英国が誇るスマートなアウトボクサーでIBF世界フライ級王座を保持しているサニー・エドワーズさん。イングランドでは珍しい軽量級のチャンピオンとして兄で元WBCチャンピオンのチャーリーと共に国際的な注目を集めております。

IBFのフライ級王座を保持しているエドワーズはサウスポーのアウトボクサー。パワーはないもののとにかく動き回るボクシングを得意としており、カウンターのスキルとフットワークの良さが特徴の選手ですね。
エドワーズがすごいのはとにかく足が止まらないこと。12ラウンドの試合の中で疲れをあまり見せることなく動き回るスタミナとボクシングIQの高さは感嘆に値します。相手を止めるだけのパワーもそれなりにありますね。
これまでのキャリアでツータイムチャンピオンでベテランのモルティ・ムザラネをアウトボクシングしてタイトルを獲得。タイトルを取る前も多くのコンテンダーを下しており、今後も期待されておりますね。
ということで、イギリス人の軽量級きっての実力者として今後にも大きな期待がかかるエドワーズの試合をより楽しむためにエドワーズのこれまでの来歴をまとめてみました!!
ウクライナに生息する自適チャンピオン!アーテム・ダラキアン!
エドワーズの戦歴

エドワーズのプロフィール
サニー・エドワーズは1996年生まれ。イングランドのロンドンのサットンの生まれで現在もロンドンでトレーニングしてますな。
身長160センチの彼は体格的に恵まれているわけではありません。しかし常に動き回るボクシングでスピードのある動きを見せますね。
アマチュアの頃からエドワーズは活躍しており、2015年のナショナル大会で金メダルを獲得。2016年も銀メダルを獲得しておりますな。
これまでの実績

エドワーズは2016年にスペインでプロデビュー・4回戦で判定勝ちしており、そこからイングランドで4度4回戦を消化して全勝1KO。
そして早熟のエドワーズはすぐにコンテンダーになるため6回戦や8回戦のステップを飛び越えていきます。
逃げ切りやないか…サニー・エドワーズvs.ライアン・ファラッグ
コンテンダー時代

そしてエドワーズは2017年に10回戦に昇格。WBOヨーロピアンのスーパーフライ級王座をかけてロス・マレーと試合をして無敗のロス・マレーを4ラウンドにダウンさせてストップしておりますな。
その後2試合6回戦を消化して初防衛戦はライアン・ファラッグとなります。ファラッグはリバプールのコンテンダー。ナショナル大会では銀メダルを獲得しているエリートでカリム・グエルフィーの持つヨーロッパ王座に挑んで敗退。ライアン・バーネットなどの一流どころには負けてますな。
そしてこの試合は開始からエドワーズが足を使って徹底的に間合いを取る作戦!ファラッグは前に出てきたもののスピードに圧倒されてほとんどポイントを取ることができず、エドワーズが楽勝の判定勝ちを収めました!
そして次戦ではジュニア・グラナドスとWBOインターナショナル王座をかけて対戦。グラナドスはメキシカンファイターでユカタン州のハードパンチャー。タイトルの経験などはないものの元IBFミニマム級チャンピオンのマリオ・ロドリゲスやアマエリートのジェイミー・コンランと対戦してますな。
そしてこの試合はエドワーズが開始から動き回って軽いパンチを打ち込む展開に!グラナドスは2ラウンドに右を当ててダウンさせたもののその後はエドワーズが持ち直してアウトボクシングし、判定勝ちとなりました!
次戦はペドロ・マトスと対戦。マトスはポルトガルのコンテンダーで元キックボクサーの経歴を持つ異色ボクサー。アマチュアの頃から国際大会で活躍しておりますがここまでのキャリアの最長ラウンドは7ラウンドと不安もありますね。
そしてこの試合は開始からエドワーズがコツコツ細かいパンチを出してきてマトスがカウンターを狙う展開に!エドワーズはマトスの目の上をカットさせて流血させ、ダメージを溜めると8ラウンドに連打を集めてストップとなりました!
そして次戦はヒラム・ガラルドとのIBFインターナショナル王座決定戦に出場。ガラルドはメキシコのコンテンダー。背丈は163センチしかないもののリーチは170センチもあるボクサーでライトフライ級を主戦場としておりますな。WBCのユースシルバー王座を保持しております。
そしてこの試合はエドワーズが優れたスピードとポジショニングでリード!2ラウンドにはスリップ気味のダウンを奪ってアウトボクシングするとガラルドはほとんどついていけず、エドワーズが大差で判定勝ちしました!
そして2ヶ月後エドワーズはフライ級にウェイトを下げてロセンド・グアネロスとのIBFインターナショナル、WBOインターコンチネンタル王座決定戦に出ます。
グアルネロスはメキシコのコンテンダー。デビュー戦でノックアウト負けしているもののそこからノックアウトされたことはなく、プロスペクトにも番狂わせの判定勝ち。はじめての10回戦となりますな。
そしてこの試合は開始からエドワーズがフットワークを軽く使ってコツコツとジャブを合わせる展開に!グアルネロスは中盤以降プレッシャーを強めてきたもののスピードの差を埋められず、エドワーズが大差で勝利しました!
そして次戦はスーパーフライ級にて英国王座決定戦に出場。アウトボクサーでアマチュアで英国大会で銅メダリストとなっているマーセル・ブレイスホワイトと対戦します。ブレイスホワイトはイングランドチャンピオンですな。
そして試合はアウトボクサー同士の試合となりましたがエドワーズが前に来るブレイスホワイトをアウトボクシング!7ラウンドにはダウンして9ラウンドにはカットしたものの大崩れせず、判定勝ちを収めます!
そして次戦はスーパーフライ級のIBFインターナショナル王座を防衛。トーマス・エソンバとの試合となります。エソンバはカメルーンのサウスポーでイングランドを主戦場としているコンテンダー。2014年のイギリスナショナル大会で銀メダルを獲得しており、WBCのバンタム級コンチネンタルチャンピオンですな。
そしてこの試合は開始からエドワーズがフットワークとジャブを駆使して淡々とラウンドを消化!エソンバはプレッシャーをかけて応戦していたもののエドワーズを捉えきれず、エドワーズが12ラウンド判定勝ちを収めました!
世界タイトル獲得

