日本のボクシングファンの方なら誰もが知っている元WBAスーパーフライ級チャンピオンのリボリオ・ソリスさん。日本で河野公平を激闘の末に破って亀田大毅との試合を僅差で制して彼らが日本を出ていくきっかけを作っております。山中慎介を苦戦させたことでも知られてますね
ソリスはベネズエラ人ですがベネズエラにはボクシングの土壌がないためパナマを主戦場としてトレーニングをしており日本やモナコなど各地を転戦としております。
ソリスはこれまでのキャリアで敵地メキシコでWBAスーパーフライ級タイトルを獲得。敵地を全く気にしないパフォーマンスをしており日本ではWBA正規チャンピオンだった河野公平をダウン応酬の激戦の末に判定勝ち。IBFチャンピオンだった亀田大毅との試合ではウェイトオーバーをやらかしてコーラをがぶ飲みするなどやらかしたものの試合では判定勝ち。またまた来日してWBCバンタム級チャンピオンだった山中慎介と対戦して2度のダウンを奪って追い詰めたものの判定負けしてますな。
さらにはモナコでWBAバンタム級チャンピオンだったジェイミー・マクドネルに挑んで不可解な判定負け。リマッチではノーコンテストとなりましたがギレルモ・リゴンドーとの王座決定戦が決まってますね。
ということで日本でもお馴染みのソリスの試合をより楽しむためにこれまでの経歴をまとめてみました!
Contents
リボリオ・ソリスについて
ソリスの戦歴
リボリオ・ソリスは1982年生まれ。ベネズエラのマラカイの出身でありすでにアラフォーを迎えておりますな。
ソリスはホームのベネズエラにボクシングの土壌がないため同じく中南米のパナマに移住してトレーニングをしております。そのためこれまでも日本やモナコ、メキシコなど世界各地を転戦としておりますな。
アマチュア時代の国際大会での記録は残っておりませんので目立った活躍はしていない、もしくはアマチュアの経験はないと見られます。
身長163センチに対してリーチは177センチもあるアンバランスの体格を持つソリスはテクニックよりもやりにくいうまさと突進力で勝負してくるラテンファイターですね!
これまでの実績
ソリスは2000年に18歳の時にプロデビュー。ベネズエラで3試合目までは4回戦をこなして6戦目で6回戦にて判定負けで初黒星。2009年にはベネズエラタイトルを獲得してこのことがきっかけでパナマに拠点を移します。
その後パナマを拠点に活動したもののニカラグアにてWBAフェデボル王座決定戦に判定負け。後にフライ級チャンピオンのファン・カルロス・レベコに挑むリカルド・ヌネスにも判定負けで2連敗を経験します。
その後は復活して次戦でWBAフェデラテンタイトルを獲得。元WBAスーパーフライ級暫定チャンピオンのラファエル・コンセプシオンを運動量で勝って判定勝ちして世界タイトルマッチを迎えます。
ドネアたんビビってアウトボクシング…ノニト・ドネアvs.ラファエル・コンセプシオン
WBA王座の獲得と防衛
ソリスは2011年に初の世界タイトルマッチを迎えます。そして試合地は敵地メキシコ。ホセ・サルガドとのWBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦となります。
サルガドはメキシカンで地元での試合。ハードパンチャーとして知られており高いノックアウト率を誇ります。キャリアの中ではNABFタイトルを獲得しておりWBCカリブ王座とインターナショナルユース王座を獲得していますね。
サルガドの圧倒的優位が伝えられた試合でしたが試合はソリスがめっちゃ頑張ります。とにかく前に出て左右フックとワンツーをねじ込みまくるソリスは運動量でサルガドを圧倒!!1人のジャッジはサルガドに付けたものの明白な判定でタイトルを獲得します!!
