現代を代表する軽量級ボクサーの1人でここまでのキャリアでWBCフェザー級王座を獲得し、アマチュアでもオリンピックに出場したゲーリー・ラッセル・ジュニア。驚異的なハンドスピードと切れ味鋭い左ストレート、右フックを駆使するスピードスターとして階級最強と言われています。
オリンピックでもメダル確実とされていた彼は体調を崩して棄権してしまいましたがプロに入ってからも世界王座を獲得してフェザー級のトップとして高い評価を受け続けています!
現在もWBC王座を保持するラッセルは2階級制覇王者のジョニー・ゴンサレスをハチの巣にして王座戴冠。防衛戦ではWBC暫定王座を保持していたオスカー・エスカンドン、トッププロスペクトのジョセフ・ディアスをことごとく下しており3度の防衛に成功しています。
さらに次の試合はニューヨークのバークレイズ・センターにて5月18日にWBCヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダーVS指名挑戦者のドミニク・ブラジールの前座で元IBFスーパーバンタム級王者のキコ・マルティネス相手に4度目の防衛戦を行い見事に勝利しています!
最近は4階級制覇王者で元IBFバンタム級、WBCスーパーバンタム級、WBAフェザー級、スーパーフェザー級スーパー王者のレオ・サンタクルスが常にラッセルとの統一戦を希望しており対戦の機運が高まりつつあります。
ラッセルの異名はその速さで相手を打ち抜き傷一つない顔で試合を終える綺麗なボクシングをすることから”Mr."!!スキルとスピードを併せ持つ端正で美しいボクシングをする彼の試合をより楽しむために戦歴をまとめてみました!!
ウクライナの最高傑作にして超精密なハイテク!!ワシル・ロマチェンコ!
Contents[show]
目次
ラッセルの戦歴
ラッセルのプロフィール
ゲーリー・ラッセル・ジュニアは1988年生まれの30歳。アメリカのワシントン州生まれで現在はメリーランド州のキャピトルヘイツにお住まいで奥様との間に6人の子供を持つ父親でもあります。父親としてはかなり子育てに真剣なようでお子様の幼稚園の先生と教育について打ち合わせをするなどしているようですな。
アマチュアの頃から才能を発揮してきていたラッセルは父の手ほどきを受けて7歳でボクシングを始めて弟のアレンもボクシングをしています。2004年にはジュニアオリンピックで優勝を果たし、2005年の全米選手権ではバンタム級で優勝、ゴールデングローブでも優勝とその才能を発揮します。
さらに2005年に中国で行われた世界選手権で銅メダルを獲得して2006年にレオ・サンタクルスを決勝で破って優勝。北京オリンピックへの出場権を獲得しますが試合前に急激な減量の影響で意識を失ってしまい棄権。プロへと転向します。
マルティネスさんやはり打たれて強くはなかった…レオ・サンタクルスvs.キコ・マルティネス
これまでの実績
ラッセルはオリンピック後に2009年に20歳でプロデビュー。4回戦でデビューして3ラウンドKO勝ち。2か月に1度のペースで試合を重ねて勝利を積み重ねて経験を積んでいきます。
2010年からは6回戦を戦い、ここからはKOの山を築き上げます。2011年には元コンテンダーのフェイデル・ビロリアを負傷判定で破って8回戦デビュー。経験豊富な相手に白星を重ねます。
2011年には10回戦を戦い始めてコンテンダーのビチャスレフ・グーセフに判定勝ち。この頃から世界への声が聞こえています。
バルデス復活!!オスカー・バルデスvs.カーマイン・トマソン
ロマチェンコ戦と再起
無敗のままランキングを上げてきたラッセルは2014年にカリフォルニア州のカーソンにあるスタブハブ・センターで初の世界戦。アマチュアで2度のオリンピック金メダリストに輝いたワシル・ロマチェンコと空位のWBOフェザー級王座を争います。
ロマチェンコはこの前戦でプロ2戦目での王座獲得を目指してオルランド・サリドに挑んだもののウェイトオーバーを意図的にしてきたサリドのローブローやバッティングを駆使したラフなアタックに大苦戦。僅差判定負けを喫してラッセルとの王座決定戦となりましたな。
この試合はスピードスター同士のすごく目まぐるしい試合となりラッセルもカウンターとサウスポースタンスからの高速のワンツーを駆使してロマチェンコの接近を阻んでいきますが徐々にロマチェンコのボディ攻撃にダメージを負い僅差判定負け。敗れたもののロマチェンコを大いに苦戦させたことで実力を証明しましたな!!
