激戦区のスーパーウェルター級でWBAスーパー王者として君臨し、トップとして活躍しているブライアン・カスターノ。常に前に出てくるエキサイティングな試合ぶりでアメリカでも人気ですな。
カスターノはスーパーウェルター級としては体格も小さいのですが強いプレッシャーをかけてきてどんどんボディとフックを打ち込んでくるスタイルで無敗のまま王座を獲得。指名戦を拒否して剥奪されたもののリングの上で失ったことはないですな。
これまでのキャリアではトップコンテンダーのミシェル・ソロを敵地で撃退。さらに元WBAスーパーチャンピオンで階級の第一人者のエリスランディ・ララ、との試合をアメリカで行って引き分け。大いに評価を上げておりWBOチャンピオンのパトリック・テイシェイラを下してツータイムチャンピオンとなっています。
カスターノの試合ぶりはどんどん前に出てきて多少被弾しても構わずに手を出してくるのでとても怖いです。エキサイティングな打ち合いが多いことから需要も高く、アメリカでも試合は受けておりメインイベントを任されておりますね。
世界的にとても層の厚く、競合がトップの座を狙うスーパーウェルター級のトップとして君臨するカスターノの動向は常に注目を集めており、実力者として階級を引っ張る存在です。
というわけでカスターノの試合をより楽しむためにこれまでの来歴もまとめてみました!!
カスターノの戦歴
カスターノのプロフィール
ブライアン・カスターノは1989年生まれ。アルゼンチンの出身でイシドロ・カサノヴァの出身。現在はブエノスアイレスでトレーニングしておりますな。
カスターノは11歳でボクシングを始めており父親も元プロボクサーだったそうですな。2010年の南アメリカ大会で金メダルを獲得しており後にWBC.IBFウェルター級チャンピオンとなるエロール・スペンスやオリンピック銀メダリストのエスキバ・ファルカオに勝利しております。
アマチュアのレコードは181勝5敗。2009年には世界選手権にも出ておりワールド・ボクシング・シリーズにも出ておりますね。
この終わり方は無念…ウェール・オモトソvs.ブライアン・カスターノ
これまでの実績
カスターノは2012年にプロデビュー。ブエノスアイレスで6回戦でデビューしてノックアウト勝ちを収めています。
4戦目では早くも10回戦をしており、8回戦も消化。2015年にはアメリカに参戦しており12連勝。ノックアウトできなかったのは2度だけの戦績を引っ提げて13戦目で世界タイトルマッチを行います。
カスターノはとびきり面白い…ブライアン・カスターノvs.エマヌエル・ヘスス
王座の獲得とララ戦
カスターノは2016年に初の世界タイトルマッチを地元のアルゼンチンで迎えます。相手はプエルトリコのエマヌエル・デ・ヘスス。アマチュアの頃から活躍している選手でWBAフェデラテン王座を獲得しておりますな。
WBA暫定王座決定戦となったこの試合はカスターノがガンガン出てきて初回からダウンさせる展開に!しかし2ラウンドに不用意に前に出てくると右を浴びてダウン!効いてしまうもののそこから立て直して6ラウンドにダウンさせるとまたもダウンさせてストップ!無敗のままタイトルを獲得します!
そして半年後にカスターノはレギュラーチャンピオンに昇格。初防衛戦を敵地となるフランスで行うことになり、相手はトップコンテンダーのミシェル・ソロになりましたな。
ソロはコートジボワール系フランス人でハードパンチャー。かつてWBOチャンピオンのザウルベク・バイサングロフをダウンさせたものの判定負け。しかしそこから連戦連勝でWBAインターナショナル王座を獲得しておりますな。
そしてこの試合は開始からソロが間合いを取りながらジャブをついてカスターノが左右フックを振り回す展開に!互角の展開となりましたがパンチの見栄えの良さと振り抜くパンチを当てたカスターノが僅差の激戦を制しました!