そして迎えた初防衛戦は地元のベネズエラでサンティアゴ・アコスタなる相手と行います。アコスタはアルゼンチンのファイターで元アルゼンチン、南アフリカチャンピオン。しかしここ10試合の内7回負けておりとてもコンテンダーとは言えない実力となってましたな。。。
試合はもちろんソリスが圧倒。ワンツーと得意の飛込で運動量で圧倒したもののアコスタはストップだけは拒否して判定へ。ソリスがフィニッシュできずに大差判定勝ちで初防衛戦をクリア。ここから1年ほどブランクを空けます。
日本での河野戦、亀田戦
アコスタ戦の後一年の時を経て日本のリングにてカムバックしてきます。相手はレギュラーチャンピオンの河野公平となりましたね。
河野はトマス・ロハス、名城信男に判定負けして世界に届かなかったものの、チャンピオンだったテーパリット・ゴーキャットジムにまさかの4ラウンドノックアウト勝ちを収めて奇跡の戴冠を果たしたタフボーイ。しつこい前進とやまない手数、カウンターが持ち味です。
東京で行われたこの試合はかなりの熱戦となります。どちらもディフェンスに少し難があるため被弾の多い試合となり2ラウンドにソリスは河野を効かせたもののカウンターでダウンを取られます!しかしソリスも8ラウンドにダウンさせる展開となり微妙な試合は大きなパンチを振り回し続けたソリスが僅差判定勝ち!レギュラーチャンピオンに輝きます!
そしてこの試合の半年後ソリスはビッグファイトを引き当てます。IBFチャンピオンの亀田大毅との王座統一戦です。
亀田は元WBAフライ級チャンピオンでフィジカルと馬力がめっちゃ強いファイター。驚異的な打たれ強さを誇り不器用さもあるものの強烈なボディを持っている選手です。
キャリアの中ではWBCフライ級チャンピオンだった内藤大助と対戦して反則連発の末に判定負けでまさかの謹慎…その後WBAチャンピオンのデンカオセーン・カオウィチットに挑戦して判定負けしたもののリマッチで判定勝ちしてタイトルを獲得。元チャンピオンの坂田健史を下してますな。
スーパーフライ級に上げてからはWBAチャンピオンのテーパリット・ゴーキャットジムに挑戦して敗れたものの熱戦を繰り広げて評価をあげます。その後空位のIBFタイトルを元チャンピオンのロドリゴ・ゲレーロと争って獲得。これが初防衛となりましたな。
しかしこの試合は問題山積みの曰く付きの試合となります。まずはソリスがウェイトオーバー。計量でオーバーとなり再計量では何と減量を放棄して秤の上でコーラをがぶ飲みして話題に…IBFタイトルを剥奪されます。
しかし試合ではソリスが手数と運動量で亀田を圧倒。ガードの上からでも振り回してポイントを稼いで2-1となったものの明白な差で試合には勝利します。
しかしこの試合はここでは終わりませんでした。この試合の後敗れた亀田は通常なら統一チャンピオンとはならず、IBFタイトルも失うのですがIBFのコミッションが亀田は負けたのにチャンピオンであることを明言。大きな混乱を巻き起こして亀田三兄弟が日本での試合を禁じられることになりますな。もっともこれはソリスには関係のないことですが。
こいつなんでパウンド・フォーパウンドじゃねぇんだよ…井上尚弥vs.エマヌエル・ロドリゲス 試合後のコメント、ドネアのコメントもあり!
