ロンドンオリンピックバンタム級金メダリストでWBC指名挑戦者のルーク・キャンベル。3階級制覇王者のホルヘ・リナレス、ワシル・ロマチェンコに肉薄したことで知られているサウスポーのライト級トップコンテンダーです。
キャンベルは前述の通り3階級制覇王者のホルヘ・リナレスに敗れているものの端正なワンツーとサウスポースタイルからの右ボディでリナレスを大苦戦させた実力を持つ技巧派ボクサーですね!!さらにロマチェンコとの試合でも11ラウンドにボディでダウンさせられましたがロマチェンコを中盤左ショートで効かせるなど見せ場を作ったライト級のトップの1人です。
キャンベルは常に相手と間合いを保ちながらサウスポースタイルからのワンツーを伸ばして綺麗なボクシングをする人気ボクサーです。まだ世界タイトルは取れていないものの現在世界タイトルに最も近いライト級コンテンダーも言っても過言ではない実陸を持っております。
そんなキャンベルのキャリアは少し不遇でした。それはキャンベルが世界にたどり着く前にフランスのイバン・メンディーにまさかのダウンを喫した末の判定負けで敗れているからです。この試合で負けて以降多くのファンはキャンベルから離れていきキャンベルはかませ犬としてホルヘ・リナレスにアメリカで挑んで大善戦。実力を示して現在に至るわけですね。なのでオリンピック金メダリストでありながらもとてもタフなプロキャリアを歩んでいるボクサーです。
ロマチェンコには敗れたもののいずれまた世界タイトルマッチに絡んでくるであろうキャンベル。WBCライト級暫定王者のデビン・ヘイニーへの挑戦や空位であるWBAのレギュラータイトル、はたまたはスーパーライト級への階級アップも噂されており今後も目が離せないボクサーの1人です。
ということで、キャンベルの試合をで試合をより楽しむためにキャンベルの来歴をまとめてみました!!
キャンベルは不遇なのだろうか…ワシル・ロマチェンコvs.ルーク・キャンベル予想
Contents
ルーク・キャンベルについて
キャンベルのプロフィール
キャンベルは1987年生まれの31歳。イギリスのヨークシャー生まれで現在も在住。今回の試合はイギリス開催ということもあり地の利は得られそうですな。
キャンベルはロンドンオリンピックバンタム級の金メダリスト。ここまでの戦績は20勝16KO2敗。ロマチェンコと同じオリンピックで金メダルを獲得した者同士の試合となりましたな。
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これまでの経歴と初黒星まで
しかしキャリアはロマチェンコと対照的にタフなもの。2013年にデビューしたキャンベルは2014年には8回戦を戦って大きな期待を背負って走ります。
2014年の10月には10回戦で 5ラウンドKO勝ち。2015年8月にトミー・コイルの持つWBCインターナショナル王座を8ラウンドKOで獲得するなど順風満帆なキャリアを描いていました。
しかし初防衛戦でまさかの試練が訪れます。相手はフランスのイバン・メンディー。後にスーパーライト級王者となるビクター・ポストルやテオフィモ・ロペスと対戦するエディス・タトリと対戦して負けているものの経験豊富なベテランですな。
この試合ではキャンベルはいつも通りメンディーと間合いを取ってワンツーをつきます。しかしメンディーはガードを固めて前進して5ラウンドに打ち終わりを狙われたキャンベルはダウン!!そのまま苦戦して2-1の判定はメンディーへ!!キャンベルはまさかの黒星を喫して世間からの評価も落としてしまいました。
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再起とリナレス戦まで
2016年に再起したメンディーはゲイリー・サイカスと空位のコモンウェルス王座を争って勝利。再起に成功します。
そして元IBF世界スーパーフェザー級王者のアルヘニス・メンデスとWBCライト級シルバータイトルの王座決定戦を行い12ラウンド判定勝ち。ファン・カルロス・サルガドやランセス・バルテレミーと対戦してきたドミニカのベテランを下しましたね!
