こんにちは管理人です。
今日はアテネオリンピック金メダリストにしてスーパーミドル級、ライトヘビー級の2階級を制覇し、パウンドフォーパウンドにも選ばれ無敗のまま引退した"神の子"アンドレ・ウォードを紹介します!

- アーティスト: タワー・オブ・パワー
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2015/05/13
- メディア: CD
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ウォードと言えば持ち前の技術でスーパー6を下馬評を覆して優勝しスーパーミドル級最強を証明、ライトヘビー級でも最強王者と目されたセルゲイ・コバレフを2度にわたって下し全勝のまま昨年引退を宣言した天才ですね。
彼のスタイルはオーソドックスなんですけど実は左利きでジャブの使い方や左フックを駆使してロープ際などの接近戦の小回りで相手を圧倒するスタイル。
迫力には欠けるんですけど彼のペースに巻き込まれると自分のボクシングができずズルズルとポイントを奪われてしまうんですよね!
彼はキャリアの中でミッケル・ケスラー、カール・フロッチ、ポール・スミス、エディソン・ミランダ、アルツール・アブラハム、チャド・ドーソン、アラン・グリーン、サキオ・ビカ、セルゲイ・コバレフといった強豪をことごとく下した実績があります。
しかしながらプロモーターとの訴訟問題でキャリアが停滞してしまったり、あまりにも変わりばえのないラウンドを消化するスタイルが故に人気はそこまで高くはなかったですね…
それではパウンドフォーパウンドにまで上り詰めた彼のキャリアを振り返りたいと思います!
実力者のビカさんウォードに肉薄…アンドレ・ウォードvs.サキオ・ビカ
来歴
ウォードは1984年アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで生まれました。
彼は9歳でアマチュアの選手だった父に連れられてボクシングを始めたそうです。
そこで彼はキャリアを通してのトレーナーで今では超一流トレーナーとなったバージル・ハンターと出会います。
ウォードとハンターのエピソードとしてウォードが始めてスパーリングか試合をして負けたそうなんですがウォードとハンターは猛練習してその相手と再戦して完膚なきまでに勝利。
その相手はそれを最後にボクシングをやめたそうです…
ウォードは2001年と2003年の全米選手権に優勝。
そして2004年のアテネオリンピックでライトヘビー級で金メダルを取りアマチュアの実績を引っさげて2004年にプロデビューを果たします。
プロデビュー後ウォードは順調に勝ち星を積み重ね4年後にはNABO王座を獲得、翌年にはNABF王座も獲得し防衛戦にエディソン・ミランダと対戦し大差の判定で退けています。
しかしながら派手さに欠けるスタイルが故か実力に反して思うように評価はされず知名度や期待値は上がらないまま地味な技巧派の実力者といった立ち位置に甘んじていました。
当時のスーパーミドル級はケスラーやフロッチなどが台頭していましたしね。
しかしそんなウォードに大きなチャンスが舞い込みます。
ウォードさんあっさりグリーン完封…アンドレ・ウォードvs.アラン・グリーン
スーパー6に参戦 階級最強へ
ウォードは2009年からスーパーミドル級で行われたスーパー6に参戦します。
スーパー6とは総当たり戦のトーナメントで優勝者がWBC.WBA王座を手にする大きなトーナメントですね!
しかしこのトーナメントの参加者はWBA王者のケスラー、WBC王者のフロッチ、アテネオリンピック銅メダリストでコンテンダーとして高い評価を受けていたディレル、元ミドル級王者で
10度防衛後階級を上げてきたアブラハム、元ミドル級4団体王者のテイラーと錚々たる顔ぶれ。
この中でウォードは名のある強豪との対戦がミランダとしかなく、試合も派手さに欠けることからダークホース的な扱いでした。
そして迎えた一回戦対戦相手はこの試合が満を持してのアメリカデビューとなった優勝候補筆頭のミッケル・ケスラー。
カルザゲとの激闘でヨーロッパを中心に人気のあるケスラーをウォードは地元オークランドで迎え撃ちましたが下馬評は圧倒的に不利。
しかしウォードはこの試合で世界を驚かせます。
ケスラーに対して頭から突っ込むように距離を詰めて接近戦に持ち込んで巧みなクリンチワークを織り交ぜて細かいパンチを当てるオリンピアンらしからぬ戦いで強豪ケスラーをほとんど完封。
11回にケスラーの目のカットがひどくなったため試合が止められ11ラウンド負傷判定勝ちを飾り見事に初戦突破とともにWBA王者に輝きました!!
強いけどつまらないウォードさん…アンドレ・ウォードvs.アルツール・アブラハム
そして迎えた2回戦、負傷したテイラーの代わりに参戦したコンテンダーのアラン・グリーンとまたもや地元オークランドで対戦し全く何もさせないままシャットアウトの3-0判定勝ち。
ウォードの接近戦に全く対応できないグリーンでしたね…
そしてスーパー6の番外編として後に世界王者となるサキオ・ビカと地元オークランドで対戦し曲者ビカに何もさせず3-0の判定で圧勝。
2度目の防衛に成功しました。
そしてスーパー6の準決勝。
カリフォルニアのホームデポセンターにてアルツール・アブラハムと対戦し、攻防分離のアブラハムを接近戦で圧倒して3-0の判定勝ち。快進撃で決勝へと駒を進めました。
そして迎えた決勝戦。
ニュージャージー州のボードウォーク・ホールにてWBC王者のフロッチと対戦しスピード差を生かしての3-0の判定勝ち。
この試合でウォードは左拳を骨折しましたがそれでもフロッチに完勝してみせましたね!