山中との激戦
ソリスは亀田戦の後悪びれることなく3ヶ月後に再起戦。バンタム級のウェイトで試合をクリアします。
さらに2015年にはかつて日本でWBAミニマム級チャンピオンの新井田豊を追い詰め、5度も世界タイトルに挑戦したロナルド・バレラ対戦してダウンさせての判定勝ち。その後も4試合クリアして世界タイトルマッチを迎えます。
相手はWBC世界バンタム級チャンピオンの山中慎介。神の左のニックネームを持つサウスポーの強打者で無敗の長期政権チャンピオンですな。
山中はキャリアの中で後にIBFスーパーバンタム級チャンピオンになる岩佐亮佑、本2階級制覇チャンピオンのビック・ダルチニャン、元スーパーフライ級チャンピオンのトマス・ロハス、元WBCフライ級チャンピオンのマルコム・ツニャカオ、元WBCスーパーフライ級チャンピオンのスリヤン・ソールンビサイ、元WBAバンタム級チャンピオンのアンセルモ・モレノ下してきたバンタム級最強チャンピオンですね。
そしてこの試合は山中の防衛戦の中でもかなり山中を追い詰めた試合となります。2ラウンドに入り際に山中の右フックをもらってスリップ気味のダウンを喫したソリスは少し苦しい立ち上がりとなります。
しかし3ラウンドに少し間合いを詰めてきた山中に踏み込んでの右ストレートをクリーンヒットさせると山中をダウンさせてさらにダウンを追加!ノックアウト寸前まで追い込んで試合前に話していた山中はガラスの顎だと話していた通りの打たれ弱さをさらけ出します。
しかしその後は落ち着いた山中が間合いを取り痛烈な左ボディとストレートでリード。9ラウンドには入り際に右フックをもらってスリップ気味のダウン。終盤には鼻をカットしてボディを効かされて大差判定負け。しかし山中を追い詰めたことで大きく評価をあげます!
マクドネルとの試合と疑惑の判定負け
健気なソリスは山中に負けた後3ヶ月後に再起戦。さらに1ヶ月後にも試合をこなしてアクティブさを保ちます。
そして決まった試合はまたも大きなチャンスとなります。WBAレギュラーチャンピオンのジェイミー・マクドネルとの世界タイトルマッチです。
マクドネルは身長176センチ、リーチ182センチを誇るバンタム級のフレームではないような体格を持つアウトボクサー。
当時無敗のフリオ・セハを下しており後に世界チャンピオンとなるスチュワート・ホールを下しておりIBFタイトル、WBAタイトルを獲得しております。タイミングの良いジャブが武器で亀田和毅を2度も下しておりますな。
そしてこの試合はめちゃくちゃ議論を呼ぶ試合となります。開始からガンガン出てくるソリスにマクドネルは四苦八苦。ソリスがアグレッシブさで明らかに上回りましたが判定は不可解なものでマクドネル!大いに議論を呼んで2人はリマッチへと向かいます。
そして1年後に同じモナコで迎えたリマッチはすご〜くモヤモヤするものになります。3ラウンドに偶然のバッティングで激しく流血が起こるとノーコンテストに…マクドネルの防衛となりますが決着はつかないままになりましたね。
リゴンドーとの試合とベテランとして
ソリスはマクドネルとの試合がすっきりしない形で終わった後半年後に8回戦をクリア。3ヶ月に1回のペースで6回戦、8回戦をこなしてアクティブさを保ちます。
そして迎えた2019年には元WBA.WBO世界スーパーバンタム級チャンピオンのギレルモ・リゴンドーとの試合でWBA世界バンタム級王座決定戦が決まります。
リゴンドーはシドニーオリンピック、アテネオリンピック金メダリストのサウスポーでカウンターパンチャー。めちゃくちゃスキルの高いキューバのボクサーでパウンド・フォー・パウンドのリストにも顔を出したことがある選手ですな。
そのつまらないファイトスタイルから批判されることも多く、人気はないものの5階級制覇チャンピオンのノニト・ドネアを下しており、元バンタム級チャンピオンのジョセフ・アグベコや元スーパーフライ級チャンピオンのドリアン・フランシスコ、スーパーバンタム級チャンピオンだったリコ・ラモスを下しています。
しかし試合があまりにも決まらず剛を煮やしてスーパーフェザー級にヤケクソであげると同じくオリンピック2度の金メダリストであるワシル・ロマチェンコに敗退。キャリア初黒星となりましたな。