さらにキャンベルは元WBA暫定王者のデリー・マシューズと対戦。アンソニー・クローラをKOしたマシューズを4ラウンドでゲイリーしています。
さらには2017年に元WBA王者のダーレイ・ペレスと対戦。ユリオルキス・ガンボアを苦戦させてアンソニー・クローラと2度対戦したペレスはウェイトオーバーしてきましたが左腕を負傷して9ラウンドに試合を棄権!キャンベルはWBA王者のホルヘ・リナレスへの挑戦権を手にします!!
そして迎えた世界挑戦はWBA王者でフェザー級、スーパーフェザー級、ライト級の3階級を制覇してきたホルヘ・リナレスにアメリカにて挑戦!!
リナレスはキャリアの中でオスカー・ラリオス、アンソニー・クローラ、ケビン・ミッチェルらを下してきた強豪で打たれ弱さもあるもののライト級最強とされる王者でしたな。
キャンベルはリナレスの速いコンビネーションに序盤ついていけませんでした。そして2ラウンドに右ストレートでダウンを奪われて目の下をカットするなど苦しい試合となりますが中盤からボディ打ちを軸に反撃。リナレスからペースを奪って肉薄しましたがリナレスは後半巻き返してきて2-1の判定はリナレスへ!!キャンベルは惜敗しましたが実力を証明しました!!
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再起とロマチェンコ戦へ
キャンベルは半年後に6回戦で再起。2018年の9月にかつて敗れたイバン・メンディーとのWBCライト級指名挑戦者決定戦を行います。
メンディーはキャンベルから奪った守ってシルバータイトルも獲得。ランキングを上げてきておりましたな。
しかしキャンベルはこの試合ではより成長した姿を見せてワンツーで間合いを取るだけではなくボディ打ち、フットワーク、ポジショニングを見せて判定勝ち!リベンジを見事に果たしました!!
そして世界前哨戦としてエイドリアン・ヤングとフィラデルフィアにてオレクサンデル・グヴォジクの前座で試合をしたキャンベルは5ラウンドKO勝ち。マイキーの名誉王者認定に伴って空位となったタイトルをロマチェンコと争うこととなりましたね!
ロマチェンコのここまでプロキャリアはわずかに14戦ながらもすでに3階級を制覇。プロデビュー戦を除くすべての試合が世界戦と最早他のファイターたちとは一線を画すキャリアを歩んでいます・・・
ここまでのキャリアでフェザー級からライト級を制覇して4つのタイトルを獲得。現WBCフェザー級王者のゲーリー・ラッセル・ジュニア、WBO世界スーパーフェザー級にて3度世界王者となったプエルトリカンのローマン・マルティネス、ノニト・ドネアに初のKO負けを与えた元WBA世界フェザー級スーパー王者ニコラス・ウォータース、元WBAスーパーフェザー級世界王者のジェイソン・ソーサ、オリンピックで2度金メダルを獲得し、プロでもスーパーバンタム級でWBA.WBOタイトルを統一、ノニト・ドネアを下したギレルモ・リゴンドー、フェザー級、スーパーフェザー級、ライト級の3階級制覇王者のホルヘ・リナレス、2階級制覇王者のホセ・ペドラサ、元WBA世界ライト級王者のアンソニー・クローラ、ロンドンオリンピック金メダリストのルーク・キャンベルとそうそうたる面子と対戦してきており、プロ2戦目のオルランド・サリド戦を除くすべての試合に勝利してきたまさに現代の怪物ボクサーです。
圧倒的なスピードと目にも留まらぬコンビネーションで相手を撃ち抜くロマチェンコはアメリカでも人気抜群。鋭いサイドステップで相手のパンチをもらわずに綺麗な顔で試合を終える彼の試合は日本でも需要が高く、めちゃくちゃ有名なプロボクサーですね!
そしてこの試合はロマチェンコが圧倒!キャンベルも序盤は手数を出してロマチェンコを攻めあぐねさせましたが徐々にロマチェンコはボディに照準を絞って効かせると11ラウンドにキャンベルはついにダウン!立ち上がり試合終了のゴングまで耐えてペドラサ並みの頑張りを見せましたが大差判定でロマチェンコが3団体を統一。ロンドンでも敵なし状態でした!