ロマチェンコに敗れたラッセルは半年後にコンテンダーのクリストファー・マーティンに大差判定勝ち。再起戦をクリアして次なる世界戦へと駒を進めます。
ロマチェンコさん3戦目で王座獲得…ワシル・ロマチェンコVSゲイリー・ラッセル・ジュニア
WBC王座獲得と間隔の長い防衛ロード
ラッセルは2015年に世界再挑戦。世界2階級制覇王者のジョニー・ゴンサレスの持つWBC世界フェザー級王座に挑戦します。ゴンサレスは強打者として知られており元WBOバンタム級王者。イスラエル・バスケスとの大激闘やフェルナンド・モンティエル。日本で長谷川穂積に勝利を収めておりリーチの長い強打者として3度世界王座を獲得してきました。ちなみにこの王座は当時無敗のアブネル・マレスを衝撃の左フックで初回KOで下して獲得したベルトです。
西岡利晃に左ストレート一発でKOされた試合やジェリー・ペニャロサに左ボディ一発でKOされたりダニエル・ポンセ・デレオンに攻め込まれて弱気になるなど打たれて強くはないものの世界のトップとして活躍してきましたね!!
しかしこの試合はラッセルの強さのみが際立つ試合となります。ゴンサレスはプロモーターとの訴訟や不倫していてその裁判などであまりトレーニングができなかったらしくラッセルのスピードについていけないまま3ラウンド、4ラウンドにダウンを奪われてTKO!!ラッセルが圧倒的な強さで王座を獲得しました!!
しかしこの後ラッセルはめっきりと試合数が減り、1年に一回の試合ペースを保ちます。初防衛戦は1年後のパトリック・ヘイランド戦で、ヘイランドはかつてWBA王者だったハビエル・フォルトゥナに挑戦して判定負けしているコンテンダーですな。
ラッセルはこの試合でヘイランドに格の違いを見せつけます。初回からスピードで勝ると迎えた2ラウンドにカウンターで3度のダウンを奪うと一気にストップ!!この男にブランクの影響はないことを示します。
さらに2度目の防衛戦はまたまた1年後。元WBAスーパーバンタム級暫定王者で地震の不在の間にWBCフェザー級暫定王者になっていたコロンビアの強打者のオスカー・エスカンドンと王座統一戦を行います。
エスカンドンはパナマのネオマール・セルメニョや長身のモイセス・フローレス、と対戦して僅差判定の末破れている強打者。コンテンダーのロビンソン・カステリャノスを7ラウンドKOで下して暫定王座を獲得していました。
そしてこの試合はラッセルがエスカンドンを寄せ付けずに快勝。スピードとタイミングのいいカウンターで圧倒して3ラウンドにダウンを奪って7ラウンドにダメージを蓄積させてストップ!!非の打ちどころのない内容で勝利しています。
しかしまたまた1年試合をしなかったラッセルさん指名挑戦者で無敗のトッププロスペクトと言われる強打者のジョセフ・ディアスと対戦します。ディアスはデラホーヤが期待する若手ですね!!
ラッセルはこの試合ディアスの若さと勢いの前に苦戦します。全体的にはラッセルが足を使ってディアスをコントロールして判定勝ちを飾りましたがディアスもロープに詰めて強烈な左ボディを出してラッセルを効かせるなど大いに爪痕を残した試合となりました!!
そして2018年もディアス戦のみでクローズしたラッセルさんは2019年5月にまたまた1年振りに始動。元IBFスーパーバンタム級王者のキコ・マルティネスとの防衛戦が5月18日にニューヨークで決まっています。
マルティネスは日本で長谷川穂積をKOしておりカール・フランプトンやレオ・サンタクルスに敗れているものの世界中で試合をしてきたスペインのブルファイター。ライバルのサンタクルスと対戦したこともあるのでラッセルにとっては勝ち方が問われる試合となりますね!!
そしてこの試合ではラッセルがスピードでマルティネスを圧倒!マルティネスの動き出しにことごとくカウンターを集めるラッセルはマルティネスの左目尻をカットさせて流血させ5ラウンドにドクターストップ!傷一つない顔で試合を終えましたね!