しかしその後元スーパーバンタム級チャンピオンのフリオ・セハを足を止めての激闘の末にノックアウトしてアラフォーにして新開地を開拓しております。この度バンタム級にウェイトを下げて2階級制覇を狙ってきましたな。
しかしこの試合は2019年末に行われる予定だったもののソリスのビザ取得が間に合わずにキャンセル。2020年2月にフィラデルフィアで仕切り直されます。
そして試合は初回こそリゴンドーが足を止めてソリスが左右フックで動きを止めるなど肉薄したもののリゴンドーは2ラウンドから間合いを取るいつものカウンター作戦。7ラウンドには左アッパーからのストレートでダウンさせられて判定負け。2階級制覇には届きませんでしたな。
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今後期待される試合
ソリスに期待されている試合は王座返り咲きをかけた試合です。
ソリスはリゴンドーや山中、マクドネルに計4回挑戦してすべて挑戦失敗。2階級制覇に失敗してますが、一方的に負けた試合はないです。
マクドネル戦に至っては間違いなくソリスが勝っていたし、山中との試合でもレフェリーによってはストップされてもおかしくない展開となりました。2階級制覇チャンピオンになれるチャンスはまだまだあると思います。
今のバンタム級には井上尚弥を筆頭にノニト・ドネア、WBCチャンピオンのノルディ・ウーバーリ、WBOチャンピオンのジョン。リル・カシメロ、元チャンピオンのエマヌエル・ロドリゲス、ルーシー・ウォーレンなど多くの相手がいます。彼らとの試合で名を上げてまた世界タイトル戦線に帰ってきてほしいですね!!
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ソリスのファイトスタイル
ソリスのファイトスタイルはガードを固めて射程圏内に入るとワンツーとフックを振り回してくるスタイル。典型的なラテンファイターでガードの上でも振り回してくるのが特徴です。
その反面パンチをもらいやすいことはありますがスタミナは優れており、打たれ強さも並以上。踏み込みの速さは山中慎介の反応が間に合わないほど鋭いですな。
しかもこの人は効いたとしても必ず打ち返してくるのでやりにくいです。懐が深い相手ほど詰めてくるのでこの人はアウトボクサーからしたら嫌な相手になりますね。
弱点は打たれやすいこと。パンチがオープンでガードも緩い方なため入り際にカウンターをもらってダウンすることが多いです。それでも振り回してくるので危険なことには変わりなく、相手にペースを渡さない強さもある難敵ですね!
マクドネル井上の逆鱗に触れてしまう… 井上尚弥vs.ジェイミー・マクドネル
まとめ
いかがでしたでしょうか?とにかく前に出てきて手数を出して振り回してくるリボリオ・ソリス。彼は疲れてもなんでも手を出してくるのでとてもやりにくいです。
一撃のパワーはあまりないものの打たれることを恐れず、山中のパンチをまともに受けても耐えるなど打たれ強さもかなりあります。何よりもしつこさと相手の隙をつくうまさがアウェイで勝ち続けてきた実績を物語りますね。
ソリスはバンタム級ではまだ小さいですし、軽量級の中心ともいえるバンタム級はアメリカでも注目されてることを考えるとまだトップのミックスに入ってるとは言えませんね。しかしその意外性はかなりあるのでリゴンドーを下せば一気にビッグファイトを引き当てそうです。
バンタム級ではやはりWBA.IBF統一チャンピオンの井上尚弥が頭一つ抜けています。WBOチャンピオンのジョン・リル・カシメロ、WBCチャンピオンのノルディ・ウーバーリ、元5階級制覇チャンピオンのノニト・ドネアが四天王とされる中でここに食い込めるかどうかですね!
リゴンドーとの試合はタイトルがかけられた試合となり、井上尚弥への挑戦権をかけた試合にもなります。リゴンドーはロマチェンコ以外負けたことのない怪物ですのでここで勝てば世界のトップの仲間入りとなりますね!
ちなみにそんなソリスの試合を見るならWOWOWがオススメです!過去の試合もやってますのでよろしければ以下のリンクをご参照ください!
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言い訳がましいドンカスターのテクニシャン!ジェイミー・マクドネル!