右ボディとフックを打ち込んで相手を根負けさせてしまえるスタイルを持ちますね。
カンシオはエリートではなく、4回戦時代から敗戦を経験して這い上がってきたボクサーです。カリフォルニアでは大きな人気を誇り、ファンタジー・スプリングスのメインイベントを飾るなど大人気。ボクサー以外にも配管工として働いており、好感度も高いですな。
キャリアの中では後にWBAチャンピオンで無敗だったアルベルト・マチャドをボディでノックアウトしてタイトルを獲得。リマッチでもマチャドをノックアウトして評価を高めておりますな。しかし昨年にかつて下したレネ・アルバラードに負傷ノックアウト負けで陥落しております。
現IBFチャンピオンジョセフ・ディアスとの試合とアルバラードのみがノックアウトされた試合でこの試合も負傷ノックアウト負け。圧倒的な打たれ強さを誇り、打たれても止まらないタフさとしつこさを持ち味としておりますね。
チャンピオンからは陥落してしまいましたが新たにトップランクと契約したことで今後にもまだまだ期待がかかります。タイトル戦線にまだ残ってることからも返り咲きのチャンスは十分にありそうですね!
そこでカンシオの試合を楽しむためにカンシオの経歴をまとめてみました!!
Contents
アンドリュー・カンシオの戦歴
アンドリュー・カンシオのプロフィール
カンシオは1988年生まれ。アメリカのカリフォルニア州生まれのメキシコ系でベンチュラの出身。カリフォルニアでは大きな人気を誇ります。
カンシオはアマチュアの頃に大きな国際大会で結果を残したことはなく、レコードも知られていないのでプロでの叩き上げの選手ですね!
カンシオは世界チャンピオンとなってからも堅実な性格をしており、現在もガス会社に勤務。メカニックとして働きながらボクシングをしておりますね。
これまでの戦歴
カンシオは2006年に18歳でルーツであるメキシコにてプロデビュー。4回戦を戦って引き分けでキャリアをスタートさせています。
そこから4連続ノックアウト勝ちをを収めたものの6戦目はまたもドロー。メキシコとアメリカを行ったり来たりしていましたが、2007年からはアメリカを主戦場とします。
そして2008年には6回戦で僅差判定負けを経験。しかしキャリアの中で2年間リングに上がらないなどの時期を挟みながら3連勝して2011年には8回戦で判定勝ちします。
そして2012年には10回戦を行います。相手はシドニーオリンピック銀メダリストで3階級制覇チャンピオンのマルコ・アントニオ・バレラと2度接戦を演じたロッキー・フアレス。6連敗中だったもののクリス・ジョンにも引き分けた経験がありウンベルト・ソト、ファン・マヌエル・マルケスなどとの試合をしていて6度世界タイトルマッチを経験。KO負けが一度もないタフな選手ですね。
そして試合は勢いに乗るカンシオが攻め込んでくるものの2ラウンドにダウンさせられる展開に!しかしダウンを奪い返して激しい打ち合いに終始し、カンシオが結果的には判定勝ち。ベテランを破って大きな勝利を手にします。
そして意気揚々と次戦では元WBCカリブチャンピオンでNABOチャンピオンでもあるロジャー・ゴンサレスと対戦。2階級制覇チャンピオンのジョニー・ゴンサレスや、ユリオルキス・ガンボアと対戦しているハードパンチャーで5連敗していましたな。
しかしカンシオはこの試合で経験値に勝るゴンサレスの前に大苦戦。ハードなパンチを受けてたじろぐシーンも見られて結果はまさかの10ラウンド判定負け。痛い敗戦を喫します。
カンシオさんシルバーメダリスト撃退…アンドリュー・カンシオVSロッキー・フアレス
フェザー級時代と敗戦
カンシオはゴンサレスに負けた後10カ月間の時を経てカムバック。スーパーフェザー級のウェイトでジェリー・ベルモンテスとの試合を迎えます。エリック・ハンターに負けた試合のみが黒星ですな。
そして試合はアウトボクサータイプのベルモンテス相手にアグレッシブに出てきたカンシオが手数で圧倒!止まらない手数で押し込んで判定勝ちを収めて復活します。
そして次戦でカンシオは大きなチャンスを掴みます。無敗のコンテンダーであるロニー・リオスとの試合です。リオスは2004年のシルバーグローブ覇者で元WBAスーパーバンタム級チャンピオンのリコ・ラモスを下してNABF王座を獲得しておりますな。
そして試合はカンシオが前に出てきてアグレッシブに攻めるもののリオスはジャブの狙い撃ちとインサイドでのフックでリード。ヒット率で上回られてカンシオは残念ながら判定負けとなります。
しかし無敗の相手に良い試合をしたこともあり、次戦はまたもコンテンダーとの試合のチャンスを得ます。相手はニカラグアのレネ・アラバラードとなります。
アルバラードはスーパーフェザー級を主戦場としておりWBCシルバーインターナショナルチャンピオン。ジョセフ・ディアスやエリック・ハンターには負けてますがロビンソン・カスティリャノスをノックアウトしたときにWBCシルバー王座を獲得しているハードパンチャーです。
そして試合はどちらもコンビネーションを打ち込みまくる試合となり、とても激しい試合となります。しかしカンシオが8ラウンドにダウンさせるとアルバラードは右目上から出血!ドクターストップとなり、カンシオがアルバラードに初のストップ負けを与えて再起に成功します。
そして4ヶ月後にはカリフォルニアにてビッグチャンスを迎えます。元WBOライトフライ級、WBAスーパーフライ級チャンピオンのウーゴ・カサレスとの試合です。
カサレスはメキシカンの2階級制覇チャンピオンでイバン・カルデロンや名城信男、清水智信などとの試合をしてきたチャンピオンで日本での試合経験もあるチャンピオン。スーパーバンタム級に上げてきてカール・フランプトンにノックアウトされフェザー級に上げてきましたな。
そしてこの試合は体格に勝るカンシオがカサレスを圧倒!開始から押し込みまくって左右フックを当てるとカサレスは耐えきれなくなって3ラウンドにノックアウト!カンシオがビッグネームを下して引導を渡しました!