ラッセルさん怪我してるのかな…?ゲーリー・ラッセル・ジュニアvs.キコ・マルティネス
そして次戦でラッセルは指名挑戦者で難敵のタグストグト・ニャンバヤールとの試合をフィラデルフィアで行います。ニャンバヤールはモンゴル人でオリンピアン銀メダリスト。元WBA暫定チャンピオンのクラウディオ・マレーロ、元2階級制覇チャンピオンのオスカー・エスカンドンを下しているコンテンダーです。
そして試合は白熱の展開となります。ラッセルは開始からジャブをついてアグレッシブにスタート。ニャンバヤールはスピードについていけずプレッシャーをかける展開となります。しかし後半にはラッセルが自ら間合いを詰めるなどすべての局面でリードして判定勝ち。盤石の強さでニャンバヤールに初黒星を与えました!!
全ての間合いで圧倒するミスター…ゲーリー・ラッセル・ジュニアvs.タグストグト・ニャンバヤール
今後期待される試合
ラッセルに今後期待される試合は他団体の王者たちとの王座統一戦、並びに王者クラスのつわもの達との対戦です。
フェザー級には現在IBFにカール・フランプトンを破ったジョシュ・ワーリントン、WBA王者で階級の第一人者のレオ・サンタクルス、WBOにはオリンピック銀メダリストのシャクール・スティーブンソンがいます。
スティーブンソン、ワーリントンはトップランクの所属のため対戦の実現は難しいです。しかしサンタクルスとはラッセルとの試合を望む発言をかねてからしておりラッセルも遂にビッグマッチを迎えることになるかもしれませんね!
他にも元WBOスーパーバンタム級王者のジェシー・マグダレノ、階級UPが噂されるWBCスーパーバンタム級王者のレイ・バルガス、オリンピック経験者のマイケル・コンランもおりますのでフェザー級戦線はかなり充実しています。
年に一回しか試合をしないためおそらく怪我を抱えていると思われるラッセルですがレオ・サンタクルスの指名挑戦者に位置付けられたこともあるのでこの二人の試合はぜひとも実現してほしいですね!!
今年はメインイベントをして欲しいぜ…ゲーリー・ラッセル・ジュニアvs.タグストグト・ニャンバヤール予想
ラッセルのファイトスタイル
ラッセルのスタイルはめっちゃ綺麗。とにかくスピードのあるワンツーを軸としておるのですが、基本的には町のボクシングを得意としており相手が踏み込んできたところをタイミング抜群の左ショートで撃ち落とす綺麗なボクシングを得意としています。
離れると早い脚から間合いを取って射程距離に相手が入るとワンツーを出してすぐに離れるアウトボクシングもできるのでボクシングの幅はとても広いですね!!しかもサウスポーなのでかなり捉えにくいです!!
ベストバウトはゴンサレス戦と思われておりゴンサレスの強打をものともせずにカウンターでダウンを奪い、高速のコンビネーションで一気にストップまで持ち込む勝負勘にも優れた名選手ですね!!
コンランさん迫力がないよ…マイケル・コンランvs.ディエゴ・ルイス試合後のコメントもあり!
まとめとラッセルの今後
いかがでしたでしょうか?めちゃくちゃ速いハンドスピードとタイミングのいいカウンター、手堅くポイントアウトするスキルを用いて軽量級のスターとしてフェザー級にトップに君臨するゲーリー・ラッセル・ジュニア。彼の試合は多くのボクシングファンの注目を集めておりフェザー級は日本人も多い階級ですので人気もありますよね!
今後も元王者のフランプトンとIBF王者のジョシュ・ワーリントン、元WBO王者のジェシー・マグダレノやアイザック・ドグボエなどの参戦が予想されておりフェザー級はスタックすると思われます!
常に一撃必殺のカウンターでのKOを狙うラッセルの試合は常に緊迫感があります。幅広いボクシングスキルを持つの試合彼には並みのコンテンダーでは歯が立たず、今後はビッグマッチに進むと目されますな。
ちなみにそんなラッセルの試合をテレビで見るにはWOWOWのエキサイトマッチが最適です。過去の試合もリピート放送でされていますし、以下のリンクからWOWOWを是非試してみてはいかがでしょうか?
レオ・サンタクルスの試合をテレビで見る方法は?これまでの経歴も紹介!