今日はデンマーク史上最も偉大な元WBC.WBA世界スーパーミドル級王者ミッケル・ケスラーを紹介します。
[:contents]ケスラーといえばウェールズの英雄ジョー・カルザゲとの激闘や、イギリスのカール・フロッチとの2度にわたる激闘が有名ですよね!
デンマークの英雄として戦った彼はそのキャリアの中で実に4度のスーパーミドル級王座獲得をしています。
これってもう凄まじいことですよね。
そんな彼のボクシングスタイルは荒々しいバイキングの異名とは違い非常に華麗。
綺麗なフォームで放つワンツー主体のボクシングを展開し強烈な威力を秘める右ストレート、右アッパーを主武器に相手を疲弊させてやがて打ち取る。そういう手堅い試合運びをするんですよね。
ディフェンスもかなりしっかりしていて自分のペースに相手を引きづりこんで相手に何もさせずに勝つことが多い選手です。
ちなみに彼はものすごくイケメンで母国デンマークではモデルとしても活動してるんですね!ボクシングだけでなく色々な要素で人を惹きつける魅力のある男です。
Contents
来歴
ケスラーは1979年生まれの現在39歳。
デンマークのコペンハーゲンの出身ですね。
アマチュアの記録は不明ですが恐らく丁寧なスタイルからしてアマチュアの経験者だと思われます。
1998年19歳でデビューした彼は白星を積み重ね2002年には元WBCスーパーミドル級王者のディンガン・トベラを一方的な判定で破っています。ちなみにトベラってライト級王座を獲得してからスーパーミドル級でも王座獲得してるんすよね…めちゃ興味あるな
その後も元ミドル級王者のフリオ・セサール・グリーンをKOするなど快進撃を続けたケスラーは2004年にWBA世界スーパーミドル級王者のマニー・シアカを一方的な展開で7ラウンド終了TKO勝ちを収め26歳にして無敗のまま世界王者に輝きます!
そして迎えた初防衛戦は敵地オーストラリアでシアカに王座を奪われた元王者アンソニー・ムンディンと対戦します。
後にスーパーウェルター級も制するムンディンを終始コントロールし大差の判定勝ちを収めました。
その後も元王者エリック・ルーカスをKO、WBC王者マーカス・ベイヤーを3ラウンドで下して王座統一、後にルシアン・ブーテをストップ寸前まで追い込むリブラド・アンドラーデをシャットアウトの判定勝ちなど圧倒的な強さでスーパーミドル級のシーンを牽引します。
そして2007年遂に念願のビッグマッチが決定します。20度のWBO王座の防衛を誇りIBF王座も統一したジョー・カルザゲとの王座統一戦ですね。
IBF王座は返上していたカルザゲでしたがここまで無敗同士、実質的な4団体の統一戦、階級最強の称号をかけた戦いとなりました。
この試合はカルザゲの地元ウェールズで行われケスラーにとってはアウェイですよね!
この試合はヨーロッパを中心にとても注目される一戦となります。
そしてこの試合はまぎれもない死闘となります。
両者初回から手を出し続け何度もお互いにクリーンヒットを重ねるんですよね!
ケスラーは得意なワンツーや随所に右アッパーを決めたりしてカルザゲの動きを一瞬止めらなどのシーンもありました。
だけどカルザゲは強かった。
カルザゲのえげつないスピードと連打の嵐を受け続けてケスラーは徐々にカルザゲのハイペースボクシングに遅れを取り始めます。
そして結果は3-0の判定負け。
ケスラーにとって初黒星ですね。
しかし、世界的な評価を持ちパウンドフォーパウンドとも目されたカルザゲと激闘をしたことでケスラーの評価は逆に上がるんですよね!
王座返り咲きとスーパー6
ケスラーは復帰初戦でカルザゲが返上したWBA王座決定戦に出場し、強豪ディミトリー・サーティソンを12ラウンドKO!一方的な試合で健在を示し再び主役として戻って来ます。
その後2度の防衛をあっさりこなしたケスラー。彼に大きなチャンスが舞い込みます。
スーパー6への参戦ですね
このトーナメントはケスラーの他にWBC王者のカール・フロッチ、元ミドル級王者アルツール・アブラハム、元ミドル級4団体王者のジャーメイン・テイラー、アテネオリンピック金メダリストのアンドレ・ウォード、アテネオリンピック銅メダリストのアンドレ・ディレルとこの後も活躍しまくるイカした選手の総当り戦ですね!!