そして次戦は半年後にテキサスでカネロvs.リアム・スミスのアンダーカードで無敗のオリンピアンであるジョセフ・ディアスとのビッグチャンスを迎えます。
ディアスはサウスポーのファイターでハードな左ボディーを持つパンチャー。NABFタイトルを保持しており、コンテンダーのジェイソン・ベレスを下すなど将来の世界チャンピオン候補ですね。
そして試合は開始からカンシオが前にくるものの3ラウンドに左を受けて鼻をカット!めちゃくちゃ出血してしまい、それでも試合を続行したものの9ラウンドに出血がひどくなり、前に出てこられなくなるとストップ!キャリア初のストップ負けとなり、カンシオはこの試合をもってフェザー級を撤退することになります。
このカットでここまでやるとはな…ジョセフ・ディアスVSアンドリュー・カンシオ
スーパーフェザー級と王座の獲得
ディアスに敗れたカンシオは半年後にカリフォルニアにて再起。またもタフな相手となる無敗のアイダル・シャリバイェフとのWBAスーパーフェザー級インターコンチネンタル王座決定戦を行います。シャリバイェフはアマチュアトップで8試合目でステップアップとなりましたな。
そして試合はカンシオが間合いを詰めてきてオープンなパンチを放つシャリバイェフを圧倒!ボディを効かせて顔面にパンチを返すと3ラウンドと5ラウンドにダウンさせてその後もプレッシャーをかけてブレークダウンすると10ラウンドにセコンドがストップ!カンシオが無敗の相手に快勝を挙げます!
そして4ヶ月後にはベルギーのハードパンチャーで元NABOチャンピオンのダルダン・ぜヌナジュと対戦。間合いが必要なぜヌナジュにスペースを与えず、判定勝ちを収めております。
そして半年後に地元のカリフォルニアにてWBAレギュラーチャンピオンのアルベルト・マチャドとの対戦で初めての世界タイトルマッチとなります。
マチャドはここまで無敗のサウスポーのプエルトリカン。シャープなパンチを武器としているカウンターパンチャーでフレディ・ローチの門下生。身長178センチの体躯を生かしたアウトボクシングを得意としており、ジェスリール・コラレスをノックアウトしてタイトルを獲得。2度の防衛に成功しておりますな。
カンシオはこの試合でとても不利と見られておりました。そして試合でも初回にアッパーを喰らってダウン!しかも目の上から出血してしまう展開となり、いきなりハードな出だしとなります。
しかしカンシオはマチャドの苦手な接近戦に持ち込むとボディ攻撃を敢行!マチャドはほとんど足が動かず、カンシオが左右ボディを打ち込みまくると4ラウンドにダウン!かなり効いており、さらにボディで2度のダウンを奪うとWBAルールによりノックアウト!カンシオが大番狂わせの戴冠を演じてカリフォルニアを熱狂の渦に巻き込みました!
カンシオはこの試合で勝利して念願の世界チャンピオンに就任。しかしマチャドはトレーニングキャンプが短くて本調子ではなかったとしており、ダイレクトリマッチが4ヶ月後にまたカリフォルニアで行われることになります。
そして試合はカンシオが開始から頭がぶつかってまたも流血!しかし減量の影響か、足があまり動かないマチャドに間合いを詰めてコンビネーションをボディ中心に打ち込み、3ラウンドにボディを打ち込むとマチャドは膝をつくダウン!そのまま立ち上がれず、カンシオがマチャドを返り討ちにしてまたもやカリフォルニアでファンを魅了します!
