こんにちは管理人です。
今日は1994年に行われたWBC世界バンタム級団体内王座統一戦
正規王者薬師寺保栄vs.暫定王者辰吉丈一郎の一戦です！！
この試合は薬師寺の3度目の防衛戦。技巧派のアウトボクサーの薬師寺は元暴走族のヘッドだったそうで6回戦時代に2度の敗北を喫しています。そこから世界圧座を獲得したものの判定は議論を呼んでリマッチで相手をTKO。暫定王者の辰吉との一騎打ちを地元で迎えました。
辰吉は大阪出身のカリスマボクサー。またいじめられっ子という経歴を持つ彼の人生は多くのファンが付いており人気者。薬師寺とは一線を画す人気ぶりを誇る辰吉は2度世界王座を獲得しており薬師寺との決戦に敵地まで乗り込んできた。
そしてこの試合は試合前から激しい舌戦が繰り広げられ両者は試合でもヒートアップ。お互いにどちらも引かない試合となりながらも薬師寺が確かなスキルとワンツーの正確性で勝り2-0の判定勝ち。伝説の一戦を見事に制して試合後は抱き合う感動的な試合となった！！
それではこの試合を振り返ります！！
試合経過
1ラウンド
前に出る薬師寺はジャブをついてしっかりと顎を引く。
辰吉はガードを下げてジャブを放ち軽く足を使って間合いを取る。
辰吉は立ち上がりからかなり調子が良く、薬師寺も相打ちのタイミングでジャブを当てる。
薬師寺は辰吉の打ち終わりにジャブをコツコツ当てて辰吉は少しイラっとしている。
2ラウンド
辰吉はスピードの乗った左アッパーをいきなり放ち薬師寺は落ち着いてジャブをつく。
薬師寺は辰吉のワンツーにジャブを触るように当てて辰吉は御構い無しにワンツーをガードの上から当てる。
辰吉は右クロスを中盤決めて薬師寺はジャブを繰り返して時折右の打ち下ろしを狙う。
辰吉はジャブをもらいながら右を返して一撃の重みでは上回る。
辰吉は左ボディを飛び込んで当てて薬師寺は右の打ち下ろしをお返し。
3ラウンド
薬師寺は手数を増やしてストレート系のコンビネーションを放ちガードを固める。
辰吉はガードの上からワンツーを当てて右がガードをすり抜ける！
しかし薬師寺は立て直してジャブをついて接近されると右アッパーで返す。
辰吉はボディで肉薄して薬師寺はしつこくジャブ。ジャブで何度も顔を弾く。
4ラウンド
薬師寺はジャブを何度も当てて辰吉も左フックを当てて引かない。
辰吉はラウンド1分過ぎ右クロスを決めてロープに詰めてコンビネーションを放つ。
薬師寺は右目上をカットして辰吉は圧力を強めてボディを軸にしたコンビネーションを放ち薬師寺を投げ飛ばす。
薬師寺はアッパーとジャブを返してマジでどちらも一歩も譲らない。
辰吉は終盤ロープに詰めてコンビネーション！しかし薬師寺まともにはもらわない。
5ラウンド
薬師寺はワンツーを当ててジャブで間合いを保つ。
辰吉は右ショートを1分過ぎで当てて薬師寺は間合いを取り右ストレート。辰吉は左目が腫れてきている。
薬師寺は中盤インサイドで左アッパーを当てて辰吉はロープに詰めて左ボディからのコンビネーション！
薬師寺はリング中央に戻るとサイドに回りながら右ストレート、ジャブを突き刺す。
辰吉も終了間際に右ショートをねじ込んで薬師寺も打ち返す。
6ラウンド
薬師寺はジャブちょんちょんついて辰吉はジャブに右をかぶせる。
辰吉はロープに詰めて左ボディ！薬師寺は体がくの字に曲がる。
辰吉はロープに詰めて右クロスを決めて薬師寺はジャブからアッパーを返す。
辰吉はかなり左目が腫れてきて薬師寺のジャブをどうしても被弾する。
終盤薬師寺は右クロスを二発決めて辰吉も左ボディを返してくる。
7ラウンド
薬師寺はジャブをどんどんついてワンツーから左ボディも当てていく。
さらに右フックをガードの外から当てて辰吉はかなり流血している。
辰吉は少し距離感がつかめなくなってきたか被弾が増えてくる。
辰吉は終盤それでも右クロスをなぜか当てて打たれても打たれても前に出る。
8ラウンド
薬師寺はジャブをどんどんついて辰吉は前に出て右リードを出していく。
薬師寺は容赦なく細かいパンチを当てて辰吉の見えていないであろう右を当てていく。
薬師寺は間合いを作ってジャブ。これに辰吉は反応できない。
それでも中盤ロープに詰めるとコンビネーションを放ち鼻血を出しながら前に出る。
9ラウンド
薬師寺は右に回って辰吉の死角からジャブとワンツーを当てていく。
辰吉は右ストレートを狙って左フックで飛び込んでくる。
中盤薬師寺のワンツー、スリーが決まって見えていない辰吉は危険水域に入ってくる。
薬師寺も左目から流血しており、辰吉のガードの外から小さな左フックを当てる。
10ラウンド
大きく腫れ上がった左目の辰吉だが前に出ることをやめない。
辰吉は序盤接近戦で離れ際に右ストレートを当てて逆転を狙ってくる。
薬師寺は回りながらボディにも細かく手を出して間合いをキープしていく。
終盤薬師寺はジャブを何発も当てて辰吉は避けられない。
11ラウンド
薬師寺は右ストレートからアッパーを決めて辰吉はめっちゃ首を振る。
辰吉はロープに詰めてコンビネーション。さらに右を当ててくる。
辰吉はワンツーを振り回して前に出て薬師寺をまた投げ飛ばしてしまう。
薬師寺はジャブをついて下がるが少し面食らっているようだ。
12ラウンド
薬師寺はワンツー、スリーまで当てて辰吉も一歩も引かずに出てくる。
辰吉は中盤ロープに詰めて脱出しようとした薬師寺に右クロスをお見舞い！
気迫のこもった辰吉は右を大きく振ってなぜ自分が人気者なのかを示すファイトをする。
しかし薬師寺は引かずに打ち合いを演じて意地と意地のぶつかり合いとなり激しい打ち合いの中ゴングが鳴る。
判定は116-112.115-114.114-114の2-0で薬師寺！！
ちなみに僕は116-112で薬師寺でした！！
所感
もう最高かよ…
2人ともとにかくブラボーでした。辰吉の勝ちたい気持ち、執念はすごかったし、薬師寺のワンツー、腫れた辰吉の目を容赦ついていくプロらしい戦い方も素晴らしかった。
試合前の舌戦を試合後にお互い謝りあった2人はたぶん戦う前から憎み合ってなどいなかったのではないかな。ただどちらが強いか決めたかった。それだけの話なのかなと思います。
薬師寺はこの後ウェイン・マッカラーとの5度目の防衛戦に敗れて王座陥落して現役を引退。辰吉は奇跡の返り咲きを果たしてタイで試合を行なったもののTKO負け。リングにはもう上がっていませんね。
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