こうしてウォードはスーパー6優勝。
2団体の王者に輝き、階級最強の評価も手にしました!!
ウォードさん骨折しながら楽勝…アンドレ・ウォードvs.カール・フロッチ
キャリアの停滞と防衛戦
左拳の骨折により9ヶ月のブランクを経ての復帰戦は1つ上の階級のWBCライトヘビー級王者
チャド・ドーソンとの防衛戦でした。
この試合はかなり大きな注目を集めましたが内容は前半からウォードが2度のダウンを奪うなど減量の影響からか動きの鈍いドーソンを圧倒し 10ラウンドにダウンを奪うとドーソンは続行を拒否。相手の心を折るTKO勝ちで快勝を収めました!!
そしてその後元ミドル級王者のケリー・パブリックとのビッグマッチが決まるもののウォードが肩を故障してしまいます。
これにより試合はキャンセル、ブランクによりWBCには名誉王者に認定されます。
ウォードはこれに不満を覚え名誉王座を返上。
さらにはプロモーターとの軋轢によりプロモーターを訴えドーソン戦から1年以上のブランクを設けてしまいます。
神の子ウォードさん半病人のドーソンをけちょんけちょんに…アンドレ・ウォードvs.チャド・ドーソン
そのような状態の中ドーソン戦から1年3ヶ月後
に迎えた防衛戦の相手はエドウィン・ロドリゲス。
ロドリゲスはこの試合にウェイトオーバーをしてきましたがウォードは特にロドリゲスを問題とせずいつも通り判定で勝利
しかしこの時もプロモーターとの訴訟は続いておりウォードは上訴するもプロモーターはウォードを逆に名誉毀損で訴えるドロッドロの展開になり1年半キャリアは停滞…
その後ジェイ・Z率いるロックネイションと契約したウォードは1年半ぶりの復帰戦をポール・スミスとノンタイトルマッチで行いウェイトオーバーしてきたスミスを全く問題とせずに一方的な展開にスミスのセコンドがタオルを投げ9ラウンドでTKO。
この勝利でかつてスーパー6決勝で戦ったWBA.IBF王者のフロッチとの指名戦が発令されるもウォードは決着のついているフロッチとの再戦よりもライトヘビー級への転級を決断することになります。
コバレフとの二連戦 、パウンドフォーパウンドへ
ウォードは転級初戦をIBF一位の強豪スリバン・バレラと行い3ラウンドにダウンを奪った末の3-0判定勝ちで飾ります。
そして2戦目にアレクサンドル・ブラントと対戦しシャットアウトの判定勝ちでWBA.WBO.IBF王者のセルゲイ・コバレフとの対戦に弾みをつけます。
そしてこの試合から3ヶ月後ラスベガスで遂にコバレフと対戦することになったウォード。
この試合はウォードのキャリアで最も苦戦した試合といっても過言ではなかったです。
2ラウンドにコバレフにダウンを奪われたウォードは 5ラウンドまで明らかにコバレフのパワーに押されてしまいました。
しかしコバレフの動きに慣れた 5ラウンド以降はコバレフの動き出しにジャブを合わせてそのままクリンチして接近戦に持ち込むいつもの流れでペースを奪い返します。
そして判定は三者が1ポイント差をつける3-0の僅差判定でウォード!!
ちなみに僕の採点も114-113でウォードだったんですけどかなり微妙でコバレフの価値を推す声が多く、議論を呼ぶ判定でしたね。
そして両者は約半年後前回の結果を受けてダイレクトリマッチに臨みます。
しかしこの試合ではウォードはコバレフの動きをすでに読みきっていました。
ポイントこそ一進一退なもののウォードのバッティングやちょっと低めのボディブローで露骨に嫌な顔をするコバレフは集中を欠き迎えた8ラウンドに右ストレートをまともに浴びてロープに後退。ウォードの低めのボディ3連打でロープに腰を下ろしかけたところで早めのストップ!!
ウォードがTKOでリマッチを制しました。
試合が不満タラタラのコバレフでしたがこれはまぁしゃあないかなと
レフェリーが反則と取らない限りは反則じゃないのでね…
そしてこの後ウォードはパウンドフォーパウンドに選ばれるものの34歳にしてなんと突然の引退表明!!
ライトヘビー級で戦う相手がもういないこと、ヘビー級に上げる意向があったもののトップ戦線との試合の実現が難しいことからですね。
現在は解説者として活躍しております。
ウォードさん鬼の僅差判定を拾う…アンドレ・ウォードvs.セルゲイ・コバレフ1
総括
オリンピックを制しプロの世界でも2階級に渡って最強を証明、パウンドフォーパウンドにまで選ばれたウォード。
彼は常に強豪との対戦においても自分のペースで戦うことを心がけどんな手を使ってでも自分のペースに相手を引きずり込んでいく強さがあるんですよね!
個人的に彼のキャリアでのベストな勝利はドーソン戦かなと。
この試合まで迫力に欠けるため試合がつまらないと言われ続けていたウォード。でもこの試合では明らかにKOを狙ってファンを喜ばせましたね。
惜しむらくはキャリアの停滞ですかね。
ケガは置いといてもプロモーターとの訴訟はかなり蛇足でこのせいで試合間隔が空きがちでしたよね…
試合には迫力が欠け常に変わりばえのないつまらない試合をするウォード。
玄人向けなのでボクシングを見ることに慣れてきたら一度見てみてください!
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