びっくりしすぎて言葉が出ません…アルベルト・マチャドvs.アンドリュー・カンシオ
王座陥落とトップランクとの契約
みんなが認めるチャンピオンとなったカンシオの次てる相手は指名挑戦者のレネ・アルバラード。リマッチとなり、カンシオの地元のカリフォルニアで行われます。
アルバラードは7連勝中でコンテンダーのデニス・シャフィコフ、カルロス・モラレスを撃破。指名戦を待ち望んでおりましたな。
そして試合はカンシオがアルバラードの覚悟に飲み込まれる試合となります。アルバラードは開始からコンビネーションを打ち込みまくってサイドに流れる展開に!カンシオはパンチで目の上をカットしてしまい、流血。アルバラードの弾幕に押されがちとなり、激しい打撃戦となりましたが7ラウンド終了後にドクターストップ!残念ながら陥落となり、アルバラードのリベンジを許します!
そしてこの直後にカンシオはプロモーターのゴールデンボーイ・プロモーションズから首を言い渡されてしまいます。
具体的には前から問題があり、カンシオが戴冠した試合にプロモーターのオスカー・デラホーヤが来ていなかったことや、チャンピオンとなってからのファイトマネーに不満を漏らしていたことが引き金となりましたな。
このことで路頭に迷うかと思われましたがボブ・アラムのトップランクが即座に契約。カンシオの商品価値を見出したようでまだまだ多くのトップでの試合をやることになりましたな。
アルバラードさん勝利でニカラグアの双子チャンピオン誕生!アンドリュー・カンシオvs.レネ・アルバラード
そしてカンシオは2021年にカムバック。無敗のコンテンダーでジュニアオリンピック優勝者であるガブリエル・フローレスとの試合が決まります。経験に勝るカンシオですがアウトボクサーで切れのあるフローレスには苦戦しそうですね。
カンシオさん苦難の道へ…アンドリュー・カンシオvs.ガブリエル・フローレス予想
カンシオのファイトスタイル
カンシオのファイトスタイルはインファイトです。ガードをガッチリと固めて前に来て頭をつけての打ち合いを得意とする生粋のインファイターですね。
彼の最大の持ち味はタフネス。どれだけ打たれても止まらず、ボディと顔面にフックを打ち込んでどんどん出てくる非常にやりにくいスタイルを持ち、粘り強い試合をしてきますね。
常に前に出てくるのでどうしても揉み合いも多くなりますがこの人のしつこさは特別。しかもインサイドに来ると振り回してくるので格上の相手にもワンチャンスを狙える厄介な相手です。
ディフェンスが緩いため安易にパンチをもらうところがありますが、まだ強くなる要素があると思います。アルバラードやディアス、ベルチェットとの試合なら打ち合いになると思うので噛み合いそうですね!
今後期待される試合
カンシオに期待される試合は世界王座返り咲きをかけた試合です!
カンシオはすでに世界の頂点に到達した男です。若手との試合をやる登竜門的な存在になるよりは世界タイトル戦線に残ってタフな試合を続けて欲しいと思いますね!
スーパーフェザー級でやるならターゲットはWBCチャンピオンのミゲール・ベルチェットかWBOチャンピオンのジャメル・ヘリングになると思われます。トップランクには元WBAチャンピオンのジェイソン・ソーサや2階級制覇チャンピオンのカール・フランプトンなどのビッグネームがいるので彼らとの試合が求められますね。
カンシオは人気者でカリフォルニアでは高い集客力を誇ります。これからも多くのファンがついてくるので世界タイトルマッチをすることは考えやすいですね。
カンシオは今でも世界のトップ10には入る実力を持ちます。十分に世界タイトルを狙えるポジションにいるのでまずはコンテンダーとの試合をクリアして弾みをつけたいところですね!
俺は好きやでカンシオさん…アンドリュー・カンシオvs.アイバル・シャリバイェフ
まとめ
いかがでしたでしょうか?優れたタフネスで打ち合いにめっぽう強いカンシオ常に前に出てくるファイターなのでヒスパニック、メキシカンのファンを中心にファンも多いですね。
スーパーフェザー級にいることもあり彼の対戦相手には日本人が絡む可能性も大いにあります。スーパーフェザー級の中心人物ですので彼の試合は試合のたびに大きなカードとして注目されています。
今後は世界タイトルマッチに絡むためにコンテンダーとの試合や、チャンピオンとの試合をやることになると思います。できれば、レネ・アルバラードとのリベンジマッチを見せて欲しいですね!
他にもかつて唯一敗れているIBFチャンピオンのジョセフ・ディアスや同じトップランクのWBOチャンピオンのジャメル・ヘリング、WBCチャンピオンのミゲール・ベルチェットがターゲットになります。まずはコンテンダー対決としてジェイソン・ソーサなどとの試合も見てみたいですね。
まだまだ多くのファイターがスーパーフェザー級ではあり、元WBOフェザー級チャンピオンのシャクール・スティーブンソンやオスカー・バルデスの無敗コンビもスーパーフェザー級に参戦。PBCにもWBAスーパーチャンピオンのレオ・サンタクルスや暫定チャンピオンのクリス・コルバートがいるので試合が見てみたいですね!
ちなみにそんなカンシオの試合をテレビで見るならばWOWOWがおすすめです。WOWOWではカンシオ以外にもデオンテイ・ワイルダーやワシル・ロマチェンコ、ノニト・ドネアなど多くの世界の強豪ボクサーの試合が放送されてますので是非ご覧ください!