今日はアルメニア人初の世界王者にして2階級制覇王者で軽量級のスター!
ビック・ダルチニャンを紹介します!

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日本一の嫌われ者ボクサーだけど実力はピカイチのパンテラ…ルイス・ネリ!!
ダルチニャンはフライ級、スーパーフライ級を制し、アメリカでも戦った強打の変則ファイター。その驚異的な突進力と相手を一撃でストップさせてしまう威力を秘める大振りの左で幾多の対戦相手を葬ってきました。
元オリンピアンでもあるダルチニャンのスタイルはとにかく突進。
姿勢を低く保っていきなりの左で飛び込み相手をKOしてしまうスタイルで、試合を1発でひっくり返す力のある選手です。
反面ガードは比較的甘く強烈なKO負けを食らうことも多々ある勝ち方も負けっぷりも派手な選手ですね!
彼はキャリアの中でノニト・ドネア、トマス・ロハス、クリスチャン・ミハレス、イレネ・パチェコ、ホセ・ビクトル・ブルゴス、ホルヘ・アルセ、ジョセフ・アグベコ、ロドリゴ・ゲレーロ、アブネル・マレス、ヨニー・ペレス、アンセルモ・モレノ、山中慎介、ニコラス・ウォータース、ヘスス・クエジャールなど多くの強豪と拳を交えています。
3階級制覇は幾度の挑戦の末なりませんでしたが多くのチャンスを与えられていることからも彼の人気の高さが伺えますね!
それでは彼のキャリアを振り返りたいと思います!!
来歴
ダルチニャンは1976年アルメニアにて生まれアルメニアのレスリングオリンピック代表コーチとだった父の影響でレスリングを始めたそうです。いやもうサラブレッド。
ダルチニャンは8歳からボクシングを始めて12歳から16歳まで48キロ級のアルメニアチャンピオンとして君臨し2度世界選手権に出場、2000年にはシドニーオリンピックにも出てるんですね!!
そしてオリンピック後2000年にオーストラリアでプロデビューした彼は1年後にはオーストラリアフライ級王座獲得。IBFの地域王座も獲得し、元3階級制覇王者のジェフ・フェネックがトレーナーとしてつきます。
2003年にはIBFフライ級の指名挑戦者決定戦に勝利して2004年にアメリカで6度の防衛を果たしていたイレネ・パチェコに挑戦します。
ダルチニャンはパチェコを持ち前の変則的な動きからの大振りの左を何度も当て11ラウンドにパチェコを連打でストップ!!
無敗のまま世界王者に輝きました!
その後ダルチニャンは初防衛戦でIBO王座も獲得。6度目の防衛戦では元ミニマム級王者のホセ・ビクトル・ブルゴスを12ラウンドでTKO。
この頃には国籍を取得したオーストラリア、アメリカを行き来して防衛戦をこなしていましたね。
そして迎えた7度目の防衛戦の相手は後に5階級を制するノニト・ドネア
ダルチニャンは5度目の防衛戦でノニトの兄グレン・ドネアに一方的な6ラウンド負傷判定勝ちを収めており試合前にはドネアをこき下ろすトラッシュトークを展開。試合前の予想は圧倒的にダルチニャン有利でした。
そしてこの試合はドネアのアウトボクシングの前に大苦戦。ポイントでもやや劣勢で迎えた 5ラウンド。ダルチニャンの左に合わせたドネアの強烈な左フックがカウンターでクリーンヒット!
痛烈なダウンを喫したダルチニャンはロープを掴みながらなんとか立ち上がったもののふらつきロープ際に倒れこんだダルチニャンを見てセコンドがストップを要請!キャリア初の黒星を喫しました。
この試合はノックアウトオブザイヤー、アップセットオブザイヤーに選ばれましたね!
ドネアさんダルチニャンを痛烈にノックアウト!!ノニト・ドネアvs.ビック・ダルチニャン1
スーパーフライ級時代
ドネアに敗れたダルチニャンは階級を上げて再起。3ヶ月後の再起戦で12ラウンドTKO勝ちを収めてIBO王座を獲得するなどこの階級でも強打は健在。
そしてドネア戦から約一年後IBF世界スーパーフライ級王者ディミトリー・キリロフにアメリカで挑みます。
キリロフはかつて日本で徳山昌守に挑戦した経験もある技巧派で非力ながらも名匠フレディ・ローチの元で指導を受けて王座を獲得した苦労人でしたね!
ダルチニャンはこの試合終始荒々しい攻めを繰り返し強引に自分のペースに引きづり込み 5ラウンドTKO勝ち。2階級制覇に成功しました。
そして迎えた初防衛戦はダルチニャンにとって最大のビッグマッチとなります。
WBC.WBA統一王者のクリスチャン・ミハレスとの統一戦ですね。
ミハレスは強打者のアレクサンドル・ムニョスとの統一戦に辛勝し王座を統一した技巧派。
ダルチニャンはこの試合でミハレスの切れ味鋭いパンチを物ともせずグイグイ踏み込んで左を放り込み続けて迎えた9ラウンド終了間際強烈なコンビネーションでミハレスを失神させ王座統一に成功しました!!
そして統一王者として迎えた初防衛戦もビッグマッチ。WBA暫定王者のホルヘ・アルセとの統一戦ですね。
アルセは後にメキシコ人初の5階級を制覇する人気王者で前に出るファイターですね!