大激闘を制したカスターノは次戦でまたフランスに参戦。ヨーロッパチャンピオンであるセドリック・ビツとの対戦となります。
そして試合はカスターノがどんどんプレッシャーをかけてきて左右フックとボディでブレークダウン!ビツはよく耐えていたもののしこたまパンチを食らって12ラウンドについに決壊!ストップとなりカスターノが2戦続けてフランスで勝利します。
そして一年後アメリカに参戦。ニューヨークに来て元WBAスーパーチャンピオンで階級最強とされていたエリスランディ・ララとの試合を行うことになります。
ララはキューバのカウンターパンチャーでキャリアの中で元WBO暫定チャンピオンのアルフレド・アングロ、元WBAチャンピオンのオースティン・トラウト、元IBFチャンピオンのイシェー・スミスなどを撃破。負けた試合も2階級制覇チャンピオンのポール・ウィリアムス、元WBA.WBCチャンピオンのカネロ・アルバレス、IBFチャンピオンのジャレット・ハードとの試合のみで全て接戦を落としての試合ですな。
そしてこの試合はカスターノが絶え間ない前進で肉薄。ララは間合いを作ってワンツーを放ち、正確性では上回ったものの、カスターノの積極性と手数により判定は三者三様のドロー!カスターノの防衛成功となりました!
この試合は大きな反響を呼んでそれまでアメリカでは無名だったカスターノの知名度を大きく上げる試合となりました!
やっぱりファイターが苦手なのね…エリスランディ・ララvs.ブライアン・カスターノ
王座はく奪とテイシェイラ戦
ララとの激戦を終えたカスターノは次戦で指名戦を行うようにオーダーされます。相手はゴールドチャンピオンでミシェル・ソロとの試合となりましたな。
しかしフランスで行われるはずだったこの試合はソロのサイドがカスターノチームにファイトマネーを用意せず、直前になってキャンセル。これを受けてカスターノはWBAのオーダーに背いたとのことで王座を剥奪されることになります。
無敗のまま無冠となったカスターノは次戦でアメリカにまた参戦。ナイジェリアのハードパンチャーでWBOインターコンチネンタルチャンピオンのウェール・オモトソとの試合となります。
オモトソはコンテンダーのカーティス・スティーブンスをノックアウトしているパンチャー。後に2階級制覇チャンピオンとなるジェシー・バルガスや、後にWBAウェルター級チャンピオンとなるジャマル・ジェームズに負けているものの苦戦させておりますね。
そして試合は開始からカスターノがガンガン前に出て押し込む展開に!オモトソは回転略で劣って劣勢となると5ラウンドに肩を負傷!ラウンド終了後に棄権となり、カスターノがタイトルを獲得します!
そして迎えて次戦はWBOチャンピオンのパトリック・テイシェイラとの試合。テイシェイラはブラジルのサウスポーで手数の多いパンチャー。前の試合で敵地となるトップランクのプラットフォームで無敗のカルロス・アダムスを下してタイトルを獲得。カーティス・スティーブンスにノックアウト負けした以外は無敗ですな。
そしてこの試合は開始からカスターノがプレッシャーをかけてテイシェイラを圧倒!どんどんボディとフックを当ててブレークダウンしていたもののテイシェイラは打ち返して驚異的なタフさを発揮。ダウンを最後まで拒否して大差判定でカスターノがチャンピオンとなりました!
ツータイムチャンピオンとなったカスターノはWBA.WBC.IBFチャンピオンのジャーメル・チャーロとの試合を希望しており今後に期待ですね!