しかし敗れたキャンベルもホルヘ・リナレスと同様ロマチェンコを苦戦させた選手として大きな評価と賛辞を送られることになり自身がライト級トップの1人であることを証明しております。再起戦が待たれておりますが本人的にはライト級で世界タイトルを取るまではどこにも行くつもりはないと話しておりますな。
キャンベルさんペドラサ並みの頑張り・・・ワシル・ロマチェンコvs.ルーク・キャンベル
3度目の世界タイトルマッチ
ロマチェンコに善戦したキャンベルにはすぐさま世界タイトルマッチのチャンスを得ます。4月17日にオクソンヒルで元2階級制覇チャンピオンのハビエル・フォルトゥナとのWBC王座決定戦が決定します!!
この試合は正規チャンピオンのデビン・ヘイニーが肩を負傷して手術して戦線離脱。このため王座決定戦となりキャンベルとフォルトゥナの顔合わせとなったわけですね。ちなみにフランチャイズチャンピオンにはワシル・ロマチェンコがいます。
フォルトゥナはフェザー級とスーパーフェザー級でWBAタイトルを獲得しているドミニカ共和国のハードパンチャー。ウェイトオーバーを繰り返すなどかなり問題はあるもののスタミナの切れたジェイソン・ソーサ戦、ウェイトオーバーの末疑惑の判定で負けたロバート・イースター・ジュニア戦以外は勝っています。
元WBAスーパーフェザー級暫定チャンピオンのブライアン・バスケスや元WBAフェザー級チャンピオンのヘスス・ケジャールなどを下しておりとにかく振り回してくるのでタフな試合になると思いますがキャンベルに頑張ってもらいたいですね!!
しかしフォルトゥナとの試合はコロナでご破算。代わりにトッププロスペクトのライアン・ガルシアとの試合となります。ガルシアはハードパンチャーで2度世界挑戦したフランシスコ・フォンセカをノックアウト。新世代のスーパースター候補とされる存在ですな。
そしてこの試合は2ラウンドにキャンベルが左フックをオーバーハンドで当ててダウンさせるまさかの展開に!しかしパワーに勝るガルシアはガードの上からのパンチで巻き返して7ラウンドに左ボディ1発でキャンベルはノックアウト!ガルシアが逆転ノックアウトを収めました!
悔しいぞキャンベル…ライアン・ガルシアvs.ルーク・キャンベル
今後期待される試合
キャンベルに今後期待される試合は世界タイトルマッチです。ライト級のトップコンテンダーであることを証明しているキャンベルに後足りない称号は世界タイトルの称号、世界王者としての肩書だけだと思います。
正直キャンベルは不運だと思います。キャンベルのいるライト級はキャンベルを下しているワシル・ロマチェンコの一強時代。リナレスに挑んだ時もリナレスがパウンド・フォー・パウンドのランキングに入っている全盛期だったし、今は世界タイトルに挑戦するチャンスがしばらくは来ないですからね。
ライト級はIBFにガーナの強打者であるリチャード・コミーが君臨。彼は指名挑戦者のテオフィモ・ロペスとの対戦が確実視されておりこの二人の勝者がロマチェンコとの4団体統一戦に進むことは間違いないです。WBC暫定王者のデビン・ヘイニーはしばらくは防衛戦をコンテンダー相手にするでしょうしなかなかチャンスはめぐってきそうにないです。ロマチェンコがスーパーフェザー級に上げて返上したタイトルを決定戦で狙う流れになるかな。
ただ、チャンスがあるとすれば空位のWBAレギュラータイトルの決定戦。相手として可能性があるのは元3階級制覇王者のリッキー・バーンズと元IBFフェザー級王者のリー・セルビーの勝者か3階級制覇王者でかつて惜敗したホルヘ・リナレス、2階級制覇王者でロバート・イースター・ジュニアと子のタイトルの王座決定戦で引き分けているランセス・バルテレミーなどですかね。できるだけ早く世界タイトルに絡んでほしいと思います!
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