ダルチニャンはこの試合ガードの甘いアルセにしこたま強打を当て続けてアルセの目をカット!この傷が悪化したため11ラウンド負傷TKO勝ちを収めました!
この後ダルチニャンは3階級制覇を目指し王座在位のままアメリカでもIBF世界バンタム級王者ジョセフ・アグベコに挑戦します。
しかしアグベコはダルチニャンにとって相性のいい相手ではありませんでした。
アグベコは力強いジャブとワンツーを駆使するスタイルでダルチニャンに何度も右を繰り出し思うように左を振らせずダルチニャンを遠ざけ僅差ながらも3-0の判定でダルチニャンを下しました。
この敗戦の前はダルチニャンは勝ってWBCバンタム級王者だった長谷川穂積と対戦するつもりでしたがなくなっちゃいましたね。
その後ダルチニャンはスーパーフライ級に戻ります。
王座在位のまま階級を上げたことでWBCには暫定王者トマス・ロハスが生まれ統一戦となりました。ちなみにIBF王座は返上しましたね。
この試合アウトボクサーのロハスに対して2ラウンド強烈なコンビネーションをロープ際で決めてロハスを失神させるKO勝ちを収めて健在をアピールします。
そして次戦では後に世界王者となるメキシコのタフファイター、ロドリコ・ゲレーロにKOこそならなかったものの終始圧倒し大差判定勝ちを収めて王座を返上しました。
この後ダルチニャンは3階級制覇を目指し階級を上げます。
こいつなんでパウンド・フォーパウンドじゃねぇんだよ…井上尚弥vs.エマヌエル・ロドリゲス 試合後のコメント、ドネアのコメントもあり!
3階級制覇への挑戦と度重なる挫折、引退
ダルチニャンはその後IBOバンタム級を手にして2010年バンタム級で行われたスーパー4に参戦。
このトーナメントは元王者のジョセフ・アグベコ、アグベコから王座を奪ったヨニー・ペレス、後に3階級を制するアブネル・マレスが参戦します。
迎えた一回戦ダルチニャンはマレスと対戦します。そしてこの試合はマレスをキャリアの中でもかなりの苦戦を味わわせた末の僅差判定負けとなりました。
この試合はお互いにダウンをする激闘となりダルチニャンも強打をしこたま当てるもののマレスもコンビネーションで反撃し2-1の判定はマレスに!ダルチニャンはまたも敗北を喫しました。
そして迎えたスーパー4の3位決定戦。アグベコに敗れたペレスと対戦し一度ダウンを奪った末の 一方的な5ラウンド負傷判定勝ち。
スーパー4を3位で終えました。
そしてその後ダルチニャンはアメリカでWBA王者アンセルモ・モレノと対戦します。
実績で上回るダルチニャンでしたがモレノの捉えどころのなさの前に1人がフルマークをつける内容で完敗の3-0判定負け。
ダルチニャンも試合後完敗を認めてましたね。
そしてその後ダルチニャンは次戦で日本にて3階級制覇に挑戦します。
相手はWBC王者の山中慎介。これが初防衛戦ですね。
強打者同士の一戦でしたが山中はダルチニャンの強打を警戒してのアウトボクシング。
ダルチニャンの大振りの左はもらわずにダルチニャンに大きなカットを与えた末の判定勝ち。
試合後ダルチニャンは山中は逃げてばかりだったと不満を漏らしてましたが内容的には完敗でしたね。
その後、再起戦を2戦戦ったダルチニャンはフェザー級で大きなチャンスを得ます。
かつて強烈なKO負けを喫したドネアへのリベンジ戦ですね。
この試合はダルチニャンが優勢に試合を進めドネアをあわやという場面まで追い詰めドネアの頬骨を折るものの9ラウンドにダウンを奪われその後の連打で逆転TKO負け。
しかしこの試合でフェザー級で十分やれることを証明しましたね!
そして迎えた次戦でダルチニャンはマカオにてフェザー級のブギーマンと言われていた強打者のWBA王者ニコラス・ウォータースに挑戦します。
しかしパワーの差は明らかで2ラウンドにダウンを奪われるとその後はいい場面がなく 5ラウンドに強烈な左フックを浴びて失神KO負けを喫しましてしまいました。
その後、再起戦を飾った後WBAフェザー級王者のヘスス・クエジャールに挑戦するものの圧倒され8ラウンドにダウンを喫した末のTKO負け。
そしてその後は2試合続けて勝利を収めるものの3試合目で無名の相手にTKO負けを喫し、そこから1試合行い1ラウンドKO勝ちしてからはリングに上がっていません。
43歳という年齢を考えてもこの後の世界再挑戦は厳しそうですね…
山中さんダルチニャンの3階級制覇を阻止阻止…山中慎介vs.ビック・ダルチニャン
総括
勝っても負けても豪快なファイトで本場アメリカのファンにも愛されるダルチニャン。
3階級制覇はならなかったものの5度ものチャンスを与えられたことが彼の人気を表していますよね!
個人的に最も印象に残っているのはミハレス戦。この試合の後ミハレスは自信を無くしたようにパフォーマンスが低下してしまい近年まで戦っていたものの結果はあまりついてこなかったですね。
常に1発を狙って豪快なパンチを振り回しKOの期待を持たせるダルチニャン。
階級を上げてもその凄みは変わらず何かが起きそうな予感を常にファンに感じさせて来た。
彼の後にアブラハムなどのアルメニア人の選手が台頭して来たことを考えるとダルチニャンの功績は計り知れませんよね!
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