南米対決は見どころ満載…パトリック・テイシェイラvs.ブライアン・カスターノ
そして次戦ではWBC.WBA.IBFチャンピオンのジャーメル・チャーロと対戦。スーパーウェルター級史上初の4団体王座統一戦となります。
WBC、WBA.IBFスーパーウェルター級王者のジャーメルはスーパーウェルター級王者時代から圧倒的なパワーと抜群のタイミングを誇るカウンターを武器とする技巧派スタイルのボクサーで人気を博してきました。現在スーパーウェルター級ではハードやララなど名だたるビッグネームが君臨する階級でトップボクサーのうちの一人として恐れられる存在です。
キャリアの中では元WBAスーパーウェルター級王者のヨアキム・アルシンや世界タイトルマッチを三度経験することになるバネス・マーティロスヤン、元WBAスーパーウェルター級王者のオースティントラウト、スーパーウェルター級トップコンテンダーのエリクソン・ルビン、コンテンダーで強打者のホルヘ・コタをKOしてきておりその強さと存在感は凄まじいものがあります。
しかしそんなチャーロは昨年末にコンテンダーのトニー・ハリソンと対戦した4度目の防衛戦でハリソンのアウトボクシングの前にまさかの判定負け。チャーロはパワーパンチで対抗したもののハリソンはアウトサイドからジャブをスマートについて接戦ながら判定勝ちを手にしましたね。
初黒星を喫してしまったチャーロは判定が微妙だったこともありダイレクトリマッチが決まりますがハリソンが足首を負傷して手術することになったのでホルヘ・コタと対戦。強烈な右ストレートで失神KO勝ちを収めて復活をアピールしてますな。
そしてハリソンとのリマッチでは2ラウンドにダウンさせてその後はリードされていたものの11ラウンドに2度のダウンを追加して一気にストップ。爆発力の高さを見せており、またチャンピオンに返り咲いており、WBA.IBFチャンピオンのジェイソン・ロサリオをノックアウトして王座を統一しています。
そしてこの試合は開始からチャーロがコツコツジャブをついて下がるとカスターノもプレッシャーをかけてロープに追い込んでのフックを打ち込むせめぎ合いに!素晴らしい熱戦となりましたが判定は三者三様のドローで決着はつきませんでした!
激アツな噛み合い…ジャーメル・チャーロvs.ブライアン・カスターノ
今後期待される試合
カスターノに期待される試合はスーパーウェルター級王座統一をかけた試合です。WBC.IBF.WBA王座はジャーメル・チャーロ、WBOタイトルはカスターノ、WBAレギュラータイトルはエリスランディ・ララが保持しておりますね。
全員PBCと契約している選手たちで試合実現へのハードルはかなり低いです。テイシェイラに勝ったことで統一戦に一気に動き出しそうですね!
チャンピオン以外にも元WBA.IBFチャンピオンのジャレット・ハードや元WBCチャンピオンのトニー・ハリソン、元WBA.IBFチャンピオンのジュリアン・ウィリアムスとの試合も期待できます。誰と当たっても激闘になりそうですね!
フランスで激戦か…ブライアン・カスターノvs.ミシェル・ソロ
カスターノのファイトスタイル
カスターノのスタイルはガードを固めて前にくると打ち合いを挑んでくる典型的なファイタースタイル。パンチが伸びてくることが特徴で馬力に関してはスーパーウェルター級随一ですね。
そのためこの人の試合は常にエキサイティングでノンストップ。ララとの試合は本当に凄まじい撃ち合いとなりいつどちらが倒れてもおかしくない試合となり激闘を演じたことでアメリカでも評価されてますね。
な打ち合いが得意なスタイルなのでどうしても打たれることも多く、手痛いパンチをもらうこともよくあります。なのでチャーロやララのようなカウンターパンチャートは噛み合うことが多く、間合いを詰めたときに怖いですね。
ジャブでボディKOかよ…ジャーメル・チャーロvs.ジェイソン・ロサリオ
まとめとカスターノの今後
いかがでしたでしょうか?激戦区のスーパーウェルター級で王者として君臨、王座は失ったものの無敗はキープしているカスターノはスーパーウェルター級ではトップに位置する選手です。
彼の試合は常に前に出るのでエキサイティング。どんどん前に出てきて相手をブレークダウンするスタイルはアメリカでも受けるので世界的なスターになれる可能性も秘めておりますね。
カスターノはスーパーウェルター級のトップ5の一人には必ず入ります。WBC.WBA.IBFチャンピオンのジャーメル・チャーロとの一騎打ちやエリスランディ・ララ、ミシェル・ソロとのリマッチなどまだまだ多くのデマンドがありますね!
ちなみにカスターノの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、ぜひこれを機にWOWOWと契約してはいかがでしょうか?