実績で上回るケスラーは当然優勝候補として初戦アメリカの地に初登場。
相手は神の子アンドレ・ウォード。
ケスラー有利の予想が多かったこの一戦ですがケスラーはウォードの接近戦の動きについていけず目をカットしてのまさかの負傷判定負けで王座陥落…ウォードの伝説の始まりですね。
まさかの番狂わせで王座陥落してしまったケスラーですがこの後のウォードのキャリア見たらまぁ仕方ないですよね…
そして迎えた第2戦ケスラーはWBC王者のカール・フロッチと地元コペンハーゲンにて対戦し
いきなり王座復帰のチャンスを得ます。
そしてこの試合はまぁ激闘でした。
お互いの強打を交換し合う12ラウンドが続き噛み合う試合をする2人。
敵地でも力を発揮してくるフロッチのしつこさ、独特の間合いに苦戦するケスラーですが要所で綺麗な右ストレートを決め3-0の判定勝ち。またもや王座に返り咲き。
しかしこの後ケスラーを待っていたのは眼疾でした。
ウォード戦で負った傷が悪化したケスラーはトーナメントを離脱。1年間リングを遠ざかります。
そしてその間にウォードがフロッチを下してスーパー6優勝。ケスラーは雌伏の時を過ごします。
ケスラーさん要所を締めてフロッチ撃退…ミッケル・ケスラーvs.カール・フロッチ1
華麗なる王座返り咲きと引退
約一年後再起に成功したケスラーでしたが復帰2戦目で強豪相手に苦戦します。
スーパー6にも代役で出場したアラン・グリーンですね。
この試合はデンマークで行われたのですがケスラーが初回グリーンのフックをまともにもらいまさかのダウン!!
しかもめちゃくちゃ効いています。なんとか初回を逃げ切るケスラー。誰もが心配しました。
でもさすがのケスラーは2ラウンドから落ち着いて距離を取り試合を作り直します。
そして迎えた4ラウンド強烈な左フックのカウンターをお返ししグリーンが失神しダウン!!
かなりダメージが心配になるKO劇でしたね。
そしてケスラーは4度目の王座返り咲きを目指してWBA王者ブライアン・マギーに挑みます。
マギーはかなりの苦労人でかつてフロッチに壮絶な逆転KO負けで酸素マスクをつけるハメに…。
その後もカナダでルシアン・ブーテに挑戦して善戦するもボディに左アッパーをしこたま浴びてTKO負け…
しかしへこたれないマギーは敵地コスタリカで暫定王座を手にして正規王座に昇格。
ケスラー戦の前に敵地デンマークで左ボディー一発でKO防衛を果たすなどアウェイでも強さを発揮できる好選手です。
そして迎えた試合。
ケスラーの圧勝でしたな
2ラウンドから中間距離からの右ボディをマギーのみぞおちに決めまくり3度のダウンを奪った末に3ラウンドTKO勝ち。
多分マギーは痛みでダウンしたんじゃないかな?ともあれあまりに華麗な王座返り咲きを果たしたケスラーはビッグマッチに臨みます。
ケスラーが華麗に4度目の返り咲き ミッケル・ケスラーvs.ブライアン・マギー
かつてスーパー6で激闘の末下したIBF王者のカール・フロッチとの敵地での再戦ですね。
ちなみになんですがこの2人初対戦の後仲良くなったそうで電話とかしてたらしいんですよね。で、なぜ今回ケスラーが敵地に行くかというと前回はフロッチがデンマークに来たから次は俺の番だというんですよね。
いやぁかっこいい
男同士の決戦となったこの一戦は初戦を上回る大激戦となりお互いの強打が炸裂し合います。
何度も強打を当てるケスラー。しかし徐々に大歓声に押されるフロッチの勢いを止めきれなくなり押されます。
12ラウンドには強烈な右をお見舞いしますがフロッチの強打を数発くらい後退するピンチを迎えてゴング!
結果は3-0の判定負け。王座陥落となりました。
その後2年の月日の間ケスラーはウォードやフロッチとの再戦を目指しましたがウォードは階級を上げフロッチはグローブスとの連戦後引退。ケスラーも引退を決意します。
やっぱイギリス熱いわ…クリス・ユーバンク・ジュニアvs.ジェームス・デゲール 試合後のコメントもあり!
総括
歴史に残る計4度のスーパーミドル級王座を獲得したケスラー。現役期間中は常に階級の第一人者として時代を彩りましたね!
ケスラーのキャリアで最も残念だったのはスーパー6をケガによって途中で離脱してしまったこと。
これがなければどこまでいったのか?きっとさらなるグレートな勝利を収めていたと思うんですよね。
カルザゲやフロッチ、ウォードと歴史に残るファイターたちには黒星を喫しましたがキャリアの敗戦はこの3つの世界戦だけ。
これってものすごいことですよね。常に世界の第1戦で戦ってきた証です。
本場アメリカでのビッグファイトはウォードに敗れてしまいましたが、常にヨーロッパのシーンを盛り上げてきたケスラー。
歴史に残る名チャンプであることに異論はないでしょう。
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