そしてエドワーズは2021年に世界タイトルマッチを遂に迎えます。イングランドでIBFチャンピオンのモルティ・ムザラネとの試合をやることになりましたな。
ムザラネは軽量級では超強豪の一人。世界王者となってからは無敗で世界タイトルマッチで負けたのはノニト・ドネア、サニー・エドワーズに負けた試合のみでこの試合ではドネア を大いに苦戦させております。
そしてムザラネの素晴らしいところは戦う相手と場所を選ばない姿勢。アフリカでビッグマッチが少ないことを背景として世界で戦うために彼はトップコンテンダーを相手に世界各地を転戦として、防衛戦でもチャンピオンとしてイタリアやメキシコ、日本、マレーシアなど敵地で勝ち抜いております。
さらに1度目のIBF王者だった時代のムザラネはプロモート上の問題を抱えており、ほとんど試合ができない状態。1年に一度の防衛戦を敵地で行い、それでも全ての試合をノックアウトで勝ち抜いてきている真のチャンピオンですね!
これまでのキャリアで後に2階級制覇チャンピオンとなるゾラニ・テテをキャリア唯一のKO負けを与えており、ファン・カルロス・レベコに挑戦した黒田雅之に勝利。マカオでも坂本にTKO勝ちして引退させるなどかなりの強さを発揮しており、年末には3階級制覇チャンピオンの八重樫東との防衛戦も真っ向からの打ち合いでKO勝ちしています。
そして試合は開始からフットワークを駆使するエドワーズがムザラネをアウトボクシング!効果的にジャブとボディを打ち込み、中盤には打ち合いも見せて終始リードを保ったまま判定となり、大差判定勝ち。世界タイトルを獲得しました!
全盛期なら行けたかなぁ…モルティ・ムザラネvs.サニー・エドワーズ
今後期待される試合

サニーに今後期待される試合はキャリアを決定つけるような統一戦やビッグネームとの試合です!
サニーはビッグファイトを実現できるポジションにいます。フライ級で長く試合をやるのかはわかりませんができれば他の団体のチャンピオンとの統一戦をやりたいですね。
フライ級になるとアジア人が中心にはなりますがWBAチャンピオンのアーテム・ダラキアンなどのヨーロピアンもいます。他の英国人の試合のバーターでアメリカで試合をしてWBCチャンピオンのフリオ・セサール・マルティネスを狙うのも良いですね。
イングランドから無理にでは必要はないですが、フライ級で何かを成し遂げてもらいたい気持ちもありますね。スーパーフライ級にあげてしまうとすぐにタイトルマッチは難しいと思うので。
ペチペチやないか…サニー・エドワーズvs.ジュニア・グラナドス
エドワーズのファイトスタイル

サニーのファイトスタイルは典型的なアウトボクシング。相手と間合いをとってジャブとボディを伸ばして下がって行くヒットアンドアウェイのボクサーですね。
とにかくフットワークが厄介で、この人のフットワークの良さは群を抜いてますね。下がる時も真っ直ぐではなく、ジグザグに下がるので捕まえにくいです。
それにパワーが全くないわけではなく、出てきたところに合わせるカウンターもうまいです。アグレッシブなスタイルではないですがやりにくさとスピードではフライ級でも上位ですね。
12ラウンド動き回れるスタミナもとても優れており、彼を捕まえるのは難しいです。とにかく押し込むか、ロープに詰めるかしないと捕まえられないですね。
鬼のフットワークやね…サニー・エドワーズvs.ロセンド・グアルネロス
まとめとエドワーズの今後

いかがでしたでしょうか?IBFのフライ級タイトルを獲得してイングランドの軽量級の第一人者として期待されるエドワーズ。スピードでかき回せるボクサーとして評価も高いですね。
フライ級のチャンピオン達はみんな強いです。WBAチャンピオンのアーテム・ダラキアンも元オリンピアンのウクライナ人で無敗。ウクライナで悠々自適に試合をこなしています。WBCタイトルは現在空位で年末には決まりそうですね。WBOタイトルは日本の中谷潤人が保持しており、エドワーズもこの中の一角ですね。
エドワーズの場合はイングランドを中心に試合をするかと思いますが、大きな試合のアンダーカードなどでアメリカなどでも試合をして名前を売って欲しいところですね。
パワーがない分補う点が多いですが、スピードとフットワークで、世界タイトルを獲得しているエドワーズは素晴らしいです。兄のチャーリーと共にイギリスのボクシングを引っ張って行きたいですね!
ちなみにエドワーズの試合を含めた海外ボクシングを見るにはWOWOWがおすすめです。興味がおありの方は詳細を下記のリンクからご確認ください!!
アジアに降り立つ攻防分離のロードウォーリアー!モルティ・ムザラネ!